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公開番号
2025083093
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-30
出願番号
2023196774
出願日
2023-11-20
発明の名称
樹脂組成物及び混合物、並びにそれからなる成形品
出願人
株式会社クラレ
代理人
弁理士法人せとうち国際特許事務所
主分類
C08L
67/00 20060101AFI20250523BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】成形性が優れ、かつ耐衝撃性の優れる成形品を提供可能な樹脂組成物を提供する。
【解決手段】
特定の構造を有するポリエステル(A)及びポリエステル(B)を含有し、ポリエステル(A)の極限粘度IV(A)が0.8~1.3dl/g、ポリエステル(B)の極限粘度IV(B)が0.6~0.9dl/gであり、極限粘度IV(A)と極限粘度IV(B)の差の絶対値(|IV(A)-IV(B)|)が0.5dl/g以下であり、ポリエステル(B)に対するポリエステル(A)の質量比(A/B)が0.1/99.9~50/50である、樹脂組成物である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリエステル(A)及びポリエステル(B)を含有する樹脂組成物であって、
ポリエステル(A)が、全単量体単位に対して、エチレングリコールに由来する単位を35~48.5モル%、シクロヘキサンジメタノールに由来する単位を1.5~15モル%、テレフタル酸に由来する単位を45~50モル%含有するポリエステル(A-1)及び全単量体単位に対して、エチレングリコールに由来する単位を43~48.5モル%、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物に由来する単位を1.5~7モル%、テレフタル酸に由来する単位を45~50モル%含有するポリエステル(A-2)からなる群より選択される少なくとも1種からなり、
ポリエステル(B)が、全単量体単位に対して、エチレングリコールに由来する単位を40~50モル%、テレフタル酸に由来する単位を40~50モル%含有し、
ポリエステル(B)における全単量体単位に対するイソフタル酸に由来する単位の含有量が10モル%以下、シクロヘキサンジメタノールに由来する単位の含有量が1.5モル%未満、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物に由来する単位の含有量が1.5モル%未満であり、
ポリエステル(A)の極限粘度IV(A)が0.8~1.3dl/g、ポリエステル(B)の極限粘度IV(B)が0.6~0.9dl/gであり、
極限粘度IV(A)と極限粘度IV(B)の差の絶対値(|IV(A)-IV(B)|)が0.5dl/g以下であり、
ポリエステル(B)に対するポリエステル(A)の質量比(A/B)が0.1/99.9~50/50である、樹脂組成物。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
ポリエステル(B)におけるイソフタル酸に由来する単位の含有量が、全単量体単位に対して、1.5~5モル%である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
ポリエステル(A)がポリエステル(A-1)であり、ポリエステル(A-1)におけるシクロヘキサンジメタノールに由来する単位の含有量が、全単量体単位に対して1.5モル%以上3.5モル%未満である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
ポリエステル(A)がさらに下記式(I)で示される化合物に由来する単位を全単量体単位に対して0.001~0.2モル%含有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
TIFF
2025083093000006.tif
52
153
[式(I)中、x、y、z及びwの合計が1~50であり、R
1
~R
4
はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~18のアシル基を表す。]
【請求項5】
前記式(I)で示される化合物が、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン及びトリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
ポリエステル(A)及び/又はポリエステル(B)がさらにヒンダードフェノール系酸化防止剤由来の単位を全単量体単位に対して0.0005~0.2モル%含有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
ポリエステル(A)とポリエステル(B)の少なくとも一方が回収物を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
ポリエステル(A)及びポリエステル(B)を含有する混合物であって、
ポリエステル(A)及びポリエステル(B)の形状が、ペレット、フレーク又は粉末であり、
