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公開番号2025041522
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-26
出願番号2024111009
出願日2024-07-10
発明の名称量子コンピューティング用ナノファイバーキャビティの製造方法およびデバイス
出願人株式会社Nanofiber Quantum Technologies
代理人弁理士法人瑛彩知的財産事務所
主分類G02B 6/02 20060101AFI20250318BHJP(光学)
要約【課題】量子コンピューティングまたは量子中継器用の偏光縮退ファイバーブラッググレーティングナノファイバーキャビティの製造方法を提供する。
【解決手段】この製造方法は、位相シフトマスクのパターンを通して、150nmから400nm以上の波長で特徴付けられる電磁放射を透過させ、電磁放射を回折させて干渉パターンを形成することを含む。パターンは、光ファイバーケーブル領域の第1端のコアに照射される。一例では、この方法は、光ファイバーケーブル領域の長さに沿って定義された軸を中心に光ファイバーケーブルを回転させながら、電磁放射を使用して光ファイバーケーブル領域のコアの屈折率を変化させることにより、光ファイバーケーブル領域のコア上にファイバーブラッググレーティングを形成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
量子コンピューティングまたは量子中継器用の偏光縮退ファイバーブラッググレーティングナノファイバーキャビティの製造方法であって、
波長150nmから400nm以上の特徴を有する電磁放射を位相シフトマスクのパターンを通して透過させ、電磁放射を回折させて干渉パターンを形成し、第2の端部に対向する第1の端部を有し、第1の端部と第2の端部の間にナノファイバーキャビティ領域が定義される光ファイバーケーブル領域の該第1の端部のコアに照射することと、
前記光ファイバーケーブル領域の長さに沿って定義された軸を中心に前記光ファイバーケーブル領域を回転させながら、前記電磁放射を使用して前記光ファイバーケーブル領域のコアの屈折率を変化させることにより、前記光ファイバーケーブル領域のコア上に第1のファイバーブラッググレーティングを形成し、前記光ファイバーケーブル領域のコアの周囲に360度の角度で、かつ前記光ファイバーケーブル領域の断面に垂直な長手方向領域に沿って、複数の屈折率変調の複数の方位対称パターンを有する該第1のファイバーブラッググレーティングを形成することと、そして
前記光ファイバーケーブル領域の第2の端部に第2のファイバーブラッググレーティングを形成し、該第2のファイバーブラッググレーティングは、光ファイバーケーブル領域のコアの周囲360度の角度で、複数の屈折率変調の複数の方位対称パターンを構成するように形成されることと、を含む、方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記第1のブラッググレーティングおよび前記第2のブラッググレーティングで構成される前記ナノファイバーキャビティ領域は、1つ以上の異なる共振周波数を発生させることなく、任意の光の偏光状態に適合する偏光縮退キャビティモードを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ナノファイバーキャビティ領域が、任意の偏光状態の光が異なる共振周波数を引き起こさない偏光縮退ファイバーブラッググレーティングナノファイバーキャビティとして特徴付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記屈折率変調の方位対称パターンによって特徴づけられる前記第1のファイバーブラッググレーティングまたは前記第2のファイバーブラッググレーティングが、200nmから1ミクロンの寸法にわたるファイバー軸に沿った変調周期によって構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記屈折率変調の方位対称パターンによって特徴づけられる前記第1のファイバーブラッググレーティングまたは前記第2のファイバーブラッググレーティングは、1マイクロメートルから10マイクロメートル以上の寸法を持つ断面を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記電磁放射が10秒から100分の露光時間によって特徴付けられ、該露光時間は、10mWから1Wの前記電磁放射のパワーおよび3マイクロメートルから1mmの範囲の前記電磁放射の直径に対して、前記第1のファイバーブラッググレーティングまたは前記第2のファイバーブラッググレーティングのいずれかのピーク反射率をリアルタイムでモニタリングすることによって制御される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のファイバーブラッググレーティングおよび前記第2のファイバーブラッググレーティングが、それぞれ前記光ファイバーケーブル領域上に空間的に配置され、前記第1のファイバーブラッググレーティングと前記第2のファイバーブラッググレーティングとの間の空間距離が100マイクロメートルから10センチメートル以上の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のファイバーブラッググレーティングおよび前記第2のファイバーブラッググレーティングは、ナノファイバー領域に結合されたテーパー領域の両側にそれぞれ構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のファイバーブラッググレーティングおよび前記第2のファイバーブラッググレーティングは、前記ファイバー光学ケーブル領域の二酸化ケイ素材料に刻印された複数のパターンによって特徴付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ファイバー軸に沿ったファイバーの回転が、前記屈折率変調の方位対称パターンの形成を引き起こす回転速度によって特徴付けられ、該回転速度は、前記屈折率変調の横方向に異方性のあるパターンが方位方向にわたって平均化されるように、紫外線露光時間の逆数よりも速い、請求項1に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【背景技術】
