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公開番号2025095241
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2023211131
出願日2023-12-14
発明の名称水系顔料分散体
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人池内アンドパートナーズ
主分類C09D 17/00 20060101AFI20250619BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】長期保管した後においても濾過性に優れる水系顔料分散体を提供する。
【解決手段】顔料を含有する架橋ポリマー粒子、及び式(1)で表されるポリオキシエチレングリコールモノエーテル(I)を含有し、該ポリオキシエチレングリコールモノエーテル(I)の含有量が0.1質量%以上4.0質量%以下である、水系顔料分散体である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
顔料を含有する架橋ポリマー粒子、及び下記式(1)で表されるポリオキシエチレングリコールモノエーテル(I)を含有し、
RO(CH
2
CH
2
O)
n
H (1)
(式(1)中、Rは炭素数3以上6以下の炭化水素基を示し、nはエチレンオキシドの平均付加モル数を示し、2以上5以下の数である。)
該ポリオキシエチレングリコールモノエーテル(I)の含有量が0.1質量%以上4.0質量%以下である、水系顔料分散体。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記顔料を含有する架橋ポリマー粒子を構成する架橋ポリマー(A)が、酸基を有するポリマー(a)と架橋剤との反応物であり、下記式(2)で表される架橋度が10モル%以上80モル%以下である、請求項1に記載の水系顔料分散体。
架橋度=[(架橋剤の架橋性官能基のモル当量数)/(酸基を有するポリマー(a)が有する酸基のモル当量数)]×100 (2)
【請求項3】
前記架橋ポリマー(A)の酸価が40mgKOH/g以上200mgKOH/g以下である、請求項2に記載の水系顔料分散体。
【請求項4】
前記架橋ポリマー(A)の酸基が、アルカリ金属の水酸化物、アンモニア、及び有機アミンからなる群から選ばれる1種以上で中和されている、請求項2又は3に記載の水系顔料分散体。
【請求項5】
前記酸基を有するポリマー(a)が、酸基を有するモノマー(a-1)由来の構成単位を含むビニル系ポリマーであり、該酸基を有するモノマー(a-1)がアクリル酸及びメタクリル酸からなる群から選ばれる1種以上である、請求項2~4のいずれか1項に記載の水系顔料分散体。
【請求項6】
前記架橋剤が、分子中にエポキシ基を2以上有する多官能エポキシ化合物である、請求項2~5のいずれか1項に記載の水系顔料分散体。
【請求項7】
前記多官能エポキシ化合物が、炭素数3以上20以下の炭化水素基を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル化合物である、請求項6に記載の水系顔料分散体。
【請求項8】
前記ポリオキシエチレングリコールモノエーテル(I)が、トリエチレングリコールモノブチルエーテルである、請求項1~7のいずれか1項に記載の水系顔料分散体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水系顔料分散体に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
インクジェット記録方式は、非常に微細なインクジェットノズルからインク液滴を記録媒体に直接吐出し、付着させて、文字や画像が記録された記録物を得る記録方式である。この方式は、フルカラー化が容易でかつ安価であり、記録媒体として普通紙、コート紙等の紙の記録媒体のほか、合成樹脂フィルムなどが使用可能であり、記録媒体に対して非接触、という数多くの利点があるため普及が著しい。また、近年、得られる記録物に耐候性や耐水性を付与するために、着色剤として顔料が広く用いられ、環境への負荷が少ないインクとして水系インクが用いられている。このような水系インクにおいては、インクの調製の際に顔料を水系媒体に微分散させた水系顔料分散体を用いられる。しかしながら、水系インクや水系顔料分散体は水を多く含み、水分活性が高いため、糸状菌等の微生物の発生による変質が問題となる。そこで、このような問題を克服するため、水系インクや水系顔料分散体の防腐性を高める検討がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、防腐性に優れた水分散体の製造方法等の提供を目的として、着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子10~30重量%、特定の式(R
