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公開番号2025074840
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-14
出願番号2023185911
出願日2023-10-30
発明の名称化学滴定方法、及び化学滴定システム
出願人国立大学法人宇都宮大学
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類G01N 31/16 20060101AFI20250507BHJP(測定;試験)
要約【課題】より簡易な装置または容易な方法で、より精度よい化学滴定を行うことが可能な技術を提供する。
【解決手段】試料に滴定液を加えた際の、試料または滴定液に加えられた指示薬の示す色調により、試料の濃度を測定する、化学滴定方法であって、前記試料と前記滴定液とを滴定のための流路に各々流入させ、前記試料の流路に、前記滴定液の流路を合流させ、前記試料の流路と前記滴定液の流路の合流点の下流側の流路である合流後流路の、所定の測定点における、前記合流後流路の流れ方向と垂直方向についての、前記指示薬の色が変化する境界と基準点との間の距離に基づいて、試料の濃度を測定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
試料に滴定液を加えた際の、試料または滴定液に加えられた指示薬の示す色調により、試料の濃度を測定する、化学滴定方法であって、
前記試料と前記滴定液とを滴定のための流路に各々流入させ、前記試料の流路に、前記滴定液の流路を合流させ、
前記試料の流路と前記滴定液の流路の合流点の下流側の流路である合流後流路の、所定の測定点における、前記合流後流路の流れ方向と垂直方向についての、前記指示薬の色が変化する境界と基準点との間の距離に基づいて、試料の濃度を測定することを特徴とする、化学滴定方法。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記滴定液の流路は、前記試料の流路に対し、該試料の流路を挟んで両側から合流され、
前記合流後流路の、前記測定点における、前記合流後流路の流れ方向と垂直方向についての、前記指示薬の色調が変化する境界どうしの間の距離に基づいて、試料の濃度を測定することを特徴とする、請求項1に記載の、化学滴定方法。
【請求項3】
前記測定点における前記距離と、前記試料の濃度との間の関係を示す検量線が予め作成され、
前記検量線と、前記測定点において検知された前記距離とから、前記試料の濃度を測定することを特徴とする、請求項1に記載の、化学滴定方法。
【請求項4】
前記測定点における前記合流後流路の流れの撮像画像を取得し、取得された前記撮像画像をグレースケール化し、前記グレースケール化後の前記撮像画像における各画素の輝度に基づいて、前記距離を算出することを特徴とする、請求項1に記載の、化学滴定方法。
【請求項5】
前記測定点における前記合流後流路の流れの撮像画像を取得し、取得された前記撮像画像をRGB成分に分離し、分離されたRGB成分の何れかによる画像における各画素の輝度に基づいて、前記距離を算出することを特徴とする、請求項1に記載の、化学滴定方法。
【請求項6】
試料に滴定液を加えた際の、試料または滴定液に加えられた指示薬の示す色調により、試料の濃度を測定する、化学滴定システムであって、
前記試料と前記滴定液とが流入される各流路が、互いに合流して合流後流路となる、滴定用流路を有する、流路素子と、
前記流路素子における前記合流後流路の、所定の測定点における前記流れの画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部により取得された前記画像における、前記合流後流路の流れ方向と垂直方向についての、前記指示薬の色調が変化する境界と基準点との間の距離を検知する距離検知部と、
前記距離検知部が検知した前記指示薬の色調が変化する境界と基準点との間の距離に基づいて、試料の濃度を算出する、濃度算出部と、
を備えることを特徴とする、化学滴定システム。
【請求項7】
前記流路素子において、前記滴定液が流入される流路は、前記試料が流入される流路に対し、該試料が流入される流路を挟んで両側から合流され、
前記距離検知部は、前記測定点における、前記合流後流路の流れ方向と垂直方向についての、前記試料の流れの両側における前記指示薬の色が変化する境界どうしの間の距離を検知し、
前記濃度算出部は、前記距離検知部が検知した前記試料の流れの両側における前記指示
薬の色が変化する境界どうしの間の距離に基づいて、試料の濃度を算出することを特徴とする、請求項6に記載の、化学滴定システム。
【請求項8】
前記測定点における前記距離と、前記試料の濃度との間の関係が記憶された記憶部をさらに備え、
前記濃度算出部は、前記記憶部から読み出した、前記測定点における前記距離と、前記試料の濃度との間の関係と、前記距離検知部が検知した前記指示薬の色調が変化する境界と基準点との間の距離とに基づいて、試料の濃度を算出することを特徴とする、請求項6に記載の、化学滴定システム。
【請求項9】
前記距離検知部は、前記画像取得部が取得した画像をグレースケール化し、前記グレースケール化後の前記画像における各画素の輝度に基づいて、前記距離を検知することを特徴とする、請求項6に記載の、化学滴定システム。
【請求項10】
前記距離検知部は、前記画像取得部が取得した画像をRGB成分に分離し、分離されたRGB成分の何れかによる画像における各画素の輝度に基づいて、前記距離を検知することを特徴とする、請求項6に記載の、化学滴定システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、試料と滴定液の化学反応を利用して、試料の濃度等を測定するための化学滴定方法、及び化学滴定システムに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
