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公開番号2025088061
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-11
出願番号2023202499
出願日2023-11-30
発明の名称時系列官能評価に基づいた購買行動の予測方法
出願人高砂香料工業株式会社
代理人
主分類G06Q 30/0202 20230101AFI20250604BHJP(計算;計数)
要約【課題】製品の購買行動を予測する方法及び当該方法で得られた予測結果を利用して製品設計し、製造した“買いたくなる”製品を提供する。
【解決手段】製品の購買行動の予測方法は、単一もしくは複数の製品に対し、複数の指標に基づいて繰り返し得られた回答(経験サンプリングステップ)と、製品を使用後に得られた購買行動に関する回答(総合評価ステップ)に基づいて、購買行動を予測するステップ(予測ステップ)をコンピュータが実行する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
製品の購買行動の予測方法であって、
1)単一もしくは複数の製品の使用中に、
製品の印象、製品の嗜好、被験者の感情、及び被験者の行動から選ばれる少なくとも1種の指標に関する被験者の回答
を2回以上収集するステップ(経験サンプリングステップ)と、
2)前記製品の使用後に、
製品の嗜好、被験者の感情、及び被験者の行動から選ばれる少なくとも1種の購買行動に関連する指標に関する前記被験者の回答
を収集するステップ(総合評価ステップ)と、
3)前記経験サンプリングステップ及び総合評価ステップで得られた回答に基づいて、コンピュータによるモデリング手法を行って、製品の購買行動を予測するステップ(予測ステップ)と、
を含む、前記予測方法。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
前記ステップ1)が、生活の中の自然な環境で実施され、時系列データを得ることを含む、請求項1記載の予測方法。
【請求項3】
前記ステップ1)における指標が、
a)製品に関する指標:
香りの印象、味の印象、風味の印象、外観の印象、温度の印象、刺激の印象、嗜好の印象、
b)被験者に関する指標:
感性表現、ポジティブな感情、ネガティブな感情、ニュートラルな感情、直前の行動、現在の行動、
から選ばれる少なくとも1種に関する指標である、請求項1又は2に記載の予測方法。
【請求項4】
前記ステップ2)における購買行動に関連する指標が、
c)製品に関する指標:
嗜好の印象、総合的な印象、価格、人に勧めたい、
d)被験者に関する指標:
感性表現、ポジティブな感情、ネガティブな感情、ニュートラルな感情、直前の行動、現在の行動、現在の購買行動、将来の購買行動、
から選ばれる少なくとも1種に関する指標である、請求項1~3のいずれか1項に記載の予測方法。
【請求項5】
前記ステップ3)のモデリング手法が、
単回帰、重回帰、ロジスティック回帰、Ridge回帰、Lasso回帰、エラスティックネット回帰、PLS回帰、サポートベクタマシン(SVM)、決定木、回帰木、ランダムフォレスト、勾配ブースティング、ナイーブベイズ、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、再起型ニューラルネットワーク(RNN)、グラフニューラルネットワーク(GNN)及びマルチレベル分析、時系列分析、
から選ばれる少なくとも1種である、請求項1~4のいずれか1項に記載の予測方法。
【請求項6】
前記製品が飲食品又は香粧品である、請求項1~5のいずれか1項に記載の予測方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の予測方法を用いて製品設計を行った香料組成物、飲食品、又は香粧品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、生活の中の自然な環境で収集した時系列データを利用した、製品の購買行動の予測方法、及び該予測方法を利用して製品設計を行った製品に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
一般的な官能評価では、製品から少量のサンプルをとりわけ統制された官能評価室にてその製品の印象について検討する。一方で日常的に消費者はより多量な製品全体を生活の中で使用しながらその印象を捉えていると考えられ、それらの印象は必ずしも一致しているとは限らない。
【0003】
例えば、ペットボトル飲料をはじめとする大容量の飲料は全量を短時間で飲み切るというよりも何時間かかけて飲み進める場合がある。その間製品の印象は少しずつ変化する可能性がある。店舗で冷蔵されていたペットボトル製品を買い、日常的な活動をしながらペットボトル飲料を飲み進めた場合、その飲料は時間経過とともに温度が上昇していき、風味印象は変化する可能性が高い。炭酸飲料は開栓と同時に炭酸が抜け始め、時間経過とともに炭酸感は弱まると考えられる。また人の感覚には順応と呼ばれる現象があり、例え同じ香りや味刺激を受けていたとしても、その刺激を受け続けると時間とともに感度や感受性が低下することが知られている。感覚刺激だけではなくそれによって引き起こされる感情も時間経過とともに馴化してしまう。一般的な官能評価ではこのような日常的な製品印象の変化を捉えることが難しい。
【0004】
