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公開番号2025014737
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023117534
出願日2023-07-19
発明の名称電動車両制御装置、電動車両およびその制御方法
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人明成国際特許事務所
主分類B60L 58/10 20190101AFI20250123BHJP(車両一般)
要約【課題】車両の走行に関する運転者の関与の度合いが変更できる電動車両において、バッテリの長寿命化を図る。
【解決手段】電力が出入りするバッテリを用いて走行する電動車両において、車両の運転モードが、車両の走行に対する運転者の関与の度合いが低い第1運転モードと、運転者の関与の度合いが第1運転モードより高い第2運転モードとのいずれであるかを判定する。運転モードが第1運転モードであると判定されたとき、バッテリに出入りする単位時間当たりの電気量の上限を、第2運転モードにおいて設定される上限である第2上限量より低い第1上限量に設定する。その上で、バッテリに出入りする電気量を、運転モードにしたがって設定された第1上限量または第2上限量を越えない範囲で制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電力が出入りするバッテリを用いて走行する電動車両の制御装置であって、
車両の運転モードが、前記車両の走行に対する運転者の関与の度合いが異なる2つの運転モードのうちの一つである第1運転モードと、前記第1運転モードよりも前記運転者の前記関与の度合いが高い第2運転モードとのいずれであるかを判定する運転モード判定部と、
前記運転モードが前記第1運転モードであると判定されたとき、前記バッテリに出入りする単位時間当たりの電気量の上限を、前記第2運転モードにおいて設定される上限である第2上限量より低い第1上限量に設定する上限設定部と、
前記バッテリに出入りする前記電気量を、前記運転モードにしたがって前記第1上限量または前記第2上限量を超えない範囲で制御するバッテリ制御部と、
を備えた、電動車両制御装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記上限設定部は、
前記電気量の上限として、前記バッテリの充電量および放電量の少なくとも一方の上限を設定し、
前記充電量についての前記第2上限量から前記第1上限量までの変化幅である充電変化幅は、前記放電量についての前記第2上限量から前記第1上限量までの変化幅である放電変化幅より小さい、
請求項1記載の電動車両制御装置。
【請求項3】
前記充電変化幅は零である、請求項2に記載の電動車両制御装置。
【請求項4】
前記バッテリの使用条件を検出する検出部を備え、
前記上限設定部は、前記検出された使用条件が前記バッテリの寿命の低下が懸念される使用条件として予め定めた条件に該当すると判断したとき、前記第1上限量を更に低減する、
請求項1に記載の電動車両制御装置。
【請求項5】
前記使用条件は、前記バッテリの温度および累積使用時間の少なくとも一方を含み、前記予め定めた条件は、前記バッテリの前記温度については予め定めた温度以上、前記バッテリの前記累積使用時間については予め定めた累積時間以上、である、請求項4に記載の車両制御装置。
【請求項6】
前記車両は、前記バッテリの電力で走行するバッテリ式電気自動車であり、
前記車両の車速の最高速度を制限することで前記バッテリの放電量を制限する、請求項1に記載の電動車両制御装置。
【請求項7】
前記車両の乗員によって設定可能なスイッチを備え、
前記バッテリ制御部は、前記車両の運転モードが前記第1運転モードであり、かつ前記スイッチがオンに設定されている場合に、前記最高速度の制限を行なう、
請求項6に記載の電動車両制御装置。
【請求項8】
前記第1運転モードは、前記車両を前記運転者の関与なしで走行させる自動運転モードであり、前記第2運転モードは、前記車両を前記運転者の関与の下で走行させる手動運転モードである、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電動車両制御装置。
【請求項9】
バッテリと、
車両の走行時には前記バッテリの電力により駆動されて動力を出力し、前記車両の制動時には電力を回生する電動機と、
前記バッテリと前記電動機との間で電力のやり取りを行なうインバータと、
車両を、前記車両の走行に対する運転者の関与の度合いが異なる2つの運転モードのうちの一つである第1運転モード、または前記第1運転モードよりも前記運転者の前記関与の度合いが高い第2運転モードで運転する運転制御部と、
前記車両の運転モードが前記第1運転モードであるとき、前記バッテリに出入りする単位時間当たりの電気量の上限を、前記第2運転モードにおいて設定される上限である第2上限量より低い第1上限量に設定する上限設定部と、
前記バッテリに出入りする前記電気量が、運転モードにしたがって設定された前記第1上限量または前記第2上限量を越えない範囲で、前記インバータを制御するバッテリ制御部と、
