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公開番号2025103754
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-09
出願番号2023221367
出願日2023-12-27
発明の名称樹脂組成物
出願人株式会社レゾナック
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C08F 290/06 20060101AFI20250702BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】室温下で、時間の経過とともに適度な速度で増粘し、増粘後に粘着性を有する樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ビニルエステル樹脂(A)と、エチレン性不飽和基含有樹脂(B)と、エチレン性不飽和基含有モノマー(C)と、第2族元素の酸化物及び第2族元素の水酸化物から選ばれる少なくとも1種である化合物(D)と、水及びヒドロキシ基含有化合物から選ばれる少なくとも1種である化合物(E)とを含有する樹脂組成物であって、前記ビニルエステル樹脂(A)は、重量平均分子量Mwが6,000以上、かつ、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが2.0以上であり、前記エチレン性不飽和基含有樹脂(B)は、カルボキシ基を有し、かつ、重量平均分子量Mwが6,000未満であるビニルエステル樹脂(B1)、及びカルボキシ基を有し、かつ、重量平均分子量Mwが6,000未満である不飽和ポリエステル樹脂(B2)から選ばれる少なくとも1種である、樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ビニルエステル樹脂(A)と、
エチレン性不飽和基含有樹脂(B)と、
エチレン性不飽和基含有モノマー(C)と、
第2族元素の酸化物及び第2族元素の水酸化物から選ばれる少なくとも1種である化合物(D)と、
水及びヒドロキシ基含有化合物から選ばれる少なくとも1種である化合物(E)とを含有する樹脂組成物であって、
前記ビニルエステル樹脂(A)は、重量平均分子量Mwが6,000以上、かつ、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが2.0以上であり、
前記エチレン性不飽和基含有樹脂(B)は、カルボキシ基を有し、かつ、重量平均分子量Mwが6,000未満であるビニルエステル樹脂(B1)、及びカルボキシ基を有し、かつ、重量平均分子量Mwが6,000未満である不飽和ポリエステル樹脂(B2)から選ばれる少なくとも1種である、樹脂組成物。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記ビニルエステル樹脂(A)及び前記エチレン性不飽和基含有樹脂(B)の合計100質量%に対して、前記ビニルエステル樹脂(A)を50~70質量%、前記エチレン性不飽和基含有樹脂(B)を30~50質量%含有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記ビニルエステル樹脂(A)の重量平均分子量Mwが、35,000以下である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記ビニルエステル樹脂(A)の重量平均分子量Mwが、15,000以下である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記ビニルエステル樹脂(B1)の重量平均分子量Mwが、2,000以上である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記ビニルエステル樹脂(B1)の重量平均分子量Mwが、3,000~5,000である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記不飽和ポリエステル樹脂(B2)の重量平均分子量Mwが、1,000~10,000である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記ビニルエステル樹脂(A)が、1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a-1)、不飽和一塩基酸(a-2)及び多塩基酸無水物(a-3)の反応生成物である樹脂前駆体(P1)と、多塩基酸無水物(a-4)との付加反応生成物であるビニルエステル樹脂(A1)であり、
前記エポキシ化合物(a-1)のエポキシ基の総量100モルに対して、前記多塩基酸無水物(a-3)由来のエポキシ基と反応し得る酸基の総量が5~25モルである、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記ビニルエステル樹脂(B1)が、樹脂前駆体(Q2)と、不飽和多塩基酸(b1-4)との反応生成物であって、前記樹脂前駆体(Q2)は、1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(b1-1)及びビスフェノール化合物(b1-2)の反応生成物である樹脂前駆体(Q1)と、不飽和一塩基酸(b1-3)との反応生成物であるビニルエステル樹脂(B1-1)である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
前記不飽和ポリエステル樹脂(B2)が、ジオール(b2-1)及び多塩基酸(b2-2)の反応生成物であり、
