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公開番号2025043724
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-01
出願番号2023151184
出願日2023-09-19
発明の名称ミノムシの雌雄判別方法
出願人国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構,興和株式会社
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類A01K 67/34 20250101AFI20250325BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】ミノムシの性別を1齢時から確実に判別できる方法を確立することである。
【解決手段】ミノムシの腹部末端から2節目の腹板前方中央部における点状小孔の有無を確認し、点状小孔が存在する個体を雄個体、及び存在しない個体を雌個体として判定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ミノムシの雌雄判別方法であって、
ミノムシの腹部末端から2節目の腹板前方中央部における点状小孔の有無を確認する確認工程、及び
前記点状小孔が存在する個体を雄個体、及び存在しない個体を雌個体として判定する判定工程
を含む前記方法。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
前記判定工程後に、雌雄判定されたミノムシを性別に基づいて分別する分別工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記確認工程前にミノムシの全部又は腹部端部を巣から露出させる露出工程をさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ミノムシが1齢~6齢である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記ミノムシが孵化後、営巣前の1齢である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ミノムシにおける成長速度の同調方法であって、
複数の同齢ミノムシにおいて腹部末端から2節目の腹板前方中央部における点状小孔の有無を確認する確認工程、
前記点状小孔が存在する個体を雄個体、及び存在しない個体を雌個体として判定する判定工程、
雌雄判定されたミノムシを性別に基づいて分別する分別工程、及び
雌雄それぞれの集団で飼育する飼育工程
を含む前記方法。
【請求項7】
前記ミノムシが孵化後、営巣前の1齢である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ミノガの雌個体を選択的に取得する方法であって、
幼虫期の腹部末端から2節目の腹板前方中央部における点状小孔の有無を確認する確認工程、
前記点状小孔が存在しない幼虫を雌個体として選択する雌個体選択工程、及び
選択した幼虫を蛹期、又は成虫期まで飼育する飼育工程
を含む前記方法。
【請求項9】
ミノムシ絹糸を採糸する方法であって、
ミノムシの腹部末端から2節目の腹板前方中央部における点状小孔の有無を確認する確認工程、
前記点状小孔が存在する個体を雄個体、及び存在しない個体を雌個体として判定する判定工程、
雌雄判定されたミノムシを性別に基づいて分別工程、及び
雌雄それぞれの集団からミノムシ絹糸を採糸する採糸工程
を含む前記方法。
【請求項10】
前記ミノムシが3齢以降である、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ミノムシの雌雄判別方法及びそれを用いて選択されたミノムシ個体群、並びにミノムシの成長速度同調方法、ミノガ雌個体取得方法、及び採糸方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
ミノムシ(bagworm)は、チョウ目(Lepidoptera)ミノガ科(Psychidae)に属する蛾(ミノガ)の幼虫の総称である。この虫が吐糸する絹糸(ミノムシ絹糸)は、カイコが吐糸する絹糸やクモが吐糸するクモ糸よりも高い物性を有することから、近年、有用性の高い新規動物性天然繊維として注目を集めている(特許文献1及び非特許文献1)。
【0003】
ミノムシ絹糸を繊維素材として実用化し、産業利用するには、ミノムシの大量飼育及び累代飼育等の飼育技術の確立が不可欠である。ミノムシの大量飼育では、生産効率や作業量の点から各個体に対して同一の処理を同時期に行うことが望ましい。それには、例えば、個体間の脱皮時期や蛹化時期等の成長を同調させる必要がある。
【0004】
ところが、ミノムシは、そもそも雌雄間で成長速度が異なり、一般に幼虫期間は雌の方が長い。そのため、たとえ同日に孵化した個体群を同一環境下で飼育しても雌雄混在状態では必然的に成長ズレが生じるため成長を同期させることは難しい。
【0005】
また、累代飼育では、ミノガの交尾及び採卵期を人為的に調整する必要がある。そのため累代飼育において未交尾の雌蛾の取得は不可欠である。しかし、ミノムシは孵化後、直ちに営巣を行い、その後は全幼虫期を巣と共に過ごす。移動時及び摂食のみ頭部及び胸部を巣外に露出させるものの、基本的には幼虫期を通して巣内に潜伏した状態である。また、ミノガはカイコ(Bombyx mori)と異なり、蛹化時期に営繭を行うことなく、幼虫期に過ごした巣内でそのまま蛹化する。巣外から巣内情報を得ることができないため、蛹化時期や羽化時期がわからず、気付かないうちに羽化脱出した雄蛾が雌蛾と自然交尾を完了してしまう場合も少なくない。加えて、一般的なミノガの雌は生涯を巣内で過ごすため、巣内の雌蛾が未交尾か交尾済みかの判断も困難を極める。そのような理由から、従来技術では未交尾の雌蛾を簡便、かつ確実に、そして大量に取得することはできなかった。
【0006】
さらに、複数のミノムシから均質なミノムシ絹糸を安定的に採糸することはミノムシ絹糸の実用化上、必須事項である。ところが、本発明者らの研究により、中齢以降のミノムシが吐糸する絹糸の糸幅は、雌雄で異なることが明らかになっている。したがって、雌雄混在したミノムシの集団から得たミノムシ絹糸は均質性に劣る。
【0007】
上記課題は、ミノムシを、望ましくは早期段階に雌雄で分別飼育することで容易に解消し得る。
【0008】
ところが、ミノムシの雌雄判別方法は現在まで確立していない。一般にチョウ目昆虫の幼虫では齢と頭幅には相関があることが知られている。ミノガにおいても、その幼虫(ミノムシ)は齢が進むほど、原則として頭幅が大きくなるが、非特許文献2及び3には、ミノムシの雄個体は雌個体と異なり、終齢時に亜終齢よりも頭幅が小さくなることを開示している。終齢時における頭幅を利用することで、ある程度の雌雄判別はできるものの、その精度は高いとは言い難い。また亜終齢~終齢の段階でしか適用できないため、若齢ミノムシ、特に孵化後営巣前の1齢幼虫での雌雄判別には全く応用できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
WO2019/003364
【非特許文献】
【0010】
大崎茂芳, 2002, 繊維学会誌(繊維と工業), 58:74-78.
Niitsu S., 2010, 蝶と蛾, 61(3):218-220.
Nishida E., 1983, 昆蟲, 51(3):394-411.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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