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公開番号2025026527
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2024211869,2023189655
出願日2024-12-04,2020-01-09
発明の名称炭化珪素半導体装置の製造方法および炭化珪素半導体装置
出願人富士電機株式会社
代理人弁理士法人酒井総合特許事務所
主分類H10D 64/60 20250101AFI20250214BHJP()
要約【課題】オーミック電極とオーミック電極上に形成される領域との密着性を向上させ、長期信頼性を有する炭化珪素半導体装置の製造方法および炭化珪素半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、半導体基板上に半導体素子20を形成する第1工程と、半導体素子20の裏面の粗さ(Ra)を2nm以上10nm未満に研磨する第2工程と、研磨後の半導体素子20の裏面に、モリブデンとニッケル、または、チタンとニッケルをこの順で堆積させる第3工程と、堆積後、レーザーアニールにより、ニッケルシリサイドとチタンカーバイド、またはニッケルシリサイドとモリブデンカーバイドから構成されたオーミック電極21を形成する第4工程と、を含む。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
炭化珪素半導体基板の裏面の側にニッケルを含んだ第1の膜を堆積する堆積工程と、
前記堆積工程の後に、前記裏面の側に、側面同士が互いに対向する複数のニッケルシリサイドの膜厚部を含む電極を形成する電極形成工程と、
前記電極形成工程の後に、前記裏面の側にチタンまたはモリブデンを含んだ保護膜を形成する保護膜形成工程を含むことを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記前記電極形成工程でニッケルシリサイドの膜厚部の周りにニッケルシリサイドの膜薄部を含むことを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記保護膜が、複数の前記膜厚部の前記側面に接することを特徴とする請求項1または2に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記堆積工程の前に、前記炭化珪素半導体基板の裏面を研磨し、粗さ(Ra)を2nm以上10nm未満にする研磨工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記保護膜形成工程は、レーザーアニールにより、ニッケルシリサイドとチタンカーバイド、またはニッケルシリサイドとモリブデンカーバイドから構成されたオーミック電極を形成することを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記レーザーアニールでのレーザー光の重なりを調節することで、前記ニッケルシリサイドの膜厚部と、前記ニッケルシリサイドの膜薄部とを構成し、前記膜厚部および前記膜薄部の面積に対する前記膜薄部の面積の比率を、10%以上30%以下に形成することを特徴とする請求項5に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記保護膜形成工程の後に、前記裏面の側にニッケルを含んだ第2の膜を堆積する第2堆積工程を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項8】
炭化珪素半導体素子であるパワー半導体チップと、
前記パワー半導体チップの裏面に設けられ、側面同士が互いに対向する複数のニッケルシリサイドの膜厚部を含む電極と、
複数の前記膜厚部の前記側面に接する、チタンまたはモリブデンを含んだ保護膜と、
前記保護膜の裏面に設けられ、ニッケルを含んだ膜と、
を備えることを特徴とする炭化珪素半導体装置。
【請求項9】
前記電極はニッケルシリサイドの膜厚部の周りにニッケルシリサイドの膜薄部を含むことを特徴とする請求項8に記載の炭化珪素半導体装置。
【請求項10】
前記保護膜のチタンまたはモリブデンは、チタンカーバイドまたはモリブデンカーバイドを含むことを特徴とする請求項8に記載の炭化珪素半導体装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、炭化珪素半導体装置の製造方法および炭化珪素半導体装置に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
