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公開番号
2025034456
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-13
出願番号
2023140846
出願日
2023-08-31
発明の名称
脊椎固定用チタン合金ロッド及びその製造方法
出願人
学校法人上智学院
,
高周波熱錬株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C22C
14/00 20060101AFI20250306BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】骨に固定した器具にかかる荷重を小さくすることにより、骨にかかる荷重を大きくして、骨への力学的刺激を向上させると共に、ロッドの耐久性を向上させることができる脊椎固定用チタン合金製ロッドを提供する。
【解決手段】チタン合金を用いた脊椎固定用チタン合金ロッドであって、前記チタン合金ロッドの軸方向に強度差のあるα+β相領域1a(1a
1
、1a
2
、1a
3
)と前記α+β相領域間のβ単相領域1b(1b
1
、1b
2
)が存在し、強度の高いα+β相領域1aをスクリュー及びプラグとの接触部とし、強度の低いβ単相領域1bを前記スクリューおよびプラグとの非接触部とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
チタン合金を用いた脊椎固定用チタン合金ロッドであって、前記チタン合金ロッドの軸方向に強度差のあるα+β相領域とβ単相領域が存在し、かつ、前記α+β相領域間にβ単相領域が存在し、強度の高いα+β相領域をスクリュー及びプラグとの接触部とし、強度の低いβ単相領域を前記スクリューおよびプラグとの非接触部とする、脊椎固定用チタン合金ロッド。
続きを表示(約 350 文字)
【請求項2】
前記α+β相領域が3箇所以上、前記β単相領域が2箇所以上存在する、請求項1に記載の脊椎固定用チタン合金ロッド。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の脊椎固定用チタン合金ロッドの製造方法であって、チタン合金からなるチタン合金ロッドに対して第1溶体化処理をした後、前記第1溶体化処理をした部分に対して時効処理を行うことで前記部分をα+β相領域とし、続いて、前記α+β相領域内の前記スクリュー及びプラグとの非接触部に対して高周波を印加して更に第2溶体化処理を行うことで前記非接触部をβ単相領域とする、脊椎固定用チタン合金ロッドの製造方法。
【請求項4】
前記第2溶体化処理を900℃以上で行う、請求項3に記載の脊椎固定用チタン合金ロッドの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、脊椎固定用チタン合金ロッド及びその製造法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
脊柱変形疾患等の治療のために、脊椎インプラントであるチタン合金製のロッドとスクリューを用いた脊柱固定手術が行われているが、これに用いる脊椎固定用チタン合金ロッドが開発されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
特許文献1には、「Nb:25~37質量%、Ta:Nb+0.8Taで36~45質量%、Zr:2~6質量%、O:0~1.0質量%、残部がTiと不可避的不純物からなり、β相中にα相が析出した第1領域と、β相からなる第2領域とを有する、脊椎固定用チタン合金ロッド。」(請求項1)が記載され、「この構成によって、脊椎固定用矯正ロッドに求められる高強度と低剛性をより高いレベルで両立できる」(段落[0012])、「Ti合金ロッド10中の第1領域11および第2領域12の位置は、Ti合金ロッドの使用方法に応じて定めることができる。通常の脊柱固定手術では、尾側に特に高い強度が求められ、頭側に低い剛性が求められるので、Ti合金ロッドの一端を第1領域11が占め、他端を第2領域12が占めることが好ましい。これにより、図6(本明細書に添付した図8参照)を参照して、尾側Cに第1領域を充て、頭側Hに第2領域を充てることができる。」(段落[0037])と記載されている。
【0004】
また、特許文献1には、「組成G2について、上記実験と同様に、熱間圧延された径20mmの丸棒の黒皮を除去し、800℃で1時間保持して溶体化処理を行い、水冷によって室温まで冷却し、スウェージ加工により径5mmまで縮径して、400℃で24hの時効処理を行った。さらに、得られた棒材(長さ約100mm)の一端から約半分の長さに高周波を印加して加熱し、高周波部分焼入れを行い、実施例のTi合金ロッドを作製した。」、「実施例のTi合金ロッドを径方向に2分割し、光学顕微鏡を用いて、第1領域と第2領域の境界部分の断面を観察した。その結果、第2領域は単一の相からなり、第1領域は二相からなることを確認した。また、第1領域と第2領域の境界部は、組織が連続的に変化する傾斜構造を有していることを確認した。」、「さらに、第1領域と第2領域の境界部分の断面について、ビッカース硬さHvの長さ方向の変化を測定した。ビッカース硬さHvは、試験力4.903N、保持時間10秒で測定した。結果を図5に示す。図5(本明細書に添付した図7参照)の左側が第1領域、右側が第2領域である。ビッカース硬さHvは、第1領域から第2領域にかけて徐々に低下しており、境界における傾斜構造が3~3.5mmにわたって形成されていることが分かった。」(段落[0064]、[0066]、[0067])と記載されている。
