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公開番号2025082451
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-29
出願番号2023195777
出願日2023-11-17
発明の名称差動制限装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類F16H 48/22 20060101AFI20250522BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】サイドギヤの位置決めを行うことができる差動制限装置を提供する。
【解決手段】一対のドライブシャフト13r,13lが一対のサイドギヤ8r,8lから抜けることを抑制するように、一対のドライブシャフト13r,13lの先端に嵌合したスナップリング15r,15lと、一対のドライブシャフト13r,13lの先端に嵌合した円筒状の推力発生部14r,14lとを備え、推力発生部14r,14lは、サイドギヤ8r,8l側の内径が小さく、他方側の内径が大きくなるテーパ面14aを備え、スナップリング15r,15lの径が増大する方向の弾性力をテーパ面14aが受けて、一対のサイドギヤ8r,8lを一対のプレッシャリング7r,7l側に押圧する荷重を発生させる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
車幅方向に移動可能にケース内に収容され、前記ケースの回転中心軸を中心として回転するとともに前記ケースを介して駆動力源からトルクが伝達される一対のプレッシャリングと、
前記一対のプレッシャリングに挟持され、かつ前記一対のプレッシャリングのトルクに応じて前記一対のプレッシャリングを離隔させて前記ケース側に押圧するピニオンピンと、
前記一対のプレッシャリングを離隔させるように設けられた弾性部材と、
前記ピニオンピンに回転自在に取り付けられたピニオンギヤと、
前記ケースの回転中心軸線方向において前記ピニオンギヤと前記一対のプレッシャリングとの間に配置され、かつ前記ピニオンギヤに噛み合うとともに一対のドライブシャフトが一体に回転するように挿入される一対のサイドギヤと、
前記ケースの回転中心軸線方向において前記一対のプレッシャリングと前記ケースとの間に配置され、前記一対のプレッシャリングが前記ケース側に移動することによって圧着されて前記一対のサイドギヤと前記ケースとの差動を制限するクラッチ部とを備えた差動制限装置であって、
前記一対のドライブシャフトが前記一対のサイドギヤから抜けることを抑制するように、前記一対のドライブシャフトの先端に嵌合したスナップリングと、
前記一対のドライブシャフトの先端に嵌合した円筒状の推力発生部とを備え、
前記推力発生部は、前記サイドギヤ側の内径が小さく、他方側の内径が大きくなるテーパ面を備え、
前記スナップリングの径が増大する方向の弾性力を前記テーパ面が受けて、前記一対のサイドギヤを前記一対のプレッシャリング側に押圧する荷重を発生させる
ことを特徴とする差動制限装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、差動機構の差動回転を制限する差動制限装置に関するものである。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ケースに伝達されるトルクによって推力が発生し、その推力によりプレッシャリングがクラッチプレートを押圧することによって、左右のドライブシャフトの差動を制限する機械式の差動制限装置が記載されている。この差動制限装置は、互いに対向した二つのプレッシャリングがケースと一体に回転するように設けられ、それらのプレッシャリングにおける対向面には、ピニオンシャフトを挟持するカム溝が形成されている。このカム溝は、ピニオンシャフトに伝達するトルクの反力によってプレッシャリング同士の間隔を押し広げる推力を発生させるように構成されている。また、このピニオンシャフトには、公転方向に窪んだ凹部が形成され、その凹部に、公転方向に伸縮可能な弾性部材と、その弾性部材によって押圧されるカムとが設けられている。このカムの先端は、ピニオンシャフトの外周面から突出している。そして、ケースに伝達されるトルクが所定トルク未満の場合には、カムの先端とカム溝に形成された傾斜角度の小さいカム面とが接触し、ケースに伝達されるトルクが所定以上の場合には、弾性部材が押圧されてカムが凹部に収容されることにより、ピニオンシャフトに形成されたカム部と、カム溝に形成された傾斜角度の大きいカム面とが接触するように構成されている。なお、ケースにトルクが伝達されていない無負荷状態で、カムがカム溝に圧着するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-180502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された差動制限装置は、無負荷状態でプレッシャリングに形成されたカム溝に、ピニオンシャフトに設けられたカムが圧着するため、その圧着力に応じた推力がプレッシャリングに作用する。