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公開番号
2025059483
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-10
出願番号
2023169587
出願日
2023-09-29
発明の名称
蓄電池の制御方法及び制御装置
出願人
株式会社日立製作所
代理人
弁理士法人第一国際特許事務所
主分類
B60L
3/00 20190101AFI20250403BHJP(車両一般)
要約
【課題】本発明は、特定のSOC範囲において劣化が進行しやすい蓄電池であっても、劣化を抑制することが可能な技術を提供することを目的とする。
【解決手段】鉄道車両に搭載された蓄電池の制御方法であって、前記蓄電池の劣化が進行しやすい充電率の範囲を所定SOC範囲として設定し、前記蓄電池のSOC、電圧、または電流の少なくとも1つの時間変化データに基づいて、前記蓄電池が使用された消費量として、前記所定SOC範囲内の使用量を算出する、ことを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
鉄道車両に搭載された蓄電池の制御方法であって、
前記蓄電池の劣化が進行しやすい充電率の範囲を所定SOC範囲として設定し、
前記蓄電池のSOC、電圧、または電流の少なくとも1つの時間変化データに基づいて、前記蓄電池が使用された消費量として、前記所定SOC範囲内の使用量を算出する、ことを特徴とする蓄電池の制御方法。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の蓄電池の制御方法であって、
前記蓄電池を充電または放電することにより、前記算出した前記所定SOC範囲内の使用量を低減させる、ことを特徴とする蓄電池の制御方法。
【請求項3】
請求項1に記載の蓄電池の制御方法であって、前記所定SOC範囲内の使用量として、前記所定SOC範囲における容量の時間積分値、前記所定SOC範囲における電力の時間積分値、または前記所定SOC範囲における使用時間の合計のうちの少なくとも1つを用いる、ことを特徴とする蓄電池の制御方法。
【請求項4】
請求項1に記載の蓄電池の制御方法であって、前記蓄電池のSOC、電圧、または電流の時間変化データは、前記蓄電池の過去の使用実績に基づいた時間変化データ、あるいは前記鉄道車両の運行予定のダイヤに基づいて作成した時間変化データである、ことを特徴とする蓄電池の制御方法。
【請求項5】
請求項2に記載の蓄電池の制御方法であって、
前記SOCの時間変化データに基づいて、前記蓄電池のSOCの上限値よりも小さくかつ前記蓄電池のSOCの下限値よりも大きいという条件を満たすように前記蓄電池を制御することによって、前記所定SOC範囲の使用量を低減させる、ことを特徴とする蓄電池の制御方法。
【請求項6】
請求項1に記載の蓄電池の制御方法であって、
前記所定SOC範囲の上限値および下限値を、前記蓄電池の容量-電圧曲線に基づいて決定する、ことを特徴とする蓄電池の制御方法。
【請求項7】
請求項1に記載の蓄電池の制御方法であって、
前記所定SOC範囲の上限値および下限値を、前記蓄電池の容量-電圧曲線から導出された前記蓄電池の電圧の容量微分の絶対値の変化量曲線における変曲点に基づいて決定する、ことを特徴とする蓄電池の制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の蓄電池の制御方法であって、前記変曲点は、前記蓄電池の電圧の容量微分の絶対値の変化量曲線における極小値または極大値である、ことを特徴とする蓄電池の制御方法。
【請求項9】
請求項1に記載の蓄電池の制御方法であって、前記蓄電池のSOC、電圧、および電流の少なくとも1つの時間変化データを、遠隔監視により取得する、ことを特徴とする蓄電池の制御方法。
【請求項10】
請求項1に記載の蓄電池の制御方法であって、前記蓄電池の正極はスピネルマンガンが用いられる、ことを特徴とする蓄電池の制御方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池の制御方法及び制御装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン電池等の蓄電池は、車両の駆動用電源、ノートパソコン等の民生用途としての利用が拡大している。リチウムイオン電池等は、充放電の繰り返しや高温環境下での保管により、電池特性が劣化することが知られている。そのため、駆動用電源など使用時間が長期に及ぶ場合、蓄電池には劣化を最小限に抑制し、信頼性および安全性を担保することが求められる。
【0003】
