特許ウォッチ

公開番号2025086533
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-09
出願番号2023200570
出願日2023-11-28
発明の名称設計支援装置、設計支援方法及び設計支援プログラム
出願人株式会社日立製作所
代理人ポレール弁理士法人
主分類G06F 30/10 20200101AFI20250602BHJP(計算;計数)
要約【課題】
要求仕様の認識漏れによって生じる意図しない性能低下を防止ないし抑止することができ、効率的な設計案の検討の支援を課題とする。
【解決手段】
製品に対する設計を支援する設計支援装置10において、設計情報を記憶する記憶部と、前記設計情報を受け付ける入力部100と、前記設計情報から前記製品を構成する各部品における形状および配置を示す形状情報及び属性を示す属性情報を抽出する形状情報抽出部101と、抽出された前記形状情報に基づいて、前記製品を構成する部品のうち、指定された部品である自部品における他部品との部品間の関係を示す部品間情報を算出する部品間関係演算部102と、算出された前記部品間情報及び前記属性情報に基づいて、前記自部品に求められる要求仕様を推定する要求仕様推定部103を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
製品に対する設計を支援する設計支援装置において、
設計情報を記憶する記憶部と、
前記設計情報を受け付ける入力部と、
前記設計情報から前記製品を構成する各部品における形状および配置を示す形状情報及び属性を示す属性情報を抽出する形状情報抽出部と、
抽出された前記形状情報に基づいて、前記製品を構成する部品のうち、指定された部品である自部品における他部品との部品間の関係を示す部品間情報を算出する部品間関係演算部と、
算出された前記部品間情報及び前記属性情報に基づいて、前記自部品に求められる要求仕様を推定する要求仕様推定部を有する設計支援装置。
続きを表示（約 1,100 文字）【請求項２】
請求項１に記載の設計支援装置において、
前記部品間関係演算部は、前記部品間情報として、前記他部品との近接関係及び隣接関係を算出する設計支援装置。
【請求項３】
請求項２に記載の設計支援装置において、
前記近接関係及び前記隣接関係は、予め設定されたしきい値に応じて定められ、
前記部品間関係演算部は、前記しきい値を変更する設計支援装置。
【請求項４】
請求項１に記載の設計支援装置において、
前記部品間関係演算部は、前記自部品の幾何形状の特徴量を用いて、前記自部品の前記製品の外表面である意匠形状であるかを示す配置関係を含む前記部品間情報を算出する設計支援装置。
【請求項５】
請求項１に記載の設計支援装置において、
前記部品間関係演算部は、前記部品間情報として、前記他部品との類似性を示す類似性情報を算出する設計支援装置。
【請求項６】
製品に対する設計を支援する設計支援装置により設計支援方法において、
記憶部に設計情報を記憶し、
入力部により、前記設計情報を受け付け、
形状情報抽出部により、前記設計情報から前記製品を構成する各部品における形状および配置を示す形状情報及び属性を示す属性情報を抽出し、
部品間関係演算部により、抽出された前記形状情報に基づいて、前記製品を構成する部品のうち、指定された部品である自部品における他部品との部品間の関係を示す部品間情報を算出し、
要求仕様推定部により、算出された前記部品間情報及び前記属性情報に基づいて、前記自部品に求められる要求仕様を推定する設計支援方法。
【請求項７】
請求項６に記載の設計支援方法において、
前記部品間関係演算部により、前記部品間情報として、前記他部品との近接関係及び隣接関係を算出する設計支援方法。
【請求項８】
請求項７に記載の設計支援方法において、
前記近接関係及び前記隣接関係は、予め設定されたしきい値に応じて定められ、
前記部品間関係演算部により、前記しきい値を変更する設計支援方法。
【請求項９】
請求項６に記載の設計支援方法において、
前記部品間関係演算部により、前記自部品の幾何形状の特徴量を用いて、前記自部品の前記製品の外表面である意匠形状であるかを示す配置関係を含む前記部品間情報を算出する設計支援方法。
【請求項１０】
請求項６に記載の設計支援方法において、
前記部品間関係演算部により、前記部品間情報として、前記他部品との類似性を示す類似性情報を算出する設計支援方法。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、製品の設計案の検討を支援するための技術に関する。
