発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本発明は、電波発射源の識別装置、識別方法およびプログラムに関する。 続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】 【0002】 昨今の電波利用において、電波状態の把握や電波発射源の識別を行って、電波の利用状況の調査を行うことにより、電波環境の維持、高効率の電波運用に役立てることができる。通信内容の中身は秘匿性から確認できないため、復調等をしない無処理の電波信号や、一般的なスペクトラムアナライザ等で確認できる電波の物理層情報を用いて、電波発射源の推定を行うことが多い。無線LAN通信の通信状態は、受信電波がアクセスポイントを探しているサーチ状態とアクセスポイントと接続してデータをやり取りしているダウンロード状態の2種類に分けられる。この2種類の通信は一定区間だけを切り取れば人の目により判断可能であるが、連続して発せられる電波すべてを人の目により判断するのは難しい。また、2種類の通信波形の見た目は異なるものであるが、同発射源から発せられるため、推定時に誤りが生じることがある。 【0003】 非特許文献1には、教師あり学習アルゴリズムを用いて電波発射源を識別する無線周波数フィンガープリンティングに関する技術が開示されている。教師あり学習アルゴリズムを用いて電波発射源を推定するためには、例えば、学習データとして電波から生成した特徴量と電波発射源の装置名を示すラベルのセットを用いて学習させ、学習済みモデルを生成する。電波発射源が発する電波に複数の状態がある場合、電波から取り出した特徴量間の差異が大きくなるため、電波発射源の推定精度が低下する。例えば、上述のように無線LAN通信の電波は2種類の状態に分けることができるが、通信状態の違いを考慮して学習済みモデルを生成しなければ、同じ電波発射源が送信する電波でも特徴量に差異があるため電波発射源の推定精度が低下してしまう。しかし、非特許文献1では、同一電波発信源が送信する電波が複数の状態を持つ状況については考慮されていない。 【0004】 また、特許文献1には、機械学習を用いて通信パラメータから無線経路の通信状態(劣化度合い)を予測する技術が開示されているが、電波発射源の推定精度向上の目的としては利用できない。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0005】 国際公開第2021/205959号 【非特許文献】 【0006】 S. U. Rehman, K. Sowerby, and C. Coghill, “Analysis of Receiver Front End on the Performance of RF Fingerprinting” 2012 IEEE International Symposium on Personal, Indoor, and Mobile Radio Communications (PIMRC), pp. 2494-2499, 2012. 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 通信状態の違いを考慮して電波発射源を識別することにより、電波発射源の推定精度を向上する技術が求められている。 【0008】 そこでこの発明は、上述の課題を解決する電波発射源の識別装置、識別方法およびプログラムを提供することを目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明の一態様によれば、電波発射源の識別装置は、電波を受信する電波受信手段と、受信した前記電波から、通信状態分類用のデータと、通信状態ごとの電波発射源推定用のデータと、を生成する信号処理手段と、前記通信状態分類用のデータを用いて、前記電波が示す通信状態を分類する通信状態分類手段と、前記通信状態の分類結果に対応する前記電波発射源推定用のデータを用いて、電波発射源を推定する電波発射源推定手段と、を備える。 【0010】 本発明の一態様によれば、電波発射源の識別方法は、電波を受信するステップと、受信した前記電波から、通信状態分類用のデータと、通信状態ごとの電波発射源推定用のデータと、を生成するステップと、前記通信状態分類用のデータを用いて、前記電波が示す通信状態を分類するステップと、前記通信状態の分類結果に対応する前記電波発射源推定用のデータを用いて、電波発射源を推定するステップと、を有する。 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する