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公開番号2025031042
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023136993
出願日2023-08-25
発明の名称電力変換装置
出願人三菱電機株式会社
代理人弁理士法人ぱるも特許事務所
主分類H02M 7/48 20070101AFI20250228BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】過電流を迅速に検出し、半導体スイッチング素子を保護する過電流保護回路部を有する電力変換装置を提供する。
【解決手段】電力変換装置において、過電流保護回路部(41)は、相電流を検出する電流センサ(21)の検出信号(I_sens)に応じて調整したゲインによる調整検出信号(I_sens-aj)を出力する検出信号調整手段(60)と、調整検出信号と過電流閾値(I_thres)とを比較して過電流を判定し、過電流停止信号(51)を駆動回路部(40)に与える比較器(61)と、を備えている。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
複数の半導体スイッチング素子を有する電力変換部と、前記電力変換部を制御する制御部と、を有し、直流電力を交流電力に変換し又は交流電力を直流電力に変換する電力変換装置であって、
前記電力変換部の電流を検出し、前記電流に対応した検出信号を出力する電流センサを備え、
前記制御部は、
前記半導体スイッチング素子のスイッチングを制御する駆動信号を出力する駆動回路部と、
前記電力変換部に過電流が流れたことを判定したとき、過電流停止信号を前記駆動回路部に入力し、前記半導体スイッチング素子をオン状態からオフ状態にする駆動信号を前記駆動回路部から出力させる過電流保護回路部と、
を備え、
前記過電流保護回路部は、
前記電流センサが出力する前記検出信号が入力され、当該入力された前記検出信号の値に応じてゲインを調整し、当該調整したゲインによる調整検出信号を出力する検出信号調整手段と、
前記検出信号調整手段が出力する前記調整検出信号の値と、過電流閾値と、の比較に基づき、前記判定を行ない、前記過電流停止信号を前記駆動回路部に入力する比較器と、
を備えている、
ことを特徴とする電力変換装置。
続きを表示(約 2,700 文字)【請求項2】
前記検出信号調整手段は、前記電流センサが出力する前記検出信号があらかじめ定められた値以上のとき、前記ゲインを増大させるように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記検出信号調整手段は、
前記電流センサが出力する前記検出信号の値があらかじめ定められた値以上のときオンとなるスイッチ手段と、
前記スイッチ手段がオンのとき、前記検出信号を微分する微分回路と、
前記電流センサが出力する前記検出信号と前記微分回路の出力とを加算し、当該加算に基づく信号を前記調整検出信号として出力する加算器と、
を備えている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記検出信号調整手段は、
前記電流センサが出力する前記検出信号の値があらかじめ定められた値以上のときオンとなるスイッチ手段と、
前記スイッチ手段がオンのとき、前記検出信号をフィルタ処理するハイパスフィルタ回路と、
前記電流センサが出力する前記検出信号と前記ハイパスフィルタ回路の出力とを加算し、当該加算に基づく信号を前記調整検出信号として出力する加算器と、
を備えている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【請求項5】
複数の半導体スイッチング素子を有する電力変換部と、前記電力変換部を制御する制御部と、を有し、直流電力を交流電力に変換し又は交流電力を直流電力に変換する電力変換装置であって、
前記電力変換部の電流を検出し、前記電流に対応した検出信号を出力する電流センサを備え、
前記制御部は、
前記半導体スイッチング素子のスイッチングを制御する駆動信号を出力する駆動回路部と、
前記電力変換部に過電流が流れたことを判定したとき、過電流停止信号を前記駆動回路部に入力し、前記半導体スイッチング素子をオン状態からオフ状態にする駆動信号を前記駆動回路部から出力させる過電流保護回路部と、
を備え、
前記過電流保護回路部は、
前記電流センサが出力する前記検出信号と、過電流閾値と、の比較に基づき、前記判定を行ない、前記過電流停止信号を前記駆動回路部に入力する比較器と、
前記過電流閾値を、第1の過電流閾値と、前記第1の過電流閾値よりも小さい第2の過電流閾値と、のうちの一方から他方に切り替える切り替え回路部と、
