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公開番号2025081535
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-27
出願番号2025025484,2023093618
出願日2025-02-20,2018-03-09
発明の名称PD-L1に対する抗体
出願人ジェンマブ エー/エス
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C07K 16/28 20060101AFI20250520BHJP(有機化学)
要約【課題】ヒトPD-L1に結合することができる新規の抗体クラス、及びヒトPD-L1に結合することができ且つヒトCD3に結合することができる二重特異性抗体を提供する。
【解決手段】ヒトPD-L1とヒトPD-1との結合を阻害し、且つ、ヒトPD-L1との結合について、特定のアミノ酸配列で示したVH配列及びVL配列を含む抗体と競合するが、ヒトPD-L1との結合について、特定のアミノ酸配列で示したVH配列及びVL配列を含む抗体とは競合しない、ヒトPD-L1に結合することができる抗原結合領域を含む抗体を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ヒトPD-L1に結合することができる抗原結合領域を含む抗体であって、
ヒトPD-L1とヒトPD-1との結合を阻害し、かつ、
(i)ヒトPD-L1との結合について、SEQ ID NO:8に示したVH配列およびSEQ ID NO:15に示したVL配列を含む抗体[511]と競合するが、ヒトPD-L1との結合について、SEQ ID NO:18に示したVH配列およびSEQ ID NO:22に示したVL配列を含む抗体[547]とは競合しない、または
(ii)ヒトPD-L1との結合について、SEQ ID NO:18に示したVH配列およびSEQ ID NO:22に示したVL配列を含む抗体[547]と競合するが、ヒトPD-L1との結合について、SEQ ID NO:8に示したVH配列およびSEQ ID NO:15に示したVL配列を含む抗体[511]とは競合しない、
前記抗体。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
ヒトPD-L1との結合について、SEQ ID NO:1に示したVH配列およびSEQ ID NO:5に示したVL配列を含む抗体[338]と競合する、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
前記請求項のいずれか一項に記載の抗体とヒトPD-L1との結合が、SEQ ID NO:53に示したVH配列およびSEQ ID NO:57に示したVL配列を含む抗体[476]によって置換されない、前記請求項のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項4】
前記請求項のいずれか一項に記載の抗体とヒトPD-L1との結合が、SEQ ID NO:106に示したVH配列およびSEQ ID NO:110に示したVL配列を含む抗体[625]の結合によってブロックされない、前記請求項のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項5】
前記請求項のいずれか一項に記載の抗体とヒトPD-L1との結合が、SEQ ID NO:18に示したVH配列およびSEQ ID NO:22に示したVL配列を含む抗体[547]によってブロックされる、前記請求項のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項6】
(i)SEQ ID NO:1に示したVH配列およびSEQ ID NO:5に示したVL配列を含む抗体[338]と同じヒトPD-L1エピトープに結合することができる、または
(ii)SEQ ID NO:8に示したVH配列およびSEQ ID NO:15に示したVL配列を含む抗体[511]と同じヒトPD-L1エピトープに結合することができる、または
(iii)SEQ ID NO:18に示したVH配列およびSEQ ID NO:22に示したVL配列を含む抗体[547]と同じヒトPD-L1エピトープに結合することができる、
請求項1に記載の抗体。
【請求項7】
請求項1~4および6のいずれか一項に記載の抗体と、SEQ ID NO:94における位置113に対応する位置にあるアミノ酸残基(R113)、位置123に対応する位置にあるアミノ酸残基(Y123)、および位置125に対応する位置にあるアミノ酸残基(R125)のいずれか1つまたは複数がアラニンで置換されている変異体PD-L1との結合が、SEQ ID NO:94に示したアミノ酸配列を有する野生型PD-L1との結合と比較して低減しており、該抗体の結合の変化倍率がアラニン変異体全てにわたる結合の変化倍率の平均 - 1.5×SDよりも小さい場合に結合の低減が判定され、SDが変異体PDL1に対する該抗体の変化倍率計算値全ての標準偏差であり、かつ結合の変化倍率が実施例13に示した通りに算出される[338]、請求項1~4および6のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項8】
