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公開番号2025076042
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2023187668
出願日2023-11-01
発明の名称リング継手形成用のスペーサと、セグメントのリング継手の形成方法
出願人大成建設株式会社
代理人個人,個人
主分類E21D 11/04 20060101AFI20250508BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】ワンパス方式のセグメントのリング継手を適用するに当たり、雌継手に対する雄継手の誤挿入を未然に防止することのできる、リング継手形成用のスペーサとセグメントのリング継手の形成方法を提供する。
【解決手段】第1セグメント10に対して第2セグメント20をリング継手を介してトンネルの軸方向に接続するに当たり、第1リング継手面と第2リング継手面の間に所定長さの隙間Gを形成して、第1セグメント10に対する第2セグメント20の接続方向の確認を行うべく、第1リング継手面と第2リング継手面の間に介装される、リング継手形成用のスペーサ70であり、第2セグメント20に予め固定される、固定部71と、固定部71と連続して第2リング継手面から突設する本体部75とを有し、本体部75は隙間Gの長さを調整自在なスライド機構77を備えている。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
第1セグメントの第1リング継手面に第1雌継手が設けられ、第2セグメントの第2リング継手面に第1雄継手が設けられており、該第1セグメントに対して該第2セグメントをリング継手を介してトンネルの軸方向に接続するに当たり、該第1リング継手面と該第2リング継手面の間に所定長さの隙間を形成して、該第1セグメントに対する該第2セグメントの接続方向の確認を行うべく、該第1リング継手面と該第2リング継手面の間に介装される、リング継手形成用のスペーサであって、
前記第2セグメントに予め固定される、固定部と、
前記固定部と連続して、前記第2リング継手面から突設する本体部とを有し、
前記本体部が、前記隙間の長さを調整自在なスライド機構を備えていることを特徴とする、リング継手形成用のスペーサ。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
前記第2セグメントの第2セグメント継手面に対向する第1片と、該第1片に連続して前記第2リング継手面に対向する第2片とを備え、
前記第1片には、前記第2セグメント継手面に設けられている第2雄継手もしくは第2雌継手に固定される、固定用ボルトが螺合自在に取り付けられており、
前記第2片には、前記スライド機構を形成する隙間調整用ボルトが固定され、該スライド機構を形成する隙間調整用ナットが該隙間調整用ボルトに対してスライド自在に螺合しており、
前記第1片と前記固定用ボルトが前記固定部を形成し、
前記第2片と前記スライド機構が前記本体部を形成していることを特徴とする、請求項1に記載のリング継手形成用のスペーサ。
【請求項3】
前記第2片には支持材が取り付けられ、前記隙間調整用ナットの頭部に当接する荷重分散片が該支持材に対してスライド自在に取り付けられ、該支持材と該荷重分散片が前記本体部に含まれており、
前記隙間調整用ナットがスライドする際に、該隙間調整用ナットに押されて前記荷重分散片がスライドすることを特徴とする、請求項2に記載のリング継手形成用のスペーサ。
【請求項4】
設置済みの第1セグメントに対して、第2セグメントをトンネルの軸方向に接続してセグメントのリング継手を形成する、セグメントのリング継手の形成方法であって、
前記第1雄継手は、前記第2リング継手面から突設する軸状の雄ピンにより形成され、
前記第1雌継手は、
前記第1リング継手面から前記第1セグメントの内部に埋設されている、中空を備えたケースと、
前記中空の底に取り付けられている付勢部材と、
前記中空の内部において、前記付勢部材により第1雄継手側へ付勢されている複数の小ボルトが環状に配設され、中央に前記雄ピンが挿入されて嵌合する嵌合溝を備えている、小ボルト群と、
前記ケースの中空の第1リング継手面側の端部に取り付けられて、各小ボルトの先端を前記小ボルト群の中心側へ案内するテーパー内壁面を備えている、ケース蓋とを有し、
前記雄ピンは、
第1雌継手側である前方側に位置して、外周が平滑な曲面を備え、前記嵌合溝に挿入された際に該嵌合溝と嵌合しない、非嵌合部と、
