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公開番号2024171055
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-11
出願番号2023087920
出願日2023-05-29
発明の名称蓄熱システム及び蓄熱方法
出願人株式会社東芝,東芝エネルギーシステムズ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F28D 20/00 20060101AFI20241204BHJP(熱交換一般)
要約【課題】放熱運転必要温度以上である放熱運転可能時間の減少を抑制可能な蓄熱システム、及び蓄熱方法を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る蓄熱システムは、蓄熱運転時に蓄熱用温度以上の熱媒体を流通させ固体顕熱蓄熱材に蓄熱し、放熱運転時に蓄熱用温度よりも低温の熱媒体を流通させ固体顕熱蓄熱材から放熱させる蓄熱システムであって、蓄熱槽と、配管と、を備える。蓄熱槽は、固体顕熱蓄熱材を有し、1つ以上の蓄熱槽を含む第1群と、第1群と分割された1つ以上の蓄熱槽を含む第2群とを有する。配管は、蓄熱運転時においての、熱媒体を第1群の第1端、内部、第2端の順に流通させた後に第2群の第1端、内部、第2端の順に流通させる流路と、放熱運転時においての、熱媒体を第2群の第1端、内部、第2端の順に流通させた後に第1群の第2端、内部、第1端の順に流通させる流路と、を切替可能である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
蓄熱運転時に蓄熱用温度以上の熱媒体を流通させ固体顕熱蓄熱材に蓄熱し、放熱運転時に前記蓄熱用温度よりも低温の前記熱媒体を流通させ前記固体顕熱蓄熱材から放熱させる蓄熱システムであって、
前記固体顕熱蓄熱材を有し、1つ以上の蓄熱槽を含む第1群と、前記第1群と分割された1つ以上の蓄熱槽を含む第2群とを有する蓄熱槽と、
前記蓄熱運転時においての、前記熱媒体を前記第1群の第1端、内部、第2端の順に流通させた後に前記第2群の第1端、内部、第2端の順に流通させる流路と、
前記放熱運転時においての、前記熱媒体を前記第2群の前記第1端、前記内部、前記第2端の順に流通させた後に前記第1群の前記第2端、前記内部、前記第1端の順に流通させる流路と、を切替可能な配管と、
を備える、蓄熱システム。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
蓄熱運転時に蓄熱用温度以上の熱媒体を流通させ固体顕熱蓄熱材に蓄熱し、放熱運転時に前記蓄熱用温度よりも低温の前記熱媒体を流通させ前記固体顕熱蓄熱材から放熱させる蓄熱システムであって、
前記固体顕熱蓄熱材を有し、1つ以上の蓄熱槽を含む第3群と、前記第3群と分割された1つ以上の蓄熱槽を含む第4群とを有する蓄熱槽と、
前記蓄熱運転時においての、前記熱媒体を2つ以上に分岐し、分岐したそれぞれの前記熱媒体を前記第3群及び前記第4群それぞれに第1端、内部、第2端の順に流通させる流路と、
前記放熱運転時においての、前記熱媒体を前記第3群の第1端、内部、第2端の順に流通させた後に前記第4群の第2端、内部、第1端の順に流通させる流路と、を切替可能な配管と、
を備える、蓄熱システム。
【請求項3】
前記配管は、
前記蓄熱運転時に、前記熱媒体を前記第1群の第1端、内部、第2群の順に流通させた後に前記第2群をバイパスするように流路の切替が可能である、請求項1に記載の蓄熱システム。
【請求項4】
前記配管は、
前記放熱運転時に、前記熱媒体を前記第2群をバイパスさせた後に前記第1群の第2端、内部、第1端の順に流通させるように流路の切替が可能である、請求項1に記載の蓄熱システム。
【請求項5】
前記配管は、
