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公開番号2025073864
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-13
出願番号2023184986
出願日2023-10-27
発明の名称雲高計測システム及び雲高計測方法
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
主分類G01W 1/00 20060101AFI20250502BHJP(測定;試験)
要約【課題】
ステレオカメラを用いても模様の少ない雲について雲高を精度良く計測することができるようにすること。
【解決手段】
所定長離れて配置された複数の撮像部によって同一の雲を撮像することにより、所定長の視差に応じた視差画像を取得するステレオカメラと、雲の雲底に関する雲底情報を取得する雲底情報取得装置と、雲の雲底の高度である雲高を算出する計算機と、を備え、計算機は、ステレオカメラによって取得された視差画像から雲の輪郭部分である特徴部分及び前記特徴部分によって囲まれる中間領域の情報を含む特徴抽出情報を特定し、特徴部分について第1の高度を計算する第1の高度計算部と、雲底情報取得装置によって取得された雲底情報及び特徴抽出情報に基づいて、特徴部分によって囲まれる中間領域について第2の高度を計算する第2の高度計算部と、第1の高度と第2の高度とに基づいて雲高を補間する高度補間部と、を備える。
【選択図】 図5
特許請求の範囲【請求項1】
所定長離れて配置された複数の撮像部によって同一の雲を撮像することにより、前記所定長の視差に応じた視差画像を取得するステレオカメラと、
前記雲の雲底に関する雲底情報を取得する雲底情報取得装置と、
前記雲の雲底の高度である雲高を算出する計算機と、を備え、
前記計算機は、
前記ステレオカメラによって取得された前記視差画像から前記雲の輪郭部分である特徴部分及び前記特徴部分によって囲まれる中間領域の情報を含む特徴抽出情報を特定し、前記特徴部分について第1の高度を計算する第1の高度計算部と、
前記雲底情報及び前記特徴抽出情報に基づいて、前記中間領域について第2の高度を計算する第2の高度計算部と、
前記第1の高度と前記第2の高度とに基づいて前記雲高を補間する高度補間部と、
を備えることを特徴とする雲高計測システム。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
前記雲底情報取得装置は赤外線カメラであり、
前記第2の高度計算部は、
前記赤外線カメラによって取得された赤外線画像に基づく温度マップを作成し、当該温度マップに基づいて前記第2の高度を計算する
ことを特徴とする請求項1に記載の雲高計測システム。
【請求項3】
前記第2の高度計算部は、
前記赤外線カメラによって取得された赤外線画像に基づく温度マップを作成し、当該温度マップに基づいて前記雲の雲層を識別し、
前記雲の雲層毎に雲底を判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の雲高計測システム。
【請求項4】
前記第1の高度は前記特徴抽出情報を包含し、
前記第2の高度は前記雲の雲層の情報を包含し、
前記高度補間部は、
前記特徴部分と前記中間領域とが同一の雲層に属している領域があるかを判定し、
前記特徴部分と前記中間領域とが同一の雲層に属している領域がある場合、前記特徴部分の前記第1の高度に基づいて前記中間領域の前記第2の高度を補間し、
前記中間領域がどの雲層にも属していない場合、前記中間領域が複数の前記雲間の青空の領域であると判定し、前記中間領域の前記第2の高度を補間しない
ことを特徴とする請求項2に記載の雲高計測システム。
【請求項5】
前記第1の高度は前記特徴抽出情報を包含し、
前記特徴抽出情報は前記視差画像について前記視差が検出できない領域に関する情報を包含し、
前記高度補間部は、
前記視差画像について前記視差が検出できない領域が所定の割合以上存在する場合に無効領域があるものと判定し、前記視差が検出できない領域に対応する前記第2の高度を補間する
ことを特徴とする請求項2に記載の雲高計測システム。
【請求項6】
前記雲底情報取得装置はシーロメータであり、
前記第1の高度は前記特徴抽出情報を包含し、
前記特徴抽出情報は前記視差画像について前記視差が検出できない領域に関する情報を包含し、
前記高度補間部は、
前記視差画像について視差が検出できない領域が所定の割合以上存在する場合に有効領域がないものと判定し、前記シーロメータで測定した雲高計測値を用いて、視差が検出できない領域に対応する前記第2の高度を補間する
