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公開番号2025025381
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2023130103
出願日2023-08-09
発明の名称太陽光発電電力活用プラットフォーム
出願人個人
代理人
主分類H02J 3/46 20060101AFI20250214BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】太陽光発電装置を住宅、施設、工場の屋根部に設置させて普及させる上で、利用されない電力を蓄電池に蓄電するためその蓄電池の費用は通常太陽光パネルよりも高額であり、且つ充放電ロスが生じる。そのため太陽光発電装置の普及に経済的なネックとなっている。
【解決手段】太陽光発電装置を設置する該当空間で使われる電力使用機器である空調機、電気温水器、冷蔵庫に組み込まれているヒートポンプを運転させ方法とその出力を蓄熱させて利用する方法により前記の蓄電池の容量を大幅に軽減できる方法を実現して、太陽光発電装置全体の費用効果を高めて、もって太陽光発電装置の普及を図る。

【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
建物に外部から導入する系統商用電力と、建物の屋根や外面又は近傍に設置した太陽光発電装置において発電された電力を前記系統商用電力と同一の周波数で同一の電圧に調整して出力させるためのパワーコンディショナーを経由して出力される電力とを総合して又は選択して出力する装置を電源装置として用い、
前記建物に置いてヒートポンプ搭載の電力利用機器に供給される電力が前記太陽光発電装置から前記パワーコンディショナー経由で出力された電力か、前記商用電力から供給される電力か、または蓄電池や電気自動車の電池から出力された電力であるかという情報を前記電力利用機器に伝えて、前記ヒートポンプ搭載の電力利用機器が当該電力区分け信号によって、前記太陽光発電装置からの電力を利用するときと前記商用電力を利用するときと異なった運転モードで運転する様に制御することを特徴とした太陽光発電電力需給システム。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
前記異なった運転モードとして、蓄熱効果の有り無しによる異なった運転モード、対象負荷範囲・面積の大小により異なった運転モード、温冷熱目標設定温度の高低による異なった運転モードの何れかとしたことを特徴とした請求項1に記載の太陽光発電電力需給システム。
【請求項3】
前記太陽光発電電力需給システムに置いて、全体のシステムを制御するために電力需給コントローラをシテム内に設置して、該システム内の前記パワコンディショナーに係わる情報、前記蓄電池や電気自動車の充電状況の情報、電力を供給する商用電力の情報や前記太陽光発電電力の情報、前記電力利用機器である電気温水器、空調機、冷蔵庫の作動状況や情報など電力供給側と電力需要側の機器、装置の多くの情報を得て、前記各電力利用機器に送信して前記異なった運転モードで運転するように指示したことを特徴とする請求項1,2の何れか1項に記載の太陽光発電電力需給システム。
【請求項4】
前記電力利用機器として電動ヒートポンプによって水道水を加熱して温水となし、該温水を温水タンク内に貯湯させて供給する方式の給湯装置を用いた太陽光発電電力需給システムに置いて、
太陽光発電電力利用時乃至は太陽光有効時間帯では温水タンク内の温水の炊き上げ目標温度を48℃よりもはるかに高い温度に設定して運転して炊き上げ、前記商用電力利用時乃至は前記太陽光発電非有効時間帯で運転する時は、その運転の温水タンク内の温水の炊き上げ目標温度を前記目標温度48℃程度の低い温度に設定して作動させる制御により温水を焚き上げる給湯装置を前記電力利用機器の一つとして用いたことを特徴とした請求項1、2、3の何れか一項に記載の太陽光発電電力需給システム。
【請求項5】
前記温水タンクとして温水と伝熱が良好な関係で、パラフィンや酢酸ナトリウム水和塩などの44℃以上の温度で相変化する潜熱蓄熱材を充填した多数の容器をタンク内に設置した温水タンクを用い、前記太陽光発電装置からの電力を利用時乃至は前記太陽光有効時間帯で運転する時は、前記電動ヒートポンプの炊き上げ目標温度を前記潜熱蓄熱材の相変化温度よりも高くして潜熱蓄熱し、前記商用電力を利用時乃至は前記太陽光発電非有効時間帯で運転するときは前記炊き上げ目標温度を前記潜熱蓄熱材の相変化温度よりも低く設定して前記タンク内の温水を顕熱加熱して運転させて温水を焚き上げる給湯装置を前記電力利用機器の一つとして用いたことを特徴とした請求項1、2、3,の何れか一項に記載の太陽光発電電力需給システム。
