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公開番号
2025016150
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-31
出願番号
2023119239
出願日
2023-07-21
発明の名称
固体酸化物形電気化学セル及び固体酸化物形電気化学セルスタック
出願人
東芝エネルギーシステムズ株式会社
代理人
弁理士法人サクラ国際特許事務所
主分類
C25B
1/042 20210101AFI20250124BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】主反応である水素極の反応性を向上させると共に、支持体として機能する水素極及びそれを用いたセルの強度を高めることを可能にした固体酸化物形電気化学セルを提供する。
【解決手段】実施形態の固体酸化物形電気化学セルは、水素極と、固体酸化物電解質層と、酸素極とを具備する。実施形態の固体酸化物形電気化学セルにおいて、水素極110は、酸化物電解質層と接するように配置される第1水素極層と、第1水素極層の酸化物電解質層と接する第1面とは反対側の第2面と接する第2水素極層112とを備える。第1水素極層は、第1金属粒子と、第1金属酸化物粒子とを有し、第2水素極層112は、第2金属粒子M2を担持する第2金属酸化物粒子OX3を有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
水素極と、固体酸化物電解質層と、酸素極とを具備する固体酸化物形電気化学セルであって、
前記水素極は、前記酸化物電解質層と接するように配置される第1水素極層と、前記第1水素極層の前記酸化物電解質層と接する第1面とは反対側の第2面と接する第2水素極層とを備え、
前記第1水素極層は、第1金属粒子と、第1金属酸化物粒子とを有し、
前記第2水素極層は、第2金属粒子を担持する第2金属酸化物粒子を有する、固体酸化物形電気化学セル。
続きを表示(約 990 文字)
【請求項2】
前記第2水素極層は、さらに第3金属粒子と第3金属酸化物粒子とを有する、請求項1に記載の固体酸化物形電気化学セル。
【請求項3】
前記第1金属粒子は、Ni、Cu、Co、及びFeからなる群より選ばれる少なくとも1つを含み、第1金属酸化物粒子は、Y及びScから選ばれる少なくとも1つの酸化物で安定化されたジルコニア、Sm、Gd、及びYから選ばれる少なくとも1つの酸化物がドープされたセリア、及びYがドープされたチタン酸ストロンチウムからなる群より選ばれる少なくとも1つを含み、
前記第2金属粒子は、Ni、Cu、Co、及びFeからなる群より選ばれる少なくとも1つを含み、前記第2金属酸化物粒子は、アルミナ、マグネシア、及びシリカからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1に記載の固体酸化物形電気化学セル。
【請求項4】
前記第3金属粒子は、Ni、Cu、Co、及びFeからなる群より選ばれる少なくとも1つを含み、前記第3金属酸化物粒子は、Y及びScから選ばれる少なくとも1つの酸化物で安定化されたジルコニア、Sm、Gd、及びYから選ばれる少なくとも1つの酸化物がドープされたセリア、及びYがドープされたチタン酸ストロンチウムからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、請求項2に記載の固体酸化物形電気化学セル。
【請求項5】
前記第2水素極層は、前記第2金属粒子を担持する前記第2金属酸化物粒子を3体積%以上30体積%以下の範囲で含有する、請求項1に記載の固体酸化物形電気化学セル。
【請求項6】
前記第2金属粒子は、20nm以上200nm以下の平均粒径を有する、請求項1に記載の固体酸化物形電気化学セル。
【請求項7】
前記第2金属粒子は、金属酸化物粒子の還元物である、請求項1に記載の固体酸化物形電気化学セル。
【請求項8】
前記固体酸化物形電気化学セルは、二酸化炭素を電解する電解セル、又は二酸化炭素及び水を共電解する電解セルである、請求項1に記載の固体酸化物形電気化学セル。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の固体酸化物形電気化学セルを、複数積層された状態で具備する固体酸化物形電気化学セルスタック。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、固体酸化物形電気化学セル及び固体酸化物形電気化学セルスタックに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
固体酸化物形電気化学セル(Solid Oxide Cell:SOC)は、その高い作動温度(600~1000℃)から、高価な貴金属触媒を用いなくても十分な反応速度を得ることができるため、固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)や固体酸化物形電解セル(Solid Oxide Electrolysis Cell:SOEC)として使用されている。SOFCは他のタイプの燃料電池と比較して発電効率が高く、CO
