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公開番号2025038174
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-18
出願番号2024224147,2022131274
出願日2024-12-19,2022-08-19
発明の名称有機エレクトロルミネッセンス材料およびその素子
出願人北京夏禾科技有限公司
代理人弁理士法人R&C
主分類C07F 15/00 20060101AFI20250311BHJP(有機化学)
要約【課題】本発明は、有機エレクトロルミネッセンス材料およびその素子を開示する。
【解決手段】該有機エレクトロルミネッセンス材料は、式1で表される構造を有するLa配位子を含む金属錯体である。これらの新規な化合物は、エレクトロルミネッセンス素子に用いられることにより、たとえば、素子の電圧が低下し、電流効率、電力効率および外部量子効率が向上するなどの十分に優れた素子の性能を取得するとともに、素子の様々な性能を全面的に向上させ、最終的に素子の総合性能を極めて大きく向上させることができる。本発明は、該金属錯体を含む有機エレクトロルミネッセンス素子、および該金属錯体を含む組成物をさらに開示する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
金属M、および金属Mと配位する配位子L

を含む金属錯体であって、L

は、式1で表される構造を有する、金属錯体。
TIFF
2025038174000087.tif
46
168
(式1中、金属Mは、相対原子質量が40超えの金属から選ばれ、
環Cyは、出現毎に同一または異なって置換または非置換の環原子数6~24の芳香族環、置換または非置換の環原子数5~24のヘテロ芳香族環、またはこれらの組合せから選ばれ、且つ前記環Cyは、少なくとも3つの炭素原子を含み、
環Cyは、金属-炭素結合または金属-窒素結合で前記金属Mに結合し、
Xは、出現毎に同一または異なってO、S、Se、NR’、SiR’R’およびGeR’R’からなる群から選ばれ、2つのR’が同時に存在する場合、2つのR’は、同一または異なり、


~X

は、出現毎に同一または異なってC、CR

、CR
x1
またはNから選ばれ、X

~X

のうちの少なくとも1つは、Cであり、前記環Cyに結合し、


、X

、X

またはX

は、金属-炭素結合または金属-窒素結合で前記金属Mに結合し、


~X

のうちの少なくとも1つは、CR
x1
から選ばれ、且つR
x1
は、式2で表される構造を有し、
TIFF
2025038174000088.tif
30
168
式2中、


およびR

は、出現毎に同一または異なって一置換、複数置換または無置換を表し、
環Aおよび環Bは、同一または異なって環原子数3~30の炭素環、環原子数3~30のヘテロ環、またはこれらの組合せから選ばれ、
nは、0または1であり、


、A

、B

、B

、Eは、出現毎に同一または異なってC、N、B、P、CR’’’、SiR’’’またはGeR’’’から選ばれ、
Lは、単結合、O、S、SO

、Se、NR’’、CR’’R’’、SiR’’R’’、GeR’’R’’、BR’’、PR’’、P(O)R’’、R’’C=CR’’、炭素原子数1~20のヘテロアルキレン基、炭素原子数3~20のシクロアルキレン基、環原子数3~20のヘテロシクリレン基、炭素原子数6~30のアリーレン基、炭素原子数3~30のヘテロアリーレン基、およびこれらの組合せから選ばれ、
R’、R’’、R’’’、R

、R

、R

は、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルキニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルゲルマニウム基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールゲルマニウム基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシ基、スルファニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
「*」は、前記式2の結合箇所を表し、
隣り合うR’、R

同士は、結合して環を形成していてもよく、
隣り合うR’’、R’’’、R

、R

同士は、結合して環を形成していてもよい。)
続きを表示(約 7,500 文字)【請求項2】
環Cyは、出現毎に同一または異なって
TIFF
2025038174000089.tif
67
168
からなる群から選ばれるいずれか1種の構造である、請求項1に記載の金属錯体。
(Rは、出現毎に同一または異なって一置換、複数置換または無置換を表し、いずれか1種の構造において複数のRが存在する場合、前記Rは同一または異なり、
Rは、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルキニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルゲルマニウム基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールゲルマニウム基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシ基、スルファニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合う置換基Rは、結合して環を形成していてもよく、
「#」は、金属Mとの結合箇所を表し、
TIFF
2025038174000090.tif
10
168
は、X

、X

、X

またはX

との結合箇所を表す。)
【請求項3】
金属錯体は、M(L



(L



(L



の一般式を有し、
Mは、出現毎に同一または異なってCu、Ag、Au、Ru、Rh、Pd、Os、IrおよびPtからなる群から選ばれ、好ましくは、Mは、出現毎に同一または異なってPtまたはIrから選ばれ、