【請求項6】
前記太陽光発電電力需給システムの電力を利用して作動する電力利用機器の一つを電動ヒートポンプによって生じる温冷熱を利用して空間の冷暖房を行う空調装置とし、前記太陽光発電装置からの電力を利用するときは多くの室数を対象に同時に多数の空調機を、乃至は同時に多数の部屋用の室内機を作動させて運転し、商用電力で運転する時間帯では特定された部屋のみに限定して、より少ない部屋のみを対象に運転する様に設定したことを特徴とした請求項1、2、3の何れか一項に記載の太陽光発電電力需給システム。
【請求項7】
前記太陽光発電電力需給システムの電力を利用して作動する電力利用機器として電動ヒートポンプによって生じる温冷熱を利用して室温を制御して冷暖房を行う空調装置を用い、空調する対象の壁面、床面、天井面などの壁面内に室内の空気と伝熱関係に接して冷暖房効果を吸収及び放出するようにパラフィンや酢酸ナトリウムス水和液等で、相変化温度が21℃~25℃の範囲である潜熱蓄熱材を収納したパッケイジを設置し、冷房暖房の両方にに活用する。
前記太陽光発電装置からの電力を利用するときは空調する空気の加熱乃至は冷却目標温度を前記潜熱蓄熱材の相変化温度よりも冷房時は低く、暖房時は高くして前記潜熱蓄熱材に蓄熱しつつ空調運転し、商用電力を利用するときは空調空気の目標温度を前記潜熱蓄熱材の相変化温度よりも冷房時は高く、暖房時は低くして空調運転することにより前記潜熱蓄熱材のパッケイジに蓄熱することなく、空気で直接冷温熱を供給することにより冷暖房を行う事を特徴とした請求項1、2、3の何れか1項に記載の太陽光発電電力需給システム。
【請求項8】
前記太陽光発電電力需給システムに置いて、前記空調装置の空調された空気を吹き出して対象空間に該空気を導く送風ダクトを設け、前記潜熱蓄熱材の設置場所として該送風ダクトの壁面内部に前記潜熱蓄熱材のパッケイジを装着させたことを特徴とした請求項7に記載の太陽光発電電力需給システム。
【請求項9】
前記太陽光発電電力需給システムの電力を利用して作動する電力利用機器として電動ヒートポンプによって生じる冷熱を利用して庫内の冷却、冷凍を行う冷蔵装置において、
該冷蔵庫に置いて前記太陽光発電装置からの電力を利用するときに設定する庫内の冷却設定温度を、前記商用電力を利用して空調するときに設定する庫内の冷却設定温度より低い温度に設定したことを特徴とした請求項1、2、3の何れか一項に記載の太陽光発電電力需給システム。
【請求項10】
前記太陽光発電電力需給システムの電力を利用して作動する冷蔵庫に置いて当該冷蔵庫の庫内に、約0℃で相変化する水または0℃以下の温度で相変化する様に設定した塩化カルシュウム水溶液などの低温度用潜熱蓄熱材を収納したパッケイジを庫内空気と伝熱関係に設置し、少なくとも前記太陽光発電装置からの電力を利用して冷凍用ヒートポンプを作動させる時は前記潜熱蓄熱材に潜熱蓄熱可能な低温度に制御して運転させて潜熱蓄熱しつつ庫内を冷やし、商用電力など前記太陽光電力以外の電力を利用して前記冷凍用ヒートポンプを作動させる時は、前記潜熱蓄熱材の蓄熱温度より高い温度に制御して庫内を冷やす様にしたことを特徴とした冷蔵庫としたことを特徴とした請求項1、2、3の何れか一項に記載の太陽光発電電力需給システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
人類の生活を永続して支える自然エネルギーの有力候補の一つは太陽光発電であるが、
この電力は太陽光を利用することから、エネルギーの稀薄性、時間的制約性、天候による不安定性であるという難点がある。このため、蓄電池への蓄電、電力供給対象の電気自動車への充電、系統商用電力への売電(逆潮流)などとの調整、各種施策でその難点を補って利用しているが、太陽光発電パネルへの投資以外に蓄電や充電の繰り返し時に発生する電力の損失や、補う蓄電池による大きな費用の発生、既存商用電力系統への需給調整の負担などが生じ、エネルギー効率的、経済的、コスト費用的に大きな課題となっている。安定して十分な量の電力を供給し、自然災害や天候不順に十分な耐性を備えた太陽光発電システムが必要であるという目標に鑑みて、再生可能エネルギーの普及という人々の目標、願望を担うには大きな、根本的な課題を抱えていると言えよう。
続きを表示(約 4,000 文字)【0002】