10
-O(CH
2
CH
2
O)
a
-H、ここで、R
10
は炭素数3~6の炭化水素基を示し、aは2~5の数である。)で表される化合物3~10重量%、及び防腐剤を含有する水分散体を、60℃以上で加熱滅菌する工程を有する、インクジェット記録用水分散体の製造方法等が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009-019101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、インクジェット記録用水分散体を長期保管した後に凝集物が発生する場合があることが判明した。このようなインクジェット記録用水分散体をインクの調製に用いると、凝集物の沈降によりフィルターの濾過性を低下させる原因となる。そのため、長期保管した後においても凝集物の発生が少なく、濾過性に優れる水系顔料分散体が求められている。
本発明は、長期保管した後においても濾過性に優れる水系顔料分散体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、顔料を含有する架橋ポリマー粒子、及び特定の式で表されるポリオキシエチレングリコールモノエーテルを含有する水系顔料分散体であって、該水系顔料分散体中のポリオキシエチレングリコールモノエーテルの含有量が所定の範囲であることにより、上記課題を解決しうることを見出した。
すなわち、本発明は、顔料を含有する架橋ポリマー粒子、及び下記式(1)で表されるポリオキシエチレングリコールモノエーテル(I)を含有し、
RO(CH
2
CH
2
O)
n
H (1)
(式中、Rは炭素数3以上6以下の炭化水素基を示し、nはエチレンオキシドの平均付加モル数を示し、2以上5以下の数である。)
該ポリオキシエチレングリコールモノエーテル(I)の含有量が0.1質量%以上4.0質量%以下である、水系顔料分散体を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、長期保管した後においても濾過性に優れる水系顔料分散体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[水系顔料分散体]
本発明の水系顔料分散体は、顔料を含有する架橋ポリマー粒子、及び下記式(1)で表されるポリオキシエチレングリコールモノエーテル(I)を含有し、
RO(CH
2
CH
2
O)
n
H (1)
(式中、Rは炭素数3以上6以下の炭化水素基を示し、nはエチレンオキシドの平均付加モル数を示し、2以上5以下の数である。)
該ポリオキシエチレングリコールモノエーテル(I)の含有量が0.1質量%以上4.0質量%以下である。
本発明において、「水系」とは、媒体中で、水が質量基準で最大割合を占めていることを意味する。
【0009】
本発明によれば、長期保管した後においても濾過性に優れる。その理由は定かではないが、以下のように考える。
本発明の水系顔料分散体は、顔料を含有する架橋ポリマー粒子、及び特定の式で表されるポリオキシエチレングリコールモノエーテルを含有する。このポリオキシエチレングリコールモノエーテルは、本発明の水系顔料分散体に対して糸状菌等に対する高い防腐効果を付与することができる。一方、本発明においては、顔料を含有する架橋ポリマー粒子の表面に存在するポリマーは架橋構造を有するため、ポリオキシエチレングリコールモノエーテルの存在下においても該ポリマーの膨潤を抑制することができる。そのため、本発明の水系顔料分散体を夏場のような高温下で長期保管した場合において、顔料を含有する架橋ポリマー粒子同士が接触したとしても、ポリマー鎖の絡み合いを抑制し、凝集物の発生を抑制することができ、その結果、濾過性にも優れる水系顔料分散体を提供することができると考えられる。
以下、水系顔料分散体を高温下で長期保管(例えば、40℃で6か月間保管)した後におけるフィルターの濾過性を単に「濾過性」とも称する。
【0010】
<顔料を含有する架橋ポリマー粒子>
本発明に係る顔料を含有する架橋ポリマー粒子(以下、「顔料含有架橋ポリマー粒子」ともいう)は、少なくとも顔料と架橋ポリマー(A)とにより粒子が形成され、水系媒体に分散されてなる。顔料含有架橋ポリマー粒子の形態は特に制限はなく、少なくとも顔料と架橋ポリマー(A)とにより粒子が形成されていればよく、水系顔料分散体中で顔料に架橋ポリマー(A)が吸着されてなる粒子である。顔料含有架橋ポリマー粒子の形態として、例えば、架橋ポリマー(A)に顔料が内包された粒子形態、架橋ポリマー(A)中に顔料が均一に分散された粒子形態、架橋ポリマー(A)の粒子表面に顔料が露出された粒子形態等が含まれ、これらの混合物も含まれる。
(【0011】以降は省略されています)

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