TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025030670
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-07
出願番号
2023136169
出願日
2023-08-24
発明の名称
排水の処理方法及び汚泥の沈降促進剤
出願人
水ing株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C02F
3/12 20230101AFI20250228BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】生物処理槽からの汚泥を沈殿槽で沈殿させて上澄水として処理水を得ることを含む排水処理での、処理水CODの低減と汚泥沈降性の向上との両方を効率的に達成する方法の提供。
【解決手段】汚泥のCST及びSV、並びに処理水のCODを測定し、CSTが5~3000秒、SVが90%以上、かつCODが3.0~300mg/Lの場合に、カルシウムイオン及び鉄イオンを含む液状の薬剤の添加を開始することと、薬剤の添加を、5日間以上にわたり、1日につき1回以上行うこととを含む、排水の処理方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
生物処理槽からの汚泥を沈殿槽で沈殿させて上澄水として処理水を得ることを含む排水の処理方法であって、
汚泥のCST及びSV、並びに処理水のCODを測定し、CSTが5~3000秒、SVが90%以上、かつCODが3.0~300mg/Lの場合に、カルシウムイオン及び鉄イオンを含む液状の薬剤の添加を開始すること、及び
前記薬剤の添加は、5日間以上にわたり、1日につき1回以上行うこと、
をさらに含むことを特徴とする排水の処理方法。
続きを表示(約 660 文字)
【請求項2】
前記薬剤におけるカルシウムイオンの濃度が1~20質量%であり、鉄イオンの濃度が1~20質量%である、請求項1に記載の排水の処理方法。
【請求項3】
前記薬剤の添加を、生物処理槽またはその上流に行うことを含む、請求項1又は2に記載の排水の処理方法。
【請求項4】
薬剤の添加の開始後5日目のSVをA%、薬剤の添加の開始時のSVをB%とした場合に、B-A≧5を満たすように、薬剤の添加量を調整することをさらに含む、請求項1又は2に記載の排水の処理方法。
【請求項5】
薬剤の添加の開始時の処理水のCODに比べて、薬剤の添加の開始後5日目の処理水のCODが10%以上低減するように、薬剤の添加量を調整することをさらに含む、請求項1又は2に記載の排水の処理方法。
【請求項6】
薬剤の添加の開始時に汚泥の酸素利用速度係数を測定すること、及び
薬剤の添加の開始時の汚泥の酸素利用速度係数に比べて、薬剤の添加の開始後5日目の汚泥の酸素利用速度係数が10%以上上昇するように、薬剤の添加量を調整することをさらに含む、請求項1又は2に記載の排水の処理方法。
【請求項7】
1~20質量%のカルシウムイオン及び1~20質量%の鉄イオンを含有し、液状である、汚泥の沈降促進剤。
【請求項8】
前記カルシウムイオンは塩化カルシウム由来であり、前記鉄イオンは塩化第二鉄由来である、請求項7に記載の汚泥の沈降促進剤。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水の処理方法に関する。より詳細には、生物処理槽からの汚泥を沈殿槽で沈殿させて上澄水として処理水を得ることを含む排水の処理方法において、特定の条件がそろった場合に特定の薬剤の添加を開始し、同薬剤の添加を一定期間継続することを含む方法に関する。また、本発明は、汚泥の沈降促進剤にも関する。より詳細には、上記の排水処理方法のように生物処理槽を有しており、また、汚泥を沈殿させることを含む排水処理において、生物活性を向上させることで汚泥の沈殿を促進する剤に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
排水処理において、生物処理槽を有する活性汚泥法は、物理的・化学的な排水処理方法と比較し、特殊な施設や複雑な装置などを必要とせず、また活性汚泥中の生物が中心となって処理を行うこととなるため、経済的にも有利な排水処理方法として知られている。
【0003】
代表的な活性汚泥法の一つに、標準活性汚泥法がある(図1)。本法は主に生物処理槽と沈殿槽から構成され、生物処理槽ではエアレーションにより空気を吹き込むことにより、活性汚泥中で生息する微生物を活性化させ、流入する排水中に含まれる有機物を分解・資化させる。一方、沈殿槽では汚泥と上澄水とを固液分離して、上澄水は処理水として放流あるいは次の処理工程に移送され、一方で沈降した汚泥は余剰汚泥として系外に排出されるか、または一部の汚泥は返送汚泥として生物処理槽の上段に返送され、再び活性汚泥として系内に循環される。生物処理槽の前段に原水を貯留する原水槽などが設けられることもある。
【0004】
排水に含まれる有機物にはデンプン、タンパク質、油脂などがあるが、その除去メカニズムは、活性汚泥中で生息する微生物(特に好気性細菌)の活性に大きく依存する。活性汚泥中の微生物は、デンプン分解酵素(アミラーゼ)、タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)、油脂分解酵素(リパーゼ)などの多種多様な酵素を分泌し、有機物の分解を行う。代表的な有機物であるデンプンは単糖類(グルコース)に、タンパク質はアミノ酸に、油脂はグリセリンと脂肪酸にまで分解される。
