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公開番号2025086137
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-06
出願番号2023199985
出願日2023-11-27
発明の名称多液型クリヤー塗料組成物、複層塗膜および複層塗膜の形成方法
出願人日本ペイント株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C09D 175/02 20060101AFI20250530BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】優れた耐色戻り性とともに、常温乾燥性および長いポットライフを有する多液型クリヤー塗料組成物を提供する。
【解決手段】ポリアスパラギン酸エステル(A1)およびポリアスパラギン酸エステルのプレポリマー(A2)を含む主剤と、ポリイソシアネート化合物(B1)を含む硬化剤とを含み、(A2)は、第1ポリアスパラギン酸エステル(A21)および第2ポリアスパラギン酸エステル(A22)を、イソシアネート化合物(A23)に、(A21)のモル数m1と(A22)のモル数m2との比(m1:m2)が1:1~4:1となるように反応させて得られた反応物であり、(A21)は、炭素数4の第1ジカルボン酸のジアルキルエステル(A21a)と、脂環構造に結合した2以上の1級アミノ基を有し、当該脂環構造において、当該2以上の1級アミノ基のそれぞれが結合している炭素原子に隣接する炭素原子の少なくとも1つが、置換基として炭化水素基を有する、第1ポリアミン(A21b)と、の反応物であり、(A22)は、炭素数4の第2ジカルボン酸のジアルキルエステル(A22a)と、2以上の1級アミノ基を有し、芳香環を有さない、(A21b)以外の第2ポリアミン(A22b)と、の反応物である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリアスパラギン酸エステル(A1)、および、ポリアスパラギン酸エステルのプレポリマー(A2)を含む主剤と、
ポリイソシアネート化合物(B1)を含む硬化剤と、を含み、
前記プレポリマー(A2)は、
第1ポリアスパラギン酸エステル(A21)および第2ポリアスパラギン酸エステル(A22)を、2官能または3官能のイソシアネート化合物(A23)に、前記第1ポリアスパラギン酸エステル(A21)のモル数m1と前記第2ポリアスパラギン酸エステル(A22)のモル数m2との比(m1:m2)が1:1~4:1となるように反応させて得られた反応物であり、
前記第1ポリアスパラギン酸エステル(A21)は、
炭素数4の第1ジカルボン酸のジアルキルエステル(A21a)と、
脂環構造に結合した2以上の1級アミノ基を有し、当該脂環構造において、当該2以上の1級アミノ基のそれぞれが結合している炭素原子に隣接する炭素原子の少なくとも1つが、置換基として炭化水素基を有する、第1ポリアミン(A21b)と、の反応物であり、
前記第2ポリアスパラギン酸エステル(A22)は、
炭素数4の第2ジカルボン酸のジアルキルエステル(A22a)と、
2以上の1級アミノ基を有し、芳香環を有さない、前記第1ポリアミン(A21b)以外の第2ポリアミン(A22b)と、の反応物である、多液型クリヤー塗料組成物。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記第1ジカルボン酸のジアルキルエステル(A21a)および前記第2ジカルボン酸のジアルキルエステル(A22a)は、それぞれ独立して、下記一般式(I):
TIFF
2025086137000018.tif
45
164
(式中、R

