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公開番号
2025002120
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-09
出願番号
2023102058
出願日
2023-06-21
発明の名称
シイノトモシビタケ由来の発光関連遺伝子
出願人
国立大学法人大阪大学
代理人
弁理士法人平木国際特許事務所
主分類
C12N
15/53 20060101AFI20241226BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】既知の発光関連遺伝子よりも強い発光を生物(特に植物)に付与することが可能な、新規の発光関連遺伝子(核酸、発現用ベクター)を提供する。
【解決手段】配列番号1で表されるアミノ酸配列又は配列番号1で表される配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする塩基配列;配列番号2若しくは3で表されるアミノ酸配列又は配列番号2若しくは3で表される配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする塩基配列;配列番号4若しくは5で表されるアミノ酸配列又は配列番号4若しくは5で表される配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする塩基配列;及び配列番号6で表されるアミノ酸配列又は配列番号6で表される配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする塩基配列;から選択される少なくとも1つの塩基配列を含む、核酸。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
配列番号1で表されるアミノ酸配列又は配列番号1で表される配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする塩基配列;
配列番号2若しくは3で表されるアミノ酸配列又は配列番号2若しくは3で表される配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする塩基配列;
配列番号4若しくは5で表されるアミノ酸配列又は配列番号4若しくは5で表される配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする塩基配列;及び
配列番号6で表されるアミノ酸配列又は配列番号6で表される配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする塩基配列;
から選択される少なくとも1つの塩基配列を含む、核酸。
続きを表示(約 560 文字)
【請求項2】
配列番号1で表されるアミノ酸配列においてp.T6A、p.P22L、p.E82V、p.P84Q、p.V206I及びp.N241Dから選択される少なくとも1つの変異を有するアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする塩基配列を含む、請求項1に記載の核酸。
【請求項3】
配列番号7~9のいずれかで表されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする塩基配列を含む、請求項2に記載の核酸。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の核酸を組み込んだ、発現用ベクター。
【請求項5】
植物発現用ベクターである、請求項4に記載の発現用ベクター。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項に記載の核酸を含む、トランスジェニック生物。
【請求項7】
植物細胞である、請求項6に記載のトランスジェニック生物。
【請求項8】
カルスである、請求項6に記載のトランスジェニック生物。
【請求項9】
植物体である、請求項6に記載のトランスジェニック生物。
【請求項10】
請求項5に記載の発現用ベクターを用いて、植物細胞、カルス又は植物体を形質転換することを含む、トランスジェニック生物の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、シイノトモシビタケ由来の発光関連遺伝子をコードする核酸、該核酸を含むベクター、該核酸を含むトランスジェニック生物、及びトランスジェニック生物の製造方法に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)
【背景技術】
【0002】
生物の一部には、発光バクテリア、ホタル等の、自ら光を生成し放射する能力を有するもの、すなわち生物発光を行うものが存在する。生物発光は、ルシフェラーゼ又は発光タンパク質の働きによって生じることが分かっている。ルシフェラーゼとは、発光物質を酸化して発光させる酵素の総称であり、ルシフェラーゼにより酸化される発光物質を総称してルシフェリンという。しかし生物によりルシフェラーゼやルシフェリンは全く違ったものであり、発光反応機構も異なる。発光タンパク質としては、オワンクラゲ由来のイクオリンが知られる。イクオリンは、緑色蛍光タンパク質と複合体を形成し、周囲のカルシウム濃度に応じて発光することが知られる。
【0003】
生物発光を行う生物のうち、発光キノコについて、その発光メカニズムは、長い間解明されていなかったが、2015年に発光キノコの1種であるシロヒカリタケのルシフェリンの構造が明らかとなり(非特許文献1)、次いで、ルシフェラーゼの構造及び発光メカニズムが明らかとなった(非特許文献2及び特許文献1)。さらに、シロヒカリタケの発光関連遺伝子を植物に導入することで、植物の生存に大きな影響を与えることなく、植物自体が保有するコーヒー酸を発光物質前駆体として該植物を発光させることができることが明らかとなり、これにより、自家発光植物が構築された(非特許文献3)。植物への発光関連遺伝子の導入は、発光バクテリア等の遺伝子について行われてきたが、シロヒカリタケの遺伝子を用いることで、発光バクテリアの遺伝子と比較して、より強い発光が見られることが明らかになった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2020-505028号公報
【非特許文献】
【0005】
K. V. Purtov, et al., Angew. Chem. Int. Ed., Vol. 50, pp.8124-8128 (2015)
A. A. Kotlobay, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol. 115, pp. 12728-12732 (2018)
