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公開番号2025082002
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-28
出願番号2023195166
出願日2023-11-16
発明の名称フロック撮影システム、濁水処理システム、及び濁水処理システムにおける注薬制御方法
出願人西松建設株式会社
代理人弁理士法人井上国際特許商標事務所,個人,個人,個人,個人
主分類B01D 21/00 20060101AFI20250521BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】反応槽内で凝集される凝集フロックの生成情報を算出するため凝集フロックの正確な撮影を可能にし、それによって濁水処理システムにおける正確な注薬制御を可能にする。
【解決手段】薬剤を投入した原水を貯水し、凝集を発生させる反応槽131と、外光を遮光する筐体102と、筐体内に配置され、反応槽内の反応槽水を貯水する透明な反応槽水サンプリング容器103と、反応槽から反応槽水サンプリング容器へ反応槽水を給水する給水ポンプ108と、筐体内に配置され、反応槽水サンプリング容器を照らす照明装置104と、筐体内に配置され、反応槽水サンプリング容器内に貯水された反応槽水の凝集フロックの凝集状態を撮影することにより、フロック生成情報として反射点群率又は映像データを得るためのフロック映像信号を出力する撮影装置105と、反応槽水サンプリング容器内に貯水されていた前記反応槽水を反応槽に還流させる排水ポンプ109と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
薬剤を投入した原水を貯水し、凝集を発生させる反応槽と、
外光を遮光する筐体と、
前記筐体内に配置され、前記反応槽内の反応槽水を貯水する透明な反応槽水サンプリング容器と、
前記反応槽から前記反応槽水サンプリング容器へ前記反応槽水を給水する給水ポンプと、
前記筐体内に配置され、前記反応槽水サンプリング容器を照らす照明装置と、
前記筐体内に配置され、前記反応槽水サンプリング容器内に貯水された前記反応槽水の凝集フロックの凝集状態を撮影することにより、フロック生成情報として反射点群率又は映像データを得るためのフロック映像信号を出力する撮影装置と、
前記反応槽水サンプリング容器内に貯水された前記反応槽水を前記反応槽に還流させる排水ポンプと、
を備えるフロック撮影システム。
続きを表示(約 3,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載のフロック撮影システムと、
原水を貯水する原水槽と、
無機凝集剤を貯蔵する無機凝集剤タンクと、
高分子凝集剤を貯蔵する高分子凝集剤タンクと、
前記原水槽から前記反応槽に注水される原水に前記無機凝集剤タンクから前記無機凝集剤を注薬する無機凝集剤注薬ポンプと、
前記原水槽から前記反応槽に注水される原水に前記高分子凝集剤タンクから前記高分子凝集剤を注薬する高分子凝集剤注薬ポンプと、
前記反応槽で形成された前記凝集フロックを沈殿させることにより原水を浄化する沈殿槽と、
前記フロック撮影システムの前記撮影装置が出力するフロック映像信号に基づいて前記反応槽水の前記凝集フロックの凝集状態を示すフロック生成情報を算出するフロック生成情報算出部と、
前記フロック生成情報の入力値に対して前記無機凝集剤注薬ポンプ及び前記高分子凝集剤注薬ポンプが注薬をするための各注薬制御量を出力するように予め機械学習された機械学習モデル演算部を備え、前記フロック生成情報を前記機械学習モデル演算部に入力することにより、前記フロック生成情報に対応する前記無機凝集剤注薬ポンプ及び前記高分子凝集剤注薬ポンプの各注薬制御量を算出する注薬制御量算出部と、
前記注薬制御量算出部が算出した各注薬制御量に基づいて、前記無機凝集剤注薬ポンプ及び前記高分子凝集剤注薬ポンプを駆動させるポンプ制御部と、
を有する濁水処理システム。
【請求項3】
前記沈殿槽で浄化された水を貯水する処理水槽と、
前記原水槽、前記沈殿槽、又は前記処理水槽の何れか1つ以上に、内部に貯水される水の水素イオン指数を計測する水素イオン指数計と、を更に有し、
前記機械学習モデル演算部は、前記フロック生成情報と前記水素イオン指数の入力値の組合せに対して、前記無機凝集剤注薬ポンプ及び前記高分子凝集剤注薬ポンプが注薬をするための各注薬制御量を出力するように予め機械学習され、