前記非嵌合部の後方側に位置して、外周に雄ネジを備え、前記嵌合溝に挿入された際に該嵌合溝と嵌合する、嵌合部とを有し、
前記非嵌合部の長さは、前記嵌合溝と前記雄ピンの軸芯が交差した状態で該嵌合溝に対して該非嵌合部が挿入された際に、該非嵌合部の一部が該嵌合溝の一部に接触する長さに設定されており、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のリング継手形成用のスペーサを、前記第2セグメントに対して予め固定しておき、
前記第1セグメントに対して前記第2セグメントを近接させ、前記第1リング継手面に対して前記本体部を当接させて前記隙間を形成し、前記第1セグメントに対する前記第2セグメントの接続方向の確認を行い、前記嵌合溝と前記雄ピンの双方の軸芯が交差している場合は、該嵌合溝から該雄ピンを引き抜き、前記リング継手形成用のスペーサを取り外し、該嵌合溝と該雄ピンの双方の軸芯を一致させながら該嵌合溝に対して該雄ピンを挿入して、該嵌合溝と該雄ピンの前記嵌合部を嵌合させてリング継手を形成することを特徴とする、セグメントのリング継手の形成方法。
【請求項5】
設置済みの第1セグメントに対して、第2セグメントをトンネルの軸方向に接続してセグメントのリング継手を形成する、セグメントのリング継手の形成方法であって、
前記第1雄継手は、前記第2リング継手面から突設する軸状で外周に雄ネジを備えた雄ピンにより形成され、
前記第1雌継手は、
前記第1リング継手面から前記第1セグメントの内部に埋設されている、中空を備えたケースと、
前記中空の底に取り付けられている付勢部材と、
前記中空の内部において、前記付勢部材により第1雄継手側へ付勢されている複数の小ボルトが環状に配設され、中央に前記雄ピンが挿入されて嵌合する嵌合溝を備えている、小ボルト群と、
前記ケースの中空の第1リング継手面側の端部に取り付けられて、各小ボルトの先端を前記小ボルト群の中心側へ案内するテーパー内壁面を備えている、ケース蓋とを有し、
前記小ボルトは、
第1雄継手側である前方側に位置して、平滑な外周面を備え、前記嵌合溝に挿入された前記雄ピンと嵌合しない、非嵌合部と、
前記非嵌合部の後方側に位置して、外周に雄ネジを備え、前記嵌合溝に挿入された前記雄ピンと嵌合する、嵌合部とを有し、
前記非嵌合部の長さは、前記嵌合溝と前記雄ピンの軸芯が交差した状態で該嵌合溝に対して該雄ピンが挿入された際に、該雄ピンの一部が該非嵌合部の一部に接触する長さに設定されており、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のリング継手形成用のスペーサを、前記第2セグメントに対して予め固定しておき、
前記第1セグメントに対して前記第2セグメントを近接させ、前記第1リング継手面に対して前記本体部を当接させて前記隙間を形成し、前記第1セグメントに対する前記第2セグメントの接続方向の確認を行い、前記嵌合溝と前記雄ピンの双方の軸芯が交差している場合は、該嵌合溝から該雄ピンを引き抜き、前記リング継手形成用のスペーサを取り外し、該嵌合溝と該雄ピンの双方の軸芯を一致させながら該嵌合溝に対して該雄ピンを挿入して、該嵌合溝と該雄ピンの前記嵌合部を嵌合させてリング継手を形成することを特徴とする、セグメントのリング継手の形成方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リング継手形成用のスペーサと、セグメントのリング継手の形成方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
昨今の鋼製セグメントやコンクリート系セグメント(RC(Reinforced Concrete)セグメントや、鋼殻とコンクリートが合成された合成セグメント)のセグメント継手やリング継手には、所謂ワンパス方式のセグメント継手が適用される場合がある。
ワンパス方式のセグメント継手の一例としては、一方のセグメントのセグメント継手面に雌継手であるC型金物を埋込んで案内溝に連通させておき、他方のセグメントのセグメント継手面に雄継手であるT型金物を突設させておき、T型金物を案内溝を介してC型金物に嵌合する形態(所謂、CT継手)がある。
また、他の形態として、特許文献1に記載されるように、一方のセグメントのリング継手面を形成する主桁に挿入部材(金物)を固定(溶接)してセグメント継手面側へ突設させ、他方のセグメントのリング継手面とセグメント継手面の隅角部に箱型の受け部材を固定し、受け部材の受け係止部に対して挿入部材の挿入係止部を係止させる形態がある。
【0003】
