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公開番号
2025082463
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-29
出願番号
2023195800
出願日
2023-11-17
発明の名称
ビス(アミノフェノール)化合物、それから誘導されるポリヒドロキシアミド化合物及びその溶液、並びにポリベンゾオキサゾールフィルム及びその製造方法
出願人
学校法人東邦大学
,
イハラニッケイ化学工業株式会社
代理人
弁理士法人クオリオ
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C07C
237/44 20060101AFI20250522BHJP(有機化学)
要約
【課題】新規なビス(アミノフェノール)化合物であって、この化合物から誘導されるポリヒドロキシアミド化合物が有機溶媒への優れた溶解性を示し、かつ、このポリヒドロキシアミド化合物を用いて得られるポリベンゾオキサゾールフィルムが高い耐熱性と優れた熱寸法安定性を示すビス(アミノフェノール)化合物、それから誘導されるポリヒドロキシアミド化合物及びその溶液、並びにポリベンゾオキサゾールフィルム及びその製造方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるビス(アミノフェノール)化合物、それから誘導されるポリヒドロキシアミド化合物及びその溶液、並びにポリベンゾオキサゾールフィルム及びその製造方法。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025082463000040.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">22</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">161</com:WidthMeasure> </com:Image>
(上記式中、nは1又は2、R
1
はCF
3
、炭素原子数1~4のアルキル又はアルコキシ、aは1~4の整数)
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるビス(アミノフェノール)化合物。
TIFF
2025082463000034.tif
22
161
上記式中、nは1又は2であり、R
1
はトリフルオロメチル基、炭素原子数1~4のアルキル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を示し、aは1~4の整数である。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
下記一般式(2)で表される、請求項1に記載のビス(アミノフェノール)化合物。
TIFF
2025082463000035.tif
20
161
上記式中、R
2
及びR
3
は各々独立してトリフルオロメチル基、炭素原子数1~4のアルキル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を示し、b及びcは各々独立して1~4の整数である。
【請求項3】
下記一般式(3)で表される構成単位を含む、ポリヒドロキシアミド化合物。
TIFF
2025082463000036.tif
24
161
上記式中、nは1又は2であり、R
1
はトリフルオロメチル基、炭素原子数1~4のアルキル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を示し、aは1~4の整数であり、X
1
は2価の脂肪族基もしくは2価の芳香族基、又はこれらの基を2つ以上組み合わせてなる基を示す。X
1
がこれらの基を2つ以上組み合わせてなる基である場合、組み合わせる2つの基は、-O-又は>SO
2
を介して結合していてもよい。
【請求項4】
前記一般式(3)で表される構成単位が下記一般式(4)で表される構成単位を含む、請求項3に記載のポリヒドロキシアミド化合物。
TIFF
2025082463000037.tif
21
161
上記式中、R
2
及びR
3
は各々独立してトリフルオロメチル基、炭素原子数1~4のアルキル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を示し、b及びcは各々独立して1~4の整数である。X
1
は前記一般式(3)におけるX
1
と同義である。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のポリヒドロキシアミド化合物を有機溶媒に溶解してなる、ポリヒドロキシアミド溶液。
【請求項6】
請求項5に記載のポリヒドロキシアミド溶液を基板上に塗布した後、乾燥させて前記基板上にフィルムを得る工程と、前記基板上で前記フィルムを加熱することにより前記ポリヒドロキシアミド化合物を脱水閉環させて、前記フィルムをポリベンゾオキサゾールフィルムへと変換する工程とを含む、ポリベンゾオキサゾールフィルムの製造方法。
【請求項7】
下記一般式(5)で表される構成単位を含む、ポリベンゾオキサゾールフィルム。
TIFF
2025082463000038.tif
23
161
上記式中、nは1又は2であり、R
1
はトリフルオロメチル基、炭素原子数1~4のアルキル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を示し、aは1~4の整数であり、X
1
は2価の脂肪族基もしくは2価の芳香族基、又はこれらの基を2つ以上組み合わせてなる基を示す。なお、X
1
がこれらの基を2つ以上組み合わせてなる基である場合、組み合わせる2つの基は、-O-又は>SO
2
を介して結合していてもよい。
