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公開番号2025082860
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-30
出願番号2023196346
出願日2023-11-20
発明の名称アレイ型地中レーダ装置のGPRデータから埋設された長尺物の位置を特定する演算処理装置
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人湘洋特許事務所
主分類G01S 13/88 20060101AFI20250523BHJP(測定;試験)
要約【課題】双曲線状の反射像における頂点位置がデータ取得点の真下に位置しなくとも、埋設位置・伸長方向を正確に特定する。
【解決手段】互いに延在方向が異なり、データ取得点から成る第1解析線、第2解析線、第3解析線のアレイ型地中レーダ装置で取得したGPRデータと、第1解析線と第2解析線の成す第1角度及び第2解析線と第3解析線の成す第2角度から、第1解析線におけるGPRデータの双曲線の頂点位置と、第1解析線、第2解析線、第3解析線の下方の前記物質の中での電波の第1仮想伝搬速度、第2仮想伝搬速度、第3仮想伝搬速度をそれぞれ算出し、長尺物を地面に投影した第4直線と前記第1解析線の成す斜交角度、前記長尺物と地面の成す傾斜角度、第1解析線上で前記長尺物の直上に位置する第1点から直下の長尺物までの埋設深度、第1点の位置を算出し、長尺物の埋設位置・伸長方向を特定する。
【選択図】図9
特許請求の範囲【請求項1】
物質の表面に沿って移動可能なアレイ型地中レーダ装置が、移動しつつ前記物質の内部に電磁波を照射して取得した反射波を受信した位置に関する位置情報と、前記電磁波を照射してから前記反射波を受信するまでの反射時間と、前記反射波の反射波強度の情報と、がそれぞれ対応付けられたGPRデータから、前記物質中の長尺物の位置を特定する演算処理装置であって、
互いに延在方向が異なり、データ取得点から成る直線である第1解析線と、第2解析線と、第3解析線と、に対応する前記GPRデータの入力を受け付けて、前記第1解析線における前記GPRデータの双曲線の頂点位置の情報と、下方にある前記物質中の前記電磁波の伝搬速度を、前記第1解析線と、前記第2解析線と、前記第3解析線と、の夫々について、第1仮想伝搬速度、第2仮想伝搬速度、第3仮想伝搬速度の情報として出力する仮想伝搬速度解析部と、
前記第1解析線と前記第2解析線の成す第1角度の情報及び前記第2解析線と前記第3解析線の成す第2角度の情報を入力として受け付けて、前記電磁波の前記第1仮想伝搬速度、前記第2仮想伝搬速度、および前記第3仮想伝搬速度を用いて、前記長尺物を前記物質の表面に投影した第4直線と前記第1解析線との成す斜交角度の情報と、前記長尺物と前記物質の表面の成す角度である傾斜角度の情報と、を算出する斜交・傾斜角度算出部と、
前記第4直線と前記第1解析線の成す斜交角度の情報と、前記長尺物と前記物質の表面の成す傾斜角度の情報と、前記第1解析線における前記GPRデータの双曲線の頂点位置の情報と、を用いて、前記第1解析線の上で前記長尺物の直上に位置する第1点から直下の前記長尺物までの埋設深度の情報を算出する埋設深度算出部と、
前記斜交角度の情報と、前記傾斜角度の情報と、前記頂点位置の情報と、前記埋設深度の情報と、を用いて、前記第1点の位置の情報を算出する埋設物直上点位置算出部と、
を備え、
前記長尺物の埋設位置を特定するための前記斜交角度と、前記傾斜角度と、前記埋設深度と、前記長尺物の直上点位置の情報とを出力する
ことを特徴とする演算処理装置。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
請求項1記載の演算処理装置であって、さらに、
複数方向の解析線における前記GPRデータと、前記第1解析線、前記第2解析線、前記第3解析線のそれぞれにおけるデータ取得点の座標の情報である解析線の位置情報を入力として受け付けて、夫々の解析線を構成するデータ取得点の情報を用いて、前記第1解析線、前記第2解析線、前記第3解析線の方向ベクトルの情報を算出する解析線の方向ベクトル算出部と、
前記解析線の方向ベクトルの情報を用いて、前記第1角度と前記第2角度の情報を算出し、前記斜交・傾斜角度算出部に提供する交差角度算出部と、