高耐圧、大電流を制御するパワー半導体素子の材料として従来は、シリコン(Si)単結晶が用いられている。シリコンのパワー半導体素子にはいくつかの種類があり、用途に合わせてそれらが使い分けられているのが現状である。例えば、PiNダイオード(P-intrinsic-N diode)やバイポーラトランジスタ、さらに、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)は、いわゆるバイポーラ型デバイスである。これらの素子は、電流密度は多く取れるものの高速でのスイッチングができず、バイポーラトランジスタは数kHzが、IGBTでは20kHz程度の周波数がその使用限界である。一方、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:絶縁ゲート型電解効果トランジスタ)は、大電流は取れないものの、数MHzまでの高速で使用できる。しかしながら、市場では大電流と高速性を兼ね備えたパワーデバイスへの要求は強く、シリコンのIGBTやパワーMOSFETなどの改良に力が注がれ、現在ではほぼシリコン材料物性限界に近いところまで開発が進んできた。
【0003】
また、パワー半導体素子の観点からの材料検討も行われ、炭化珪素(SiC)が次世代のパワー半導体素子として、低オン電圧、高速・高温特性に優れた素子であることから、最近特に注目を集めている。というのも、SiCは化学的に非常に安定な材料であり、バンドギャップが3eVと広く、高温でも半導体として極めて安定的に使用できるためである。また、最大電界強度もシリコンより1桁以上大きいからである。SiCはシリコンにおける材料限界を超える可能性大であることから、パワー半導体用途で今後の伸長が大きく期待される。特に、耐圧10kVを超えるような電力ならびにパルスパワーなどの超高耐圧用途では、バイポーラデバイスであるPiNダイオードへの期待もSiCに集まっている。
【0004】
パワー半導体モジュールは、1つまたは複数のパワー半導体チップを内蔵して電力変換装置の一部または全体を構成し、かつ、パワー半導体チップと積層基板または金属基板との間が電気的に絶縁された構造を持つパワー半導体デバイスである。パワー半導体モジュールは、産業用途としてエレベータなどのモータを駆動する制御インバータなどに使われている。さらに近年では、車載用モータを駆動する制御インバータにも広く用いられるようになっている。車載用インバータでは、車の燃費向上のため小型・軽量化や、エンジンルーム内の駆動用モータ近傍に配置されることから、高温動作での長期信頼性が求められる。
【0005】
ここで、車載用パワー半導体モジュールは、産業用パワー半導体モジュールに比べ、設置空間の制約から小型、軽量化が求められる。また、モータを駆動するための出力パワー密度が高くなるため、運転時における半導体チップ温度が高くなるとともに、高温動作時の長期信頼性の要求も高まってきている。このため、高温動作・長期信頼性を有したパワー半導体モジュール構造が要求されてきている。
【0006】
ここで、従来の炭化珪素半導体装置では、炭化珪素半導体基板にパワー半導体チップを搭載した場合、パワー半導体チップを電気回路等と接続するための電極、特にドレイン電極等の裏面電極を形成するに際し、炭化珪素半導体基板と裏面電極との接触抵抗を低減させたオーミック電極を形成している。
【0007】
上記オーミック電極を形成する方法として、炭化珪素半導体基板で構成される半導体装置において、n型SiCとp型SiCとの双方に対して低抵抗(電位障壁が小さな)接続となるオーミック電極を得るために、炭化珪素半導体基板にニッケル(Ni)を蒸着した後、熱処理を行うというシリサイドプロセスを行い、炭化珪素半導体基板にNiシリサイド膜を形成する方法が知られている。
【0008】
例えば、炭化珪素半導体基板の裏面にシリサイドを形成する金属薄膜を形成し、レーザーを照射し、金属薄膜にシリサイド層を形成することで裏面電極を形成している(例えば、下記特許文献1参照)。金属薄膜としてNi、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)のいずれか1つもしくは複数を含む金属を用いている。シリサイド層を形成するために、半導体基板の裏面の粗さ(Ra)が10nm以上かつ500nm以下となるように研磨して、355nm波長のレーザー光を使用し、光子エネルギー(eV)とレーザー出力(mJ/cm
2
)の積が、1000(eV・mJ/cm
2
)以上かつ8000(eV・mJ/cm
2
)以下となる範囲のレーザー光を照射している。
【0009】
また、カーバイドを生成する金属であるMoに加えて、シリサイドを生成する金属であるNiを含め、MoとNiとによる積層膜である金属薄膜を形成し、金属薄膜と炭化珪素中の炭素を反応させてカーバイド層を形成することで、オーミック電極を形成し、カーバイド層の表面に生じたシリコン酸化物またはシリコン粒子からなる不要膜を除去することで裏面電極を形成している(例えば、下記特許文献2参照)。ここでは、レーザーアニールにより、金属薄膜と炭化珪素中の炭素を反応させてカーバイド層を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特許第5460975号公報
特許第5369762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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