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公開番号2024169810
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-06
出願番号2023086569
出願日2023-05-26
発明の名称セラミックス封着部品およびその製造方法
出願人株式会社東芝,東芝マテリアル株式会社
代理人個人
主分類C04B 37/02 20060101AFI20241129BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】気密特性に優れたセラミックス封着部品およびその製造方法を提供する。
【解決手段】
セラミックス部品と金属部品を銀と銅と活性金属を含む接合層により接合したセラミック
ス封着部品において、接合層では銀と銅が溶融しており、接合層中央部の断面を20層以
上に分割して銀と銅と活性金属の質量%を測定して前記接合層のセラミックス部品側から
金属部品側に質量%をプロットしたときに、活性金属質量%の極大値(Wm)、銅質量%
の極大値(Wc)、銀質量%の極大値(Wa)が存在する。活性金属質量%の2番目に大
きい極大値が極大値(Wm)の0.7倍以下であり、銅の質量%の極小値が極大値(Wc
)の0.3倍以上であり、セラミックス部品側1/4までの銀の質量%の最大値が極大値
(Wa)の0.3倍以上0.5倍以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
セラミックス部品と金属部品を銀と銅と活性金属を含む接合層により接合したセラミック
ス封着部品において、
接合層では銀と銅が溶融しており、
接合層中央部の断面を20層以上に分割して銀と銅と活性金属の質量%を測定して前記接
合層のセラミックス部品側から金属部品側に質量%をプロットしたときに、活性金属質量
%の極大値(Wm)、銅質量%の極大値(Wc)、銀質量%の極大値(Wa)が存在し、
活性金属質量%の2番目に大きい極大値が極大値(Wm)の0.7倍以下であり、銅の質
量%の極小値が極大値(Wc)の0.3倍以上であり、セラミックス部品側1/4の距離
までの銀の質量%の最大値が極大値(Wa)の0.3倍以上0.5倍以下であることを特
徴とするセラミックス封着部品。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
銅質量%のプロットにおいて、0.5Wc以下の範囲が40%以下であり、銀質量のプロ
ットにおいて、0.5Wa以下の範囲が50%以下であることを特徴とする請求項1に記
載のセラミックス封着部品。
【請求項3】
活性金属ろう材が、チタン、ジルコニウム、ハフニウムから選ばれる1種以上の活性金属
と、銅および銀から選ばれる1種以上のろう材金属であることを特徴とする請求項1また
は請求項2に記載のセラミックス封着部品。
【請求項4】
接合層の厚さが70μm以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセ
ラミックス封着部品。
【請求項5】
金属部品が、鉄、鉄合金、鉄-ニッケル系合金、銅、銅合金から選ばれる1種以上の金属
部品であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセラミックス封着部品。
【請求項6】
セラミックス部品が、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、ないしアルジルであるこ
とを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセラミックス封着部品。
【請求項7】
セラミックス部品と金属部品を接合するセラミックス封着部品の製造方法において、セラ
ミックス部品端面に銅を含む活性金属ろう材からなるペーストを印刷乾燥して加熱するこ
とによりセラミックス部品端面に活性金属ろう材層を形成し、形成した活性金属ろう材層
に銀を含むろう材からなるペーストを印刷乾燥したあとに金属部品を設置し加熱処理をし
てろう材層を形成し、セラミックス部品と金属部品を接合することを特徴とするセラミッ
クス封着部品の製造方法。
【請求項8】
前記活性金属ろう材層の加熱温度(T1)が800℃以下であり、前記ろう材層の加熱温
度(T2)が820℃以下であり、加熱温度の差(T2―T1)が20℃以上であること
を特徴とする請求項7に記載のセラミックス封着部品の製造方法。
【請求項9】
活性金属ろう材からなるペーストの印刷厚さが20μm以上であり、銀を含むろう材から
なるペーストの厚さが50μm以上であることを特徴とする請求項7または請求項8に記
載のセラミックス封着部品の製造方法。
【請求項10】
活性金属ろう材からなる活性金属ろう材層の全面に銀を含むろう材からなるペーストを印
刷することを特徴とする請求項7または請求項8に記載のセラミックス封着部品の製造方
法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
実施形態は、おおむね、電力管などに用いられるセラミックス部品と金属部品を接合した