続きを表示（約 1,900 文字）【背景技術】
【０００２】
近年製造業では、製品及びその製造に関わる環境負荷を低減する取組みが求められている。上記に加え、顧客要求に基づいて製品性能やコスト、信頼性等の複数の要求仕様を満足する設計案を検討する必要がある。この要求仕様には、顧客要求に加え、製品を構成する部品間の影響で決定されるものもある。例えば、ある製品の部品に備わるヒーターや回路基板などの熱源と近い部品には、発熱による温度情報に耐えられるように耐熱性が要求仕様として求められる。今後は、環境規制や法規制などへの対応が厳格化されることにより、満足すべき要求仕様の種類や項目数が増えることが予想される。
【０００３】
このように要求仕様を満足する設計案を実現するためには、本来ならば製品を構成する全ての部品に対応した要求仕様を把握し、それぞれを満足する設計案を検討する必要がある。例えば、特許文献１には、部品設計に応じて要求される寿命を満足する中空部材用鋼管の設計仕様の決定を支援することが開示されている。具体的には、まず鋼管の中空部材の設計荷重と設計形状に基づいて、中空部材の使用時における応力状態を予測する。次に、中空部材用鋼管の鋼成分、熱処理条件、内面形状、設計形状に基づいて、中空部材の予測疲労寿命を求め、中空部材の予測疲労寿命と要求疲労寿命を比較する。その結果として、予測疲労寿命が要求疲労寿命以上であれば、設計仕様として決定する。さらに、特許文献１には、予測疲労寿命が要求疲労寿命未満であれば、鋼成分、熱処理条件、内面形状、設計形状のいずれか1つまたは2つ以上を変更して、予測段階からやり直しを促すことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開2022-091253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
特許文献１では、鋼管の中空部材の使用条件と要求される疲労寿命を満たすために、鋼管の材料や形状を最適化している。この使用条件と要求される疲労寿命は、予め定義された状態を前提としており、要求仕様の種類や項目に類するものを推定するものではない。さらに、鋼管に特化して材料や形状を最適化するために内面形状及び設計形状などの各種設計パラメータに対する設計仕様の決定を図るものである。そのため、製品を構成する複数の部品に対して、各部品間の関係性を考慮したうえで、要求仕様を推定することは困難である。ここでの各部品間の関係性とは、例えば、部品と部品の隣接関係や部品名称などの部品属性を意味し、特許文献１では、これら情報に基づいて自部品に求められる要求仕様を特定することはできない。
【０００６】
以上のことから本発明においては、製品や部品に求められる要求仕様の推定を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記課題を解決するために、本発明では、設計情報に基づいて部品間の関係を示す部品間関係及び属性情報を特定し、これらから製品を構成する部品の要求仕様を推定する。なお、設計情報としては、設計対象である製品における3D-CAD形状を用いることができる。
【０００８】
より具体的な構成は、製品に対する設計を支援する設計支援装置において、設計情報を記憶する記憶部と、前記設計情報を受け付ける入力部と、前記設計情報から前記製品を構成する各部品における形状および配置を示す形状情報及び属性を示す属性情報を抽出する形状情報抽出部と、抽出された前記形状情報に基づいて、前記製品を構成する部品のうち、指定された部品である自部品における他部品との部品間の関係を示す部品間情報を算出する部品間関係演算部と、算出された前記部品間情報及び前記属性情報に基づいて、前記自部品に求められる要求仕様を推定する要求仕様推定部を有する設計支援装置である。
【０００９】
また、本発明には、設計支援装置による設計支援方法、設計支援装置を機能させるためのプログラムやこのプログラムを格納する記憶媒体も含まれる。さらに、設計支援装置を含む設計支援システムやこれを用いる設計支援方法も、本発明に含まれる。
【００１０】
なお、本発明の製品とは、設計対象を意味し、部品、モジュール、ユニット、アッセンブリ品、装置、機器、システム等を含む。また、部品とは、製品を構成する構成要素であり、モジュール、ユニット、アッセンブリ品などを含む。
【発明の効果】
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許