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公開番号2025094169
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-24
出願番号2025047971,2021199071
出願日2025-03-24,2021-12-08
発明の名称円形加速器および粒子線治療システム
出願人株式会社日立ハイテク
代理人弁理士法人開知
主分類H05H 13/00 20060101AFI20250617BHJP(他に分類されない電気技術)
要約【課題】大電流かつ高品質なビームを照射することが可能であり、なおかつ低コストな円形加速器および粒子線治療システムを提供する。
【解決手段】磁場中を周回する荷電粒子のビームを、ビームのエネルギーごとの閉軌道が偏心するように加速する円形加速器であって、異なるエネルギーのビームを閉軌道から取り出すビーム取り出し口と、ビーム取り出し口から取り出されたビームを偏向する第一偏向電磁石21および第二偏向電磁石22と、取り出されたビームのエネルギーに応じて、第一偏向電磁石および第二偏向電磁石の励磁量を制御する制御部40aを備え、制御部40aは、取り出されたビームのエネルギーが円形加速器1の設計上の最大エネルギーの場合、第一偏向電磁石21および第二偏向電磁石22のいずれも励磁してビームを偏向する。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
磁場中を周回する荷電粒子のビームを、前記ビームのエネルギーごとの閉軌道が偏心するように加速する円形加速器であって、
異なるエネルギーのビームを前記閉軌道から取り出すビーム取り出し口と、
前記ビーム取り出し口から取り出された前記ビームを偏向する第一偏向電磁石および第二偏向電磁石と、
前記取り出されたビームのエネルギーに応じて、前記第一偏向電磁石および前記第二偏向電磁石の励磁量を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記取り出されたビームのエネルギーが前記円形加速器の設計上の最大エネルギーの場合、前記第一偏向電磁石および前記第二偏向電磁石のいずれも励磁して前記ビームを偏向する
ことを特徴とする円形加速器。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
請求項1に記載の円形加速器において、
前記制御部は、
前記取り出されたビームのエネルギーが前記円形加速器の設計上の最小エネルギーの場合、前記第一偏向電磁石および前記第二偏向電磁石のいずれも励磁して前記ビームを偏向する
ことを特徴とする円形加速器。
【請求項3】
請求項1に記載の円形加速器において、
前記第二偏向電磁石の出口における各エネルギーのビーム軌道が、前記ビームのエネルギーが設計上の最大値である場合の設計軌道に一致するよう前記第一偏向電磁石および前記第二偏向電磁石が発生する磁場の強度が制御される
ことを特徴とする円形加速器。
【請求項4】
請求項1に記載の円形加速器において、
前記第一偏向電磁石を励磁する第一電源、および前記第二偏向電磁石を励磁する第二電源は、前記第一偏向電磁石、あるいは前記第二偏向電磁石を構成するコイルを流れる電流の向きを切り替えることができる両極性の電源により構成される
ことを特徴とする円形加速器。
【請求項5】
請求項4に記載の円形加速器において、
前記第二偏向電磁石の出口における各エネルギーのビーム軌道が、前記ビームのエネルギーが設計上の最小値よりも大きく、かつ設計上の最大値よりも小さい場合の設計軌道に一致するよう前記第一偏向電磁石および前記第二偏向電磁石が発生する磁場の強度が制御される
ことを特徴とする円形加速器。
【請求項6】
請求項1に記載の円形加速器において、
前記第二偏向電磁石の上流側に設置され、一台以上の四極電磁石を更に備えた
ことを特徴とする円形加速器。
【請求項7】
請求項6に記載の円形加速器において、
前記四極電磁石は、前記第一偏向電磁石の下流側に設置された
ことを特徴とする円形加速器。
【請求項8】
請求項6に記載の円形加速器において、
前記四極電磁石が発生する磁場の強度が、前記ビームのエネルギーごとに異なる値に設定される
ことを特徴とする円形加速器。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の円形加速器を備えたことを特徴とする粒子線治療システム。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の円形加速器と、
前記円形加速器から取り出された前記ビームを輸送するビーム輸送系と、
前記ビーム輸送系で輸送された前記ビームを照射する照射装置と、を備え、
前記ビーム輸送系は、通過する前記ビームの位置および傾きを計測するビーム検出器を備え、
前記制御部は、前記ビームの位置および傾きから求めたビーム軌道が設計上のビーム軌道となるように、前記第一偏向電磁石および前記第二偏向電磁石の励磁量を制御する
