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公開番号
2025061219
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-10
出願番号
2025004424,2021017386
出願日
2025-01-10,2021-02-05
発明の名称
熱間工具鋼
出願人
株式会社プロテリアル
代理人
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20250403BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】靭性および耐焼割れ性に優れた熱間工具鋼と、熱間工具とを提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.35~0.39%、Si:0.25~0.35%、Mn:0.55~0.65%、Ni:0~0.15%、Cr:5.20~5.50%、MoおよびWは単独または複合で(Mo+1/2W):1.25~1.50%、V:0.70~0.85%、残部Feおよび不純物でなり、下記の式1および式2で算出される含有量(質量%)の各値が、A値:6.40~7.00およびB値:0.90~1.00を満たす熱間工具鋼または熱間工具である。
式1:A値=-0.7[%Si]+1.5[%Mn]+1.3[%Ni]+0.9[%Cr]+0.6[%(Mo+1/2W)]+0.3[%V]
式2:B値=1.9[%C]+0.043[%Si]+0.12[%Mn]+0.09[%Ni]+0.042[%Cr]+0.03[%(Mo+1/2W)]-0.12[%V]
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
質量%で、C:0.35~0.39%、Si:0.25~0.35%、Mn:0.55~0.65%、Ni:0~0.15%、Cr:5.20~5.50%、MoおよびWは単独または複合で(Mo+1/2W):1.25~1.50%、V:0.70~0.85%、残部Feおよび不純物でなり、
下記の式1および式2で算出される各元素の含有量の関係が、A値:6.40~7.00およびB値:0.90~1.00を満たすことを特徴とする熱間工具鋼であって、
前記熱間工具鋼から縦300mm×横300mm×高さ300mmのブロックを採取し、その一面に幅50mm、深さ100mm、溝底のコーナー形状が曲率半径1.5Rである溝加工を施して試験片とし、
前記試験片に焼入れおよび焼戻しを実施して狙い硬さ43HRCに調整した際に、前記溝底のコーナーに割れが発生しない、熱間工具鋼。
式1:A値=-0.7[%Si]+1.5[%Mn]+1.3[%Ni]+0.9[%Cr]+0.6[%(Mo+1/2W)]+0.3[%V]
式2:B値=1.9[%C]+0.043[%Si]+0.12[%Mn]+0.09[%Ni]+0.042[%Cr]+0.03[%(Mo+1/2W)]-0.12[%V]
[]括弧内は各元素の含有量(質量%)を示す。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレス金型や鍛造金型、ダイカスト金型、押出工具といった多種の熱間工具に最適な熱間工具鋼と、その熱間工具に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
熱間工具は、高温の被加工材や硬質な被加工材と接触しながら使用されるため、衝撃に耐え得る靭性を備えている必要がある。そして、従来、熱間工具鋼には、例えばJIS鋼種であるSKD61系の合金工具鋼が用いられていた。また、最近の更なる靱性向上の要求に応えて、前記SKD61系の合金工具鋼の成分組成を改良した合金工具鋼が提案されている(特許文献1~6)。
【0003】
熱間工具鋼は、通常、鋼塊または鋼塊を分塊加工した鋼片でなる素材を出発材料として、これに様々な熱間加工や熱処理を行って所定の鋼材とし、この鋼材に焼鈍処理を行って製造される。そして、この製造された熱間工具鋼は、通常、硬さの低い焼鈍状態で、熱間工具の作製メーカー側に供給されて、熱間工具の形状に機械加工された後、焼入れ焼戻しによって所定の使用硬さに調整される。また、この使用硬さに調整された後に、仕上げ加工を行うことが一般的である。そして、熱間工具鋼の靭性は、この焼入れ焼戻しされた状態(つまり、熱間工具に相当する状態)で評価される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-104519号公報
欧州特許出願公開第2194155号明細書
特開平6-322483号公報
特開昭63-203744号公報
特開平11-90611号公報
特開2018-131654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、熱間工具鋼に焼入れ焼戻しを行なう際、機械加工された熱間工具鋼の工具形状が複雑であると、焼入れ冷却中に、その凹部等を起点とした“焼割れ”が生じることが問題となる。そして、焼割れが顕著であると、その後の仕上げ加工でもこの“割れ”を除去し難く、熱間工具の不良の要因となる。この点において、特許文献1、2には、優れた靭性および耐焼割れ性を達成する上で、検討の余地があった。
本発明の目的は、靭性および耐焼割れ性に優れた熱間工具鋼および熱間工具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題に鑑みて、本発明者が鋭意研究を行ったところ、焼入れ冷却中の変態挙動を精細に解析することで、熱間工具鋼には、焼割れの発生を抑えながら、高い靭性を得ることができる好適な成分範囲があることをつきとめた。
【0007】
すなわち、本発明は、質量%で、C:0.35~0.39%、Si:0.25~0.35%、Mn:0.55~0.65%、Ni:0~0.15%、Cr:5.20~5.50%、MoおよびWは単独または複合で(Mo+1/2W):1.25~1.50%、V:0.70~0.85%、残部Feおよび不純物でなり、下記の式1および式2で算出される各元素の含有量の関係が、A値:6.40~7.00およびB値:0.90~1.00を満たす熱間工具鋼であり、前記熱間工具鋼から縦300mm×横300mm×高さ300mmのブロックを採取し、その一面に幅50mm、深さ100mm、溝底のコーナー形状が曲率半径1.5Rである溝加工を施して試験片とし、前記試験片に焼入れおよび焼戻しを実施して狙い硬さ43HRCに調整した際に、前記溝底のコーナーに割れが発生しない、熱間工具鋼である。式1、2の[]括弧内は各元素の含有量(質量%)を示す。
式1:A値=-0.7[%Si]+1.5[%Mn]+1.3[%Ni]+0.9[%Cr]+0.6[%(Mo+1/2W)]+0.3[%V]
式2:B値=1.9[%C]+0.043[%Si]+0.12[%Mn]+0.09[%Ni]+0.042[%Cr]+0.03[%(Mo+1/2W)]-0.12[%V]
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、焼入れ時の焼割れを抑制でき、焼入れ焼戻し後の靭性に優れた熱間工具鋼と、その熱間工具とを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例の焼割れ試験で用いた試験片の形状を示す図である。
実施例の焼割れ試験を行った後の、本発明例の試験片の溝底のコーナーを示す図面代用写真である。
実施例の焼割れ試験を行った後の、比較例の試験片の溝底のコーナーを示す図面代用写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の特徴は、熱間工具鋼(または熱間工具)の成分組成について、それを構成する各元素の含有量を最適かつ限定された範囲に調整したことで、靭性および耐焼割れ性に優れた熱間工具鋼を達成できたところにある。つまり、熱間工具鋼を上記の成分組成とすることで、その熱間工具鋼の製造方法は従来のままとし、焼入れ焼戻し条件も従来のままとしても、焼入れ冷却中の焼割れを抑制できて、かつ、焼入れ焼戻し後の高い靭性を付与できる。
(【0011】以降は省略されています)
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