ことを特徴とする請求項1に記載の雲高計測システム。
【請求項7】
前記雲底情報取得装置は赤外線カメラ及びシーロメータであり、
前記第1の高度は前記特徴抽出情報としての有効領域及び無効領域を包含し、
前記高度補間部は、
前記視差画像において前記視差が検出できる領域としての前記有効領域の有無を判定し、前記有効領域がない場合は前記シーロメータにより測定した雲高計測値で前記雲高を置換するとともに、
前記視差画像において前記視差が検出できない領域としての前記無効領域の有無を判定し、前記無効領域がある場合は前記赤外線カメラにより測定した雲の温度マップに基づいて、前記無効領域の高度を補間する
ことを特徴とする請求項1に記載の雲高計測システム。
【請求項8】
前記雲底情報取得装置は可視光カメラであり、
前記特徴抽出情報は前記ステレオカメラによって取得された前記視差画像に基づく高度情報を包含し、
前記第2の高度計算部は、
前記可視光カメラによって取得された可視光画像から前記雲の雲形を分類し、前記雲の雲形の分布と、前記ステレオカメラによって取得された前記視差画像に基づく前記高度情報とから雲層を識別する
ことを特徴とする請求項1に記載の雲高計測システム。
【請求項9】
前記雲底情報取得装置は前記ステレオカメラを構成する前記撮像部であり、
前記特徴抽出情報は前記ステレオカメラによって取得された前記視差画像に基づく高度情報を包含し、
前記第2の高度計算部は、
前記ステレオカメラを構成する前記撮像部によって取得された可視光画像から前記雲の雲形を分類し、前記雲の雲形の分布と、前記ステレオカメラを構成する前記撮像部によって取得された前記視差画像に基づく高度情報とから雲層を識別する
ことを特徴とする請求項1に記載の雲高計測システム。
【請求項10】
前記雲底情報取得装置は可視光カメラ及びシーロメータであり、
前記第1の高度は前記特徴抽出情報としての有効領域及び無効領域を包含し、
前記高度補間部は、
前記視差画像において前記視差が検出できる領域としての前記有効領域の有無を判定し、
前記有効領域がない場合は前記シーロメータにより測定した雲高計測値で前記雲高を置換するとともに、
前記視差画像において前記視差が検出できない領域としての前記無効領域の有無を判定し、前記無効領域がある場合は前記可視光カメラにより算出した前記雲の雲層に基づいて、前記無効領域の高度を補間する
ことを特徴とする請求項1に記載の雲高計測システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、雲高計測システム及び雲高計測方法に関し、例えば、地上から雲の高度を計測する場合にステレオカメラを用いて雲の雲高を計測する技術に関する雲高計測システムに適用して好適なものである。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
気象情報は一般的に、気象衛星から撮像される映像データや、一般気象学に基づく気象予測によって得られるものであり、国内に留まらず、全世界に向けて開示されている。気象情報の中には、気象情報毎に固有の計測方法によって取得するものもあり、計測コストが高いものがある。これらの気象情報は、事業者、個人を問わず広く活用されており、その用途は多岐にわたる。一般的に開示されている気象情報は、広域な範囲に対するものであり、数キロメートル四方の範囲に対応しているため、地域単位の気象現象の予測には有効である。
【0003】
一方で、特定の場所における局所的な気象情報を必要とするケースも多くある。航空機の運行管理を例示すると、航空機の進路上の雲や気流に関する情報をピンポイントに取得することにより、安全且つ効率的な運行を遂行できる。特に、航空機の離着陸時の安全を確保するために、飛行場上空、滑走路周辺の気象情報を観測することが非常に重要である。飛行場は一般的に多種多様な観測装置を備えるとともに、観測員の目視による観測を常時行っている。これらの観測項目のひとつに地面から雲底までの高度(以下「雲高」と称する)があり、航空機の離着陸の可否を判定するために重要な役割を担う。現在、雲高を計測する標準的な手段としてシーロメータなどのレーザ測距装置が広く用いられている。
【0004】
シーロメータはレーザを利用した光学装置である。具体的には、シーロメータは、強力なレーザ光を照射し、例えば雲底にて散乱、反射した光信号を検出し、その到達時間や信号強度から雲高を数メートル単位の精度で計測できる装置である。しかしながら、シーロメータは、直上の狭い範囲しか計測することができないため、飛行場や滑走路の直上及び周辺を含む全天の測定には適していない。このようなシーロメータを複数設置することで計測範囲を広げることは可能であるものの、シーロメータは一般的に高価であるため、現実的ではない。