ポリエステル(A)が、全単量体単位に対して、エチレングリコールに由来する単位を35~48.5モル%、シクロヘキサンジメタノールに由来する単位を1.5~15モル%、テレフタル酸に由来する単位を45~50モル%含有するポリエステル(A-1)及び全単量体単位に対して、エチレングリコールに由来する単位を43~48.5モル%、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物に由来する単位を1.5~7モル%、テレフタル酸に由来する単位を45~50モル%含有するポリエステル(A-2)からなる群より選択される少なくとも1種からなり、
ポリエステル(B)が、全単量体単位に対して、エチレングリコールに由来する単位を40~50モル%、テレフタル酸に由来する単位を40~50モル%含有し、
ポリエステル(B)における全単量体単位に対するイソフタル酸に由来する単位の含有量が10モル%以下、シクロヘキサンジメタノールに由来する単位の含有量が1.5モル%未満、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物に由来する単位の含有量が1.5モル%未満であり、
ポリエステル(A)の極限粘度IV(A)が0.8~1.3dl/g、ポリエステル(B)の極限粘度IV(B)が0.6~0.9dl/gであり、
極限粘度IV(A)と極限粘度IV(B)の差の絶対値(|IV(A)-IV(B)|)が0.5dl/g以下であり、
ポリエステル(B)に対するポリエステル(A)の質量比(A/B)が0.1/99.9~50/50である、混合物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の樹脂組成物又は混合物を押出成形してなる、成形品。
【請求項10】
請求項1~8のいずれかに記載の樹脂組成物又は混合物をブロー成形してなる、成形品。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、特定のポリエステルを含有する樹脂組成物及び混合物に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリエステルは、透明性、力学的特性、ガスバリア性、フレーバーバリア性などの種々の性質に優れ、しかも成形品にした際にも残留モノマーや有害添加剤の心配が少なく、衛生性および安全性に優れている。このようなことから、ポリエステルは、従来用いられていた塩化ビニル樹脂に代わるものとして、ジュース、清涼飲料、調味料、油、化粧品、洗剤、その他の製品を充填するための中空容器等として近年広く使用されている。
【0003】
近年、プラスチックごみの環境への影響が問題視されており、ポリエステルもリサイクルが進められている。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)を材料として作られるペットボトルは、その多くが回収され、卵パック等の食品用トレイや繊維等にリサイクルされている。一方で、回収されたペットボトルから再びペットボトルを製造できれば、ペットボトルを資源として何度も循環させることができ、化石由来資源の削減と二酸化炭素の削減に繋がる。実際に、回収されたペットボトルの一部は再びペットボトルを製造する原料として使用されているが、このような方法によるリサイクル率は高くない。その原因として、回収されたペットボトル由来の原料を成形する際、水分の影響により極限粘度が低下するため、元のペットボトルと同等の品質の維持が困難であることが挙げられる。ペットボトルに限らず、ポリエステルからなる容器のリサイクルには同様の課題が存在する。
【0004】
このような課題を解決する一つの手段として、ポリエステルの回収物に、特定のポリエステルを添加する方法が考えられる。特許文献1には、特定のポリエステルを含む押出ブロー成形品であって、PETリサイクル標準品と1:1でブレンドした場合の融点温度が230~245℃である押出ブロー成形品が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-525965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、押出ブロー成形した容器の物性についての評価がなされていない。発明者らの検討によれば、特許文献1に記載されたポリエステル及びPETの回収物の混合物を原料としてボトル等の容器を作製する場合、元のPETを原料として容器を作製する場合に比べて成形性が劣ったり、元のPETからなる容器に比べて耐衝撃性が劣ったりする場合があった。
【0007】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、成形性が優れ、かつ耐衝撃性の優れる成形品を提供可能な樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、[1]~[16]により解決される。
[1]ポリエステル(A)及びポリエステル(B)を含有する樹脂組成物であって、
ポリエステル(A)が、全単量体単位に対して、エチレングリコールに由来する単位を35~48.5モル%、シクロヘキサンジメタノールに由来する単位を1.5~15モル%、テレフタル酸に由来する単位を45~50モル%含有するポリエステル(A-1)及び全単量体単位に対して、エチレングリコールに由来する単位を43~48.5モル%、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物に由来する単位を1.5~7モル%、テレフタル酸に由来する単位を45~50モル%含有するポリエステル(A-2)からなる群より選択される少なくとも1種からなり、
