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公開番号2025031101
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023137086
出願日2023-08-25
発明の名称電動機
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人個人,個人
主分類H02K 41/03 20060101AFI20250228BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】本発明は、例えば電磁鋼板のような、所定方向における磁束の流れを阻害する部材を鉄心に利用しても3次元磁極構造の特性を活かすことができる電動機を提供する。
【解決手段】本発明は、3次元磁極構造を備えた電動機1000であり、この電動機1000における鉄心211は、積層された複数の電磁鋼板2111と、前記複数の電磁鋼板2111に当接し、前記可動子磁極となる磁極部材2112-1を備える軟磁性体部材2112とを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電機子コイルを備える電機子と、前記電機子と対向して配置される鉄心、および、前記電機子との対向面を可動子磁極として開放するように前記鉄心を囲繞する複数の永久磁石を備える磁極ブロックを複数備える可動子とを備え、
前記磁極ブロックにおける前記複数の永久磁石は、前記鉄心に同一の磁極を向けて配置され、
前記複数の磁極ブロックのそれぞれは、それぞれが備える永久磁石同士が隣り合うように並べて配置され、互いに隣接する磁極ブロックは、永久磁石の一面を互いに接して接続され、
前記鉄心は、積層された複数の電磁鋼板と、前記複数の電磁鋼板に当接し、前記可動子磁極となる磁極部材を備える軟磁性体部材とを備える、
電動機。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
前記軟磁性体部材は、さらに、軟磁性体で形成され、前記複数の電磁鋼板を介して互いに対向するように配置される板状の一対の第1および第2延設部材を備え、
前記磁極部材は、軟磁性体で形成された板状であって、両端部それぞれが前記第1および第2延設部材の一方端部で連結されて前記第1および第2延設部材と一体に形成されている、
請求項1に記載の電動機。
【請求項3】
前記複数の永久磁石のうちの1つは、前記複数の電磁鋼板における前記磁極部材に当接する一方端面に対向する他方端面に当接し、
前記磁極部材は、軟磁性体で形成された板状であり、
前記軟磁性体部材は、さらに、軟磁性体で形成された板状であり、一方端部で前記磁極部材に連結し、他方端部で前記1つの永久磁石に当接する当接部材を備える、
請求項1に記載の電動機。
【請求項4】
前記複数の永久磁石のうちの1つは、前記複数の電磁鋼板における前記磁極部材に当接する一方端面に対向する他方端面に当接し、
前記軟磁性体部材は、さらに、前記1つの永久磁石を支持する軟磁性体の支持部材と、前記磁極部材と前記支持部材とを連結する軟磁性体の連結部材とを備え、前記磁極部材、前記連結部材および前記支持部材が一体に形成されている、
請求項1に記載の電動機。
【請求項5】
電機子コイルを備える電機子と、前記電機子と対向して配置される鉄心、および、前記電機子との対向面を可動子磁極として開放するように前記鉄心を囲繞する複数の永久磁石を備える磁極ブロックを複数備える可動子とを備え、
前記磁極ブロックにおける前記複数の永久磁石は、前記鉄心に同一の磁極を向けて配置され、
前記複数の磁極ブロックのそれぞれは、それぞれが備える永久磁石同士が隣り合うように並べて配置され、互いに隣接する磁極ブロックは、永久磁石の一面を互いに接して接続され、
前記鉄心は、底部が前記可動子磁極となる凹所を持つ枡形の軟磁性体部材と、前記凹所の底面に端面が対向するように前記凹所に配置される複数の磁性線材とを備える、
電動機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元磁極構造を備えた電動機に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