セラミックス封着部品(以下セラミックス封着部品)に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
マグネトロン、電力管、電子管用のセラミックス封着部品として、モリブデン(Mo)な
どの高融点金属を主成分とするメタライズ層を、アルミナ(酸化アルミニウム:Al2O
3)などのセラミックス部品に形成したセラミックス封着部品が使用されている。セラミ
ックス封着部品は、セラミックスと金属を接合させ外気を遮断して部品内部を気密封止す
ることにより、外部の環境から内部を保護しセラミックスにより電気絶縁をすることが可
能である。例えば、図1に示すような形状のセラミックス封着部品は、アルミナ焼結体か
らなる円筒形状のセラミックス部品の上端面および下端面のリング部に、モリブデンを主
成分とするメタライズ層が形成されている。このメタライズ層の表面には、他の金属部品
との接合強度を向上させ、封着を行うために所定厚さのニッケル(Ni)層が形成される
。このニッケル部分と円筒形状の金属部品が銀ろう(例えばBAg-8)により接合され
ている。
【0003】
セラミックス封着部品として、セラミックス円筒体にモリブデンによる金属面を形成し鉄
金属円筒体をろう材にて接合した真空気密封着構造を有する電子管が開示されている(特
許文献1)。特許文献1によると、金属円筒体をコバールから鉄に代えることにより低コ
ストの電子管を製造することができる。
【0004】
また、モリブデンなどの高融点金属を使用せずに活性金属によりセラミックスにニッケル
系合金を接合した真空スイッチ外管が開示されている(特許文献2)。特許文献2による
と、接合状態の不安定の原因となる金属間化合物を作ることなく接合強度の高い真空スイ
ッチ外管を製造することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特願平1-46978号公報
特開2001-220253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
セラミックス表面をモリブデンなどの高融点金属を使用してメタライズする場合は、1
400℃以上の高温に加熱するための炉が必要であり、かつ高温で処理を行うためにエネ
ルギーコストが掛かっていた。また、形成された高融点金属メタライズ層のまま金属部品
とろう付けすることが難しく、表面にニッケルなどのめっき処理を行う必要があり工程が
複雑であった。
【0007】
活性金属ろう材の接合で封着性(気密性)を確保するためには接合幅が必要であるが、
セラミックスと金属の熱膨張係数は違うため(例えばアルミナの熱膨張係数7.2×10
-6/℃に対して銅16.5×10-6/℃、鉄11.7×10-6/℃)、熱膨張差に
よりクラックなどが発生しやすい。活性金属ろう付けは、高融点金属によるメタライズと
比較して850℃と低い温度で接合するため熱膨張差を緩和することが可能である。活性
金属ろう材や銀ろう材による金属部品との接合では、接合強度を大きくするために高い温
度で接合する方が有利であるが、接合温度を高くすると銀ろう中の成分である銀と銅が溶
け分かれてセラミックス部品との接合強度が低下する可能性があった。
【0008】
また、活性金属ろう材を用いて金属部品と接合する場合には、活性金属ろう材ペーストで
セラミックスとの接合層を形成し、その後にろう材により金属と接合するために、ろう付
け接合よりも高い温度で活性金属ろう材による接合層を形成していた。このため、活性金
属ろう材ペーストの融点はろう材よりも高かった。この活性金属ろう材ペーストの融点を
高くするには銅(Cu)や銀(Ag)などの融点の高い金属を多く含有させる必要があり
、加熱工程で他のろう材金属成分と溶け別れしやすい状態であった。この溶け別れは接合
の不均一を引き起こしリーク不良やクラック不良の原因となる可能性がある。また、ろう
材は箔形状などに加工することが多く、少量多品種の場合にはろう材部品の加工が多数必
要となりコストが係る原因であった。
【0009】
実施形態は、このような課題を解決するものであり、活性金属ろう材でセラミックス部
品と金属部品を接合したときに、接合不良やリーク不良を抑制した生産性の高いセラミッ
クス封着部品およびその製造方法に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態に係るセラミックス部品と金属部品を銀と銅と活性金属を含む接合層により接
合したセラミックス封着部品は、接合層では銀と銅が溶融しており、接合層中央部の断面
を20層以上に分割して銀と銅と活性金属の質量%を測定して前記接合層のセラミックス
部品側から金属部品側に質量%をプロットしたときに、活性金属質量%の極大値(Wm)
、銅質量%の極大値(Wc)、銀質量%の極大値(Wa)が存在する。また、活性金属質
量%の2番目に大きい極大値が極大値(Wm)の0.7倍以下であり、銅の質量%の極小
値が極大値(Wc)の0.3倍以上であり、セラミックス部品側1/4までの銀の質量%
の最大値が極大値(Wa)の0.3倍以上0.5倍以下である
(【0011】以降は省略されています)

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