その結果、プレッシャリングによって押圧される多板式の摩擦クラッチ同士が接触した状態となり、ケースにトルクが伝達された際における差動制限の機能が発揮するまでの時間を短縮することができる。一方、互いに対応した二つのプレッシャリングの間にピニオンシャフトが挟持されて位置決めされるのに対して、無負荷状態では、サイドギヤにおける軸線方向の位置決めがされない。そのため、無負荷状態では、サイドギヤが軸線方向に移動して、サイドギヤとピニオンギヤとが衝突することによる異音が発生し、またはその衝突によりサイドギヤやピニオンギヤの耐久性が低下する可能性がある。さらに、ケースにトルクが伝達された場合には、ピニオンシャフトに回転自在に保持されたピニオンギヤとサイドギヤとの噛み合い状態が定まらず、噛み合い開始時における衝突荷重が変化したり、衝突音が大きくなったりする可能性がある。
【0005】
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、サイドギヤの位置決めを行うことができる差動制限装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、この発明は、車幅方向に移動可能にケース内に収容され、前記ケースの回転中心軸を中心として回転するとともに前記ケースを介して駆動力源からトルクが伝達される一対のプレッシャリングと、前記一対のプレッシャリングに挟持され、かつ前記一対のプレッシャリングのトルクに応じて前記一対のプレッシャリングを離隔させて前記ケース側に押圧するピニオンピンと、前記一対のプレッシャリングを離隔させるように設けられた弾性部材と、前記ピニオンピンに回転自在に取り付けられたピニオンギヤと、前記ケースの回転中心軸線方向において前記ピニオンギヤと前記一対のプレッシャリングとの間に配置され、かつ前記ピニオンギヤに噛み合うとともに一対のドライブシャフトが一体に回転するように挿入される一対のサイドギヤと、前記ケースの回転中心軸線方向において前記一対のプレッシャリングと前記ケースとの間に配置され、前記一対のプレッシャリングが前記ケース側に移動することによって圧着されて前記一対のサイドギヤと前記ケースとの差動を制限するクラッチ部とを備えた差動制限装置であって、前記一対のドライブシャフトが前記一対のサイドギヤから抜けることを抑制するように、前記一対のドライブシャフトの先端に嵌合したスナップリングと、前記一対のドライブシャフトの先端に嵌合した円筒状の推力発生部とを備え、前記推力発生部は、前記サイドギヤ側の内径が小さく、他方側の内径が大きくなるテーパ面を備え、前記スナップリングの径が増大する方向の弾性力を前記テーパ面が受けて、前記一対のサイドギヤを前記一対のプレッシャリング側に押圧する荷重を発生させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、一対のドライブシャフトにスナップリングと推力発生部とが嵌合し、その推力発生部は、サイドギヤ側の内径が小さく、他方側の内径が大きくなるテーパ面を備えている。そして、スナップリングの径が増大する方向の弾性力をテーパ面が受けて、一対のサイドギヤを一対のプレッシャリング側に押圧する荷重を発生させるように構成されている。したがって、推力発生部によって一対のサイドギヤが一対のプレッシャリング側に押圧されて、一対のサイドギヤと一対のプレッシャリングとを当接させ、ケースの軸線方向において一対のサイドギヤを位置決めすることができる。
【0008】
そのため、ケースにトルクが伝達されていない無負荷状態であっても、一対のサイドギヤが軸線方向に移動することを抑制でき、一対のサイドギヤとピニオンギヤとが衝突することによる異音の発生や耐久性の低下を抑制することができる。また、ケースにトルクが伝達された場合であっても、ピニオンギヤと一対のサイドギヤとの噛み合い状態が定まっているため、噛み合い開始時における衝突荷重が変化することや衝突音が大きくなること、あるいは衝突するタイミングの相違による衝突音の発生回数が増加することなどを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
この発明の実施形態における差動制限装置の基本的構成の一例を説明するための分解図である。
プレッシャリングに作用するトルクと、プレッシャリングに作用する推力との関係を示す上面図である。
この発明の実施形態における差動制限装置を組み立てた状態を示す組立断面図である。
カラー部材に作用する弾性力と、カラー部材で発生する推力との関係を模式的に示す断面図である。
カラー部材とドライブシャフトとの位置関係を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明の実施形態における差動制限装置の基本的構成の一例を説明するための分解図を図1に示してある。図1に示す差動制限装置1は、車両に設けられた左右のドライブシャフトの差動回転を制限するように構成されている。
(【0011】以降は省略されています)

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