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公開番号
2025012186
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023114840
出願日
2023-07-13
発明の名称
情報処理装置、情報処理方法及びプログラム、並びに、水処理の制御方法
出願人
学校法人 中央大学
,
前澤工業株式会社
代理人
弁理士法人谷川国際特許事務所
主分類
B01D
21/30 20060101AFI20250117BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】良質なフロックが形成されるための凝集剤の添加量を迅速且つ簡単に判別することができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置10はCPU11及びSSD14を備え、被処理水に凝集剤を注入して被処理水に含まれる濁質を凝集することによって多数のフロックを形成するフロック形成池においてフロックが成長し、成長したフロックが沈澱槽において沈澱し被処理水から除去される上水処理に用いられ、CPU11はフロック形成池の様子を示す画像データから各フロックの画像をトリミングして各フロックのトリミング画像を生成し、各フロックのトリミング画像に基づいて、各フロックのサイズ及び各フロックのトリミング画像のフラクタル次元を算出するとともに、各フロックのサイズ及び各フラクタル次元に基づいて各フロックの沈降速度を算出する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
被処理水に含まれる濁質を凝集させてフロックを形成するフロック形成池において前記フロックが成長し、前記成長したフロックが沈澱槽において沈澱し前記被処理水から除去される上水処理に用いられる情報処理装置であって、
前記フロック形成池の様子を示す画像データを2値化する2値化手段と、
前記2値化された画像データから各前記フロックの画像をトリミングして各前記フロックのトリミング画像を生成する生成手段と、
各前記フロックのトリミング画像に基づいて、各前記フロックのサイズ及び各前記フロックのトリミング画像のフラクタル次元を算出するとともに、各前記フロックのサイズ及び各前記フラクタル次元に基づいて各前記フロックの沈降速度を算出する算出手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
前記算出手段は、前記沈降速度を算出したフロックのうち、前記沈澱槽の表面積に対する前記沈澱槽における被処理水の流量によって算出される表面負荷率よりも小さい沈降速度を有するフロックの割合である流出率を更に算出することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記算出手段は、前記沈降速度を算出したフロックのうち単位時間当たりの沈降距離が所定の距離よりも短いフロックの割合である流出率を更に算出することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定の距離は前記沈澱槽の鉛直方向に関する長さ又は前記沈澱槽における被処理水の水深距離であることを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記流出率が10%以下であるか否かを判別する判別手段を備えることを特徴とする請求項3又は4記載の情報処理装置。
【請求項6】
被処理水に含まれる濁質を凝集させてフロックを形成するフロック形成池において前記フロックが成長し、前記成長したフロックが沈澱槽において沈澱し前記被処理水から除去される上水処理に用いられる情報処理方法において、
前記フロック形成池の様子を示す画像データを2値化する2値化ステップと、
前記2値化された画像データから各前記フロックの画像をトリミングして各前記フロックのトリミング画像を生成する生成ステップと、
各前記フロックのトリミング画像に基づいて、各前記フロックのサイズ及び各前記フロックのトリミング画像のフラクタル次元を算出するとともに、各前記フロックのサイズ及び各前記フラクタル次元に基づいて各前記フロックの沈降速度を算出する算出ステップとを有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
前記算出ステップにおいて、前記沈降速度を算出したフロックのうち、前記沈澱槽の表面積に対する前記沈澱槽における被処理水の流量によって算出される表面負荷率よりも小さい沈降速度を有するフロックの割合である流出率を更に算出することを特徴とする請求項6記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記算出ステップにおいて、前記沈降速度を算出したフロックのうち単位時間当たりの沈降距離が所定の距離よりも短いフロックの割合である流出率を更に算出することを特徴とする請求項6記載の情報処理方法。
【請求項9】
被処理水に含まれる濁質を凝集させてフロックを形成するフロック形成池において前記フロックが成長し、前記成長したフロックが沈澱槽において沈澱し前記被処理水から除去される上水処理に用いられる情報処理方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記情報処理方法は、
前記フロック形成池の様子を示す画像データを2値化する2値化ステップと、
前記2値化された画像データから各前記フロックの画像をトリミングして各前記フロックのトリミング画像を生成する生成ステップと、
各前記フロックのトリミング画像に基づいて、各前記フロックのサイズ及び各前記フロックのトリミング画像のフラクタル次元を算出するとともに、各前記フロックのサイズ及び各前記フラクタル次元に基づいて各前記フロックの沈降速度を算出する算出ステップとを有することを特徴とするプログラム。
【請求項10】
前記算出ステップにおいて、前記沈降速度を算出したフロックのうち、前記沈澱槽の表面積に対する前記沈澱槽における被処理水の流量によって算出される表面負荷率よりも小さい沈降速度を有するフロックの割合である流出率を更に算出することを特徴とする請求項9記載のプログラム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は上水処理に用いられる情報処理装置、情報処理方法及びプログラム、並びに、水処理の制御方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