を備えた電動車両。
【請求項10】
前記第1運転モードは、前記車両を前記運転者の関与なしで走行させる自動運転モードであり、前記第2運転モードは、前記車両を前記運転者の関与の下で走行させる手動運転モードである、請求項10に記載の電動車両。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、バッテリを搭載した電動車両制御装置や電動車両およびその制御方法に関する。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
バッテリ搭載車両では、バッテリの寿命の低下を抑制しようとする技術が提案されている。例えば、下記特許文献1では、複数のセルを含むバッテリを用い、負荷に接続されるセルを切り換える構成を備え、更に、所定の条件が成立したときに、バッテリの出力制限を緩和する技術が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-120372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、バッテリの寿命の低下を抑制しようとする場合、そのバッテリを搭載した車両がどのような運転モードで運転されているかが問題になることが考えられる。運転モードによって、バッテリに蓄えた電力でモータを駆動する際のバッテリに対する出力要求や、回生電力でバッテリを充電する際のバッテリに対する入力要求などが異なる可能性があるからである。こうしたバッテリを用いて走行する車両においてバッテリの寿命に影響を与える可能性がある運転モードとしては、例えばオートクルーズがオンになっているオートクルーズ運転モードや、前車に追従する追従運転モード、運転者の関与が想定されていない自動運転モード、運転者による通常の運転モード(以下、手動モード)などが考えられる。こうした運転モードによるバッテリ寿命の低下の抑制については、なお、検討の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の第1の態様は、電力が出入りするバッテリを用いて走行する電動車両の制御装置としての態様である。この電動車両制御装置は、車両の運転モードが、前記車両の走行に対する運転者の関与の度合いが異なる2つの運転モードのうちの一つである第1運転モードと、前記第1運転モードよりも前記運転者の前記関与の度合いが高い第2運転モードとのいずれであるかを判定する運転モード判定部と、前記運転モードが前記第1運転モードであると判定されたとき、前記バッテリに出入りする単位時間当たりの電気量の上限を、前記第2運転モードにおいて設定される上限である第2上限量より低い第1上限量に設定する上限設定部と、前記バッテリに出入りする前記電気量を、前記運転モードにしたがって前記第1上限量または前記第2上限量を越えない範囲で制御するバッテリ制御部と、を備える。こうすれば、車両の走行に対する運転者の関与の度合いが低い第1運転モード、つまり、より自動運転側においてバッテリに出入りする電気量の上限を、第2運転モード、つまり、より自動運転側でない場合においてバッテリに出入りする電気量の上限より低くでき、バッテリの温度上昇を抑制する。この結果、バッテリの長寿命化を図ることもできる。
(2)上記の構成において、前記上限設定部は、前記電気量の上限として、前記バッテリの充電量および放電量の少なくとも一方の上限を設定し、前記充電量についての前記第2上限量から前記第1上限量までの変化幅である充電変化幅は、前記放電量についての前記第2上限量から前記第1上限量までの変化幅である放電変化幅より小さいものとしてもよい。バッテリの寿命に影響を与えるバッテリの温度は、バッテリの内部抵抗値と出入りする電流とに依存するので、充放電のいずれも上限量を制限することは意味があるが、バッテリへの充電は、車両が減速し、電動機による回生プレーキを利用する場合に生じることが想定されるため、充電変化幅を放電変化幅より小さくした方が、回生ブレーキの制約を小さくでき、車両のドライバビリティなどに影響を与えにくい。
(3)上記の各構成において、前記充電量変化幅は零であるものとしてよい。こうすれば、バッテリに入力する電気量は制限されず、ドライバビリティへの影響は最小限にできる。
(4)上記の各構成において、前記バッテリの使用条件を検出する検出部を備え、前記上限設定部は、前記検出された使用条件が前記バッテリの寿命の低下が懸念される使用条件として予め定めた条件に該当すると判断したとき、前記第1上限量を更に低減するものとしてよい。こうすれば、バッテリの寿命の低下を更に抑制できる。
(5)上記の各構成において、前記使用条件は、前記バッテリの温度および累積使用時間の少なくとも一方を含み、前記予め定めた条件は、前記バッテリの前記温度については予め定めた温度以上、前記バッテリの前記累積使用時間については予め定めた累積時間以上、であるものとしてよい。バッテリの温度や累積使用時間はバッテリの寿命との相関が高いので、これらの少なくとも一方を検出して第1上限量を低減すれば、バッテリの一層の長寿命化を図ることができる。