請求項1~2、および6のいずれか一項に記載の抗体が、PD-L1(SEQ ID NO:94)上のエピトープに結合し、該エピトープが、SEQ ID NO:94の位置113におけるアミノ酸残基(R113)、位置123におけるアミノ酸残基(Y123)、および/または位置125におけるアミノ酸残基(R125)を含む、請求項1~2、および6のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項9】
請求項1、3、4、および6のいずれか一項に記載の抗体と、SEQ ID NO:94における位置19に対応する位置にあるアミノ酸残基(F19)、位置42に対応する位置にあるアミノ酸残基(F42)、位置45に対応する位置にあるアミノ酸残基(E45)、位置46に対応する位置にあるアミノ酸残基(K46)、位置94に対応する位置にあるアミノ酸残基(L94)、および位置116に対応する位置にあるアミノ酸残基(I116)のいずれか1つまたは複数がアラニンで置換されている変異体PD-L1との結合が、SEQ ID NO:94に示したアミノ酸配列を有する野生型PD-L1と比較して低減しており、該抗体の結合の変化倍率がアラニン変異体全てにわたる結合の変化倍率の平均 - 1.5×SDよりも小さい場合に結合の低減が判定され、SDが変異体PDL1に対する該抗体の変化倍率計算値全ての標準偏差であり、かつ結合の変化倍率が実施例13に示した通りに算出される[511]、請求項1、3、4、および6のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項10】
請求項1、3、4、および6のいずれか一項に記載の抗体が、PD-L1(SEQ ID NO:94)上のエピトープに結合し、該エピトープが、SEQ ID NO:94の位置45におけるアミノ酸残基(E45)、位置46におけるアミノ酸残基(K46)、および/または位置94におけるアミノ酸残基(L94)からなる群より選択される1つまたは複数のアミノ酸残基を含む、請求項1、3、4、および6のいずれか一項に記載の抗体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、新規の抗体および医学におけるその使用に関する。特に、本発明は、ヒトPD-L1に結合することができかつヒトCD3に結合することができる二重特異性抗体に関する。ヒトPD-L1に結合することができる新規の抗体クラスも提供される。本発明はさらに、本発明の抗体の使用に関し、かつ本発明の抗体を産生するための方法、核酸構築物、および宿主細胞に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
発明の背景
プログラム死リガンド1(PD-L1、PDL1、CD274、B7H1、B7-H1)は33kDa 1回膜貫通I型膜タンパク質である。選択的スプライシングに基づいて3種類のPD-L1アイソフォームが述べられている。PD-L1は免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーに属し、1つのIg様C2型ドメインと1つのIg様V型ドメインを含有する。新鮮に単離されたT細胞およびB細胞は、ごくわずかな量のPD-L1を発現し、CD14+単球のほんの一部(約16%)しかPD-L1を構成的に発現しない(Rietz and Chen, 2004 Am J Transplant 4: 8-14(非特許文献1))。インターフェロン-γ(IFN-γ)が腫瘍細胞上のPD-L1をアップレギュレートすることが知られている(Abiko et al., 2015 Br J Cancer 112:1501-1509(非特許文献2); Dong et al., 2002 Nature Medicine 8(8): 793-800(非特許文献3))。
【0003】
PD-L1は、(1)活性化T細胞上のPD-L1の受容体PD-1(CD279)に結合することで腫瘍反応性T細胞を寛容化することによって(Dong et al., 前記; Latchman et al., 2004 Proc Natl Acad Sci USA 101, 10691-6(非特許文献4))、(2)腫瘍細胞が発現したPD-L1を介したPD-1シグナル伝達により、腫瘍細胞を、CD8+T細胞およびFasリガンドを介した溶解に対して耐性にすることによって(Azuma et al., 2008 Blood 111, 3635-43(非特許文献5));(3)T細胞が発現したCD80(B7.1)を介した逆向きのシグナル伝達によりT細胞を寛容化することによって(Butte et al., 2007 Immunity 27, 111-22(非特許文献6); Park et al., 2010 Blood 116, 1291-8(非特許文献7));ならびに(4)誘導されたT調節性細胞の発達および維持を促進することによって(Francisco et al., 2009 J Exp Med 206, 3015-29(非特許文献8))抗腫瘍免疫を妨害する。PD-L1は、黒色腫、卵巣がん、肺がん、および結腸がんを含む多くのヒトがんにおいて発現している(Dong et al., 前記)。