を備えることを特徴とする演算処理装置。
【請求項3】
物質の中に埋設された長尺物の位置を、前記物質の内部に電磁波を照射しながら前記物質の表面に沿って移動可能なアレイ型地中レーダ装置で取得し、反射波を受信した位置に関する位置情報と、前記電磁波を照射してから前記反射波を受信するまでの反射時間と、前記反射波の反射波強度の情報と、がそれぞれ対応付けられたGPRデータから前記長尺物の埋設位置を特定し表示する演算処理システムであって、
請求項1記載の演算処理装置と、
出力された前記斜交角度、前記傾斜角度、前記埋設深度、前記長尺物の直上点位置の情報を用いて、画面に解析線、前記物質の表面と埋設された前記長尺物の位置関係を表示する表示部と、
を有することを特徴とする演算処理システム。
【請求項4】
物質の中に埋設された長尺物の位置を、前記物質の内部に電磁波を照射しながら前記物質の表面に沿って移動可能なアレイ型地中レーダ装置で取得し、反射波を受信した位置に関する位置情報と、前記電磁波を照射してから前記反射波を受信するまでの反射時間と、前記反射波の反射波強度の情報と、がそれぞれ対応付けられたGPRデータから前記長尺物の埋設位置を特定し表示する演算処理システムであって、
請求項2記載の演算処理装置と、
出力された前記斜交角度、前記傾斜角度、前記埋設深度、前記長尺物の直上点位置の情報を用いて、画面に解析線、前記物質の表面と埋設された前記長尺物の位置関係を表示する表示部と、
を有することを特徴とする演算処理システム。
【請求項5】
物質の表面に沿って移動可能なアレイ型地中レーダ装置が、移動しつつ前記物質の内部に電磁波を照射して取得した反射波を受信した位置に関する位置情報と、前記電磁波を照射してから前記反射波を受信するまでの反射時間と、前記反射波の反射波強度の情報と、がそれぞれ対応付けられたGPRデータから、前記物質中の長尺物の位置を演算処理装置により特定する演算処理方法であって、
前記演算処理装置は、互いに延在方向が異なり、データ取得点から成る直線である第1解析線と、第2解析線と、第3解析線と、に対応するGPRデータの入力を受け付けて、前記第1解析線における前記GPRデータの双曲線の頂点位置の情報と、下方にある前記物質中の前記電磁波の伝搬速度を、前記第1解析線と、前記第2解析線と、前記第3解析線と、の夫々について、第1仮想伝搬速度、第2仮想伝搬速度、第3仮想伝搬速度の情報として出力する仮想伝搬速度解析ステップと、
前記第1解析線と前記第2解析線の成す第1角度の情報及び前記第2解析線と前記第3解析線の成す第2角度の情報を入力として受け付けて、前記電磁波の前記第1仮想伝搬速度、前記第2仮想伝搬速度、および前記第3仮想伝搬速度を用いて、前記長尺物を前記物質の表面に投影した第4直線と前記第1解析線との成す斜交角度の情報と、前記長尺物と前記物質の表面の成す角度である傾斜角度の情報と、を算出する斜交・傾斜角度算出ステップと、
前記第4直線と前記第1解析線の成す斜交角度の情報と、前記長尺物と前記物質の表面の成す角度である傾斜角度の情報と、前記第1解析線におけるGPRデータの双曲線の頂点位置の情報と、を用いて、前記第1解析線の上で前記長尺物の直上に位置する第1点から直下の前記長尺物までの埋設深度の情報を算出する埋設深度算出ステップと、
前記斜交角度の情報と、前記傾斜角度の情報と、前記頂点位置の情報と、前記埋設深度の情報と、を用いて、前記第1点の位置の情報を算出する埋設物直上点位置算出ステップと、
前記長尺物の埋設位置を特定するための前記斜交角度と、前記傾斜角度と、前記埋設深度と、前記長尺物の直上点位置の情報とを出力する出力ステップと、
を実施することを特徴とする演算処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、地中をスキャンするために、電磁波を地中に照射し、跳ね返ってくる反射波を検知するアレイ型地中レーダ分野に関するもので、特にアレイ型地中レーダ装置を用いて取得したGPRデータから埋設された長尺物の位置を特定することに適した方法・システムに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