、L

およびL

は、それぞれ金属Mと配位する第1、第2および第3配位子であり、且つL

および前記L

またはL

は、同一または異なり、L

、L

およびL

は、結合して多座配位子を形成していてもよく、
mは、1、2または3から選ばれ、nは、0、1または2から選ばれ、qは、0、1または2から選ばれ、m+n+qは、金属Mの酸化状態に等しく、mが2以上である場合、複数のL

は、同一または異なり、nが2の場合、2つのL

は、同一または異なり、qが2の場合、2つのL

は、同一または異なり、


は、出現毎に同一または異なって
TIFF
2025038174000091.tif
211
168
TIFF
2025038174000092.tif
208
168
TIFF
2025038174000093.tif
207
168
TIFF
2025038174000094.tif
221
168
TIFF
2025038174000095.tif
208
168
TIFF
2025038174000096.tif
194
168
からなる群から選ばれ、
Xは、O、S、Se、NR’、SiR’R’およびGeR’R’からなる群から選ばれ、2つのR’が同時に存在する場合、2つのR’は、同一または異なり、
R、R

およびR
x1
は、出現毎に同一または異なって一置換、複数置換または無置換を表し、

x1
は、式2で表される構造を有し、
TIFF
2025038174000097.tif
29
168


およびR

は、出現毎に同一または異なって一置換、複数置換または無置換を表し、
環Aおよび環Bは、同一または異なって環原子数3~30の炭素環、環原子数3~30のヘテロ環、またはこれらの組合せから選ばれ、


、A

、B

、B

、Eは、出現毎に同一または異なってC、N、B、P、CR’’’、SiR’’’またはGeR’’’から選ばれ、
nは、0または1であり、
Lは、単結合、O、S、SO

、Se、NR’’、CR’’R’’、SiR’’R’’、GeR’’R’’、BR’’、PR’’、P(O)R’’、R’’C=CR’’、炭素原子数1~20のヘテロアルキレン基、炭素原子数3~20のシクロアルキレン基、環原子数3~20のヘテロシクリレン基、炭素原子数6~30のアリーレン基、炭素原子数3~30のヘテロアリーレン基、およびこれらの組合せから選ばれ、
「*」は、前記式2の結合箇所を表し、
【請求項4】
金属錯体は、Ir(L



(L


3-m
の構造を有し、且つ式3で表される、請求項1に記載の金属錯体。
TIFF
2025038174000099.tif
57
168
(mは、1、2または3から選ばれ、mが1から選ばれる場合、2つのL

は、同一または異なり、mが2または3から選ばれる場合、複数のL

は、同一または異なり、
Xは、O、S、Se、NR’、SiR’R’およびGeR’R’からなる群から選ばれ、2つのR’が同時に存在する場合、2つのR’は、同一または異なり、


~Y

は、出現毎に同一または異なってCRまたはNから選ばれ、


~X

は、出現毎に同一または異なってCR

、CR
x1
またはNから選ばれ、


~X

のうちの少なくとも1つは、CR
x1
から選ばれ、且つR
x1
は、式2で表される構造を有し、
TIFF
2025038174000100.tif
31
168


およびR

は、出現毎に同一または異なって一置換、複数置換または無置換を表し、
環Aおよび環Bは、同一または異なって環原子数3~30の炭素環、環原子数3~30のヘテロ環、またはこれらの組合せから選ばれ、


、A

、B

、B

、Eは、出現毎に同一または異なってC、N、B、P、CR’’’、SiR’’’またはGeR’’’から選ばれ、
nは、0または1であり、
Lは、単結合、O、S、SO

、Se、NR’’、CR’’R’’、SiR’’R’’、GeR’’R’’、BR’’、PR’’、P(O)R’’、R’’C=CR’’、炭素原子数1~20のヘテロアルキレン基、炭素原子数3~20のシクロアルキレン基、環原子数3~20のヘテロシクリレン基、炭素原子数6~30のアリーレン基、炭素原子数3~30のヘテロアリーレン基、およびこれらの組合せから選ばれ、
R’、R’’、R’’’、R、R

、R

、R

、R

~R

は、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルキニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルゲルマニウム基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールゲルマニウム基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシ基、スルファニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合うR

