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公開番号2025101056
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-07
出願番号2023217617
出願日2023-12-25
発明の名称アスファルト改質材の製造方法
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類C08G 63/00 20060101AFI20250630BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】耐久性に優れる舗装面が形成されるアスファルト混合物を得るためのアスファルト改質材の製造方法、該製造方法により得られるアスファルト改質材及び該アスファルト改質材を含有するアスファルト混合物、並びに舗装方法に関する。
【解決手段】無機化合物がポリエステル樹脂中に分散させる工程を有する、アスファルト改質材の製造方法であって、前記無機化合物を前記ポリエステル樹脂に分散させる工程が、前記無機化合物の存在下、前記ポリエステルを構成するアルコール成分及びカルボン酸成分を重縮合する工程である、アスファルト改質材の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
無機化合物をポリエステル樹脂に分散させる工程を有する、アスファルト改質材の製造方法であって、
前記無機化合物を前記ポリエステル樹脂に分散させる工程が、前記無機化合物の存在下、前記ポリエステルを構成するアルコール成分及びカルボン酸成分を重縮合する工程である、アスファルト改質材の製造方法。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記ポリエステル樹脂に対する前記無機化合物の質量比(無機化合物/ポリエステル樹脂)が0.003以上0.12以下である、請求項1に記載のアスファルト改質材の製造方法。
【請求項3】
前記無機化合物の比重が3.5以上である、請求項1又は2に記載のアスファルト改質材の製造方法。
【請求項4】
前記無機化合物が、バリウムの塩及び酸化物、並びにチタンの塩及び酸化物から選ばれる1種以上を含む、請求項1~3のいずれかに記載のアスファルト改質材の製造方法。
【請求項5】
無機化合物がポリエステル樹脂中に分散したアスファルト改質材。
【請求項6】
アスファルトと、骨材と、請求項5に記載のアスファルト改質材とを含有する、アスファルト混合物。
【請求項7】
前記アスファルト100質量部に対して、前記アスファルト改質材を1質量部以上40質量部以下含有する、請求項6に記載のアスファルト混合物。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のアスファルト混合物を舗装対象に施工する工程と、アスファルト舗装材層を形成する工程とを有する舗装方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アスファルト改質材の製造方法及びその製造方法により得られるアスファルト改質材、アスファルト混合物、並びに舗装方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
自動車道や駐車場、貨物ヤード、歩道等の舗装には、敷設が比較的容易であり、舗装作業開始から交通開始までの時間が短くてすむことから、アスファルト混合物を用いるアスファルト舗装が行われている。このアスファルト舗装は、骨材をアスファルトで結合したアスファルト混合物によって路面が形成されているので、舗装道路は良好な硬度や耐久性を有している。
しかしながら、アスファルト舗装面は、長期使用によって劣化し、舗装の補修を行う必要が生じる。舗装の補修を行うことにより、維持費用が増大するとともに、自動車の交通に大きな影響を与える結果となっていた。
【0003】
特許文献1には、優れた耐久性及び耐たわみ性を有する舗装面が形成できるアスファルト組成物として、アスファルト、ポリエステル樹脂、及び強酸由来アニオンとアルカリ土類金属カチオンから構成される塩の粉体を含有するアスファルト組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2023-80050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のアスファルト組成物は、ポリエステル樹脂及び強酸由来アニオンとアルカリ土類金属カチオンから構成される塩の粉体によりアスファルトを改質することで、優れた強度を有し、優れた耐久性を有するアスファルト舗装を得ることができる。しかし、耐久性、特に耐わだち掘れ性がより一層優れる舗装面が得られるアスファルト混合物が求められている。
本発明は、耐久性に優れる舗装面が形成されるアスファルト混合物を得るためのアスファルト改質材の製造方法、該製造方法により得られるアスファルト改質材及び該アスファルト改質材を含有するアスファルト混合物、並びに舗装方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の〔1〕~〔4〕に関する。