一方、太陽光発電の電力を利用する機器としての空調機、電気式給湯器、冷蔵庫などは、その原理方式が数十年前から商用電源に合わせて作動する即ち安定した電圧で何時でも一日中24時間安定して供給される商用電力で作動する機器として商品化された装置であり、必要な時に必要な運転を勝手に行えばよしとされた装置である。今回出願する技術の目的である制約された時間帯にのみ有効となる太陽光発電の出力電力を利用するために対応する目的に適した装置として商品化されたものではなく、そのことが前述した課題を大きくする要因の一つとなっている。
【0003】
そこで、本発明では、時間的制約があり安定しない太陽光発電を有効に利用する、という新しい時代のニーズに合った次世代の電力利用機器として適した制御仕様、熱関係機能仕様を備えた技術を織り込んだ上述した空調機など太陽光発電電力利用機器を実現し商品化すること、さらにこれらの新しい装置を作動させることにより不安定な太陽光発電方式を新しい主力電源として利用できる安定的なシステムを実現し、従来の安定した商用電源と総合した新しい“電力需給プラットフォーム”として実現し、実用化させ、広く社会全般に普及を図ろうとするものである。
【0004】
即ち、本発明で提案する技術は、すでに多くの施策が検討実施されてきている電力供給に限定した施策、技術ではなく、電力需要サイドの装置で人々の生活や生産活動のために既に大量に普及存在している電力利用機器、特にヒートポンプによる温冷熱を発生させる機器に置いてその温冷熱を蓄熱して利用する機能の追加、新しい運転制御の仕方、温冷熱の出力の利用方法などを変更、改善し、供給される電力の有効利用を達成し前記の課題を解消乃至は弱めること目指したものである。その結果、地産地消用の電力として、太陽光発電方式を広く普及させることに大きく寄与することが出来る方策、技術である。
ここで具体的に提案する電力需給プラットフォームの形成という技術目標分野は、今後、全世界の再生可能エネルギー源として必要となる太陽光発電装置(PV:フォトボルタイック発電装置)を普及展開、進展させていくための基幹的な技術である。
【背景技術】
【0005】
太陽光電力は太陽光エネルギーの稀薄性、時間的制約性、天候による発電の不十分性、不安定性という基本的な難点があるが、その打開策の現在の有力な施策は太陽光発電電力を一旦畜電池に蓄電して他の時間帯に利用する方法がとられる。乃至は商用電力との需給調整の施策として商用電力系統の電力会社に売電する方法も行われている。その場合、商用電力会社はその電力によって、揚水発電などの方策などが実施している。または、その電力を利用して水素の生成装置用に使い、必要な時間にその水素を利用して再度発電を行うなどの方策も実用化されており、これらの幾つかの有効な解決策の実用化を電力の安定的供給手段として進められてきている。しかしながら、それら解決策を実施するために、電力発電側と電力消費側の相互の需給が一致しないという根本的問題の解決策に関する技術はほとんど見られない。この根本問題を解決できない背景技術の基では、出力の電力ロス、電力費用を高めてしまい、それが前述した問題を解決できない原因となっている。したがって太陽光発電を世界的大規模に普及するレベルにするにはアイデアと技術が新たに必要になるという問題がある
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許文献1は太陽光発電を利用したヒートポンプ式給湯機に於いて、太陽光発電装置の発電量の余剰電力を利用する場合に、ヒートポンプ式給湯機の電力消費量によりその出湯温度を切り替えて制御する技術を訴求している。
特許文献2は系統への逆潮流を回避しつつ太陽電池の発電電力を有効に活用する出力制御装置をしめしている。
しかしながら、何れも電力負荷となる給湯器などの電力利用機器について、太陽光発電が使える時間帯と使えなくなった時間帯での運転モード及び電力利用機器の出力温熱乃至は冷熱を蓄熱する技術については提示されていない。
特開2022-175244号広報
特開2022-167768号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
対象の課題分野は、太陽光発電電力を有効に利用し、利用し切れなかった発電電力は電力供給系統に逆潮流させて売電し、不足した電力分は系統電力を利用することを特徴とした地産地消の再生可能エネルギーにかかわるものである。その分野で本発明が検討して目指しているものは、住宅、店舗、オフィスビル、工場などの建物の近傍、例えば屋根上や近隣の空き地に太陽光発電装置を設置し、その発電電力を当該建物において有効利用し、尚且つ余剰及び不足なく直接利用する100%地産地消する太陽光発電電力システムの実現である。