(6)上記の各構成において、前記車両は、前記バッテリの電力で走行するバッテリ式電気自動車であり、更に、前記車両の車速の最高速度を制限することで前記バッテリの放電量を制限する速度制御部を備えるものとしてよい。こうすれば、車両の速度を制限でき、バッテリに過剰な負荷を掛けること研がなく、バッテリの一層の長寿命化を図ることができる。
(7)上記の各構成において、前記車両の乗員によって設定可能なスイッチを備え、前記バッテリ制御部は、前記車両の運転モードが前記第1運転モードであり、かつ前記スイッチがオンに設定されている場合に、前記速度制御部に前記最高速度の制限を実行させるものとしてよい。こうすれば、乗員に意思で、バッテリの一層の長寿命化を図ることができる。
(8)上記の各構成において、前記第1運転モードは、前記車両を前記運転者の関与なしで走行させる自動運転モードであり、前記第2運転モードは、前記車両を前記運転者の関与の下で走行させる手動運転モードであるものとしてよい。こうすれば、自動運転時の走行は運転者の関与がないから、バッテリの長寿命化を優先できる。
(9)本開示には、上記の電動車両制御装置だけでなく、こうした電動車両制御装置の各構成要素を備えた電動車両としての態様や、その電動車両を制御する方法としての態様を含む。いずれの態様でも、バッテリと電動機との間で電力のやり取りを行なうインバータを制御することにより、車両の走行に対する運転者の関与の度合いが第2運転モードより低い第1運転モードでのバッテリの長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
各実施形態で用いる車両の概略構成図。
各実施形態における電気系統の構成を示す説明図。
第1実施形態における電気量制限処理ルーチンの概要を示すフローチャート。
第1実施形態における自動運転のレベルと電気量制御との関係を例示する説明図。
同じく電気量の制限の一例を示す説明図。
第2実施形態における電気量制限処理ルーチンの概要を示すフローチャート。
第2実施形態における自動運転のレベルと電気量制御との関係を例示する説明図。
同じく電気量の制限の一例を示す説明図。
電気量制限処理ルーチンの他の構成例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.第1実施形態:
(A1)車両の構成:
第1実施形態の電動車両制御装置は、車両AMに組み込まれているので、まず車両AMの構成について説明する。この車両AMは、運転者による通常の運転(手動運転)とは別に複数レベルの自動運転が可能である。具体的には、車両AMは、手動運転(レベル0)を含めて、自動運転のレベル(0~5)を実現可能である。こうした自動運転は、電動車両制御装置200により実現される。電動車両制御装置200は、目的地までの経路を案内する経路案内装置110からの経路指示に従って、指定されたレベル4または5での自動運転を実現する自動運転ECU100を備える。もとより車両AMには、ハンドル151の他、図示しないアクセルペダルやブレーキペダルなども設けられており、運転者が運転したり(レベル0)、運転支援を受けて運転したり(レベル1~2)、自動運転ECU100による自動運転に介入したりする(レベル3)ことも可能である。なお、こうした自動運転を司る部分を車両運転装置として独立させ、電動車両における後述するバッテリの充放電を制御する部分のみを電動車両制御装置として構成してもよい。
【0009】
電動車両制御装置200は、上述した自動運転ECU100や経路案内装置110の他、動力制御力ECU120、電動機130、操舵ECU140、操舵装置150等の多数の装置を備える。これらの各ECUや装置は、図示しない車内LANであるネットワークCANにより結ばれており、常時データやコマンドをやり取りしている。自動運転ECU100には、自動運転のレベルを設定するスイッチや後述する保護モードのオン・オフを設定する保護スイッチ106等を備えた指示部105が接続されている。指示部105は、インスツルメントパネル等に設けてもよいし、無線端末として構成し、無線接続されたネットワークCANを介して、自動運転ECU100に指示を送るようにしてもよい。
【0010】
動力制御ECU120は、車両AMを走行させる駆動力と制動力とを制御する。駆動力ECU120は、自動運転ECU100からの指示を受けて、電動機130を駆動する駆動電力と制動時の回生電力とを制御する。電動機130は、後述する電池パック40との間でインバータを有する電力制御ユニット(以下、PCUと呼ぶ)を介して電力の授受を行なう。動力制御ECU120は直接的にはこのインバータを制御している。インバータなどの電気系統については、後で纏めて説明する。電動機130が電力の供給を受けて回転する際の駆動力は、ディファレンシャルギヤを含むトランスミッション132および駆動軸134を介して、右左の後輪11,12に伝達される。本実施形態では後輪駆動としているが、前輪駆動でも4輪駆動でも差し支えない。第1実施形態の車両AMは、いわゆる電気自動車としての構成を備える。
(【0011】以降は省略されています)

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