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公開番号2025100705
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2025065331,2021512066
出願日2025-04-10,2020-03-27
発明の名称DUX4の発現を調節するための化合物、方法及び医薬組成物
出願人田辺三菱製薬株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類C07H 21/04 20060101AFI20250626BHJP(有機化学)
要約【課題】本発明は、Double homeobox 4(DUX4)遺伝子が異常発現した個体の、DUX4を正常化させるための化合物、方法および医薬組成物、を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドであって、少なくとも8個の連続する核酸塩基配列であって、配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基の5’末端から126~147位、232~248位、1306~1325位または1472~1495位におけるその等長部分に相補的である核酸塩基配列を含み、前記修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基配列におけるその等長部分に少なくとも90%相補性を有する、を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドであって、
少なくとも8個の連続する核酸塩基配列であって、配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基配列の5’末端から126~147位、232~248位、1306~1325位または1480~1495位におけるその等長部分に相補的である核酸塩基配列を含み、
前記修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基配列におけるその等長部分に少なくとも90%相補性を有し、
前記少なくとも8個の連続する核酸塩基配列が配列番号1の核酸塩基配列の5’末端から1480~1495位におけるその等長部分に相補的である核酸塩基配列を含む場合は、前記修飾オリゴヌクレオチドは配列番号1の核酸塩基の5’末端から1480位の塩基の相補塩基を3’末端に有する核酸塩基配列からなる、
修飾オリゴヌクレオチド。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記修飾オリゴヌクレオチドのうち1つ以上の修飾ヌクレオチドが修飾糖を含む、請求項1に記載の修飾オリゴヌクレオチド。
【請求項3】
前記修飾糖が、二環式糖、2’-O-メトキシエチルで修飾された糖、および2’-O-メチルで修飾された糖からなる群から選択される、請求項2に記載の修飾オリゴヌクレオチド。
【請求項4】
前記二環式糖が、LNA、GuNA、ALNA[Ms]、ALNA[mU]、ALNA[ipU]、ALNA[Oxz]、およびALNA[Trz]からなる群から選択される、請求項3に記載の修飾オリゴヌクレオチド。
【請求項5】
12~30残基からなる修飾オリゴヌクレオチドであって、
少なくとも8個の連続する核酸塩基配列であって、配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基配列の5’末端から1472~1495位におけるその等長部分に相補的である核酸塩基配列を含み、
前記修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号1のDUX4の成熟mRNAの核酸塩基配列におけるその等長部分に少なくとも90%相補性を有し、
前記修飾オリゴヌクレオチドがGuNA、ALNA[Ms]、ALNA[mU]、ALNA[ipU]、ALNA[Oxz]、およびALNA[Trz]から選択される修飾糖を含むヌクレオシドを少なくとも1つ含む、
修飾オリゴヌクレオチド。
【請求項6】
前記修飾オリゴヌクレオチドがさらに、2’-O-メトキシエチルで修飾された糖、および/または2’-O-メチルで修飾された糖を含む、請求項5に記載の修飾オリゴヌクレオチド。
【請求項7】
前記修飾オリゴヌクレオチドのうち少なくとも1つの修飾ヌクレオチドが修飾核酸塩基を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の修飾オリゴヌクレオチド。
【請求項8】
前記修飾核酸塩基が5-メチルシトシンである、請求項7に記載の修飾オリゴヌクレオチド。
【請求項9】
少なくとも1つのヌクレオシド間結合が修飾ヌクレオシド間結合である、請求項1~8のいずれか1項に記載の修飾オリゴヌクレオチド。
【請求項10】
前記修飾ヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、請求項9に記載の修飾オリゴヌクレオチド。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、動物におけるDUX4 mRNAおよび蛋白質の発現を低減するための化合物、該化合物を用いる方法、および該化合物を含有する医薬組成物に関する。本発明の方法は、DUX4関連疾患、例えば、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(facioscapulohumeral muscular dystrophy: FSHD)を治療し、予防し、または軽減するために有用である。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)は、全世界で20,000分の1、欧州では7,500分の1の概算頻度で発症する筋ジストロフィーであり、筋ジストロフィーの中で、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、筋強直性ジストロフィーに次いで3番目に多い疾患である。初発症状は、顔面や上肢・肩甲部・上肢帯の筋力低下で、進行とともに下肢帯、下肢にも障害が及び、約20%の症例で40歳までに車椅子生活となる(壮年期になっても軽度の顔面筋罹患のみの場合もある)。疼痛や神経性難聴および網膜症の合併も多い。約9割の患者は、20歳までに発症する。重症患者(約4%)では乳児期から筋力低下を示す。
【0003】
FSHDは原因遺伝子により、FSHD1とFSHD2という2つの型に分類される。FSHD1型は、FSHD患者全体の約95%を占める。FSHD1型患者では、4q35のD4Z4リピート領域が遺伝的に短縮しており(1~10個のD4Z4リピート)、これによりD4Z4リピート領域にコードされているDUX4の異常発現が起こる(健常人ではDUX4は発現しない)。FSHD2型は、FSHD患者全体の約5%で、SMCHD1(DNAメチル化酵素)変異によりDUX4の異常発現が起こる。DUX4は転写因子様の機能を持ち、下流にコードされる筋細胞のアポトーシスや筋萎縮を引き起こす遺伝子群を発現させる。DUX4の異常発現は4qAと4qBの2つの対立遺伝子のうち、4qAといわれる対立遺伝子を保有することによる。4qAに存在するポリアデニレーションサイトがDUX4 mRNAの安定化に必要である(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3)。
【0004】
アンチセンス技術は、ある種の遺伝子産物の発現を調節するための有効な手段として明らかになりつつあり、したがって、DUX4を調節するための、いくつかの治療的、診断的、及び研究的適用に比類なく有用であることが判明する可能性がある。
【0005】
DUX4 miRNA をコードするアデノ随伴ウイルスを用いて、DUX4遺伝子の
発現を抑制する方法が報告されている(特許文献1)が、該アデノ随伴ウイルスを調製するのは煩雑であり、また必要とされる全身の筋肉へ送達することは困難である。
【0006】
DUX4 shRNAをコードするレンチウイルスを用いて、DUX4遺伝子の発現を抑制する方法が報告されている(非特許文献2)が、該レンチウイルスを調製するのは煩雑であり、また必要とされる全身の筋肉へ送達することは困難である。さらに、四頭筋や僧帽筋細胞でのinvitroでの遺伝子抑制作用は21%、44%の残存活性があり、十分な効果とはいえない。
【0007】
複数のDUX4に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを連結した化合物が報告されている(特許文献2)が、修飾オリゴヌクレオチドではなく、またその阻害効果は十分とはいえない。
【0008】
DUX4 mRNAのスプライシング部位に結合するアンチセンスオリゴヌクレオチド化合物が報告されている(特許文献3)が、これらの化合物はイントロンを含むプレmRNA選択的であるため成熟mRNAに対しては阻害効果が弱く、またLipofection法によるノックダウンのため、生体へ投与することは困難である。
【0009】
現在行われているFSHD治療法としては、対症療法としてのリハビリテーション(ストレッチや運動)、NSAIDsの投与、呼吸ケアなどであるが、効果は不十分で患者の負担は大きい。したがって、FSHDを処置するための化合物、組成物および方法を提供することが、本明細書における目的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
国際公開第2013/016352号
国際公開第2017/007886号
米国公開第2012/0225034号
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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