前記多塩基酸(b2-2)は、エチレン性不飽和基含有多塩基酸(b2-2-1)及びエチレン性不飽和基非含有多塩基酸(b2-2-2)を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、上水管、下水管や電力管等、地中に埋設された既設管の老朽化が深刻化しており、これらを補修するための種々の方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、地中に埋設された既設管の内壁面に管状のライニング材を密着させ、前記ライニング材の内部に圧縮空気を供給しつつ、前記ライニング材の内部に導入された移動式の光照射装置により、前記ライニング材の内面に光を照射して前記ライニング材を硬化させる硬化工程を含む既設管の補修方法が開示されている。また、ライニング材の材料として、繊維等からなる含浸基材に光硬化性樹脂組成物を含浸したものを使用できることや、前記光硬化性樹脂組成物として、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂等の重合性樹脂をスチレン等の溶媒に溶かしたものを使用できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-82408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
管更生用のシームレスタイプのライニング材は、酸化マグネシウム等を含む樹脂組成物を、ガラス繊維等からなる基材に含浸させ、樹脂組成物が基材中で均一に分布して保持された状態を維持できる程度まで増粘させた後、その基材を螺旋状に巻き取ることで、筒状のライニング材として製造される。筒状に製管したライニング材は、高所から垂直方向に降ろし、つづら折りにして保管される。この際、樹脂組成物を含浸した基材が重なる部分の粘着性が不足していると、筒形状を保持することできず、管更生用途として用いることができない。
従来のライニング材に用いられるビニルエステル樹脂を含む樹脂組成物は、酸化マグネシウムを含むことで増粘はするものの、増粘した樹脂組成物は粘着性を有しないため、シームレスタイプのライニング材には適用できないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような状況の下でなされたものであり、室温下で、時間の経過とともに適度な速度で増粘し、増粘後に粘着性を有する樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は、以下の手段を提供するものである。
[1] ビニルエステル樹脂(A)と、エチレン性不飽和基含有樹脂(B)と、エチレン性不飽和基含有モノマー(C)と、第2族元素の酸化物及び第2族元素の水酸化物から選ばれる少なくとも1種である化合物(D)と、水及びヒドロキシ基含有化合物から選ばれる少なくとも1種である化合物(E)とを含有する樹脂組成物であって、前記ビニルエステル樹脂(A)は、重量平均分子量Mwが6,000以上、かつ、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが2.0以上であり、前記エチレン性不飽和基含有樹脂(B)は、カルボキシ基を有し、かつ、重量平均分子量Mwが6,000未満であるビニルエステル樹脂(B1)、及びカルボキシ基を有し、かつ、重量平均分子量Mwが6,000未満である不飽和ポリエステル樹脂(B2)から選ばれる少なくとも1種である、樹脂組成物。
[2] 前記ビニルエステル樹脂(A)及び前記エチレン性不飽和基含有樹脂(B)の合計100質量%に対して、前記ビニルエステル樹脂(A)を50~70質量%、前記エチレン性不飽和基含有樹脂(B)を30~50質量%含有する、上記[1]に記載の樹脂組成物。
[3] 前記ビニルエステル樹脂(A)の重量平均分子量Mwが、35,000以下である、上記[1]又は2に記載の樹脂組成物。
[4] 前記ビニルエステル樹脂(A)の重量平均分子量Mwが、15,000以下である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5] 前記ビニルエステル樹脂(B1)の重量平均分子量Mwが、2,000以上である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6] 前記ビニルエステル樹脂(B1)の重量平均分子量Mwが、3,000~5,000である、上記[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7] 前記不飽和ポリエステル樹脂(B2)の重量平均分子量Mwが、1,000~10,000である、上記[1]~[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8] 前記ビニルエステル樹脂(A)が、1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a-1)、不飽和一塩基酸(a-2)及び多塩基酸無水物(a-3)の反応生成物である樹脂前駆体(P1)と、多塩基酸無水物(a-4)との付加反応生成物であるビニルエステル樹脂(A1)であり、前記エポキシ化合物(a-1)のエポキシ基の総量100モルに対して、前記多塩基酸無水物(a-3)由来のエポキシ基と反応し得る酸基の総量が5~25モルである、上記[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9] 前記ビニルエステル樹脂(B1)が、樹脂前駆体(Q2)と、不飽和多塩基酸(b1-4)との反応生成物であって、前記樹脂前駆体(Q2)は、1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(b1-1)及びビスフェノール化合物(b1-2)の反応生成物である樹脂前駆体(Q1)と、不飽和一塩基酸(b1-3)との反応生成物であるビニルエステル樹脂(B1-1)である、上記[1]~[8]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[10] 