地面の掘削工事などで既存の埋設管や送電線を傷つけないようにするために、それらの位置を特定することは工事や建築現場等で強く要望されている。配管等を設置した際の図面に対して、実際は地下の埋設物が異なる位置にある場合があり、事前に地上から地中レーダを用いて埋設物の位置を特定することが必要である。
【0003】
地中レーダ(GPR:Ground Penetrating Radar)を用いて地中をスキャンする際には電磁波を地中に照射し、跳ね返ってくる反射波を検知する。このとき取得した反射波のデータを以下ではGPRデータと呼ぶ。GPRデータは反射波を受信した位置に関する位置情報と、電磁波を照射してから反射波を受信するまでの反射時間と、反射波の反射波強度の情報と、がそれぞれ対応付けられたデータである。地中レーダとして適用する場合は、無指向又は広角度に電磁波を照射することを特徴とし、一体型の電磁波送受信機が使用されることが多い。一体型の電磁波送受信機を用いて得られたGPRデータでは、小石や鉄屑等の点状の埋設物、配管や送電線、鉄筋といった長尺の埋設物が双曲線状の反射像で検知される。この反射像を解析することによって前記点状の埋設物、若しくは、長尺物の埋設位置を特定することができる。
【0004】
このような地中レーダを用いた技術として、例えば特許文献1に記載の技術がある。特許文献1では、地中に向けて電磁波を送出する電磁波送信部と、送出された電磁波の反射波を受信する電磁波受信部とを備えたレーダ本体と、電磁波受信部によって受信された電磁波に基づく受信波データ等により地中に埋設された埋設物を探知する方法について開示している。その中で、探知結果に現れる円弧状の反射波形の頂点を埋設位置としている。埋設物が点状、または地面に平行な長尺状の物体であるとき、地中レーダが埋設物の真上の地点に位置した際、直下の埋設物までの距離が、地中レーダと埋設物の最短距離となるため、埋設物の位置を特定できる。
【0005】
非特許文献1では、地中レーダを用いた技術が述べられており、地中レーダで得られたGPRデータに相当するレーダプロファイルでは、横軸はアンテナの水平方向位置、縦軸は反射波時間であり深度に相当するため、擬似的な地中垂直断面図が得られ、地下構造の判断や埋設物検知が行えると記されている。そして、埋設管の位置は双曲線の頂点に現れることから、埋設管の位置検知は可能であると開示している。
【0006】
また、非特許文献2では、弾性波や地中レーダで公知であるCМP(Common Mid Point)重合法が開示されている。
【0007】
非特許文献3では、アレイ型地中レーダ装置による地中のデータ取得について述べられている。アレイ型地中レーダ装置は複数の送信アンテナと、複数の受信アンテナを持ち、それらを直線状に配置した地中レーダ装置である。この地中レーダ装置を、複数の送受信アンテナを配置した直線方向と垂直の方向に走査することで複数測線分のGPRデータを取得可能となる。
【0008】
以下に、前提技術となるアレイ型地中レーダ装置のGPRデータについて説明する。このGPRデータは、図1に示すようなアレイ型地中レーダ装置のデータ取得点におけるデータである。アレイ型地中レーダ装置は、非特許文献3でも述べられているように、複数個の送受信アンテナを直線状に配置したリニアアレイが該当し、これを移動させることで図1に示すようなデータ取得点でのGPRデータを取得する。GPRデータには送受信アンテナが取得した反射波データが含まれる。
【0009】
図1は、アレイ型地中レーダ装置のデータ取得点を模式的に表した上面図である。データ取得点101は、アレイ型地中レーダ装置に搭載されている送受信アンテナが地中に電磁波を照射し、その反射波データを取得した位置である。データ取得点101における情報には、データ取得位置に関する情報と、地中に電磁波を照射して反射してくるまでの時間に関する情報と、反射波強度に関する情報と、が含まれる。
【0010】
点線枠102は、長尺物を真上(地上面等、所定の物質の表面)に投影したものである。まず、実線枠103に囲まれたデータ取得点の集まりである解析線におけるGPRデータについて述べる。以下では実線枠103に囲まれた直線状のデータ取得点の集まりを解析線と述べる。解析線は長尺物を真上に投影した点線枠102を横切るように設ける。
(【0011】以降は省略されています)

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