を備え、
前記切り替え回路部は、
前記電流センサが出力する前記検出信号が、あらかじめ定められた値以上のとき、前記検出信号と比較する前記過電流閾値を、前記第1の過電流閾値から前記第2の過電流閾値に切り替える、ように構成されている、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項6】
前記過電流保護回路部は、
前記電流センサが出力する前記検出信号の値が予め定められた値以上のときオンとなるスイッチ手段と、
前記スイッチ手段がオンのとき、前記検出信号の増大の傾きに応じてゲインを増大させる微分回路と、
を備え、
前記切り替え回路部は、前記微分回路の出力に基づいて、前記第1の過電流閾値から前記第2の過電流閾値に切り替える、ように構成されている、
ことを特徴とする請求項5に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記過電流保護回路部は、
前記電流センサが出力する前記検出信号の値があらかじめ定められた値以上のときオンとなるスイッチ手段と、
前記スイッチ手段がオンのとき、前記検出信号をフィルタ処理するハイパスフィルタ回路と、
を備え、
前記切り替え回路部は、前記ハイパスフィルタ回路の出力に基づいて、前記第1の過電流閾値から前記第2の過電流閾値に切り替える、ように構成されている、
ことを特徴とする請求項5に記載の電力変換装置。
【請求項8】
複数の半導体スイッチング素子を有する電力変換部と、前記電力変換部を制御する制御部と、を有し、直流電力を交流電力に変換し又は交流電力を直流電力に変換する電力変換装置であって、
前記電力変換部の電流を検出し、前記電流に対応した検出信号を出力する電流センサを備え、
前記制御部は、
前記半導体スイッチング素子のスイッチングを制御する駆動信号を出力する駆動回路部と、
前記電力変換部に過電流が流れたことを判定したとき、過電流停止信号を前記駆動回路部に入力し、前記半導体スイッチング素子をオン状態からオフ状態にする駆動信号を前記駆動回路部から出力させる過電流保護回路部と、
を備え、
前記過電流保護回路部は、
前記電流センサが出力する前記検出信号の値があらかじめ定められた値以上のときオンとなるスイッチ手段と、
前記スイッチ手段がオンのとき、前記検出信号の増大の傾きに応じてゲインを増大させる微分回路と、
前記電流センサが出力する前記検出信号と前記微分回路の出力とを加算し、当該加算に基づく信号を調整検出信号として出力する加算器と、
前記加算器が出力する前記調整検出信号と、過電流閾値と、の比較に基づき、前記判定を行ない、前記過電流停止信号を前記駆動回路部に入力する比較器と、
前記過電流閾値を、第1の過電流閾値と、前記第1の過電流閾値よりも小さい第2の過電流閾値と、のうちの一方から他方に切り替える切り替え回路部と、
を備え、
前記切り替え回路部は、
前記電流センサが出力する前記検出信号が、前記あらかじめ定められた値以上のとき、前記加算器が出力する前記調整検出信号と比較する前記過電流閾値を、前記第1の過電流閾値から前記第2の過電流閾値に切り替える、ように構成されている、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項9】
前記検出信号のあらかじめ定められた値は、前記電力変換装置の定格電流値以上の電流値に対応する値である、
事を特徴とする請求項2、5、6、7,8のうちの何れか一項に記載の電力変換装置。
【請求項10】
前記半導体スイッチング素子は、ワイドバンドギャップ半導体スイッチング素子により形成されている、
ことを特徴とする請求項1、2,5,6,7,8のうちの何れか一項に記載の電力変換装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電力変換装置に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、ハイブリッド自動車、電気自動車、などの電動パワートレインに用いる電力変換装置は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、あるいはMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、などのパワー半導体スイッチング素子が広く使用されている。通常、一つのパワー半導体スイッチング素子により、もしくは複数のパワー半導体スイッチング素子の並列接続の構成により、パワー半導体モジュールが形成され、当該パワー半導体モジュールにより電力変換装置が構成される。
【0003】