経験サンプリング法は、日常生活において個人が瞬間的に感じたことや経験したことを繰り返し測定することによって人々の生活の中でのありのままの姿を解明する調査手法である。経験サンプリング法を製品全体の官能評価に活用することで、製品を使用しながら変化する印象や消費者の感情的な変化を捉えることが可能となる。例えば、非特許文献1では、経験サンプリング法を用いて継続的に飲食品の評価を実施している。しかしながら、経験サンプリング法で得られた結果に基づいて製品の購買行動の予測方法にまで効果的に応用した例は知られていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Jessica Ferreira Rodrigues et al., “ USE OF DIARIES AS A RESEARCHSTRATEGY ON SENSORY PERCEPTION AND CONSUMER BEHAVIOR OF CANASTRA CHEESE”, Journal of Sensory Studies 36 (2021) e12627
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、経験サンプリング法を活用した官能評価結果に基づいて消費者にとって魅力的な製品設計に応用可能な製品の購買行動の予測方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記状況を考慮してなされたもので、以下の態様を含むものである。
〔1〕製品の購買行動の予測方法であって、
1)単一もしくは複数の製品の使用中に、
製品の印象、製品の嗜好、被験者の感情、及び被験者の行動から選ばれる少なくとも1種の指標に関する被験者の回答
を2回以上収集するステップ(経験サンプリングステップ)と、
2)前記製品の使用後に、
製品の嗜好、被験者の感情、及び被験者の行動から選ばれる少なくとも1種の購買行動に関連する指標に関する前記被験者の回答
を収集するステップ(総合評価ステップ)と、
3)前記経験サンプリングステップ及び総合評価ステップで得られた回答に基づいて、コンピュータによるモデリング手法を行って、製品の購買行動を予測するステップ(予測ステップ)と、
を含む、前記予測方法。
〔2〕前記ステップ1)が、生活の中の自然な環境で実施され、時系列データを得ることを含む、〔1〕記載の予測方法。
〔3〕前記ステップ1)における指標が、
a)製品に関する指標:
香りの印象、味の印象、風味の印象、外観の印象、温度の印象、刺激の印象、嗜好の印象、
b)被験者に関する指標:
感性表現、ポジティブな感情、ネガティブな感情、ニュートラルな感情、直前の行動、現在の行動、
から選ばれる少なくとも1種に関する指標である、〔1〕又は〔2〕に記載の予測方法。
〔4〕前記ステップ2)における購買行動に関連する指標が、
c)製品に関する指標:
嗜好の印象、総合的な印象、価格、人に勧めたい、
d)被験者に関する指標:
感性表現、ポジティブな感情、ネガティブな感情、ニュートラルな感情、直前の行動、現在の行動、現在の購買行動、将来の購買行動、
から選ばれる少なくとも1種に関する指標である、〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の予測方法。
〔5〕前記ステップ3)のモデリング手法が、
単回帰、重回帰、ロジスティック回帰、Ridge回帰、Lasso回帰、エラスティックネット回帰、PLS回帰、サポートベクタマシン(SVM)、決定木、回帰木、ランダムフォレスト、勾配ブースティング、ナイーブベイズ、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、再起型ニューラルネットワーク(RNN)、グラフニューラルネットワーク(GNN)及びマルチレベル分析、時系列分析、
から選ばれる少なくとも1種である、〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の予測方法。
〔6〕前記製品が飲食品又は香粧品である、〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の予測方法。
〔7〕〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載の予測方法を用いて製品設計を行った香料組成物、飲食品、又は香粧品。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、製品の品質評価において、従来の官能評価・嗜好調査手法では困難であった、消費者が生活の中で実際に買いたくなる製品作りに関する予測方法を提供することができ、該方法を利用することにより、消費者が買いたくなる製品を効率的に設計することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本発明の手順を示すフローチャート。
図2は、評価対象のサンプルを示す図である。
図3は、時系列の美味しさから購入意図を予測するモデルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について詳述する。本開示は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、発明の本旨の範囲内で変形して実施できる。
(【0011】以降は省略されています)

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