【請求項8】
前記一般式(5)で表される構成単位が下記一般式(6)で表される構成単位を含む、請求項7に記載のポリベンゾオキサゾールフィルム。
TIFF
2025082463000039.tif
19
161
上記式中、R
2
及びR
3
は各々独立してトリフルオロメチル基、炭素原子数1~4のアルキル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を示し、b及びcは各々独立して1~4の整数である。X
1
は前記一般式(5)におけるX
1
と同義である。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビス(アミノフェノール)化合物、それから誘導されるポリヒドロキシアミド化合物及びその溶液、並びにポリベンゾオキサゾールフィルム及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 4,700 文字)
【背景技術】
【0002】
優れた電気特性、機械特性、そして耐熱性を併せ持つポリイミド及びポリベンゾオキサゾールは、フレキシブルプリント配線基板用及び半導体素子用等の絶縁材料として使用されている。
ポリイミドは、一般に2官能性モノマーであるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物から誘導でき、各モノマーの種類及び組み合わせを変えることで多様な物性を発現することができる。そのため、エレクトロニクス分野において、様々な用途に展開されてきた。
【0003】
一方、ポリベンゾオキサゾールは、ポリイミドと同様に2官能性モノマーであるビス(アミノフェノール)化合物とジカルボン酸化合物又はその活性誘導体から誘導できるものの、上市されているモノマー種がポリイミドに比べ少ないこと、及び、ポリベンゾオキサゾール前駆体であるポリヒドロキシアミド化合物の有機溶媒への溶解度が低いことから、重合に使用可能なモノマーの組み合わせに制限があった。
例えば、優れた物性を示すポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールは、化学構造が剛直なために有機溶媒に溶解しない。そのため、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールの重合法としては、非特許文献1に記載されるように、ジアミノレゾルシノール塩酸塩モノマーとテレフタル酸モノマーとを強酸(ポリリン酸)中で重合し、その重合溶液から液晶紡糸法等によって加工(繊維化)する他なく、溶液塗工(流延)によるフィルム製造が極めて困難であった。この制約は、例えば、非特許文献2に記載のジアミノレゾルシノール塩酸塩モノマーに由来する単環構造に加え、二環のビフェニルや三環のp-テルフェニル構造等の他の剛直な化学構造を有するポリベンゾオキサゾール、非特許文献3に記載の3,3’-ジアミノ-4,4’-ジヒドロキシビフェニル塩酸塩モノマーと芳香族又は脂肪族ジカルボン酸モノマーとを重合して得られるポリベンゾオキサゾールについても同様であった。
【0004】
上記の有機溶媒への溶解性の問題を解決するため、ポリマー鎖間での凝集を阻害するために嵩高い置換基及び/又は屈曲構造をポリマー主鎖に組み込む試みがなされている。
例えば、非特許文献4には、4,4’-ヘキサフルオロイソプロピリデンビス(2-アミノフェノール)と4,4’-オキシジベンゾイルクロリド等のジカルボン酸クロリドとを重合して得られたポリヒドロキシアミド化合物が、NMP(N-メチル-2-ピロリドン)、DMF(N,N-ジメチルホルムアミド)、γ-ブチロラクトン、アセトン及びテトラヒドロフラン等の種類の異なる多くの有機溶媒に可溶であったことが記載されている。非特許文献4には、上記のポリヒドロキシアミド化合物の溶液を基板上に流延し、乾燥させることによってポリヒドロキシアミドフィルムを容易に得ることができること、更に、ポリヒドロキシアミドフィルムを加熱し脱水環化すれば、ポリベンゾオキサゾールフィルムを製造できることが記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
SENI GAKKAISHI(繊維と工業), 2010, Vol.66, p.176-180
James F. Wolfe and F. E. Arnold, Macromolecules, 1981, Vol.14, p.909-915
Macromol. Chem., 1965, Vol.83, p.167-178
Y. Oishi, et. al., J. Photopolym. Sci. Technol., 2006, Vol.19, p.669-672
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、本発明者らが検討を進めたところ、非特許文献4に記載のポリベンゾオキサゾールフィルムは、有機溶媒への溶解性を高めるために導入された、4,4’-ヘキサフルオロイソプロピリデンビス(2-アミノフェノール)に由来する嵩高い置換基及び屈曲構造がポリマー主鎖中に存在するがゆえに、熱に対する寸法安定性(以下、「熱寸法安定性」と称す。)が十分とは言えず、低熱膨張性が要求される分野への適用が難しいことがわかってきた。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、新規なビス(アミノフェノール)化合物であって、この化合物から誘導されるポリヒドロキシアミド化合物が有機溶媒への優れた溶解性を示し、かつ、このポリヒドロキシアミド化合物を用いて得られるポリベンゾオキサゾールフィルムが高い耐熱性と優れた熱寸法安定性を示すビス(アミノフェノール)化合物を提供することを課題とする。