およびR

は、それぞれ独立して、炭素数1~20の鎖状脂肪族炭化水素基を表す。)
で表される、請求項1に記載の多液型クリヤー塗料組成物。
【請求項3】
前記第1ポリアミン(A21b)は、下記一般式(II):
TIFF
2025086137000019.tif
41
164
(式中、R
a1
、R
a2
およびR
a3
は、それぞれ独立して、炭素数1~3の脂肪族炭化水素基を表わし、C
α
は、1級アミノ基が結合している炭素原子であり、C
β
は、C
α
に隣接する炭素原子である。)
で表される、請求項1または2に記載の多液型クリヤー塗料組成物。
【請求項4】
前記第2ポリアミン(A22b)は、下記一般式(III):
TIFF
2025086137000020.tif
29
164
(式中、R
a4
は、炭素数1~3の脂肪族炭化水素基を表し、C
α
は、1級アミノ基が結合している炭素原子であり、C
β
は、C
α
に隣接する炭素原子である。)
で表される、請求項1または2に記載の多液型クリヤー塗料組成物。
【請求項5】
前記プレポリマー(A2)は、分子量が1,000以上100,000以下である、請求項1または2に記載の多液型クリヤー塗料組成物。
【請求項6】
前記第1ポリアスパラギン酸エステル(A21)および前記第2ポリアスパラギン酸エステル(A22)は、それぞれ、アミン当量が180mgKOH/g以上210mgKOH/g以下である、請求項1または2に記載の多液型クリヤー塗料組成物。
【請求項7】
前記プレポリマー(A2)の前記主剤の固形分に占める割合は、4質量%以上50質量%以下である、請求項1または2に記載の多液型クリヤー塗料組成物。
【請求項8】
前記2官能のイソシアネート化合物(A23)は、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートの少なくとも一方であり、
前記3官能のイソシアネート化合物(A23)は、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体、ビュレット体およびアダクト体の少なくとも1種である、請求項1または2に記載の多液型クリヤー塗料組成物。
【請求項9】
被塗物上に配置された着色ベース塗膜と、
前記着色ベース塗膜上に配置され、請求項1または2に記載の多液型クリヤー塗料組成物により形成されたクリヤー塗膜と、を備える複層塗膜。
【請求項10】
被塗物上に着色ベース塗料組成物を塗装して、着色ベース塗膜を形成することと、
前記着色ベース塗膜上に、請求項1または2に記載の多液型クリヤー塗料組成物を塗装して、クリヤー塗膜を形成することと、を備える、複層塗膜の形成方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、多液型クリヤー塗料組成物、複層塗膜および複層塗膜の形成方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1は、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、セルロース誘導体およびポリイソシアネート化合物を含むクリヤー塗料組成物を開示している。特許文献2は、アスパラギン酸エステルとポリイソシアネートとを含む塗料組成物を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-074720号公報
特開2022-66853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、優れた耐色戻り性とともに、常温乾燥性および長いポットライフを有する多液型クリヤー塗料組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、下記態様[1]~[8]を提供する。
[1]
ポリアスパラギン酸エステル(A1)、および、ポリアスパラギン酸エステルのプレポリマー(A2)を含む主剤と、
ポリイソシアネート化合物(B1)を含む硬化剤と、を含み、
前記プレポリマー(A2)は、
第1ポリアスパラギン酸エステル(A21)および第2ポリアスパラギン酸エステル(A22)を、2官能または3官能のイソシアネート化合物(A23)に、前記第1ポリアスパラギン酸エステル(A21)のモル数m1と前記第2ポリアスパラギン酸エステル(A22)のモル数m2との比(m1:m2)が1:1~4:1となるように反応させて得られた反応物であり、
前記第1ポリアスパラギン酸エステル(A21)は、
炭素数4の第1ジカルボン酸のジアルキルエステル(A21a)と、
脂環構造に結合した2以上の1級アミノ基を有し、当該脂環構造において、当該2以上の1級アミノ基のそれぞれが結合している炭素原子に隣接する炭素原子の少なくとも1つが、置換基として炭化水素基を有する、第1ポリアミン(A21b)と、の反応物であり、
前記第2ポリアスパラギン酸エステル(A22)は、
炭素数4の第2ジカルボン酸のジアルキルエステル(A22a)と、
2以上の1級アミノ基を有し、芳香環を有さない、前記第1ポリアミン(A21b)以外の第2ポリアミン(A22b)と、の反応物である、多液型クリヤー塗料組成物。
[2]
前記第1ジカルボン酸のジアルキルエステル(A21a)および前記第2ジカルボン酸のジアルキルエステル(A22a)は、それぞれ独立して、下記一般式(I):
TIFF
2025086137000001.tif
45
164
(式中、R