試料の定量分析を行う場合に、化学滴定の手法が用いられることがある。従来の化学滴定においては、図11に示す様に、物質拡散を利用したフローインジェクション滴定が行われる例がある。この例では、指示薬が添加された滴定液の流路に試料を注入し、撹拌器で撹拌した後に、下流側の流路において、流れ方向に対する指示薬の色調の分布を計測することで、試料の濃度を測定する(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
しかしながら、このようなフローインジェクション滴定においては、物質拡散が充分に生じる迄に一定時間以上の時間を必要とし、また、装置規模も大きく、手順が複雑であるため、現場分析が困難であった。さらに、分析時に要求されるスキルも高く、オペレータも制限されていた。
【0004】
また、装置規模の縮小のための、マイクロ流体デバイスを用いた滴定法も提案されている(例えば、非特許文献2~4参照。)。このマイクロ流体デバイスは、基板上に微細な流路が形成され、その流路内で試料と滴定液の化学反応が進められるものであり、その使用により、試料の量は少量に抑えられ、複数の化学反応を集積化することが可能であり、分析時間の低減が可能となる。しかしながら、マイクロ流体デバイスを用いた化学滴定を行うためには、デバイス内に複雑な流路設計が必要であり、装置の設計コストが増大する場合があった。また、正確な濃度測定のためには、デジタル的計測が求められており、化学滴定による分析手法の簡易化には限界があった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
フローインジェクション滴定に関する論文 J. Ruzicka, E. H. Hansen, H. Mosbaek, Anal. Chim. Acta, 92, 235-249 (1977).
十字型マイクロ流体デバイスを用いた物質反応場の創成 C. Kanzaki, A. Inagawa, G. Fukuhara, T. Okada, M. Numata, ChemSystemsChem, 2, e2000006 (2020).
マイクロ流体デバイスを用いた化学滴定方法R. Ferrigno, J. N. Lee, X.Jiang, G. M. Whitesides, Anal. Chem. 76, 76, 2273 (2004).
マイクロ流体デバイスを用いた化学滴定方法H. Song, H. Li, M. S. Munson, T. G. Van Ha, R. F. Ismagilov, Anal. Chem. 78, 4839 (2006).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような問題点に鑑み、本発明は、より簡易な装置または容易な方法で、より精度よい化学滴定を行うことが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本開示は以下の構成を採用する。すなわち、試料に滴定液を加えた際の、試料または滴定液に加えられた指示薬の示す色調により、試料の濃度を測定する、化学滴定方法であって、
前記試料と前記滴定液とを滴定のための流路に各々流入させ、前記試料の流路に、前記
滴定液の流路を合流させ、
前記試料の流路と前記滴定液の流路の合流点の下流側の流路である合流後流路の、所定の測定点における、前記合流後流路の流れ方向と垂直方向についての、前記指示薬の色が変化する境界と基準点との間の距離に基づいて、試料の濃度を測定することを特徴とする、化学滴定方法である。
【0008】
本開示においては、試料と滴定液とを、滴定のための流路に各々流入させ、試料の流路に、滴定液の流路を合流させて、合流後流路とする。なお、試料と滴定液のいずれかまたは、両方には、滴定のための指示薬が添加されている。そして、本開示においては、合流後流路の、所定の測定点における、合流後流路の流れ方向と垂直方向についての、指示薬の色が変化する境界と基準点との間の距離に基づいて、試料の濃度を測定する。ここで、基準点とは、指示薬の色が変化する境界との距離が精度よく計測できる点であればよく、特に制限はない。基準点は例えば、測定点における合流後流路の片側の壁面であってもよい。あるいは、合流後流路において指示薬の色が変化する境界が流れの両側に現れる場合には、基準点は測定点における、合流後流路の流れ方向と垂直方向についての、指示薬の色調が変化する片側の境界であってもよい。
【0009】
上記の通り、本開示では、試料と滴定液の流路を合流させて合流後流路とする。この合流後流路においては、試料と滴定液とが互いに拡散して化学反応を起こしながら下流側に流れていく。その結果、例えば、指示薬において中和点(あるいは当量点)を示す色調の領域の幅が、下流側に行くにつれて増加する。
【0010】
そして、本開示においては、測定点において、指示薬によって示される、特定の色調の領域の境界の位置を、基準点との間の距離として検知し、その距離に基づいて、試料の濃度を測定する。例えば、試料の濃度が高ければ、合流後流路において、指示薬によって示される、特定の色調の領域の境界はより早く広がる。試料の濃度が低ければ、逆に、合流後流路における、指示薬によって示される、特定の色調の領域の境界の広がり方は遅くなる。すなわち、本開示においては、合流後流路の所定の測定点において、指示薬によって示される、特定の色調の領域の境界の位置に基づいて、試料の濃度を測定するのである。
(【0011】以降は省略されています)

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