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公開番号2025100449
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2024221239
出願日2024-12-18
発明の名称リサイクルポリブチレンテレフタレート及びその製造方法
出願人新光合成纎維股分有限公司
代理人個人,個人,個人
主分類C08G 63/85 20060101AFI20250626BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本開示は、リサイクルポリブチレンテレフタレート及びその製造方法を提供する。
【解決手段】前記リサイクルポリブチレンテレフタレート(PBT)は、ポリ酸又はポリオールによってキレート化されたチタン触媒を使用して、リサイクルされたポリエチレンテレフタレートと1,4-ブタンジオールを化学的解重合及びエステル交換を行い、さらに縮重合により得られたものである。それによって、製造プロセスを低減しつつ、良好な物性を有するリサイクルポリブチレンテレフタレートを得ることができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリ酸又はポリオールによってキレート化されたチタン触媒の存在下で、ポリエチレンテレフタレートと1,4-ブタンジオールを混合し、解重合及びエステル交換反応を行うことによって、少なくともテトラヒドロフラン、水、エチレングリコール及び1,4-ブタンジオールを含む反応混合物を形成する第1ステップと、
圧力を低下させて、前記反応混合物から前記テトラヒドロフラン及び前記エチレングリコールの一部を除去した後、縮重合反応を行うことによって、リサイクルポリブチレンテレフタレートを得る第2ステップと、を含む、
リサイクルポリブチレンテレフタレートの製造方法。
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
前記ポリ酸は、クエン酸又は酒石酸を含む、請求項1に記載のリサイクルポリブチレンテレフタレートの製造方法。
【請求項3】
前記ポリオールは、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール又はマンニトールを含む、請求項1に記載のリサイクルポリブチレンテレフタレートの製造方法。
【請求項4】
前記第1ステップで使用される前記1,4-ブタンジオールと前記ポリエチレンテレフタレートとのモル比は、2:1~2.5:1である、請求項1に記載のリサイクルポリブチレンテレフタレートの製造方法。
【請求項5】
前記反応混合物において、前記エチレングリコールの量は、前記テトラヒドロフラン、水、エチレングリコール及び1,4-ブタンジオールの総量に対して30重量%以上である、請求項1に記載のリサイクルポリブチレンテレフタレートの製造方法。
【請求項6】
前記反応混合物において、前記テトラヒドロフランと水の総量は、前記テトラヒドロフラン、水、エチレングリコール及び1,4-ブタンジオールの総量に対して70重量%以下である、請求項1に記載のリサイクルポリブチレンテレフタレートの製造方法。
【請求項7】
前記解重合及びエステル交換反応の反応圧力は、約1atmであり、反応温度は、210~230℃である、請求項1に記載のリサイクルポリブチレンテレフタレートの製造方法。
【請求項8】
前記縮重合反応の反応圧力は、0.1atmよりも低く、反応温度は、235~255℃である、請求項1に記載のリサイクルポリブチレンテレフタレートの製造方法。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか一つに記載のリサイクルポリブチレンテレフタレートの製造方法によって製造されたリサイクルポリブチレンテレフタレートであって、
テレフタル酸ユニット、イソフタル酸ユニット及びブタンジオールユニットを含む共重合体である、
リサイクルポリブチレンテレフタレート。
【請求項10】
極限粘度は、0.5~1.0dl/gの範囲内であり、融点は、215℃以上である、請求項9に記載のリサイクルポリブチレンテレフタレート。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ポリエチレンテレフタレート(PET)をリサイクルすることによって、良好な物性を有するポリブチレンテレフタレート(PBT)を製造する方法及びその方法により製造されたリサイクルポリブチレンテレフタレートに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
廃プラスチックは解決すべき世界的な環境問題となっており、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate;PET)の廃棄量を削減するために、ペットボトルや1,4-ブタンジオール(1,4-butanediol;BDO)を原料とし、化学的解重合、エステル交換、及び重合によりポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate;PBT)を得ることで、ポリエチレンテレフタレートのリサイクルと再利用を実現する方法がある。
しかしながら、この方法では、多量の1,4-ブタンジオールを使用する必要があり、即ち、必要なポリエチレンテレフタレートに対する1,4-ブタンジオールのモル比が3.2を超え、生産コストの増加、原材料の多大な消耗などの問題を引き起こすため、商業化には至らなかった。