ポリエステル(B)が、全単量体単位に対して、エチレングリコールに由来する単位を40~50モル%、テレフタル酸に由来する単位を40~50モル%含有し、
ポリエステル(B)における全単量体単位に対するイソフタル酸に由来する単位の含有量が10モル%以下、シクロヘキサンジメタノールに由来する単位の含有量が1.5モル%未満、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物に由来する単位の含有量が1.5モル%未満であり、
ポリエステル(A)の極限粘度IV(A)が0.8~1.3dl/g、ポリエステル(B)の極限粘度IV(B)が0.6~0.9dl/gであり、
極限粘度IV(A)と極限粘度IV(B)の差の絶対値(|IV(A)-IV(B)|)が0.5dl/g以下であり、
ポリエステル(B)に対するポリエステル(A)の質量比(A/B)が0.1/99.9~50/50である、樹脂組成物;
[2]ポリエステル(B)におけるイソフタル酸に由来する単位の含有量が、全単量体単位に対して、1.5~5モル%である、[1]の樹脂組成物;
[3]ポリエステル(A)がポリエステル(A-1)であり、ポリエステル(A-1)におけるシクロヘキサンジメタノールに由来する単位の含有量が、全単量体単位に対して1.5モル%以上3.5モル%未満である、[1]又は[2]の樹脂組成物;
[4]ポリエステル(A)がさらに下記式(I)で示される化合物に由来する単位を全単量体単位に対して0.001~0.2モル%含有する、[1]~[3]のいずれかの樹脂組成物;
【0009】
TIFF
2025083093000001.tif
52
153
【0010】
[式(I)中、x、y、z及びwの合計が1~50であり、R
1
~R
4
はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~18のアシル基を表す。]
[5]前記式(I)で示される化合物が、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン及びトリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンからなる群から選択される少なくとも1種である、[4]の樹脂組成物;
[6]ポリエステル(A)及び/又はポリエステル(B)がさらにヒンダードフェノール系酸化防止剤由来の単位を全単量体単位に対して0.0005~0.2モル%含有する、[1]~[5]のいずれかの樹脂組成物;
[7]ポリエステル(A)とポリエステル(B)の少なくとも一方が回収物を含む、[1]~[6]のいずれかの樹脂組成物;
[8]ポリエステル(A)及びポリエステル(B)を含有する混合物であって、
ポリエステル(A)及びポリエステル(B)の形状が、ペレット、フレーク又は粉末であり、
ポリエステル(A)が、全単量体単位に対して、エチレングリコールに由来する単位を35~48.5モル%、シクロヘキサンジメタノールに由来する単位を1.5~15モル%、テレフタル酸に由来する単位を45~50モル%含有するポリエステル(A-1)及び全単量体単位に対して、エチレングリコールに由来する単位を43~48.5モル%、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物に由来する単位を1.5~7モル%、テレフタル酸に由来する単位を45~50モル%含有するポリエステル(A-2)からなる群より選択される少なくとも1種からなり、
ポリエステル(B)が、全単量体単位に対して、エチレングリコールに由来する単位を40~50モル%、テレフタル酸に由来する単位を40~50モル%含有し、
ポリエステル(B)における全単量体単位に対するイソフタル酸に由来する単位の含有量が10モル%以下、シクロヘキサンジメタノールに由来する単位の含有量が1.5モル%未満、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物に由来する単位の含有量が1.5モル%未満であり、
ポリエステル(A)の極限粘度IV(A)が0.8~1.3dl/g、ポリエステル(B)の極限粘度IV(B)が0.6~0.9dl/gであり、
極限粘度IV(A)と極限粘度IV(B)の差の絶対値(|IV(A)-IV(B)|)が0.5dl/g以下であり、
ポリエステル(B)に対するポリエステル(A)の質量比(A/B)が0.1/99.9~50/50である、混合物;
[9][1]~[8]のいずれかの樹脂組成物又は混合物を押出成形してなる、成形品;
[10][1]~[8]のいずれかの樹脂組成物又は混合物をブロー成形してなる、成形品;
[11][1]~[8]のいずれかの樹脂組成物又は混合物を射出成形してなる、成形品;
[12][9]の成形品からなる、フィルム又はシート;
[13][12]のフィルム又はシートを熱成形してなる、熱成形品;
[14][9]~[11]のいずれかの成形品からなる、容器;
[15]ポリエステル(A)の回収物及びポリエステル(B)の回収物を粉砕し、乾燥する工程、並びに、
前記工程で得られた乾燥物を溶融混練する工程を含む、[1]~[7]のいずれかの樹脂組成物の製造方法;
[16]ポリエステル(B)の回収物を粉砕し、乾燥する工程、及び、
前記工程で得られた乾燥物及びポリエステル(A)を溶融混練する工程を含む、[1]~[7]のいずれかの樹脂組成物の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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