また、本発明は、有機溶媒への優れた溶解性を示すポリヒドロキシアミド化合物であって、かつ、これを用いて得られるポリベンゾオキサゾールフィルムが高い耐熱性と優れた熱寸法安定性を示すポリヒドロキシアミド化合物及びその溶液を提供することを課題とする。
また、本発明は、高い耐熱性と優れた熱寸法安定性を示し、前駆体であるポリヒドロキシアミド化合物から容易に製造することができるポリベンゾオキサゾールフィルム及びその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意研究した結果、下記一般式(1)で表される、2つのアミノフェノールが、特定の置換基R
1
を有するフェニレン又はビフェニレンの両末端にアミド結合を介して導入されてなる、ビス(アミノフェノール)化合物をモノマーとして用いることにより、有機溶媒に対して優れた溶解性を示すポリヒドロキシアミド化合物が得られ、さらに、そのポリヒドロキシアミド化合物を有機溶媒に溶解させた溶液を基板上に流延した後、乾燥させて上記基板上にフィルムを得て、上記基板上で上記フィルムを加熱することにより上記ポリヒドロキシアミド化合物を脱水閉環させて得られるポリベンゾオキサゾールフィルムが高い耐熱性と優れた熱寸法安定性を発現すること見出した。本発明はこの知見に基づきさらに検討を重ね、完成されるに至ったものである。
【0009】
すなわち、上記の課題は以下の手段により解決された。
<1>
下記一般式(1)で表されるビス(アミノフェノール)化合物。
TIFF
2025082463000002.tif
22
161
上記式中、nは1又は2であり、R
1
はトリフルオロメチル基、炭素原子数1~4のアルキル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を示し、aは1~4の整数である。
<2>
下記一般式(2)で表される、<1>に記載のビス(アミノフェノール)化合物。
TIFF
2025082463000003.tif
20
161
上記式中、R
2
及びR
3
は各々独立してトリフルオロメチル基、炭素原子数1~4のアルキル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を示し、b及びcは各々独立して1~4の整数である。
<3>
下記一般式(3)で表される構成単位を含む、ポリヒドロキシアミド化合物。
TIFF
2025082463000004.tif
24
161
上記式中、nは1又は2であり、R
1
はトリフルオロメチル基、炭素原子数1~4のアルキル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を示し、aは1~4の整数であり、X
1
は2価の脂肪族基もしくは2価の芳香族基、又はこれらの基を2つ以上組み合わせてなる基を示す。X
1
がこれらの基を2つ以上組み合わせてなる基である場合、組み合わせる2つの基は、-O-又は>SO
2
を介して結合していてもよい。
<4>
上記一般式(3)で表される構成単位が下記一般式(4)で表される構成単位を含む、<3>に記載のポリヒドロキシアミド化合物。
TIFF
2025082463000005.tif
21
161
上記式中、R
2
及びR
3
は各々独立してトリフルオロメチル基、炭素原子数1~4のアルキル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を示し、b及びcは各々独立して1~4の整数である。X
1
は上記一般式(3)におけるX
1
と同義である。
<5>
<3>又は<4>に記載のポリヒドロキシアミド化合物を有機溶媒に溶解してなる、ポリヒドロキシアミド溶液。
<6>
<5>に記載のポリヒドロキシアミド溶液を基板上に塗布した後、乾燥させて上記基板上にフィルムを得る工程と、上記基板上で上記フィルムを加熱することにより上記ポリヒドロキシアミド化合物を脱水閉環させて、上記フィルムをポリベンゾオキサゾールフィルムへと変換する工程とを含む、ポリベンゾオキサゾールフィルムの製造方法。
<7>
下記一般式(5)で表される構成単位を含む、ポリベンゾオキサゾールフィルム。
TIFF
2025082463000006.tif
23
161
上記式中、nは1又は2であり、R
1
はトリフルオロメチル基、炭素原子数1~4のアルキル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を示し、aは1~4の整数であり、X
1
は2価の脂肪族基もしくは2価の芳香族基、又はこれらの基を2つ以上組み合わせてなる基を示す。X
1
がこれらの基を2つ以上組み合わせてなる基である場合、組み合わせる2つの基は、-O-又は>SO
2
を介して結合していてもよい。
<8>
上記一般式(5)で表される構成単位が下記一般式(6)で表される構成単位を含む、<7>に記載のポリベンゾオキサゾールフィルム。
TIFF
2025082463000007.tif
19
161
上記式中、R
2
及びR
3
は各々独立してトリフルオロメチル基、炭素原子数1~4のアルキル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を示し、b及びcは各々独立して1~4の整数である。X
1
は上記一般式(5)におけるX
1
と同義である。
【0010】
本発明において、特定の符号又は式で表示された置換基、連結基もしくは構成単位等(以下、置換基等という)が複数あるとき、又は、複数の置換基等を同時に規定するときには、特段の断りがない限り、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。
また、本発明において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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