【0005】
有機物の分解産物である単糖類、アミノ酸、グリセリン、脂肪酸などは比較的低分子であり、微生物に速やかに取り込まれて菌体のエネルギー源となる。これらエネルギー源を得て増殖した微生物は、活性汚泥で生息するツリガネムシ(ボルティセラ)などの原生動物に摂食される。さらに微生物や原生動物は、同じく活性汚泥で生息するヒルガタワムシなどの後生動物に摂食される。つまり、有機物は微生物の餌に、微生物は原生動物の餌に、微生物と原生動物は後生動物の餌になることから、活性汚泥中では独自の生態系ピラミッドが構築されており、食物連鎖が絶え間なく進行していることが知られている。
【0006】
上記の通り、排水中の有機物を低分子化するのは微生物が分泌する酵素であり、また酵素によって低分子化された分解産物を摂食するのは微生物である。
【0007】
一方で、排水に含まれる有機物に高分子の天然有機物、化学合成された有機物、色度成分などの難分解性物質が含まれる場合、微生物の酵素による分解速度が緩慢となり、処理水のCOD(Chemical Oxigen Demand、化学的酸素要求量)を上昇させることがある。
【0008】
また、難分解性物質や微生物に毒性を示す物質(洗浄排水、酸、アルカリなど)が原水と共に流入することで活性汚泥中の菌叢が乱れ、圧密性のある良好な活性汚泥が微生物によって形成され難くなり、沈殿槽の汚泥沈降性を悪化させることがある。汚泥沈降性が悪化した場合には、しばしば高分子凝集剤(ポリマとも呼称する)を投入して、沈殿槽の汚泥を沈降させることが必要となる場合がある。しかし、例えば沈殿槽と膜分離活性汚泥法(Membrane Bio Reacotr、MBRとも呼称する)とを併用する施設などでは、膜閉塞の危険性が高まるため、高分子凝集剤は使用することができない。したがって、高分子凝集剤の投入以外の方法で汚泥沈降性を向上させることができると望ましい。
【0009】
特開2021-20138号公報(特許文献1)には、生物処理槽内のバチルス属細菌によるデンプン分解を促進することができる剤であって、カルシウムイオン又は鉄イオンから選ばれる少なくとも1種を含み、液状である、生物処理槽内のバチルス属細菌によるデンプン分解を促進させるための排水の生物活性促進剤およびこれを用いた排水処理方法が記載されている。また、特開2018-153713号公報(特許文献2)には、生物活性の向上により難分解性CODを除去するための鉄塩を主成分とすることを特徴とする生物活性剤および生物処理方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2021-20138号公報
特開2018-153713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
水ing株式会社
排水の処理方法及び汚泥の沈降促進剤
2日前
水ing株式会社
活性炭注入制御システム、活性炭注入制御方法及び水処理システム
1か月前
ハイモ株式会社
難脱水性汚泥の脱水方法
2日前
株式会社マキシム
洗浄水処理システム
9日前
鹿島建設株式会社
嫌気性バイオリアクタ
17日前
東ソー株式会社
ニッケル含有水溶液の浄化方法
24日前
ニシム電子工業株式会社
浄化処理システム
20日前
東芝ライテック株式会社
液体処理装置
23日前
日本国土開発株式会社
スラリー処理方法
23日前
株式会社クボタ
担体流動槽及び浄化槽
24日前
栗田工業株式会社
TMAH含有排水の処理方法
2日前
WOTA株式会社
水処理装置
16日前
WOTA株式会社
水処理装置
16日前
栗田工業株式会社
水処理システム及び水処理方法
16日前
WOTA株式会社
水処理装置
16日前
日鉄環境株式会社
集塵水の処理方法
16日前
WOTA株式会社
流体処理装置
16日前
ニシム電子工業株式会社
浄化処理システム及び浄化処理方法
20日前
株式会社合同資源
効率的なヨウ素濃縮液の製造方法
2日前
株式会社IHI
中和装置および中和方法
2日前
WOTA株式会社
仕切部材、及び流体槽
16日前
株式会社テックコーポレーション
電解水生成装置
1か月前
栗田工業株式会社
有価金属回収システムおよび有価金属の回収方法
2日前
三機工業株式会社
汚泥焼却方法及び汚泥焼却システム
9日前
三機工業株式会社
汚泥焼却方法及び混合汚泥焼却システム
9日前
栗田工業株式会社
有機物含有水の処理方法および有機物含有水処理装置
1か月前
前澤工業株式会社
検出装置、検出方法及びプログラム
23日前
水ing株式会社
排水の処理方法及び汚泥の沈降促進剤
2日前
高砂熱学工業株式会社
シリカ除去装置及び吸着剤の再生方法
23日前
株式会社神鋼環境ソリューション
メタン発酵槽への原料供給方法、設備
2日前
オルガノ株式会社
情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび水処理システム
9日前
株式会社ワールドエンジニアリング
洗浄汚水処理装置及び仮設機材洗浄装置
3日前
野村マイクロ・サイエンス株式会社
純水用水の製造方法及び製造装置、純水製造方法及び純水製造システム
16日前
野村マイクロ・サイエンス株式会社
純水用水の製造方法及び製造装置、純水製造方法及び純水製造システム
16日前
野村マイクロ・サイエンス株式会社
純水用水の製造方法及び製造装置、純水製造方法及び純水製造システム
16日前
パナソニックIPマネジメント株式会社
電解液体生成装置
9日前
続きを見る
他の特許を見る