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公開番号2025030952
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023136695
出願日2023-08-24
発明の名称有価金属回収システムおよび有価金属の回収方法
出願人栗田工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C02F 1/28 20230101AFI20250228BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】吸着材や抽出剤などの目的とする有価金属を選択的に吸着あるいは濃縮可能であって、溶離再生や逆抽出などの方法で有価金属を循環再利用可能な機能材料を用いた有価金属の回収システムを提供する。
【解決手段】有価金属回収システム1は、排水処理装置2と、有価金属回収装置3とからなる。排水処理装置2は、タンク21と、凝集沈殿槽22及び膜式ろ過装置23と、有価金属吸着装置24の各水処理ユニットからなる。この有価金属吸着装置24は、吸着剤カラム(機能材エレメント)を着脱可能に設けてなる。そして、これら各水処理ユニットは、ユニット化し、1台もしくは2台以上のトレーラTに載置して、排水の排出現場にまで搬送して、現場に設置可能となっている。吸着後の吸着剤カラムを有価金属回収装置3にまで輸送し、有価金属回収装置3では、吸着材を充填した機能材エレメントから目的とする有価金属を溶離あるいは逆抽出する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
有価金属を含有する排水から該有価金属を回収するシステムであって、
前記有価金属を吸着あるいは濃縮可能な機能材エレメントを水処理ユニットとして有する排水処理装置と、
前記吸着あるいは濃縮された有価金属を前記機能材エレメントから回収する有価金属回収装置と
を備え、前記機能材エレメントは、前記排水処理装置から着脱可能となっており、該機能材エレメントを排水処理装置から取り出して、前記有価金属回収装置により有価金属を回収する、有価金属回収システム。
続きを表示（約 1,100 文字）【請求項２】
前記有価金属回収装置において、記吸着あるいは濃縮された有価金属を前記機能材エレメントから回収するとともに該機能材を再生し、この再生した機能材を再度機能材エレメンとして再利用する、請求項１に記載の有価金属回収システム。
【請求項３】
前記排水処理装置が、１又は２以上の水処理ユニットにより構成されており、前記水処理ユニットが可搬式である、請求項１に記載の有価金属回収システム。
【請求項４】
前記排水処理装置と、前記有価金属回収装置とが異なる場所に設けられている、請求項１に記載の有価金属回収システム。
【請求項５】
前記機能材エレメントを構成する機能材が有価金属を含有する排水の該有価金属に対応して選定されたものである、請求項１に記載の有価金属回収システム。
【請求項６】
前記排水処理装置が、前記機能材エレメントの前段に水処理ユニットとして、砂ろ過、活性炭、凝集ろ過、凝集沈殿、凝集加圧浮上、膜ろ過から選択される１種又は２種以上からなる前処理装置を有する、請求項３に記載の有価金属回収システム。
【請求項７】
前記機能材エレメントが吸着材を充填した吸着材カラムであり、この吸着材カラムごと有価金属回収装置に輸送し、吸着材を再生利用する、請求項５に記載の有価金属回収システム。
【請求項８】
前記有価金属を含有する排水の排出主体と、前記排水処理装置の提供主体とが異なり、前記有価金属の種類ごとに該有価金属の市場価値及び回収量に応じて、前記排水処理装置の提供主体が排水処理コストを算定する、請求項１～７のいずれか１項に記載の有価金属回収システム。
【請求項９】
有価金属を含有する排水から有価金属を回収する方法であって、
前記有価金属を吸着あるいは濃縮可能で着脱可能な機能材エレメントを水処理ユニットとして有する排水処理装置により有価金属を含有する排水を処理する排水処理工程と、
前記機能材エレメントから有価金属を回収する有価金属回収工程と
を有し、前記機能材エレメントを前記排水処理装置から取り外して、該機能材エレメントのみを有価金属回収工程で処理して有価金属を回収する、有価金属の回収方法。
【請求項１０】
前記有価金属回収工程において、前記吸着あるいは濃縮された有価金属を回収するとともに機能材を再生し、この再生した機能材を再度機能材エレメンとして再利用する、請求項９に記載の有価金属の回収方法。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、排水中の有価金属の回収システムおよび有価金属の回収方法に関し、特に吸着材や抽出剤などの目的とする有価金属を選択的に吸着あるいは濃縮可能であって、溶離再生や逆抽出などの方法で循環再利用可能な機能材を用いた有価金属の回収システムおよび有価金属の回収方法に関する。