一方、ワンパス方式のリング継手の一例としては、一方のセグメントのリング継手面にパイプ材の開口を臨ませた姿勢で当該パイプ材が埋設され、他方のセグメントのリング継手面からピンボルトを突設させ、パイプ材にピンボルトが嵌合する形態がある。
また、他の形態として、特許文献2に記載されるように、一方のセグメントのリング継手面から雄ネジを備えた雄継手を突設させ、他方のセグメントのリング継手面には雌継手が設置され、雌継手は、雄部材が挿通可能に開口部を有するケースと、ケースの開口部に沿ってリング状に束ねられた複数の雌部材と、複数の雌部材の端部が支持されるプレートと、プレートが受けた押圧力をケースに伝達する弾性体を有する形態(所謂、SB継手(Screw Bolt Joint))がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-216892号公報
特開2018-115443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されるワンパス方式のセグメント継手や特許文献2に記載されるワンパス方式のリング継手が適用されたセグメントを用いてトンネル(例えばシールドトンネル)を施工することにより、セグメント継手とリング継手の双方の接合強度が高いトンネルを、優れた施工性の下で施工することが可能になる。
【0006】
ところで、シールド掘進機によるシールドトンネルの施工は、シールド掘進機の内部においてエレクタを用いて複数のセグメントを周方向に組み付けることによりセグメントリングを形成し、セグメントリングに反力を取って複数のシールドジャッキを伸長させることによりシールド掘進機を前進させ、シールドジャッキを前方へ伸縮させてできたスペースに、エレクタによりあらたな複数のセグメントを周方向に組み付けてあらたなセグメントリングを形成し、この一連の工程を順次繰り返す方法により行われる。
エレクタによるセグメントの組み付けは、シールド掘進機の内部もしくは既に施工済みのシールドトンネルの内部にいるオペレータの操作により実行されるが、エレクタがセグメントを施工済みのセグメントリングの所定位置に搬送して対応するセグメントにリング継手を形成しながら接続する際に、搬送されるセグメントが様々な理由で回動し、雌継手に対して雄継手が有効長さ嵌合されずに、リング継手が正しく形成されない事態が生じる場合がある。
【0007】
ここで、エレクタにて搬送されるセグメントが回動する理由には、オペレータによる操作ミスや、施工済みのセグメントリングに先行してセグメントが接続され、この先行するセグメントに対して後行のセグメントがセグメント継手を介して接続されながらセグメントリングに対してリング継手を介して接続される際に、セグメント継手が正しく形成されないことに起因してセグメントが回動することなどを挙げることができる。
【0008】
上記するワンパス方式のリング継手を適用する際に、リング継手が正しく形成されない場合には、リング継手を形成する一方のセグメントの雌継手に対して他方のセグメントの雄継手の一部が噛み合うこととなり、雌継手から雄継手を引き抜くことができない場合は、雄継手と雌継手を切断等する必要があって好ましくない。
【0009】
本発明は、ワンパス方式のセグメントのリング継手を適用するに当たり、雌継手の嵌合溝と雄継手の双方の軸芯が交差した状態で嵌合溝に雄継手が誤挿入されることを未然に防止することのできる、リング継手形成用のスペーサと、このスペーサを適用したセグメントのリング継手の形成方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成すべく、本発明によるリング継手形成用のスペーサの一態様は、
第1セグメントの第1リング継手面に第1雌継手が設けられ、第2セグメントの第2リング継手面に第1雄継手が設けられており、該第1セグメントに対して該第2セグメントをリング継手を介してトンネルの軸方向に接続するに当たり、該第1リング継手面と該第2リング継手面の間に所定長さの隙間を形成して、該第1セグメントに対する該第2セグメントの接続方向の確認を行うべく、該第1リング継手面と該第2リング継手面の間に介装される、リング継手形成用のスペーサであって、
前記第2セグメントに予め固定される、固定部と、
前記固定部と連続して、前記第2リング継手面から突設する本体部とを有し、
前記本体部が、前記隙間の長さを調整自在なスライド機構を備えていることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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