およびR

は、それぞれ独立して、炭素数1~20の鎖状脂肪族炭化水素基を表す。)
で表される、上記[1]に記載の多液型クリヤー塗料組成物。
[3]
前記第1ポリアミン(A21b)は、下記一般式(II):
TIFF
2025086137000002.tif
41
164
(式中、R
a1
、R
a2
およびR
a3
は、それぞれ独立して、炭素数1~3の脂肪族炭化水素基を表わし、C
α
は、1級アミノ基が結合している炭素原子であり、C
β
は、C
α
に隣接する炭素原子である。)
で表される、上記[1]または[2]に記載の多液型クリヤー塗料組成物。
[4]
前記第2ポリアミン(A22b)は、下記一般式(III):
TIFF
2025086137000003.tif
29
164
(式中、R
a4
は、炭素数1~3の脂肪族炭化水素基を表し、C
α
は、1級アミノ基が結合している炭素原子であり、C
β
は、C
α
に隣接する炭素原子である。)
で表される、上記[1]または[2]に記載の多液型クリヤー塗料組成物。
[5]
前記プレポリマー(A2)は、分子量が1,000以上100,000以下である、上記[1]または[2]に記載の多液型クリヤー塗料組成物。
[6]
前記第1ポリアスパラギン酸エステル(A21)および前記第2ポリアスパラギン酸エステル(A22)は、それぞれ、アミン当量が180mgKOH/g以上210mgKOH/g以下である、上記[1]または[2]に記載の多液型クリヤー塗料組成物。
[7]
前記プレポリマー(A2)の前記主剤の固形分に占める割合は、4質量%以上50質量%以下である、上記[1]または[2]に記載の多液型クリヤー塗料組成物。
[8]
前記2官能のイソシアネート化合物(A23)は、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートの少なくとも一方であり、
前記3官能のイソシアネート化合物(A23)は、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体、ビュレット体およびアダクト体の少なくとも1種である、上記[1または[2]に記載の多液型クリヤー塗料組成物。
[9]
被塗物上に配置された着色ベース塗膜と、
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、優れた耐色戻り性とともに、常温乾燥性および長いポットライフを有する多液型クリヤー塗料組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
アスパラギン酸エステルを含むクリヤー塗料は、下層にある塗膜(例えば、着色ベース塗膜またはメタリックベース塗膜)と混層し、色戻りが生じ得る。色戻りとは、クリヤー塗料に含まれる成分が下層に浸透して混ざり合うことにより、意匠性が低下する現象をいう。例えば、下層が顔料を有する場合、クリヤー塗料の成分が下層に浸透するとともに下層の顔料がクリヤー塗料内に浮き上がる。そのため、色がにじんだように見えて、所望の色相が得られない。このような色のにじみは、色戻りの一例である。耐色戻り性を有するとは、クリヤー塗膜の下層にある塗膜により発揮され得る意匠性が、クリヤー塗料組成物によって損なわれない性能と言える。
【0008】
アスパラギン酸エステルは、一般に分子量が小さく、これを含むクリヤー塗料は低粘度である。クリヤー塗料が低粘度であることが色戻りの原因の一つであると考えられる。アスパラギン酸エステルの一部をプレポリマー化すると、分子量が大きくなって、クリヤー塗料の粘度を高めることができる。しかしながら、プレポリマー化はポットライフを短くする。
【0009】
自動車の補修塗装において塗装後にポリッシュ(塗膜の艶出し)が行われる場合、高い常温乾燥性が求められる。常温乾燥性とポットライフの長期化とは通常、二律背反する。常温は、15℃以上25℃以下を意味する。常温乾燥性もまた、色戻りの原因になり得る。常温乾燥性が高いほど、色戻りは抑制され易い。
【0010】
本開示では、異なる2種のアスパラギン酸エステルを用いたプレポリマーを使用することにより反応速度を制御して、耐色戻り性を向上しながら、常温乾燥性とポットライフの長期化とを両立する。本開示に係るクリヤー塗料組成物は、特に自動車補修用として適している。
(【0011】以降は省略されています)

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