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公開番号
2025082121
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-28
出願番号
2023195380
出願日
2023-11-16
発明の名称
粒状凝固スラグの製造方法
出願人
JFEスチール株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C04B
5/00 20060101AFI20250521BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】破砕機を用いることなく道路用鉄鋼スラグの規格の粒度分布を有する粒状凝固スラグを効率的に製造することができ、かつ、その過程で高効率な熱回収を行うことが可能な、粒状凝固スラグの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の方法は、鋳型内に粒状固形物S1を供給する第1工程と、鋳型内に溶融スラグS2を流し込み、凝固させて板状凝固スラグを得る第2工程と、板状凝固スラグを鋳型から剛体面上に落下させて破砕し、破砕凝固スラグS4を得る第3工程と、破砕凝固スラグS4を熱回収容器に装入し、熱回収容器内にガスを通気させて熱回収を行い、熱回収容器から冷却破砕凝固スラグS6を排出する第4工程と、を有する。第1工程における鋳型内への粒状固形物S1の供給量が互いに異なる複数の条件下にて、第1工程から第4工程までを個別に実施し、前記複数の条件の各々により得られた冷却破砕凝固スラグS6を混合して、粒状凝固スラグSgを得る。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
鋳型内に粒状固形物を供給する第1工程と、
前記鋳型内に溶融スラグを流し込み、前記鋳型内で前記溶融スラグが前記粒状固形物を包含した状態で前記溶融スラグを凝固させて、前記溶融スラグが凝固してなる凝固部と前記粒状固形物とからなる板状凝固スラグを得る第2工程と、
前記板状凝固スラグを前記鋳型から剛体面上に落下させて破砕し、破砕凝固スラグを得る第3工程と、
前記破砕凝固スラグを熱回収容器に装入し、前記熱回収容器内にガスを通気させて、前記ガスにより前記破砕凝固スラグから熱回収を行い、前記熱回収容器から前記破砕凝固スラグが冷却されてなる冷却破砕凝固スラグを排出する第4工程と、
を有し、
前記第1工程における前記鋳型内への前記粒状固形物の供給量が互いに異なる複数の条件下にて、前記第1工程から前記第4工程までを個別に実施し、
前記複数の条件の各々により得られた前記冷却破砕凝固スラグを混合して、粒状凝固スラグを得ることを特徴とする、粒状凝固スラグの製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記粒状固形物が粒状スラグである、請求項1に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
【請求項3】
前記粒状スラグが、炭酸化処理及び蒸気エージング処理を行っていない粒状スラグである、請求項2に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
【請求項4】
前記粒状固形物が、粒度が40~0mmの範囲内であり、JIS Z 8801-1:2019に規定する金属製網ふるいの公称目開きで、53mmの篩い通過率が100質量%、37.5mmの篩い通過率が95~100質量%、19mmの篩い通過率が50~80質量%、4.75mmの篩い通過率が15~40質量%、2.36mmの篩い通過率が5~25質量%の粒度分布を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
【請求項5】
前記粒状固形物が、19mm未満の粒度を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
【請求項6】
前記粒状凝固スラグが、粒度が40~0mmの範囲内であり、JIS Z 8801-1:2019に規定する金属製網ふるいの公称目開きで、53mmの篩い通過率が100質量%、37.5mmの篩い通過率が95~100質量%、19mmの篩い通過率が50~80質量%、4.75mmの篩い通過率が15~40質量%、2.36mmの篩い通過率が5~25質量%の粒度分布を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
【請求項7】
前記第3工程において、前記板状凝固スラグの落下距離が1m以上2m以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
【請求項8】
前記第4工程において、前記ガスが、空気、窒素、二酸化炭素、及び水蒸気からなる群から選択される少なくとも一つである、請求項1~3のいずれか一項に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
【請求項9】
前記第4工程において、前記ガスが二酸化炭素及び水蒸気の一方又は両方を含み、前記熱回収に加えて、前記破砕凝固スラグと前記ガスとの反応を行う、請求項1~3のいずれか一項に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
【請求項10】