続きを表示（約 1,800 文字）【背景技術】
【０００２】
従来、回収により利益が見込める有価金属は回収が進められてきたが、利益の見込めない有価金属は産業廃棄物などとして廃棄されてきた。しかしながら、昨今のサーキュラーエコノミ構築への期待の高まりや、レアメタルや貴金属などの有価金属の価値の上昇などから、さらなる有価金属の再利用が望まれている。
【０００３】
このような有価金属の回収方法として、特許文献１には、貴金属が溶解した溶液に吸着材を接触させて、吸着材に溶液中の貴金属イオンを吸着させる工程と、吸着材に吸着した貴金属イオンに還元剤を接触させて、貴金属イオンを還元して前記吸着材から脱離させ、粒子化する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
ＷＯ２０２３／２７６７１０
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しなしながら、有価金属を含有する排水から、目的とする有価金属を回収するには、排水が発生する各々の現場で有価金属を回収する装置が必要である。この有価金属を回収する装置は、排水に含まれる有価金属を吸着や濃縮する排水処理装置と、吸着や濃縮された有価金属を回収する有価金属回収装置とが必要であるが、排水が少量であったり、あるいは排水が特定の時期など非定常的に発生したりする場合は、有価金属回収装置の初期投資負担が大きくなるばかりか、これら装置の運転管理も必要になるため、有価金属を含有する排水を排出するユーザ（排出主体）が有価金属を回収するには事業上のメリットに乏しく、サーキュラーエコノミ構築の進展の阻害要因となっていた。
【０００６】
そこで、有価金属を含有する排水を排出するユーザが、この有価金属を含有する排水を、この有価金属の精製可能な企業に委託することが考えられるが、当該有価金属を含有する排水を排出するユーザの現場から、有価金属を含む排水を減容化しないままこの有価金属の精製メーカーに運搬するとした場合、排水中に含まれる有価金属の濃度は非常に低いので、この排水の容量は大きくなり、輸送効率が低下するため運搬コストが非常に大きくなり現実的でない、という問題があった。
【０００７】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、吸着材や抽出剤などの目的とする有価金属を選択的に吸着あるいは濃縮可能であって、溶離再生や逆抽出などの方法で有価金属を循環再利用可能な機能材料を用いた有価金属の回収システムおよびこのシステムを用いた有価金属の回収方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記課題を解決するために、本発明は第一に、有価金属を含有する排水から該有価金属を回収するシステムであって、前記有価金属を吸着あるいは濃縮可能な機能材エレメントを水処理ユニットとして有する排水処理装置と、前記吸着あるいは濃縮された有価金属を前記機能材エレメントから回収する有価金属回収装置とを備え、前記機能材エレメントは、前記排水処理装置から着脱可能となっており、該機能材エレメントを排水処理装置から取り出して、前記有価金属回収装置により有価金属を回収する、有価金属回収システムを提供する（発明１）。
【０００９】
上記発明（発明１）によれば、有価金属を含有する排水を排水処理装置の機能材エレメントで有価金属を吸着あるいは濃縮して十分に減容化したら、排水処理装置から機能材エレメントを脱着して、有価金属回収装置で有価金属を回収することができる。この際、排水処理装置において、有価金属を含有する排水に対して十分に減容化することにより、機能材エレメントを脱着して容易に輸送することができるので、有価金属を含有する排水の排水処理装置と、機能材エレメントに吸着あるいは濃縮された有価金属を回収する有価金属回収装置とがことなる場所とするのに好適である。これにより、有価金属を含有する排水の排出主体とは別に有価金属を含有する排水の排水処理と有価金属の回収とを行うことができる。
【００１０】
上記発明（発明１）においては、前記有価金属回収装置において、記吸着あるいは濃縮された有価金属を前記機能材エレメントから回収するとともに該機能材を再生し、この再生した機能材を再度機能材エレメンとして再利用することが好ましい（発明２）。
（【００１１】以降は省略されています）

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