【0003】
特許文献1には、エチレングリコール(ethylene glycol;EG)によりポリエチレンテレフタレートに対して化学的解重合を行った後、1,4-ブタンジオールを添加することでエステル交換及び重合反応を行うことで、1,4-ブタンジオールの使用量を効果的に低減することができ、技術の商業化を可能にすることが記載されている。
しかし、特許文献1に開示された方法では、エチレングリコールによる解重合の際に、ジエチレングリコール(diethylene glycol;DEG)が余分に生成されるため、生成したポリブチレンテレフタレートの融点が低下し、また、その物性に影響を与える恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
米国特許第7,799,836号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、製造プロセスを低減しつつ、良好な物性を有するリサイクルポリブチレンテレフタレートを得ることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記のような従来技術の問題点を解決し、本開示の目的を達成するために、本開示は、解重合触媒を特別に選択することで、1,4-ブタンジオールを直接に使用し解重合及びエステル交換を行った後、縮重合を行うことによって、ポリブチレンテレフタレートを得ることができる。また、1,4-ブタンジオールの使用量を大幅に減少することができ、必要なポリエチレンテレフタレートに対する1,4-ブタンジオールのモル比を2.0まで低下させることができる。さらに、1,4-ブタンジオールを直接に使用し解重合及びエステル交換を行うことは、プロセス工程を低減することができるという利点がある。そして、エチレングリコールのアルコリシスを行うことと比べて、1,4-ブタンジオールのアルコリシスに必要な反応温度がさらに低下するため、プロセス全体がより省エネになり、経済的価値がより高まる。
【0007】
解重合に一般的に使用される触媒は、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、アンチモン(Sb)、チタン(Ti)などが含まれる一方、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、アンチモン(Sb)などの触媒は、ポリブチレンテレフタレートの材料として一般的に使用されていない。上記のような触媒を使用する場合、得られたポリブチレンテレフタレートの色が黄色っぽくなり、耐熱性が悪くなるという欠点があるので、解重合触媒としてチタン(Ti)触媒を使用することが好ましい。しかしながら、一般的なチタン(Ti)触媒、例えば、テトライソプロピルチタネート(TiPT)、テトラn-ブチルチタネート(TnBT)や、一般的な製品であるテトラブチルチタネート(TBT)を使用する場合、ポリエチレンテレフタレートの色相が良くない恐れがある。本開示は、ポリエチレンテレフタレートの解重合にチタン(Ti)触媒を添加すると、色相が良くない問題を解決するために、特別にポリ酸(例えば、クエン酸)、ポリオール(例えば、マンニトール)によってキレート化されたチタン(Ti)触媒を選択する。ポリ酸又はポリオールによってキレート化されたチタン(Ti)触媒を解重合触媒として使用すると、ポリブチレンテレフタレートに対するその他の金属触媒の副反応を回避することができる。さらに、このような触媒は選択力を備え、ポリエチレンテレフタレートの解重合及び1,4-ブタンジオールのエステル交換の効果を向上させることができる。これによって、1,4-ブタンジオールの使用量を低減することができるとともに、リサイクルされたポリブチレンテレフタレートの色相が良好で、且つ新しく製造した(即ち、リサイクルではない)ポリブチレンテレフタレートに相当する物性が得られる。
【0008】
本開示の一つの実施形態は、常圧、220℃(又は210~230℃)、且つポリ酸又はポリオールによってキレート化されたチタン触媒の存在下で、ポリエチレンテレフタレートと1,4-ブタンジオールを混合し、解重合及びエステル交換反応を行うことによって、少なくともテトラヒドロフラン(THF)、水、エチレングリコール及び1,4-ブタンジオールを含む反応混合物を形成する第1ステップと、段階的に真空引きして(圧力を低下させる)、前記反応混合物から前記テトラヒドロフラン及び前記エチレングリコールの一部を除去した後(真空引きすることで、少なくとも90%以上の前記テトラヒドロフラン及び前記エチレングリコールを除去することができる)、0.1atm未満、245℃(235~255℃)で縮重合反応を行うことによって、リサイクルポリブチレンテレフタレートを得る第2ステップと、を含む、リサイクルポリブチレンテレフタレート(recycled PBT;リサイクルされたPBT)の製造方法を提供する。
【0009】
一つの具体的な実施例において、チタン触媒をキレート化するための前記ポリ酸は、クエン酸又は酒石酸を含み、好ましくはクエン酸である。
【0010】
一つの具体的な実施例において、チタン触媒をキレート化するための前記ポリオールは、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール又はマンニトールを含み、好ましくはマンニトールである。
(【0011】以降は省略されています)

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