電動機の出力を向上させるためには、電機子と可動子との間のギャップに生じる磁束数を増大させることが必要である。このために、例えば、特許文献1には、3次元磁極構造を備えた電動機が開示されている。この特許文献1に開示された電動機は、電機子コイルを有する電機子と、前記電機子と対向して配置される鉄心と、前記電機子との対向面を開放して前記鉄心を囲繞する複数の永久磁石とを具備する磁極ブロックを複数有する可動子とを備え、前記磁極ブロックにおいて、前記複数の永久磁石が前記鉄心に同一の磁極を向けて配置され、複数の前記磁極ブロックのそれぞれは、それぞれが具備する永久磁石同士が隣り合うように並べて配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第7044844号公報(特開2020-202746号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、3次元磁極構造を備えた電動機の鉄心(コア)には、R方向(径方向)、θ方向(周方向)およびZ方向(回転軸方向)の3方向から磁束が侵入するため、通常、バルクの純鉄や磁性鉄粉等が利用される。しかしながら、鉄心にバルクの純鉄を利用すると、いわゆる渦電流が大きく発生してしまう。また、鉄心に磁性鉄粉を利用すると、透磁率が低くなってしまい、また、強度が劣ってしまう。一方、これらを解消するために、電動機の鉄心に多用される電磁鋼板を一般的な電動機と同様にZ方向が法線となるように配置して利用すると、Z方向の磁束が活用し難くなり、3方向からの磁束を利用できるという3次元磁極構造の特性を活かせなくなってしまう。
【0005】
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、例えば電磁鋼板のような、所定方向における磁束の流れを阻害する部材を鉄心に利用しても3次元磁極構造の特性を活かすことができる電動機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかる電動機は、電機子コイルを備える電機子と、前記電機子と対向して配置される鉄心、および、前記電機子との対向面を可動子磁極として開放するように前記鉄心を囲繞する複数の永久磁石を備える磁極ブロックを複数備える可動子とを備え、前記磁極ブロックにおける前記複数の永久磁石は、前記鉄心に同一の磁極を向けて配置され、前記複数の磁極ブロックのそれぞれは、それぞれが備える永久磁石同士が隣り合うように並べて配置され、互いに隣接する磁極ブロックは、永久磁石の一面を互いに接して接続され、前記鉄心は、積層された複数の電磁鋼板と、前記複数の電磁鋼板に当接し、前記可動子磁極となる磁極部材を備える軟磁性体部材とを備える。
【0007】
このような電動機は、3次元磁極構造を備えた電動機であり、鉄心には、電磁鋼板が利用される。ここで、上記電動機では、鉄心は、複数の電磁鋼板に当接し、可動子磁極となる磁極部材を備える軟磁性体部材を備えるので、前記複数の電磁鋼板を流れ難い磁束を前記磁極部材に流すことができ、鉄心に電磁鋼板を利用しても3次元磁極構造の特性を活かすことができる。
【0008】
他の一態様では、上述の電動機において、前記軟磁性体部材は、さらに、軟磁性体で形成され、前記複数の電磁鋼板を介して互いに対向するように配置される板状の一対の第1および第2延設部材を備え、前記磁極部材は、軟磁性体で形成された板状であって、両端部それぞれが前記第1および第2延設部材の一方端部で連結されて前記第1および第2延設部材と一体に形成されている。好ましくは、上述の電動機は、リニアモータである。
【0009】
このような電動機は、複数の永久磁石から流れて来る磁束を、可動子磁極となる磁極部材へ流れるように磁路を形成することができ、したがって、前記複数の永久磁石で発生する磁束を電機子へ流れるように磁路を形成できる。
【0010】
他の一態様では、上述の電動機において、前記複数の永久磁石のうちの1つは、前記複数の電磁鋼板における前記磁極部材に当接する一方端面に対向する他方端面に当接し、前記磁極部材は、軟磁性体で形成された板状であり、前記軟磁性体部材は、さらに、軟磁性体で形成された板状であり、一方端部で前記磁極部材に連結し、他方端部で前記1つの永久磁石に当接する当接部材を備える。好ましくは、上述の電動機において、前記磁極部材および前記当接部材は、一体に形成されている。好ましくは、上述の電動機は、回転式モータである。
(【0011】以降は省略されています)

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