~R

同士は、結合して環を形成していてもよく、
隣り合うR’、R

同士は、結合して環を形成していてもよく、
隣り合うR同士は、結合して環を形成していてもよく、
隣り合うR’’、R’’’、R

、R

同士は、結合して環を形成していてもよい。)
【請求項5】


~X

は、出現毎に同一または異なってCR

またはCR
x1
から選ばれ、および/またはY

~Y

は、出現毎に同一または異なってCRから選ばれる、請求項4に記載の金属錯体。
【請求項6】


~X

のうちの少なくとも1つは、Nであり、および/またはY

~Y

のうちの少なくとも1つは、Nである、請求項4に記載の金属錯体。
【請求項7】
Xは、OまたはSから選ばれる、請求項1~6のいずれか一項に記載の金属錯体。
【請求項8】


は、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルゲルマニウム基、シアノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
好ましくは、R

は、出現毎に同一または異なって水素、重水素、フッ素、置換または非置換の炭素原子数1~6のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~6のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~12のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~12のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~6のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数3~6のアルキルゲルマニウム基、シアノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
より好ましくは、R

は、出現毎に同一または異なって水素、重水素、フッ素、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、重水素化メチル基、重水素化エチル基、重水素化プロピル基、重水素化イソプロピル基、重水素化n-ブチル基、重水素化イソブチル基、重水素化tert-ブチル基、重水素化シクロペンチル基、重水素化シクロヘキシル基、フェニル基、ピリジン基、トリメチルシリル基、トリメチルゲルマニウム基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項1~6のいずれか一項に記載の金属錯体。
【請求項9】

x1
は、式4で表される構造を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の金属錯体。
TIFF
2025038174000101.tif
41
168
(A

~A

は、出現毎に同一または異なってCR

またはNから選ばれ、


~B

は、出現毎に同一または異なってCR

またはNから選ばれ、
nは、0または1であり、
Lは、単結合、O、S、SO

、Se、NR’’、CR’’R’’、SiR’’R’’、GeR’’R’’、BR’’、PR’’、P(O)R’’、R’’C=CR’’、炭素原子数1~20のヘテロアルキレン基、炭素原子数3~20のシクロアルキレン基、環原子数3~20のヘテロシクリレン基、炭素原子数6~30のアリーレン基、炭素原子数3~30のヘテロアリーレン基、およびこれらの組合せから選ばれ、


、R

およびR’’は、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、置換または非置換の環原子数3~20のヘテロ環基、置換または非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールシリル基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルゲルマニウム基、置換または非置換の炭素原子数6~20のアリールゲルマニウム基、置換または非置換の炭素原子数0~20のアミノ基、シアノ基、イソシアノ基、ヒドロキシ基、スルファニル基、ホスフィノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
隣り合うR’’、R

、R

同士は、結合して環を形成していてもよく、
「*」は、前記式4の結合箇所を表す。)
【請求項10】


~A

は、出現毎に同一または異なってCR

から選ばれ、および/またはB

~B

は、出現毎に同一または異なってCR

から選ばれ、R

およびR

は、出現毎に同一または異なって水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数3~20のアルキルゲルマニウム基、シアノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
好ましくは、R

およびR

は、出現毎に同一または異なって水素、重水素、フッ素、置換または非置換の炭素原子数1~6のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~6のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~12のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~12のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~6のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数3~6のアルキルゲルマニウム基、シアノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれ、
より好ましくは、R

およびR

の少なくとも1つは、重水素、フッ素、置換または非置換の炭素原子数1~6のアルキル基、置換または非置換の環炭素原子数3~6のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素原子数6~12のアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~12のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素原子数3~6のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素原子数3~6のアルキルゲルマニウム基、シアノ基、およびこれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項9に記載の金属錯体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光素子などの、有機電子素子に用いられる化合物に関する。より特に、式1で表される構造を有するL