【0005】
そこで、任意の地点において、全天の雲高情報を高精度に計測する技術が求められる。特許文献1には、2台の広角カメラで構成されたステレオカメラを天頂に向けて撮像することで、雲の雲高、雲の移動速度や風速を計測する技術が開示されている。特許文献1に記載された技術では、設置位置の標高、経度及び緯度が既知であるカメラ2台によりステレオカメラを構成しており、同一時刻に各カメラで撮像された複数の画像から被写体の方位角及び天頂角を取得する。さらに特許文献1に記載された技術では、被写体の高度を仮定し、仮定された高度をもとに経度と緯度を算出し、それらの値が各カメラについて一致またはそれらの差が予め設定した許容値に収まるまで新たに高度を仮定する処理を繰り返すことにより、雲高を計測している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-60754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された技術では、少なくとも雲の一部が共通に写っている2つの画像が必要であり、特許文献1によると、雲の輪郭は一般に曖昧であり、一面に広がった雲は、特定箇所の同定が困難であることを課題として挙げられている。しかしながら、特許文献1に記載された技術では、ステレオカメラを用いて雲を撮影する時に、2つの画像で共通に映っている雲の一部領域を識別することが容易ではない場合、例えば雲の模様が少ない場合については、ステレオカメラでは視差を検出できない領域があり、ステレオカメラ単独では、模様が少ない雲の雲高を計測することが困難である。
【0008】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、ステレオカメラを用いても模様の少ない雲について雲高を精度良く計測することができる雲高計測システム及び雲高計測方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するため本発明においては、所定長離れて配置された複数の撮像部によって同一の雲を撮像することにより、前記所定長の視差に応じた視差画像を取得するステレオカメラと、前記雲の雲底に関する雲底情報を取得する手段である雲底情報取得装置(例えば赤外線カメラ)と、前記雲の雲底の高度である雲高を算出する計算機と、を備え、前記計算機は、前記ステレオカメラによって取得された前記視差画像から前記雲の輪郭部分である特徴部分及び前記特徴部分によって囲まれる中間領域の情報を含む特徴抽出情報を特定し、前記特徴部分について第1の高度を計算する第1の高度計算部と、前記雲底情報取得装置によって取得された前記雲底情報及び前記特徴抽出情報に基づいて、前記中間領域について第2の高度を計算する第2の高度計算部と、前記特徴部分に対応する前記第1の高度と、前記中間領域に対応する前記第2の高度とに基づいて前記雲高を補間する高度補間部と、を備えるようにした。
【0010】
また、本発明においては、所定長離れて配置された複数の撮像部を備えるステレオカメラによって同一の雲を撮像した複数の撮影画像を取得する撮影画像取得ステップと、前記複数の撮影画像から、前記所定長の視差に応じた視差画像を取得する視差画像取得ステップと、雲底情報取得装置が前記雲の雲底に関する雲底情報を取得する雲底情報取得ステップと、計算機が、前記雲の雲底の高度である雲高を算出する雲高計算ステップと、を有し、前記雲高計算ステップは、前記計算機が、前記ステレオカメラによって取得された前記視差画像から前記雲の輪郭部分である特徴部分を認識する特徴部分認識ステップと、前記計算機が、前記特徴部分によって囲まれる中間領域を認識する中間領域認識ステップと、前記計算機が、前記特徴部分及び前記中間領域の情報である特徴抽出情報を特定し、前記計算機が、前記特徴部分について第1の高度を計算する第1の高度計算ステップと、前記計算機が、前記雲底情報取得装置によって取得された前記雲底情報及び前記特徴抽出情報に基づいて、前記中間領域について第2の高度を計算する第2の高度計算ステップと、前記計算機が、前記第1の高度と、前記第2の高度とに基づいて前記雲高を補間する高度補間ステップと、を含むようにした。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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