前記注薬制御量算出部は、前記フロック生成情報と、前記フロック映像信号の出力と同時期に前記水素イオン指数計が出力した水素イオン指数との組を、前記機械学習モデル演算部に入力し、該組に対応する前記無機凝集剤注薬ポンプ及び前記高分子凝集剤注薬ポンプの各注薬制御量を算出する、
請求項2に記載の濁水処理システム。
【請求項4】
前記反応槽、前記沈殿槽、又は前記処理水槽の何れか1つ以上に、内部に貯水される水の濁度を計測する濁度計を更に有し、
前記機械学習モデル演算部は、前記フロック生成情報と前記水素イオン指数と前記濁度の入力値の組合せに対して、前記無機凝集剤注薬ポンプ及び前記高分子凝集剤注薬ポンプが注薬をするための各注薬制御量を出力するように予め機械学習され、
前記注薬制御量算出部は、前記フロック生成情報と、前記フロック映像信号の出力と同時期に前記水素イオン指数計が出力した水素イオン指数と、前記フロック映像信号の出力と同時期に前記濁度計が出力した濁度との組を、前記機械学習モデル演算部に入力することにより、該組に対応する前記無機凝集剤注薬ポンプ及び前記高分子凝集剤注薬ポンプの各注薬制御量を算出する、
請求項3に記載の濁水処理システム。
【請求項5】
水素イオン指数調整剤を貯蔵する水素イオン指数調整剤タンクと、
前記原水槽から前記反応槽に注水される前記原水に前記水素イオン指数調整剤タンクから前記水素イオン指数調整剤を注薬する水素イオン指数調整剤注薬ポンプと、を更に有し、
前記機械学習モデル演算部は、前記フロック生成情報と前記水素イオン指数と前記濁度の入力値の組合せに対して、前記無機凝集剤注薬ポンプ、前記高分子凝集剤注薬ポンプ及び前記水素イオン指数調整剤注薬ポンプが注薬をするための各注薬制御量を出力するように予め機械学習され、
前記注薬制御量算出部は、前記フロック生成情報と、前記フロック映像信号の出力と同時期に前記水素イオン指数計が出力した水素イオン指数と、前記フロック映像信号の出力と同時期に前記濁度計が出力した濁度との組を、前記機械学習モデル演算部に入力することにより、該組に対応する前記無機凝集剤注薬ポンプ、前記高分子凝集剤注薬ポンプ及び前記水素イオン指数調整剤注薬ポンプの各注薬制御量を算出し、
前記ポンプ制御部は更に、前記注薬制御量算出部が算出した注薬制御量に基づいて、前記水素イオン指数調整剤注薬ポンプを駆動させる、
請求項4に記載の濁水処理システム。
【請求項6】
炭酸ガスを貯蔵する炭酸ガスボンベと、
前記原水槽から前記反応槽に注水される前記原水に前記炭酸ガスボンベから前記炭酸ガスを注入する炭酸ガス注入弁と、
前記炭酸ガス注入弁を制御する弁制御部と、を更に有し、
前記機械学習モデル演算部は、前記フロック生成情報と前記水素イオン指数と前記濁度の入力値の組合せに対して、前記無機凝集剤注薬ポンプ及び前記高分子凝集剤注薬ポンプが注薬をするための各注薬制御量、及び、前記炭酸ガス注入弁が前記炭酸ガスを注入するための注入制御量を出力するように予め機械学習され、
前記注薬制御量算出部は、前記フロック生成情報と、前記フロック映像信号の出力と同時期に前記水素イオン指数計が出力した水素イオン指数と、前記フロック映像信号の出力と同時期に前記濁度計が出力した濁度との組を、前記機械学習モデル演算部に入力することにより、該組に対応する前記無機凝集剤注薬ポンプ及び前記高分子凝集剤注薬ポンプの各注薬制御量と、前記炭酸ガス注入弁の注入制御量を算出し、
前記弁制御部は、前記注薬制御量算出部が算出した注入制御量に基づいて、前記炭酸ガス注入弁を駆動させる、
請求項4に記載の濁水処理システム。
【請求項7】
請求項1に記載のフロック撮影システムと、
原水を貯水する原水槽と、
無機凝集剤を貯蔵する無機凝集剤タンクと、
高分子凝集剤を貯蔵する高分子凝集剤タンクと、
前記原水槽から前記反応槽に注水される原水に前記無機凝集剤タンクから前記無機凝集剤を注薬する無機凝集剤注薬ポンプと、
前記原水槽から前記反応槽に注水される原水に前記高分子凝集剤タンクから前記高分子凝集剤を注薬する高分子凝集剤注薬ポンプと、
前記反応槽で形成された前記凝集フロックを沈殿させることにより原水を浄化する沈殿槽と、を備えた濁水処理システムにおける注薬制御方法であって、
フロック生成情報算出部が、前記フロック撮影システムの前記撮影装置が出力するフロック映像信号に基づいて前記反応槽水の前記凝集フロックの凝集状態を示すフロック生成情報を算出し、
注薬制御量算出部が、前記フロック生成情報の入力値に対して前記無機凝集剤注薬ポンプ及び前記高分子凝集剤注薬ポンプが注薬をするための各注薬制御量を出力するように予め機械学習された機械学習モデル演算部に、前記フロック生成情報を入力することにより、前記フロック生成情報に対応する前記無機凝集剤注薬ポンプ及び前記高分子凝集剤注薬ポンプの各注薬制御量を算出し、