【0005】
特許文献2には、「β安定化元素をモリブデン当量で8乃至20質量%、酸素を0.05乃至0.25質量%含有し、残部がチタン及び不可避的不純物からなるチタン合金製インゴット又はチタン合金粉末を原料として用い、インゴットを使用した場合には熱間鍛造工程を経て、そして粉末を使用した場合には粉末冶金工程を経て、チタン合金製のロッドを得、その後、そのロッドに溶体化処理及びピーニング処理を施すことによって得られる脊椎固定用チタン合金製ロッドであって、溶体化処理後におけるヤング率は60乃至110GPaであり且つ引張強度は700乃至1200GPaであり、且つ、その表面部分には変形誘起ω相変態が生じていることを特徴とする、脊椎固定用チタン合金製ロッド。」(請求項1)が記載され、「本発明者等は、弾性率が低いというβ型チタン合金の特徴を生かしつつ、連結部における疲労強度を高める手段について研究した。そして、β型チタン合金製の脊椎固定用ロッドにピーニング処理を施すことで、ロッドの表面に変形誘起ω相変態を生じさせ、それによってロッド全体の弾性率を低く維持しつつ、表面のみを硬質化することによって、スクリューとの連結部分におけるロッドの疲労強度を著しく改善できることを見出し、本願発明を完成させた。」(段落[0008])と記載されている。
【0006】
また、特許文献2には、「本発明の脊椎固定用チタン合金製ロッドは、その表面部分においてのみω相が変形誘起されているが、それ以外の部分は溶体化処理後の構成相の状態を保っている。β型チタン合金を得るために、本発明では、原料としてチタンとβ安定化元素とを用い、さらにロッドの材料であるチタン合金インゴット又はチタン合金粉末が所定量の酸素を含むように、原料組成及びインゴットの製造方法や、合金粉末組成を選択する。」、「純チタンは常温ではα相であるが、885℃以上でβ相に変態する。チタンにβ安定化元素を混合して溶解した後溶体化処理を施すことによって、準安定β型チタン合金を得ることができる。このようにしてβ型チタン合金を得るために使用される固溶型β安定化元素としては、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、レニウム(Re)等が挙げられる。また、共析型β安定化元素としては、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)等が挙げられる。本発明では、上記β安定化元素から選択される少なくとも一種が使用され、クロムの使用が特に好ましい。」、「本発明においては、インゴット又は合金粉末が、β安定化元素を、モリブデン当量で8乃至20質量%、好ましくは9乃至13質量%で含有するように、原料組成を調整する。β安定化元素の割合を上記のとおりとするのは、準安定β型チタン合金を得るためである。」(段落[0023]~[0025])と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2020-139179号公報
特開2016-138318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
金属製の医療器具は、骨に固定した器具にかかる荷重が大きいと、骨にかかる荷重が小さくなり、その結果、骨への力学的刺激が低下し、再生と破壊のバランスが崩れ、骨が脆弱化する課題がある。
特許文献1に記載の脊椎固定用チタン合金ロッドは、β相中にα相が析出した第1領域ではロッドの強度が高い(図7の左側参照)ため、段落[0037]に記載されているように図8に示す尾側Cに第1領域11(図6参照)を充てた場合、尾側Cでは、骨に固定した器具にかかる荷重が大きくなるから、上記の課題を解決するには限界がある。また、β相からなる第2領域ではロッドの強度が低い(図7の右側参照)ため、段落[0037]に記載されているように図8に示す頭側Hに第2領域12(図6参照)を充てた場合、骨に固定した器具にかかる荷重は小さくなり、骨にかかる荷重は大きくなるが、頭側Hでは、スクリュー及びプラグを固定した部位のロッドの強度も低いことから、強度の高いスクリュー及びプラグと組み合わせて使用すると、当該部位の耐久性が低下する恐れがある。
【0009】
特許文献2には、準安定β型チタン合金を用いた脊椎固定用チタン合金製ロッドについて、強度の高いスクリューとの連結部分における疲労強度(耐久性)を改善することが記載されているが、耐久性を改善するためにロッドの表面に硬質の変形誘起ω相変態を生じさせるものであるから、ロッドの強度は高くなり、ロッドの一部の強度を低くすることが記載されているとはいえない。
【0010】
本発明は、骨に固定した器具にかかる荷重を小さくすることにより、骨にかかる荷重を大きくして、骨への力学的刺激を向上させると共に、ロッドの耐久性を向上させることができる脊椎固定用チタン合金ロッドを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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