【0001】
量子コンピュータを作るために様々な技術が開発されてきた。超伝導量子ビットは、量子挙動を示すことができる超伝導回路を用いて実施されてきた。このような超伝導回路は、通常、超伝導材料の薄膜を用いて作られ、動作には極低温(絶対零度に近い)が必要である。超伝導量子ビットは比較的長いコヒーレンス時間を示し、複雑な計算を可能にしている。これらは、既存の半導体製造技術を用いて製造することができる。残念ながら、低温での動作が要求され、複雑な冷却システムが必要なため、動作はより困難である。また、キュービットのコヒーレンスは環境ノイズの影響を受けやすく、スケーラビリティに限界がある。
続きを表示(約 2,200 文字)【0002】
別の手法として、イオントラップ型量子ビットがある。このようなイオントラップ型量子ビットは、電磁場に捕捉された個々のイオンを用いて量子情報を記憶及び操作する。
【0003】
イオンはレーザービームを使って操作され、量子ビットの基本的な動作を作り出す。イオントラップ型量子ビットは、卓越したコヒーレンス特性を示し、長い量子ビット寿命を実証している。また、個々に高精度で制御することも可能である。しかし、イオンを個別に操作する複雑さから、トラップドイオンシステムのスケールアップは困難であった。さらに、高品質の真空システムと精密なレーザー制御が必要であるため、実施には複雑さを必要とし、コストがかかる。
【0004】
さらに別の技術として、トポロジカル量子ビットがあり、これは「エニオン」と呼ばれる準粒子の操作に依存している。この準粒子は、トポロジカル超伝導体のようなエキゾチックな物質状態で出現する。
【0005】
エニオンは、トポロジカルに保護された方法で量子情報を記憶・処理するため、環境ノイズによるエラーの影響を受けにくい。トポロジカル量子ビットは、ある種のエラーに対してロバストであり、エラーに強い量子コンピューティングに有用である可能性がある。しかし、欠点も存在する。すなわち、トポロジカル量子ビットはまだ開発の初期段階にあり、実用化にはトポロジカル状態の生成と制御に関する課題がある。必要とされるエキゾチックな材料と安定した条件を実現することは、技術的に困難である。
【0006】
さらに、フォトニック量子ビットが研究されている。このようなフォトニック量子ビットは、光子(すなわち光の粒子)を用いて量子情報を符号化し、操作する。量子ゲートは、ビームスプリッタ、波長板、検出器などの光学要素を用いて実施される。フォトニック量子ビットは、既存の光学技術で簡単に操作できる。フォトニック量子ビットは、ある種のノイズに対して本質的に耐性があり、長距離伝送が可能である。残念なことに、フォトニック量子ビットは効率的な量子ビット-光子相互作用に苦労しており、オンデマンドで作成、保存、測定するのは困難である。大量の量子ビットを統合することは現在のところ困難である。
【0007】
前述したアプローチにはそれぞれ利点と課題があり、量子コンピューティングの分野ではこれらの技術をアクティブに探求している。これらの技術には、残念ながら欠点がある。欠点には、スケーラビリティ、信頼性、および量子ビットコヒーレンスの困難性が含まれる。
【発明の概要】
【0008】
本発明によれば、一般に量子コンピューティングおよび量子中継器に関連する技術が提供される。特に、本発明は、一対のブラッググレーティングで構成された光学キャビティ(cavity:共振器)を含む、ナノファイバーベースの量子コンピューティングシステムの製造方法および結果として得られるデバイスを提供する。単に一例ではあるが、本発明は、暗号学、創薬、最適化、機械学習および人工知能、金融、天気予報、化学、機械、電気、土木、核融合および核分裂、経済学、材料、および他のあらゆる複雑な人間または人間以外の事柄などの様々な用途に適用することができる。
【0009】
一例では、本発明は、量子コンピューティングまたは量子中継器用の偏光縮退ファイバーブラッググレーティングナノファイバーキャビティを製造する方法を提供する。この方法は、150nmから400nm以上の波長を特徴とする電磁放射線を位相シフトマスクのパターンを通して伝送し、電磁放射線を回折させて干渉パターンを形成することを含む。このパターンは、光ファイバーケーブル領域の第1の端部のコアに照射される。一例では、本方法は、光ファイバケーブル領域の長さに沿って定義された軸を中心に光ファイバケーブルを回転させながら、電磁放射線を用いて光ファイバケーブル領域のコアの屈折率を変化させることにより、光ファイバケーブル領域のコア上に第1のファイバブラッググレーティングを形成させ、光ファイバケーブルのコアの周囲に、光ファイバケーブル領域の断面に垂直な長さ方向の領域に沿った角度で360度の複数の屈折率変調の複数の方位対称パターンで構成された第1のファイバブラッググレーティングを形成することを含む。本方法は、光ファイバーケーブル領域の第2の端部に第2のファイバーブラッググレーティングを形成し、第2のファイバーブラッググレーティングが、光ファイバーケーブルのコアの周囲に角度360度の複数の屈折率変調の複数の方位対称パターンを有するように構成されることを含む。一例では、第2のファイバーブラッググレーティングは、位相シフトマスクを通した同様の放射を使用して形成される。
【0010】
さらに別の一例では、本発明は、光ファイバーケーブルの1つの空間領域に第1のファイバーブラッググレーティングを形成し、ケーブルを所定量回転させて第2のファイバーブラッググレーティングを形成することを含む、関連システム、および他の方法を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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