前記放熱運転時に、前記熱媒体を前記第3群をバイパスさせた後に前記第4群の第2端、内部、第1端の順に流通させるように流路の切替が可能である、請求項2に記載の蓄熱システム。
【請求項6】
前記配管は、
前記第1群の前記第1端に接続される第1配管と、
前記第1群の前記第2端と前記第2群の前記第1端に第1弁を介して接続される第2配管と、
前記第2群の前記第2端に第2弁を介して接続される第3配管と、
一端が、前記第1弁の前記第2群側で第3弁を介して前記第2配管に接続され、他端が前記第2弁の前記第2群よりも遠方側で第4弁を介して第2配管に接続される第4配管と、
一端が、前記第1弁の前記第1群側で第5弁を介して前記第2配管に接続され、他端が前記第2弁の前記第2群で第6弁を介して前記第3配管に接続される第5配管と、
を有する、請求項1に記載の蓄熱システム。
【請求項7】
前記配管は、
前記第4群の前記第1端に接続される第6配管と、
前記第3群の前記第2端に第7弁を介して接続される第7配管と、
一端が前記第3群の前記第1端に第8弁を介して接続され、他端が前記第7弁の遠方側に第9弁を介して接続される第8配管と、
一端が前記第6配管に接続され、他端が前記第8弁の前記第3群側に第10弁を介して接続される第9配管と、
一端が前記第4群の前記第2端に接続され、他端が前記第7弁の前記第3群側に接続される第10配管と、
を有する、請求項2に記載の蓄熱システム。
【請求項8】
前記第1群、及び前記第2群の少なくとも一方は、直列、又は並列に流路が接続可能である
複数の蓄熱槽を有する、請求項6に記載の蓄熱システム。
【請求項9】
前記第3群、及び前記第4群の少なくとも一方は、直列、又は並列に流路が接続可能である
複数の蓄熱槽を有する、請求項7に記載の蓄熱システム。
【請求項10】
前記第1群、及び前記第2群の有する蓄熱槽それぞれの第1端、及び第2端に関する温度に基づき、前記第1乃至6弁の少なくともいずれかの開閉制御により、前記流路を切り替える制御を実行可能である制御装置を、更に備える、請求項6に記載の蓄熱システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、蓄熱システム、及び蓄熱方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、太陽光発電や風力発電といった自然エネルギによる発電が増加しており、季節や時間帯によっては、発電量が電力需要より大きくなる地域が発生している。また、季節や時間帯によっては電力需要が大きくなり、発電量が電力需要より小さく電力不足となる時もある。そこで、蓄熱を用いて電力調整を実施する従来技術(特許文献1参照)があり、それについて図18~21を用いて説明する。
【0003】
図18は全体システム構成例を示す図である。電力が余剰である時、復水ポンプ46、蒸気タービン47、発電機47a、および第2送風機41を停止する。そして、弁49、50を開き弁51、52を閉じて、余剰電力を用いて電気ヒータ39と第1送風機40を稼働させる。このとき、第1送風機40により空気42を電気ヒータ39と蓄熱槽380の間を循環させる。空気42は、電気ヒータ39が発生した熱により加熱され、その熱を蓄熱槽380まで輸送し、蓄熱槽38内の蓄熱物質を加熱する。蓄熱物質は固体顕熱蓄熱材であり、例えば岩石である。これにより蓄熱物質に蓄熱される。
【0004】
電力が余剰でない時、電気ヒータ39と第1送風機40を停止し、弁49、50を閉じて弁51、52を開いて、復水ポンプ45と第2送風機41を稼働させる。第2送風機41により空気42を蓄熱槽380とボイラ48の間を循環させる。空気42は、蓄熱槽380の蓄熱物質から加熱され、その熱をボイラ48まで輸送する。ボイラ48では、復水ポンプ46により搬入された水43を、空気42からの熱により加熱し蒸気44を製造し、空気42は温度低下して流出する。このように放熱運転が実施される。蒸気は、蒸気タービン47内を低温低圧になりながら流通する事で、羽根車である蒸気タービン47を回転駆動させ、蒸気タービン47に機械的に接続させた発電機47aが発電する。蒸気タービン47から排出された蒸気は、復水器46にて冷却水例えば海水により冷却され水43に変化し、循環する。これにより蓄熱槽380内の蓄熱物質に蓄熱されていた熱により、蒸気44を発生し発電する。このように、電力余剰である時は電力を使い、電力余剰でない時は発電する事で、電力調整が実施される。