従来より、河川水やダム水又は湖沼水等の原水(以下、単に「原水」という。)を飲料水にするための上水処理が知られている。上水処理は、原水に凝集剤を注入して原水を撹拌し、原水に含まれる濁質を凝集させたフロックを形成するフロック形成ステップと、フロックを沈澱させる沈澱ステップとを有する。沈澱ステップにおいて、沈降性のよいフロックは沈澱しやすく、沈降性の悪いフロックは沈澱しにくい。したがって、沈降性のよいフロックが上水処理において適当であり、フロックの沈降性が悪いとき、上水処理を管理する管理者が凝集剤を原水に追加する。
【0003】
上水処理を管理する管理者が、上水処理に関して高度な技量を有していればフロックが形成される様子を観察して原水に追加する凝集剤の注入量を決定するが、上水処理に関して高度な技量を有していなければ原水に追加する凝集剤の注入量を迅速に決定することができない。これに対応して、上水処理に関して高度な技量を有していない管理者が原水に追加する凝集剤の注入量を迅速に決定するために、凝集剤が注入されてから所定の時間内に取得されたフロックを示す画像データと、当該フロックが上水処理に悪影響を及ぼすか否かのカテゴリーとの関係性を事前に深層学習した情報処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1の情報処理装置は、事前に深層学習した画像データ及びカテゴリーの関係性に基づいて、凝集剤が注入されてから所定の時間内に取得されたフロックを示す画像データが新たに入力されたとき、入力された画像データが示すフロックが上水処理に悪影響を及ぼすか否かの予想カテゴリーを出力する。ところで、特許文献1の情報処理装置は、具体的に、CNN(Convolutional Neural Network)モデルにより、深層学習の際又は予想カテゴリーを出力するために新たに入力された画像データを認識する際に画像データの特徴量を出力している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-134284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、画像データの特徴量が出力されるとき、画像データにおける着目するポイントが統一されていない。例えば、図7は、従来の情報処理装置が深層学習であるCNNに基づいて画像データの特徴量を出力するときに画像データの着目ポイントを可視化した画像図であり、CNNは画像データ全体について着目する場合があれば(図7(a))、画像データに映りこむ特定のフロックについて着目する場合もある(図7(b))。図7(a)(b)の右側の図はCNNが特徴量として捉えた部分を表し、赤は最も重みが大きい部分であり、青は重みが小さい部分である。したがって、CNNが出力する特徴量の根拠が統一されていないため、凝集剤が注入されてから所定の時間内に取得されたフロックを示す画像データと、当該フロックが上水処理に悪影響を及ぼすか否かのカテゴリーとの関係性を正確に学習することができず、もって、フロックを示す画像データが入力されたとき、当該画像データに基づいてフロックが上水処理に悪影響を及ぼすか否かの予想カテゴリーを正確に出力することができない虞がある。すなわち、適当な上水処理を実行するために、沈降性のよいフロックが形成されているか否かを正確に判別することができないという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、沈降性のよいフロックが形成されているか否かを正確に判別することができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラム、並びに、水処理の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、被処理水に含まれる濁質を凝集させてフロックを形成するフロック形成池において前記フロックが成長し、前記成長したフロックが沈澱槽において沈澱し前記被処理水から除去される上水処理に用いられる情報処理装置であって、前記フロック形成池の様子を示す画像データを2値化する2値化手段と、前記2値化された画像データから各前記フロックの画像をトリミングして各前記フロックのトリミング画像を生成する生成手段と、各前記フロックのトリミング画像に基づいて、各前記フロックのサイズ及び各前記フロックのトリミング画像のフラクタル次元を算出するとともに、各前記フロックのサイズ及び各前記フラクタル次元に基づいて各前記フロックの沈降速度を算出する算出手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の情報処理方法は、被処理水に含まれる濁質を凝集させてフロックを形成するフロック形成池において前記フロックが成長し、前記成長したフロックが沈澱槽において沈澱し前記被処理水から除去される上水処理に用いられる情報処理方法において、前記フロック形成池の様子を示す画像データを2値化する2値化ステップと、前記2値化された画像データから各前記フロックの画像をトリミングして各前記フロックのトリミング画像を生成する生成ステップと、各前記フロックのトリミング画像に基づいて、各前記フロックのサイズ及び各前記フロックのトリミング画像のフラクタル次元を算出するとともに、各前記フロックのサイズ及び各前記フラクタル次元に基づいて各前記フロックの沈降速度を算出する算出ステップとを有することを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のプログラムは、被処理水に含まれる濁質を凝集させてフロックを形成するフロック形成池において前記フロックが成長し、前記成長したフロックが沈澱槽において沈澱し前記被処理水から除去される上水処理に用いられる情報処理方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記情報処理方法は、前記フロック形成池の様子を示す画像データを2値化する2値化ステップと、前記2値化された画像データから各前記フロックの画像をトリミングして各前記フロックのトリミング画像を生成する生成ステップと、各前記フロックのトリミング画像に基づいて、各前記フロックのサイズ及び各前記フロックのトリミング画像のフラクタル次元を算出するとともに、各前記フロックのサイズ及び各前記フラクタル次元に基づいて各前記フロックの沈降速度を算出する算出ステップとを有することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)
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