前記ガスが二酸化炭素を含み、前記反応が前記破砕凝固スラグの炭酸化処理である、請求項9に記載の粒状凝固スラグの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融スラグを凝固させて得た凝固スラグを破砕して粒状凝固スラグを得る、粒状凝固スラグの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、CO
2
排出量削減のため、鉄鋼製造プロセスにおいて排出される溶融スラグなど、高温の副生成物の保有熱を回収して利用する省エネルギー技術が重要となりつつある。溶融スラグの保有熱量は、その温度にも依存するが、スラグ1トン当たり1.5GJ以上あり、溶融スラグの保有熱を回収して有効活用できれば、省エネルギーによるCO
2
削減が期待できる。
【0003】
溶融スラグの保有熱を回収する方法として、溶融スラグを凝固させた直後の高温の凝固スラグを熱回収槽(容器)に装入して充填層を形成し、容器内の充填層に常温のガスを吹き込み、容器内で凝固スラグの熱を奪って高温化したガスを容器から排出させて回収する方法(充填槽方式)が知られている。
【0004】
また、鉄鋼スラグの一種である製鋼スラグは、その大半が道路用鉄鋼スラグ(JIS A 5015-2018)として再生利用されている。その製造プロセスは、溶融スラグを冷却ヤードに流し込み、凝固して得られた凝固スラグを破砕し、さらに粒度調整を行うことを含む。その後、破砕及び粒度調整された粒状凝固スラグに含まれる遊離石灰(free-CaO)を水和させるために、蒸気エージング処理又は炭酸化処理が行われる。こうして得られた粒状凝固スラグが道路用鉄鋼スラグとして出荷される。
【0005】
道路用鉄鋼スラグの粒度分布は、JIS A 5015-2018で規定されており、特にCS-40(スラグ粒子径が最大で40mm程度)が用いられている。特許文献1には、「鋳型内に粒状固形物と溶融スラグとを供給する工程と、前記鋳型内で前記溶融スラグを前記粒状固形物とともに凝固させて、前記溶融スラグが凝固してなる凝固域と前記粒状固形物とからなる厚み30mm以上50mm以下の板状凝固スラグを得る工程と、前記板状凝固スラグを前記鋳型から取り出す工程と、回転する筒状容器を備える回転装置の前記筒状容器内に前記板状凝固スラグを装入し、前記筒状容器を回転させて前記板状凝固スラグを破砕して、粒状凝固スラグを得る工程と、を有する粒状凝固スラグの製造方法(請求項1)」によって、CS-40の粒度分布を有する粒状凝固スラグを簡易に製造することができることが記載されている。特許文献1には、得られた高温の粒状凝固スラグに対して、熱回収処理、炭酸化処理、及び蒸気エージング処理などの後処理を行うことも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2022/270480号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の回転装置のような破砕機を用いて凝固スラグの熱間破砕を行う場合、以下のような課題があることを本発明者らは認識した。
【0008】
まず、破砕機を使用すること自体、工程を増やし、設備が大規模になる点で不利である。さらに、凝固直後のスラグは1000℃以上の高温を有するため、破砕機の内壁には耐火物を用いる必要がある。ただし、凝固スラグは耐火物と同程度の硬度を有するため、耐火物が凝固スラグと衝突した際、破損するリスクがある。耐火物が破損した場合、これを交換するため、破砕機を一旦停止する必要がある。設備全体の操業停止を回避するには、代わりの破砕機を用意しておき、ある破砕機での耐火物の破損が確認され次第、代わりの破砕機を使用する必要がある。また、耐火物が脱落しスラグに混入した場合、スラグ品質が変化するため、混入を回避するためには短期間で耐火物を交換する必要がある。
【0009】
また、破砕機を用いて高温の凝固スラグを破砕するにあたり、スラグと耐火物が熱交換するため、スラグの温度が低下する。一定量以上のスラグを処理すれば、耐火物が高温になり、スラグの温度低下量は抑制されるが、一定量のスラグを破砕することで、破砕機の耐火物が破損すれば、耐火物を交換する必要がある。そうすると、耐火物の温度が再度低くなるため、破砕によりスラグの温度が大きく低下する。つまり、破砕機を用いる凝固スラグの破砕においては、スラグの温度低下が著しい。そのため、破砕後の粒状凝固スラグに対して熱回収処理又は反応処理(蒸気エージング処理又は炭酸化処理)を行う際に、熱回収量の低下又は反応量の低下を引き起こす。
【0010】
とは言え、熱回収処理及び反応処理は、凝固スラグの破砕後に行う必要がある。スラグの表面積が少ない破砕前の段階で熱回収を行うのは効率が悪く、また、反応後に破砕を行った場合、反応していない新生面が生じ、最終製品の膨張抑制のためには再度の反応処理が必要となるからである。しかしながら、特許文献1のように、破砕して得たCS-40の粒度分布を有する粒状凝固スラグに対して、熱回収処理又は反応処理を行う場合、以下の課題も考えられる。すなわち、CS-40は粒度が40~0mmという非常に広い粒度分布を有しているため、CS-40の粒度分布を有する粒状凝固スラグを容器に投入し、充填層を形成した際、スラグの偏析が生じる。偏析が生じると、充填層内部のガス流れが不均一になり、スラグとガスの熱交換又はスラグの反応が不均一となるため、熱回収効率又は反応効率が低下する。
(【0011】以降は省略されています)
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