【0004】
PD-L1ブロッキング抗体は、PD-L1を過剰発現することが知られている数種類のがん(黒色腫、NSCLCを含む)において臨床活性を示した。例えば、アテゾリズマブは、PD-L1に対するヒト化IgG1モノクローナル抗体である。アテゾリズマブは、現在、様々なタイプの固形腫瘍を含む数種類の適応症に対する免疫療法剤として臨床試験中である(例えば、Rittmeyer et al., 2017 Lancet 389:255-265(非特許文献9)を参照されたい)。PD-L1抗体であるアベルマブ(Kaufmanet al Lancet Oncol. 2016;17(10):1374-1385(非特許文献10))は、転移性メルケル細胞がんに罹患した成人および12才以上の小児患者の治療剤としてFDAにより承認されており、現在、膀胱がん、胃がん、頭頸部がん、中皮腫、NSCLC、卵巣がん、および腎臓がんを含む数種類のがん適応症において臨床試験中である。PD-L1抗体であるデュルバルマブは局所進行性または転移性の尿路上皮がん適応症に対して承認され、複数種類の固形腫瘍および血液がんにおいて臨床開発中である(例えば、Massard et al., 2016 J Clin Oncol. 34(26):3119-25(非特許文献11)を参照されたい)。さらなる抗PD-L1抗体が、WO2004004771(特許文献1)、WO2007005874(特許文献2)、WO2010036959(特許文献3)、WO2010077634(特許文献4)、WO2013079174(特許文献5)、WO2013164694(特許文献6)、WO2013173223(特許文献7)、およびWO2014022758(特許文献8)において説明されている。
【0005】
がん根絶の面で大幅な進展があったが、抗体に基づくがん療法のさらなる改善が依然として必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
WO2004004771
WO2007005874
WO2010036959
WO2010077634
WO2013079174
WO2013164694
WO2013173223
WO2014022758
【非特許文献】
【0007】
Rietz and Chen, 2004 Am J Transplant 4: 8-14
Abiko et al., 2015 Br J Cancer 112:1501-1509
Dong et al., 2002 Nature Medicine 8(8): 793-800
Latchman et al., 2004 Proc Natl Acad Sci USA 101, 10691-6
Azuma et al., 2008 Blood 111, 3635-43
Butte et al., 2007 Immunity 27, 111-22
Park et al., 2010 Blood 116, 1291-8
Francisco et al., 2009 J Exp Med 206, 3015-29
Rittmeyer et al., 2017 Lancet 389:255-265
Kaufmanet al Lancet Oncol. 2016;17(10):1374-1385
Massard et al., 2016 J Clin Oncol. 34(26):3119-25
【発明の概要】
【0008】
第1の局面において、本発明は、ヒトPD-L1に結合することができる抗原結合領域を含む新規の抗PD-L1抗体を提供する。本発明のこの第2の局面の抗体は単一特異性でもよく多重特異性でもよく、多重特異性であれば、前記多重特異性抗体は、ヒトCD3εに結合することができる抗原結合領域を含んでもよいかまたは含まなくてもよい。
【0009】
本発明はさらに、ヒトPD-L1に結合することができる抗原結合領域と、ヒトCD3ε(イプシロン)に結合することができる抗原結合領域とを含む、二重特異性抗体を提供する。このような二重特異性抗体には以下の2つの効果がある。
【0010】
第一に、前記抗体はそのPD-L1結合領域を介して、PD-L1を発現する腫瘍細胞に結合する。それと同時に、前記抗体はそのCD3結合領域を介してT細胞に結合する。そのため、前記抗体はT細胞を腫瘍細胞のすぐ近くに引き寄せ、それによってT細胞による腫瘍細胞死滅を容易にする。さらに、どの特定の理論にも限定されないが、PD-L1発現細胞とエフェクターT細胞を互いのすぐ近くに引き寄せるとインターフェロン-γ放出が開始する可能性があり、その結果として腫瘍細胞上のPD-L1がアップレギュレートされ、そのため、さらに多くの抗体が腫瘍に動員され、その死滅がさらに強化できる可能性がある。
(【0011】以降は省略されています)

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