T. Mitiouchkina, et al., Nature Biotechnology, Vol. 38, pp. 944-946 (2020)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発光植物は、その外観からインテリアとしての有用性がある。また、自家発光する発光植物は、電力等を必要としないことから、環境にやさしい照明としての用途も期待できる。しかしながら、現在のところ、発光植物の発光強度は、照明器具の代替として使用可能なレベルとはいい難く、より強く発光する発光植物が望まれる。
【0007】
本発明は、既知の発光関連遺伝子よりも強い発光を生物(特に植物)に付与することが可能な、新規の発光関連遺伝子(核酸、発現用ベクター)を提供することを目的とする。また、本発明は、該発光関連遺伝子を導入したトランスジェニック生物、及び該トランスジェニック生物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下を提供する。
[1]配列番号1で表されるアミノ酸配列又は配列番号1で表される配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする塩基配列;
配列番号2若しくは3で表されるアミノ酸配列又は配列番号2若しくは3で表される配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする塩基配列;
配列番号4若しくは5で表されるアミノ酸配列又は配列番号4若しくは5で表される配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする塩基配列;及び
配列番号6で表されるアミノ酸配列又は配列番号6で表される配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする塩基配列;
から選択される少なくとも1つの塩基配列を含む、核酸。
[2]配列番号1で表されるアミノ酸配列においてp.T6A、p.P22L、p.E82V、p.P84Q、p.V206I及びp.N241Dから選択される少なくとも1つの変異を有するアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする塩基配列を含む、[1]に記載の核酸。
[3]配列番号7~9のいずれかで表されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする塩基配列を含む、[2]に記載の核酸。
[4][1]~[3]のいずれかに記載の核酸を組み込んだ、発現用ベクター。
[5]植物発現用ベクターである、[4]に記載の発現用ベクター。
[6][1]~[3]のいずれかに記載の核酸を含む、トランスジェニック生物。
[7]植物細胞である、[6]に記載のトランスジェニック生物。
[8]カルスである、[6]に記載のトランスジェニック生物。
[9]植物体である、[6]に記載のトランスジェニック生物。
[10][5]に記載の発現用ベクターを用いて、植物細胞、カルス又は植物体を形質転換することを含む、トランスジェニック生物の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の核酸、これを組み込んだ発現用ベクター及び、これを用いたトランスジェニック生物の製造方法により、既知の発光関連遺伝子よりも強い発光を生物(特に植物)に付与することが可能である。また、本発明のトランスジェニック生物は、既知の発光関連遺伝子を含む植物より、強い発光を示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
発光キノコのコーヒー酸を介した発光メカニズムを示す概略図である。
実施例2において、cDNAをルシフェラーゼ遺伝子増幅用プライマーを用いて増幅した増幅産物の電気泳動写真である。
実施例2において、3’RACE PCRで得られた増幅産物の電気泳動写真である。
実施例2において、5’RACE PCRで得られた増幅産物の電気泳動写真である。
実施例3において、cDNAをヒスピジンシンターゼ遺伝子増幅用プライマーを用いて増幅した増幅産物の電気泳動写真である。
実施例3において、3’RACE PCRで得られた増幅産物の電気泳動写真である。矢印で示すバンドが目的の増幅産物である。
実施例3において、ネステッドPCRで得られた増幅産物の電気泳動写真である。矢印で示すバンドが目的の増幅産物である。
実施例3において、5’RACE PCRで得られた増幅産物の電気泳動写真である。矢印で示すバンドが目的の増幅産物である。
実施例3で得られたヒスピジンシンターゼ遺伝子の全長コーディング領域の電気泳動写真である。矢印で示すバンドが全長コーディング領域である。
実施例4において、ヒスピジン-3-ヒドロキシラーゼ遺伝子増幅用プライマーを用いた3’RACE PCRで得られた増幅産物の電気泳動写真である。矢印で示すバンドが目的の増幅産物である。
実施例4において、5’RACE PCRで得られた増幅産物の電気泳動写真である。
実施例4において、ヒスピジン-3-ヒドロキシラーゼ遺伝子の全長コーディング領域の電気泳動写真である。
実施例5において、カフェオイルピルビン酸ヒドロラーゼ遺伝子増幅用プライマーを用いた3’RACE PCRで得られた増幅産物の電気泳動写真である。矢印で示すバンドが目的の増幅産物である。
実施例5において、カフェオイルピルビン酸ヒドロラーゼ遺伝子の5’RACE PCRで得られた増幅産物の電気泳動写真である。矢印で示すバンドがカフェオイルピルピン酸ヒドロラーゼ遺伝子由来の増幅産物である。
実施例7において、シイノトモシビタケ由来の発光関連遺伝子又はヤコウタケ等由来の発光関連遺伝子を含む発現プラスミドを含むアグロバクテリウムを感染させた、ベンサミアナタバコ葉上の部位の発光強度を示す写真である。Aが明視野で撮像した写真、Bが暗視野で撮像した写真である。
実施例8において、シイノトモシビタケルシフェラーゼ、ヤコウタケルシフェラーゼ、シロヒカリタケルシフェラーゼの遺伝子を含む発現プラスミドをそれぞれ含むアグロバクテリウムを感染させた、ベンサミアナタバコ葉上の部位の発光強度を示す写真である。Aが明視野で撮像した写真、Bが暗視野で撮像した写真である。
実施例8において、シイノトモシビタケルシフェラーゼ、ヤコウタケルシフェラーゼ、シロヒカリタケルシフェラーゼの遺伝子を含む発現プラスミドをそれぞれ含むアグロバクテリウムを感染させた、ベンサミアナタバコ葉上の各部位の発光強度を示すグラフである。
実施例9において、野生型ルシフェラーゼ、変異体1~3をそれぞれ導入した大腸菌の培養液10μL当たりのルシフェラーゼタンパク質を検出した、イムノブロットメンブレンの写真である。
実施例9における、野生型ルシフェラーゼ、変異体1~3をそれぞれ導入した大腸菌の、3-ヒドロキシヒスピジン存在下での、ルシフェラーゼタンパク質量あたりの発光活性を示すグラフである。
シイノトモシビタケルシフェラーゼの野生型と変異体1~3のアミノ酸配列の配列アラインメントである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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