〔1〕無機化合物をポリエステル樹脂に分散させる工程を有する、アスファルト改質材の製造方法であって、前記無機化合物を前記ポリエステル樹脂に分散させる工程が、前記無機化合物の存在下、前記ポリエステルを構成するアルコール成分及びカルボン酸成分を重縮合する工程である、アスファルト改質材の製造方法。
〔2〕無機化合物がポリエステル樹脂中に分散したアスファルト改質材。
〔3〕アスファルトと、骨材と、〔2〕に記載のアスファルト改質材とを含有する、アスファルト混合物。
〔4〕〔3〕に記載のアスファルト混合物を舗装対象に施工する工程と、アスファルト舗装材層を形成する工程とを有する舗装方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、耐久性に優れる舗装面が形成されるアスファルト混合物を得るためのアスファルト改質材の製造方法、該製造方法により得られるアスファルト改質材及び該アスファルト改質材を含有するアスファルト混合物、並びに舗装方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[アスファルト改質材の製造方法]
本発明のアスファルト改質材の製造方法は、無機化合物の存在下、ポリエステルを構成するアルコール成分及びカルボン酸成分を重縮合する工程を有する。
【0009】
本発明者らは、本発明のアスファルト改質材で改質されたアスファルトを含むアスファルト混合物により、耐久性に優れる舗装面が形成されることを見出した。
本発明の効果が得られる詳細な機構は不明であるが、一部は以下のように考えられる。
ポリエステル樹脂をアスファルトの改質材として用いる場合、親水性のポリエステル樹脂と疎水性のアスファルトの混合性が低く、アスファルト組成物を調製した際にポリエステル樹脂の分散性が劣りポリエステル樹脂の添加による効果が十分に発揮されない場合があるという問題があった。また、ポリエステル樹脂の比重に比べ、骨材を含むアスファルト混合物の比重が2倍程度異なることから、アスファルト混合物中においてもポリエステル樹脂の分散性が劣るという問題があった。この問題に対応するために、アスファルト組成物の製造の際の混合時間を長くする方法があげられるが、この方法では、製造時間が延長するため生産性に問題があった。
これに対して、本発明のアスファルト改質材の製造方法は、無機化合物の存在下、ポリエステルを構成するアルコール成分及びカルボン酸成分を重縮合する工程有するため、ポリエステル原料中のアルコール成分及びカルボン酸成分の極性基と無機化合物とが相互作用した状態、及び/又は重縮合時に生成する水により無機化合物がわずかにイオン化された状態でアルコール成分及びカルボン酸成分の重縮合することにより、得られたポリエステル樹脂中に無機化合物を高度に分散させることができる。この結果、本発明のアスファルト改質材では、ポリエステル樹脂中における無機化合物の凝集が抑制され、ポリエステル樹脂の改質材としての効果が十分に発揮できると考えられる。そのため、アスファルト組成物の製造の際に、短い混合時間であってもアスファルト組成物中への優れた分散性を有し、得られたアスファルト組成物から、耐久性に優れる舗装面が形成されるアスファルト混合物を得ることができると考えられる。
【0010】
本明細書における各種用語の定義等を以下に示す。
「バインダ混合物」とは、アスファルトと熱可塑性エラストマーとを含む混合物を意味し、例えば、後述の熱可塑性エラストマー等で改質されたアスファルト(以下、「改質アスファルト」ともいう)を含む概念である。
ポリエステル樹脂中、「アルコール成分由来の構成単位」とは、アルコール成分のヒドロキシ基から水素原子を除いた構造を意味し、「カルボン酸成分由来の構成単位」とは、カルボン酸成分のカルボキシ基からヒドロキシ基を除いた構造を意味する。
「カルボン酸成分」とは、そのカルボン酸のみならず、反応中に分解して酸を生成する無水物、及びカルボン酸のアルキルエステル(例えば、アルキル基の炭素数1以上3以下)も含む概念である。カルボン酸成分がカルボン酸のアルキルエステルである場合、カルボン酸の炭素数には、エステルのアルコール残基であるアルキル基の炭素数を算入しない。
樹脂が結晶性であるか非晶質であるかについては、結晶性指数により判定される。結晶性指数は、樹脂の軟化点と吸熱の最大ピークの温度との比(軟化点(℃)/吸熱の最大ピーク温度(℃))で定義される。結晶性樹脂とは、結晶性指数が0.3以上1.4以下のものである。非晶性樹脂とは、吸熱ピークが観察されないか、観察される場合は、結晶性指数が0.3未満又は1.4超のものである。結晶性指数は、原料モノマーの種類及びその比率、並びに反応温度、反応時間、冷却速度等の製造条件により適宜調整することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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