また、近年では、電力変換装置の性能向上に向けて、パワー半導体スイッチング素子に、低損失性と高速動作性の特徴を有するシリコンカーバイド(Silicon Carbide)半導体スイッチング素子(以下、SiC半導体スイッチング素子と称する)が用いられている。SiC半導体スイッチング素子は、電子が存在することのできない領域であるバンドギャップ(Band Gap)が広く、絶縁破壊耐圧がシリコン半導体スイッチング素子(以下、Si半導体スイッチング素子と称する)の10倍程度高いという特徴がある。
【0004】
したがって、SiC半導体スイッチング素子とSi半導体スイッチング素子との絶縁破壊電圧を等しく設計した場合に、SiC半導体スイッチング素子では、電流経路となる半導体層の膜厚を、Si半導体スイッチング素子における半導体層の膜厚よりも薄層化することが可能である。このため、SiC半導体スイッチング素子の導通時のオン抵抗値を、Si半導体スイッチング素子の導通時のオン抵抗値よりも極めて小さくすることができる。さらに、SiC半導体スイッチング素子とSi半導体スイッチング素子とを、同一の耐圧条件で比較した場合、SiC半導体スイッチング素子の空乏層の幅は、Si半導体スイッチング素子の空乏層の幅の約1/10となり、キャリヤ走行長の短縮効果により、SiC半導体スイッチング素子は、Si半導体スイッチング素子の10倍程度の高速スイッチングが可能となる。
【0005】
SiC半導体スイッチング素子を電動機駆動用のインバータとして動作する電力変換装置に適用することで、車両走行時の電力変換装置の損失を低減せることができ、車両の電力消費率又は燃料消費率の改善につなげることができる。インバータの場合、パワー半導体スイッチング素子の損失がインバータ全体の損失に直結するため、環境負荷が小さく市場競争力のある電動車両を得るためには、インバータとしての電力変換装置の低損失化は必須事項である。
【0006】
半導体スイッチング素子には、電圧、電流に対する過負荷耐量が存在し、当該過負荷耐量以上の電圧が印加され、もしくは過負荷耐量以上の電流が流れると、半導体スイッチング素子の破壊に至る可能性がある。このため、電力変換装置には、半導体スイッチング素子を含む導電経路を流れる電流値を検知する電流センサが備えられており、当該電流センサにより過大な電流、つまり過電流が流れたことを検出したとき、半導体スイッチング素子に流れる電流を停止させることで、半導体スイッチング素子の過電流保護を行うようにしている。
【0007】
一般的に、パワー半導体スイッチング素子のスイッチング速度(di/dt)は、当該パワー半導体スイッチング素子が有する耐電圧もしくは定格電圧を超過するサージ電圧が、そのスイッチング動作時に当該パワー半導体スイッチング素子に印加されないように設計される。
【0008】
また、通常、サージ電圧が最も大きくなる条件としての過電流が発生したときでも、サージ電圧がパワー半導体スイッチング素子の耐電圧以下の電圧となるように、パワー半導体スイッチング素子のターンオンのスイッチング速度、およびゲート定数、が決定されているため、過電流の値が大きいと、ゲート定数を大きくしてスイッチング速度を抑制する必要があるため、通常の電流領域としての定常領域でもスイッチング損失が悪化する。したがって、電力変換装置の効率改善のためには、できる限り過電流となる電流の値自体を小さくする必要がある。
【0009】
電力変換装置における一般的な過電流保護回路は、電流センサが検出した電流に対応する検出信号をコンパレータなどの比較器に入力し、当該検出信号の値と過電流値として設定している過電流閾値とを常に比較し、電流センサからの検出信号の値が過電流閾値以上となったとき、電力変換装置を停止するように構成されている。このような従来の過電流保護回路は、比較的簡単な回路で構成できるが、一般的に使用される電流センサとしてのIC(Integrated Circuit)は、ホール効果を用いたタイプの電流センサであり、この種の電流センサは、応答性に課題があり、急激な過負荷変動に伴う電流変化が発生したとき、電流センサの反応が遅れ、想定している過電流の値よりも大きな電流値に達してから電力変換装置が停止することがある。
【0010】
また、特許文献1に開示された従来の過電流保護回路は、半導体スイッチング素子の負極もしくは正極の近傍、あるいは半導体スイッチング素子の負極もしくは正極に接続された配線の近傍に、磁路が閉じていないインダクタを配置し、当該インダクタの磁路の解放方向を半導体スイッチング素子に流れる電流により発生する磁束の向きとし、当該インダクタに生じた誘導起電力があらかじめ定められた値を超えた場合に、スイッチング素子をオフにするように構成されている。
(【0011】以降は省略されています)

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