ことを特徴とする粒子線治療システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子線を加速する円形加速器および粒子線治療システムに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
主磁場中での高周波を印加することにより、軌道半径を増加させながら荷電粒子ビームを加速する円形加速器において、荷電粒子ビームの円形加速器からの出射を高精度に制御する技術の一例として、特許文献1には、主磁場中で高周波を印加することにより、軌道半径を増加させながら荷電粒子ビームを加速する円形加速器において、加速に用いる高周波とは周波数の異なる高周波を荷電粒子ビームに印加することにより、荷電粒子ビームを出射する、ことが記載されている。
【0003】
粒子加速器の調整時間の短縮と運転パラメータファイルの種類が少なく、レンジシフタの移動音およびエネルギー変更時間を大幅に低減できるとともに、粒子加速器の機器変動によるシステム停止の頻度が低く、荷電粒子ビームのエネルギーや強度の変動が小さな粒子線治療装置の一例として、特許文献2には、荷電粒子ビームが透過する方向の厚みがビーム透過方向に直交する一方向で異なり、透過する荷電粒子ビームのエネルギーを厚みに比例する分だけ低下するレンジシフタと、荷電粒子ビームをレンジシフタの厚みの異なる部分に透過するためにレンジシフタの上流側で荷電粒子ビームの軌道を厚みが変化する方向に平行移動させる上流側偏向電磁石対と、レンジシフタを透過した荷電粒子ビームの軌道を上流側偏向電磁石対に入射したときの軌道の延長線上に平行移動させる下流側偏向電磁石対と、レンジシフタを透過することにより荷電粒子ビームのエネルギーが所望の値までに低下する軌道を荷電粒子ビームが進むように上流側偏向電磁石対および下流側偏向電磁石対を制御する変更制御装置とを備えるエネルギー変更装置を具備する、ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-133745号公報
特許第4115468号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シンクロトロンやサイクロトロンなどの加速器により荷電粒子ビーム(以下、単にビームという)を加速し、この加速したビームをがんなどの病変へ照射する粒子線治療が行われている。
【0006】
粒子線治療に用いられる加速器の一種として、例えば特許文献1に記載されたような加速器がある。特許文献1に記載の円形加速器では、静磁場中で運動エネルギー(以下、単にエネルギー)の異なるビーム粒子が形成する円状の閉軌道(以下、中心軌道と呼ぶ)を、加速器からのビームの取り出し口へ向けて偏心する様に配置し、異なるエネルギーのビームを同一のビーム取り出し口から加速器の外部へ取り出す。
【0007】
特許文献1に記載の円形加速器では、加速器中を周回するビーム(以下、周回ビームと呼ぶ)を所望のエネルギーまで加速した後、周回ビームにビーム進行方向および磁極ギャップ方向(以下、鉛直方向)に対して垂直な方向(以下、水平方向)の高周波電圧を印加する。高周波電圧を印加されたビーム粒子は、中心軌道を中心とした振動(以下、ベータトロン振動)の水平方向の振幅が徐々に増大し、中心軌道の周囲に形成されたピーラ磁場およびリジェネレータ磁場と呼ばれるベータトロン振動の共鳴を発生させるための磁場分布に接触する。ピーラ磁場およびリジェネレータ磁場に接触したビーム粒子は、水平方向のベータトロン振動の振幅が急激に増大し、取り出し用のセプタムコイルへ入射する。セプタムコイルはビームを円形加速器の外周方向へ偏向する。偏向されたビームは円形加速器の外部である高エネルギービーム輸送系へと取り出される。
【0008】
したがって、特許文献1に記載の円形加速器は、静磁場中でビームを加速する円形加速器でありながら、円形加速器から取り出されるビームのエネルギーを所定の範囲(例えば70MeVから230MeVの範囲)で切り替えることが可能である。
【0009】
一方、特許文献1に記載の円形加速器では、セプタムコイルが円形加速器の磁極内の限られた空間に設置されることからセプタムコイルが発生する磁場(セプタム磁場)の強度が制限される。セプタムコイルはエネルギーが異なるビームの軌道を円形加速器の取り出し口で揃える機能を有する為、特許文献1に記載の円形加速器ではセプタム磁場の不足により円形加速器から取り出されるビームの軌道がエネルギーの変化に伴い変化する可能性がある。
【0010】
ここで、高エネルギービーム輸送系を構成する偏向電磁石や四極電磁石といった機器は、高エネルギービーム輸送系を通過する全てのエネルギーのビーム軌道を内包する様に製作する必要がある。
(【0011】以降は省略されています)

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