配位子を含む金属錯体、該金属錯体を含む有機エレクトロルミネッセンス素子、および該金属錯体を含む組成物に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
有機電子素子は、有機発光ダイオード(OLEDs)、有機電界効果トランジスタ(O-FETs)、有機発光トランジスタ(OLETs)、有機起電セル(OPVs)、色素-増感太陽電池(DSSCs)、有機光検出器、有機感光装置、有機電界効果素子(OFQDs)、発光電気化学セル(LECs)、有機レーザダイオードおよび有機プラズマ発光素子を含むが、それに限定されない。
【0003】
1987年、イーストマンコダック(Eastman Kodak)のTangおよびVan Slykeにより、電子輸送層および発光層として、アリールアミン正孔輸送層とトリス-8-ヒドロキシキノリン-アルミニウム層とを含む二層有機エレクトロルミネセント素子が報道されている(Applied Physics Letters、1987、51(12):913~915)。素子に対してバイアスが一旦印加されると、緑色光が素子から発射される。この発明は、現代の有機発光ダイオード(OLEDs)の発展に対する基礎を築き上げている。最も先進的なOLEDsは、電荷注入・輸送層、電荷・励起子ブロッキング層、および陰極と陽極との間の1つまたは複数の発光層などの複数の層を含んでもよい。OLEDsは、自発光性ソリッドステート素子であるので、表示および照明の適用に対して極めて大きな潜在力を提供している。また、有機材料の固有な特性、例えばそれらの可撓性は、可撓性基板で行った製造などの特殊な適用に非常に適合するようになっている。
【0004】
OLEDは、その発光メカニズムに応じて、3種の異なるタイプに分けられている。Tangおよびvan Slykeにより発明されたOLEDは、蛍光OLEDであり、一重項発光のみを使用する。素子において生成した三重項が非輻射減衰通路により浪費され、蛍光OLEDの内部量子効率(IQE)が25%に過ぎないため、この制限はOLEDの商業化を妨害している。1997年、ForrestおよびThompsonにより、錯体含有重金属からの三重項発光を発光体として用いるりん光OLEDが報道されている。そのため、一重項および三重項を収穫し、100%のIQEを実現することができる。その効率が高いため、りん光OLEDの発見および発展は、直接的にアクティブマトリクスOLED(AMOLED)の商業化に貢献する。最近、Adachiは、有機化合物の熱活性化遅延蛍光(TADF)によって高効率を実現している。これらの発光体は、小さい一重項-三重項ギャップを有するため、励起子が三重項から一重項に戻るトランジションが可能となる。TADF素子において、三重項励起子がリバースシステム間で貫通すること(逆項間交差)によって一重項励起子を生成することに起因してIQEが高くなっている。
【0005】
OLEDsは、さらに、所用材料の形態に応じて、小分子とポリマーOLEDに分けられてもよい。小分子とは、ポリマーではない、有機または有機金属のいずれかの材料を指し、精確な構造を有すれば、小分子の分子量が大きくてもよい。明確な構造を有するデンドリマーは、小分子と認められている。ポリマーOLEDは、共役ポリマーと、側鎖の発光基を有する非共役ポリマーとを含む。製造過程において後重合を発生すると、小分子OLEDがポリマーOLEDになり得る。
【0006】
様々なOLEDの製造方法が公知されている。小分子OLEDは、一般的に、真空熱蒸発により製造されるものである。ポリマーOLEDは、例えばスピンコート、インクジェット印刷およびノズル印刷などの溶液法により製造されるものである。材料が溶剤に溶解または分散することが可能であれば、小分子OLEDも溶液法により製造されることができる。
【0007】
OLEDの発光色は、発光材料の構造設計により実現することができる。OLEDは、所望のスペクトルを実現するように、1つまたは複数の発光層を含んでもよい。緑色、黄色、赤色OLEDにおいて、りん光材料は、既に商業化の実現に成功したが、青色のりん光素子には、依然として、青色が飽和せず、耐用年数が短く、作業電圧が高いなどの問題が存在する。市販のフルカラーOLEDディスプレイは、一般的に混合策略を用い、青色の蛍光、および黄色、赤色または緑色のりん光を用いる。現在、りん光OLEDの効率が高輝度の場合に急速に低下するという問題が存在する。また、より飽和した発光スペクトル、より高い効率、およびより長いデバイス耐用年数を有することが望まれている。
【0008】
US2013119354A1では、以下の一般式の構造を有する金属錯体が開示されている。
TIFF
2025038174000002.tif
35
168
(ただし、R

~R

は、水素、重水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、およびこれらの組合せから選ばれる。)
該出願では、R

がフェニル基のアリール置換基の金属錯体および素子における使用しか開示されていないが、本願に係る特定の置換基を有する金属錯体および素子の性能に対する影響が開示も教示もされていない。
【0009】
CN107236006Aでは、以下の一般式の構造を有する赤色光金属錯体が開示されている。
TIFF
2025038174000003.tif
34
168
【0010】
該出願では、アリールアミンで置換されたフルオレン系配位子を有する金属錯体および素子における使用が開示されている。該出願では、ポリアリールアミンで置換されたフルオレン基の金属錯体における使用が開示されているが、本願に係る特定の置換基を有する特定の骨格構造の配位子を含む金属錯体、および素子の性能に対する影響が開示も教示もされていない。
(【0011】以降は省略されています)

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