前記不飽和ポリエステル樹脂(B2)が、ジオール(b2-1)及び多塩基酸(b2-2)の反応生成物であり、前記多塩基酸(b2-2)は、エチレン性不飽和基含有多塩基酸(b2-2-1)及びエチレン性不飽和基非含有多塩基酸(b2-2-2)を含む、上記[1]~[9]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[11] 前記ビニルエステル樹脂(A)は、前記Mw/Mnが3.0以上であり、かつ酸価が20KOHmg/g以上である、上記[1]~[10]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[12] 前記エチレン性不飽和基含有樹脂(B)は、酸価が20KOHmg/g以上である、上記[1]~[11]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[13] 前記エチレン性不飽和基含有樹脂(B)は、前記ビニルエステル樹脂(B1)のみである、上記[1]~[12]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[14] 前記エチレン性不飽和基含有樹脂(B)は、前記ビニルエステル樹脂(B1)と、前記不飽和ポリエステル樹脂(B2)とを含む、上記[1]~[12]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[15] 前記ビニルエステル樹脂(B1)と、前記不飽和ポリエステル樹脂(B2)の質量比(前記ビニルエステル樹脂(B1)/前記不飽和ポリエステル樹脂(B2))が、40/60~80/20である、上記[14]に記載の樹脂組成物。
[16] 前記化合物(D)が、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、及び水酸化カルシウムから選ばれる少なくとも1種である、上記[1]~[15]のいずれかに記載の樹脂組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、室温下で、時間の経過とともに適度な速度で増粘し、増粘後に粘着性を有する樹脂組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
ボールタック試験の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書における用語及び表記の定義及び意義を以下に示す。
好ましい数値範囲は、好ましい下限値及び上限値のそれぞれを任意に組み合わせることができる。
(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及びメタクリル酸の総称である。同様に、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの総称であり、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル及びメタクリロイルの総称である。
重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定で求められる標準ポリスチレン換算分子量である。具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定される。分子量分布は、Mw/Mnの算出値である。
ビニルエステル樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂の酸価は、JIS K6901:2008に準拠した方法で測定される、ビニルエステル樹脂又は不飽和ポリエステル樹脂1gを中和するのに必要な水酸化カリウム(KOH)量[mg]である。具体的には、後述する実施例に記載の方法で測定される。
ビニルエステル樹脂の水酸基価は、JIS K6901:2008に準拠した方法で測定される、ビニルエステル樹脂1gのアセチル化で発生する酢酸を中和するのに必要な水酸化カリウム(KOH)量[mg]である。具体的には、後述する実施例に記載の方法で測定される。
樹脂組成物の粘度は、B型粘度計を用いて、温度25℃で測定した値である。具体的には、後述する実施例に記載の方法で測定される。
【0010】
[樹脂組成物]
本発明の実施形態(以下、本実施形態とも言う。)に係る樹脂組成物は、ビニルエステル樹脂(A)と、エチレン性不飽和基含有樹脂(B)と、エチレン性不飽和基含有モノマー(C)と、第2族元素の酸化物及び第2族元素の水酸化物から選ばれる少なくとも1種である化合物(D)と、水及びヒドロキシ基含有化合物から選ばれる少なくとも1種である化合物(E)とを含有する樹脂組成物であって、前記ビニルエステル樹脂(A)は、重量平均分子量Mwが6,000以上、かつ、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが2.0以上であり、前記エチレン性不飽和基含有樹脂(B)は、カルボキシル基を有し、かつ、重量平均分子量Mwが6,000未満であるビニルエステル樹脂(B1)、及びカルボキシル基を有し、かつ、重量平均分子量Mwが6,000未満である不飽和ポリエステル樹脂(B2)から選ばれる少なくとも1種である。
樹脂組成物が、所定の重量平均分子量を有するビニルエステル樹脂(A)と、カルボキシル基を有し、所定の重量平均分子量を有するエチレン性不飽和基含有樹脂(B)をともに含有することで、室温下で、時間の経過とともに適度な速度で増粘し、増粘後に粘着性を有するものとなる。その理由は定かではないが、以下のように考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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