太陽光発電は作動時間が太陽光に制約される発電であり、発電された電力をその作動時間内に全て利用することが難しい。それを実現する為には、多くの電力利用機器をその時間内に多くの電力を有効に利用し、蓄電池に蓄電し、商用電源側に売電するなどの対応策がとられている。 そのため、蓄電放電ロス、装置施設への投資は増大する。この問題の解決策が十分に具体化されていないため太陽光発電電力の普及が進まず経済効果が十分でないことが課題となっている。一方系統電力への逆潮流による売電が増え系統電力システムにこの電力を受け入れる為の多大の経済的、制御的負担をかけている点でも社会的な課題となっており、系統電力事業者側から逆潮流電力の受け入れを拒絶乃至は売電購入価格が十分な高いレベルで買い取られない場合が生じるなどの社会的課題も顕著になっている。
【0008】
一方、対象建物に於いて外部系統電力、即ち商用電力から買電する電力消費量を削減し、更にはゼロ化を推奨する自治体の補助金政策は、住宅用はゼロエネルギー住宅ZEH, 業務用はゼロエネルギービルZEBと称されて注力されている。これは、国家的な電力使用エネルギー削減、即ち発電用の石油やガス燃料の消費費用増加による経済問題の解消をめざしたものである。しかし上記の系統電力の消費量を対象にしたゼロエネルギー化政策は、その中で太陽光発電の利用の効果を期待している要素が多く、その結果、国を挙げて太陽光発電を普及させることに注力しており、前述した課題が早期に解消されることが求められている。太陽光発電電力を最大限利用する為には電池技術の改善、即ち高効率化やコスト削減、更には電気自動車の蓄電池を利用する方法などは進められて来ている。しかしながら、その実績である太陽光利用を柱にした再生可能エネルギー量の活用は地球温暖化回避の政府目標を大幅に下回っており、有効な解決策の発掘、実用化が急務となっている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本出願の対象範囲の技術は太陽光発電装置システムに関するものであり、前述した課題の解決策を実現して太陽光発電装置の普及を促進させようとするものである。具体的には請求項1に示す様に建物サイト内及びその近傍で利用するヒートポンプを組込んだ電力使用機器の運転による電力の使用を太陽光発電を出力している時間帯に集中させ、且つ最適化制御して作動させてその電力の需給問題の解消を実現し、太陽光発電装置としての有効性、実用性を高めようとするものである。
太陽光発電の電力を有効に使う今回の出願の技術施策は、世界中で使われて圧倒的に使用量が多く温冷熱を出力するヒートポンプ搭載の電力使用機器を活用とするところを前提にしている。即ちその電気使用機器は電気式給湯器、空調機、冷蔵庫、冷凍機など、ヒートポンプを組込んだ機器を対象にする。ヒートポンプ技術は電力を使って冷媒圧縮機を駆動させて温熱や冷熱を出力する装置である。その技術はお湯をつくる給湯器、冷暖房を行う空調機、物品を冷蔵して補完する冷蔵庫など、世界的にばく大な数量の機器に利用され莫大な電力を消費している。そのヒートポンプの運転モード、温熱冷熱の供給の対象や仕方や温度を太陽光発電電力を利用するときとそうでないときでは異なったものとすることにより本願の目標を達成させるものである。
【0010】
それらの機器を太陽光発電電力を利用して温冷熱を出力させ、その温冷熱を当該電気使用機器内または近傍の出力先に蓄熱させることにより、少なくとも1日の間、24時間その温冷熱効果を維持させて、太陽光発電電力の供給されない時間帯に商用電力を使って運転する必要性をなくすことを目指した技術である。
以上の効果を達成するための、太陽光発電利用時にその他の商用電利用時より多くの温冷熱負荷を負担させる具体的な方策は、
1,太陽光発電電力使用信号を受けたとき、出力する温熱をより高温度にする、乃至は出力する冷熱温度をより低温度にする
2,潜熱蓄熱材を内包している負荷の場合は、温熱蓄熱の場合では蓄熱材に蓄熱させることができる高い温度で出力し、商用電力使用時は蓄熱させる温度以下で出力させる。冷熱蓄熱ではその逆となる。
3,対象の負荷が空調の場合、出力する対象の空調室数を多く設定する。商用電力の場合は対象の室数を絞って空調する。
等の方策が有効である。
(【0011】以降は省略されています)

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