ポンプ制御部が、前記注薬制御量算出部が算出した各注薬制御量に基づいて、前記無機凝集剤注薬ポンプ及び前記高分子凝集剤注薬ポンプを駆動させる、
濁水処理システムにおける注薬制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、山岳トンネル工事に設置される濁水処理設備等に設けられ反応槽内で凝集される凝集フロックの生成情報を算出するため凝集フロックを撮影するフロック撮影システム、濁水処理システム、及び濁水処理システムにおける注薬制御方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
山岳トンネル工事に設置される濁水処理設備等は、例えば、原水槽、反応槽、沈殿槽、及び処理水槽等を備える。原水槽は、汚濁水を貯水する。反応槽は、原水槽から給水した原水に薬剤を投入することにより、原水中の懸濁物質や有機物、細菌等に対して凝集反応を起こさせる。沈殿槽は、反応槽で形成された凝集物質である凝集フロック(以下、「フロック」と記載)を沈殿させることにより原水を浄化する。処理水槽は、沈殿槽での浄化により得られた水を放流のために貯水する。
反応槽では、原水にpH(水素イオン指数)調整剤、無機凝集剤である例えばPAC(ポリ塩化アルミニウム)、及び高分子凝集剤等の薬剤が適切な添加量で添加されることにより、フロックが形成される。
このとき、原水への各薬剤の添加量が適切でないと、沈殿槽において沈殿に有効な大きさを有するフロックを形成させることができず、十分な浄化を行うことができない。
【0003】
従来、フロック生成情報の取得、及びそれに基づく薬剤の添加量の調整は、人手で行われていた。
【0004】
フロックを監視するための従来技術として、凝集槽に所定の傾斜角度で接続され凝集槽内の凝集フロックを含む排水を導くサンプリング樋と、該サンプリング樋の上を太陽光から遮蔽する遮光カバーと、該遮光カバーで覆われた前記サンプリング樋の上を照明する照明ランプと、該照明ランプにより照明された前記サンプリング樋内の排水を外部から撮影するカメラと、該カメラの映像信号を画像処理し前記排水内の凝集フロックについての情報を求めるフロック認識手段とから成る凝集フロック監視装置がある(特許文献1)。
【0005】
また、照明とカメラを搭載した沈降管やプローブを反応槽等の水中に浸清させてフロックを撮影する従来技術もある(特許文献2、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平04-148849号公報。
特開平03-094802号公報
特開2003-287489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、フロック生成情報の取得、及びそれに基づく薬剤の添加量の調整共に、人手に頼る方法では、作業員の労力がかかる。それだけでなく、従来技術は、作業員の目視判断や目分量によるため、判断基準が主観的となって経験と勘に依存することになる。従って、従来技術は、経験を積んだ作業員でないと作業ができないという課題があった。このため、人手に頼る従来技術では、汚濁水の性状の変化によって、薬剤の添加量が適切ではなくなって濁水処理がうまくいかなくなる場合があり、汚濁水のまま河川等に流出してしまう恐れがあるという課題があった。
【0008】
サンプリング樋と遮光カバーと照明ランプを使った従来技術は、撮影時の光環境を一定に保つことはできる。しかしながら、凝集フロックを含む排水を樋に流すだけでは、反応槽内のフロックの生成状態をうまく再現することができない。このため、この従来技術は、正確なフロック生成情報を得ることができないという課題があった。
【0009】
更に、沈降管やプローブを反応槽等の水中に浸清させてフロックを撮影する従来技術は、反応水に浸清する撮影窓等が反応水の汚濁により汚れることにより、光の透過率が悪くなる。このため、汚れる度に撮影窓等の洗浄が必要になり、メンテナンスが煩雑であるという課題があった。
【0010】
そこで、本発明は、フロック生成情報算出のための正確なフロックの撮影を可能にすると共に、それによって濁水処理システムにおける正確な注薬制御を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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