2
の発生も少ないため、次世代のクリーンな発電システムとして期待されている。SOECは、その高い動作温度により原理的に低い電解電圧で水素を製造することが可能であるため、高効率水素製造装置として期待されている。また、その高い作動温度から、水蒸気だけでなく、CO
2
も電解することが可能であり、CO
2
電解装置もしくはCO
2
/H
2
O共電解装置としても作動させることができる。さらに、SOFC/SOECを用いた電力貯蔵システムとしての利用も検討されている。
【0003】
SOFCやSOEC等として用いられるSOCは、固体酸化物電解質層の片側に水素極(SOFC:水素消費極、SOEC:水素発生極)を配置し、反対側に酸素極(SOFC:酸素消費極、SOEC:酸素発生極)を配置した構造を有する。両電極には、反応ガスが十分に拡散できるように多孔質な構造を有すると共に、電気伝導性を有する構成が適用される。SOCの電解質には、高い導電率を持つ安定化ジルコニア系やランタン-ガリウム系酸化物(LaGaO
3
系)が一般的に用いられる。セルの特性は電極触媒の活性と、端子間のオーム抵抗に依存する抵抗損失により決定され、電解反応時には特に水素極側の触媒活性が重要になる。また、セルの強度を担保するために、水素極側を支持体とする構造を有することが多い。このため、水素極にはセルを支持する強度と、触媒活性、電気伝導性及び反応ガスの拡散性が求められる。さらに、CO
2
電解もしくはCO
2
/H
2
O共電解では、水素極上でCO
2
→CO+1/2O
2
の主反応の他に、好ましくないC析出の副反応(CO
2
→C+O
2
やCO→C+1/2O
2
)が起こる可能性がある。
【0004】
上記したように、SOCの主反応である水素極の反応性を向上させると共に、支持体として機能する水素極の強度、ひいてはSOCのセル強度を向上させることが求められている。さらに、水蒸気電解で反応させるH
2
Oよりも、安定なCO
2
電解もしくはCO
2
/H
2
O共電解の水素極で起こる、CO
2
→CO+1/2O
2
の主反応を優位に進めると共に、好ましくないCが析出する副反応(CO
2
→C+O
2
やCO→C+1/2O
2
)を抑制することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-154864号公報
特開2016-071983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、SOCの主反応である水素極の反応性を向上させると共に、支持体として機能する水素極及びそれを用いたセルの強度を高めることを可能にした固体酸化物形電気化学セル及び固体酸化物形電気化学セルスタックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の固体酸化物形電気化学セルは、水素極と、固体酸化物電解質層と、酸素極とを具備する。実施形態の固体酸化物形電気化学セルにおいて、前記水素極は、前記酸化物電解質層と接するように配置される第1水素極層と、前記第1水素極層の前記酸化物電解質層と接する第1面とは反対側の第2面と接する第2水素極層とを備える。前記第1水素極層は、第1金属粒子と、第1金属酸化物粒子とを有し、前記第2水素極層は、第2金属粒子を担持する第2金属酸化物粒子を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施形態の固体酸化物形電気化学セルを示す断面図である。
図1に示す固体酸化物形電気化学セルの第2水素極層の構成を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態の固体酸化物形電気化学セルについて、図面を参照して説明する。以下に示す各実施形態において、実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、その説明を一部省略する場合がある。図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各部の厚さの比率等は現実のものとは異なる場合がある。なお、以下の説明における“~”の記号は、それぞれの数値の上限値と下限値の間の範囲を示すものである。その場合、各数値範囲は上限値及び下限値を含むものである。
【0010】
図1は実施形態による固体酸化物形電気化学セルの断面を示している。図1に示す固体酸化物形電気化学セルは、水素極支持型の平板型電気化学セル100であり、多孔質の水素極110と、固体酸化物電解質120と、酸素極130との積層構造を具備している。水素極110は、固体酸化物電解質120と接するように配置される水素極活性層としての第1水素極層110と、第1水素極層110の固体酸化物電解質120と接する第1面とは反対側の第2面と接する水素極支持層としての第2水素極層112とを備えている。固体酸化物電解質120と酸素極130との間に反応防止層131を配置してもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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