【0005】
図19は、従来の蓄熱槽380内の状態を示す図である。詳細説明は後述するが、蓄熱運転時、蓄熱槽380内部に流れ方向に急な温度傾斜を示す温度躍層55を形成し、それが上流側から下流側へ移動していき、蓄熱槽380から流出する空気42の温度が、第2送風機41の耐熱温度まで上昇する時までで、蓄熱運転は終了する。その時の蓄熱槽380の温度分布を図19(a)に示す。蓄熱運転時の空気42は、左から右へ流れる。蓄熱槽380内に描かれている線は温度を表している。さて、蓄熱運転終了から放熱運転開始まで蓄熱槽380を長時間放置するのだが、時間経過に伴い温度分布が変化し図19(b)のようになる。
【0006】
図19(b)に示すよう、温度は蓄熱物質や蓄熱物質付近の空気の伝熱により平均化され、温度躍層55はよりなだらかになる。これにより、高温一定部分53の領域が減る。一方で、放熱運転時の空気42は右から左へ流れるのだが、この時、よりなだらかになった温度躍層55が時間の経過に従い右から左へ移動していく。放熱運転は放熱された利用先の利用下限温度54まで下がった時までしかできないために、高温一定部分53の領域が減ると、放熱運転可能時間が減ってしまう。
【0007】
上記について、本願と比較しやすいように図20を用いて説明する。図20は、(a)~(e)の順で、蓄熱槽380の内部状態の時系列な変化例を示す図である。従来技術における蓄熱槽380を、空気流れ方向に直列に分割する。何分割でもよいが図20では、蓄熱運転時の空気流れに関して、第1蓄熱槽1と、第2蓄熱槽2の2分割とする。
【0008】
図20(a)、(b)は蓄熱槽380の蓄熱運転時であり、空気は左から右へ流れている。高温の空気7は第1蓄熱槽1の第1端3から流入し、内部を流通し、第2端4から流出し、空気8となる。空気8は第2蓄熱槽2の第1端5から流入し、内部を流通し、第2端6から流出し空気9となる。第1蓄熱槽1a、第2蓄熱槽2aの内部に描かれた線は、固定顕熱蓄熱材やその付近の空気の温度を示しており、温度躍層10が第1蓄熱槽1a内に存在しており、第2蓄熱槽2a内は全てまだ低温である。蓄熱運転が進むと、温度躍層10は第2蓄熱槽2a内に移動し、第1蓄熱槽1a内は全て高温になっている。
【0009】
図20(b)は第2蓄熱槽2aの第2端6が高温になる直前であり、この時、蓄熱運転を終了する。蓄熱運転終了から放熱運転開始まで、例えば数時間の長期保管を実施する。図20(c)のように、急峻だった温度躍層10は、熱の移動によって温度が平均化していき、よりなだらかになる。
【0010】
図20(d)、(e)は放熱運転時であり、空気は蓄熱運転時と逆方向に、即ち右から左へ流れており、温度躍槽10は右から左へ移動していく。図20(d)では、温度躍層10は第2蓄熱槽2の内部に存在しており、第1蓄熱槽1内は全てまだ高温である。放熱運転が進むと、温度躍層10は第1蓄熱槽1a内に移動し、第2蓄熱槽2a内は全て低温になっている。図20(e)では、第1蓄熱槽1aの第1端3が、放熱された利用先の利用下限温度54(図19参照)、即ち放熱運転必要温度まで下がる直前であり、この時、放熱運転を終了する。なお、従来技術では、蓄熱システムから放熱した熱を、蒸気タービンの熱源として使用している構成だが、空調などの用途に使用してもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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