鉄道路線には鉄道車両が架線から電力供給を受けられる電化区間と、架線が存在せず電力供給が受けられない非電化区間がある。従来の鉄道技術では車両は非電化区間をディーゼル機関で走行してきたが、蓄電池技術の進歩により、ハイブリッド気動車や蓄電池電車のように蓄電池を動力源とした車両の普及が進んでいる。ハイブリッド気動車は従来のディーゼル気動車に蓄電池システムを搭載し、ブレーキ時の回生電力を充電し、力行時に蓄電池とモータによるアシストを行うものである。蓄電池電車は充放電可能な蓄電池システムを搭載し、駆動用の動力源とした鉄道車両である。電化区間では架線から電力供給を受け、駆動エネルギーに使用しつつ蓄電池システムを充電し、非電化区間では蓄電池をエネルギー源に走行する。
【0004】
以上のような鉄道車両に搭載された蓄電池においては、運行ダイヤを守るため長期的な信頼性が要求される。さらに、環境負荷の低減やランニングコストの削減に向け、回生電力を駆動エネルギーに変換することによる電費向上、および劣化を抑制し蓄電池システムの交換頻度を低減することによる交換コスト低減が求められる。
【0005】
一般的に、蓄電池の劣化を抑制する手段として、電流負荷を小さくすること、電池温度を下げること、適切な充電率(SOC:State of Charge)範囲を使用すること、などが挙げられる。しかし、鉄道車両においては、走行性能を担保する必要があるため、使用電流を下げることは困難である。また、電池温度を下げるために冷却システムを駆動し消費電力を増大させることは、電費の観点から好ましくない。したがって、電費を維持しつつ劣化を抑制するためには、適切なSOC範囲を使用することが効果的である。
【0006】
蓄電池の劣化が進行しやすくなるSOC範囲は、電極活物質の種類、電極やセルの設計などに依存することが知られている。例えば、スピネル型マンガン酸リチウム(LiMn
2
O
4
、以降スピネルマンガンともいう。)を正極に用いる蓄電池においては、高温環境下において、SOC=30~60%程度の中間部分のSOC帯で劣化が進行しやすい。また、リン酸鉄リチウム正極と黒鉛負極を用いた蓄電池では、SOC=50%付近において劣化が進行しやすい。蓄電池を長期的に安定して運用するためには、上記のようなSOC範囲での使用を回避する制御を実施する必要がある。
【0007】
適切なSOC範囲を使用するための制御技術として、例えば特許文献1には、SOCが初期読込み値から所定量減少した際に、充電を施す制御技術が開示されている。特許文献1は、蓄電装置の残容量が増加より減少傾向にあり残容量が初期読み込み値から所定量減少した場合に蓄電装置の充電を行うハイブリッド車両の制御装置を提供することを課題としており、ハイブリッド車両の制御装置として、以下の内容が開示されている。「エンジンとバッテリとエンジンに対するアシストとバッテリに対する充電を行うモータとを有するハイブリッド車両において、SOCがゾーンAにある時に、スタート時におけるSOC初期値SOCINTに対して下限閾値SOCLMTLと上限閾値SOCLMTHを設定し、走行時にSOCが下限閾値SOCLMTLに至った場合に、クルーズ中の充電量を増量する等により充放電バランスを回復させ、SOCが上限閾値SOCLMTHに到達したか、あるいは、SOCがゾーンAから逸脱した場合には放電深度制限制御モードを解除する」。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2000-175306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1の方法では、SOCが減少傾向にありSOC下限閾値に達した場合に充電を実施することで、走行性能を担保することが出来る。しかし、特許文献1の方法では、劣化抑制の観点から、使用する蓄電池のSOC範囲を適切に制御する技術に関しては言及されていない。前述の通り、蓄電池には、走行性能を担保しつつ電費改善と劣化抑制を両立する制御方法が必要である。
そこで本発明は、スピネルマンガンを正極に用いる場合に代表されるように、特定のSOC範囲において劣化が進行しやすい蓄電池であっても、劣化を抑制することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、代表的な本発明の制御方法の一つは、鉄道車両に搭載された蓄電池の制御方法であって、前記蓄電池の劣化が進行しやすい充電率の範囲を所定SOC範囲として設定し、前記蓄電池のSOC、電圧、または電流の少なくとも1つの時間変化データに基づいて、前記蓄電池が使用された消費量として、前記所定SOC範囲内の使用量を算出する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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