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公開番号
2024167719
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-04
出願番号
2023083978
出願日
2023-05-22
発明の名称
セメント硬化体の圧縮強度の推定方法およびバイオマス焼却灰の選定方法
出願人
株式会社安藤・間
,
国立大学法人 新潟大学
代理人
個人
,
個人
主分類
C04B
28/02 20060101AFI20241127BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】バイオマス焼却灰の品質からこのバイオマス焼却灰を含むセメント組成物の硬化体の圧縮強度を推定する方法、およびバイオマス焼却灰の品質に基づき、得られたセメント硬化体に要求される圧縮強度を満たすと推定されるバイオマス焼却灰の選定方法を提供すること
【解決手段】バイオマス焼却灰のNBO/T比を測定する工程(S110)と、バイオマス焼却灰のNBO/T比と該バイオマス焼却灰を含むセメント組成物の硬化体の圧縮強度との相関関係に基づき、NBO/T比が測定されたバイオマス焼却灰を含むセメント組成物の硬化体の圧縮強度を推定する工程(S120)と、を含むセメント硬化体の圧縮強度の推定方法である。また、本発明はバイオマス焼却灰の選定方法も提供する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
四面体形成イオン数あたりの非架橋酸素数の比率(NBO/T比)が未知のバイオマス焼却灰のNBO/T比を測定するNBO/T比測定工程と、
予め求めた、バイオマス焼却灰のNBO/T比と該バイオマス焼却灰を含むセメント組成物の硬化体の圧縮強度との相関関係に基づき、前記NBO/T比が測定されたバイオマス焼却灰を含むセメント組成物の硬化体の圧縮強度を推定する推定工程と、を含むことを特徴とするセメント硬化体の圧縮強度の推定方法。
続きを表示(約 710 文字)
【請求項2】
予め求めた、バイオマス焼却灰の四面体形成イオン数あたりの非架橋酸素数の比率(NBO/T比)と該バイオマス焼却灰を含むセメント組成物の硬化体の圧縮強度との相関関係に基づき、バイオマス焼却灰を含むセメント組成物の硬化体の要求強度に対応するバイオマス焼却灰のNBO/T比を閾値として定める閾値決定工程と、
NBO/T比未知のバイオマス焼却灰のNBO/T比を測定するNBO/T比測定工程と、
前記測定されたNBO/T比を前記閾値と比較し、比較結果によりセメント組成物用材料として選定するかどうかを判定する判定工程と、を含むことを特徴とするバイオマス焼却灰の選定方法。
【請求項3】
前記バイオマス焼却灰がバイオマス発電所から得られたものであることを特徴とする請求項2に記載のバイオマス焼却灰の選定方法。
【請求項4】
前記バイオマス発電所の炉が循環流動層式であることを特徴とする請求項3に記載のバイオマス焼却灰の選定方法。
【請求項5】
前記NBO/T比が蛍光X線分析により得られることを特徴とする請求項2に記載のバイオマス焼却灰の選定方法。
【請求項6】
前記判定工程の判定が、前記測定されたNBO/T比を前記閾値と比較し、前記閾値より大きければセメント組成物用材料として選定する判定を行うものであることを特徴とする請求項2に記載のバイオマス焼却灰の選定方法。
【請求項7】
前記NBO/T比に代えて、CaO/SiO
2
比を用いることを特徴とする請求項2に記載のバイオマス焼却灰の選定方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、セメント硬化体の圧縮強度の推定方法およびバイオマス焼却灰の選定方法に関し、特に、バイオマス焼却灰を含むセメント組成物を硬化させて得られるセメント硬化体の圧縮強度の推定方法および前記セメント組成物用のバイオマス焼却灰の選定方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
長期的な資源確保および産業廃棄物量の減少の観点から、従来、石炭ボイラから排出されるフライアッシュ(石炭灰)がコンクリート材料として活用されている。例えば、非特許文献1および2には、石炭灰を大量に用いたセメント硬化体が開示されている。
【0003】
また、再生可能エネルギーは、2012年7月から開始した固定価格買取制度(FIT)の後押しもあって近年急速に成長してきている電源構成であり、この再生可能エネルギーの中でもバイオマス発電は安定供給が可能な発電形式として期待されている。
【0004】
しかし、バイオマス発電では副産物としてバイオマス焼却灰が350億kWhの発電量に対して17万~81万t発生すると推計されており、これらバイオマス焼却灰の多くは産業廃棄物として処理されていることから、有効利用が期待されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
高木亮一、坂本守、森本良、古川園健朗著、「福島第一原子力発電所港湾関係工事における石炭灰活用の取組み」、コンクリート工学、第58巻第12号、第944~951頁、2020年12月、公益社団法人日本コンクリート工学会発行
「石炭灰混合材料を地盤・土構造物に利用するための技術指針(案)」、コンクリートライブラリー159、2021年3月、公益社団法人土木学会発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のバイオマス焼却灰の再利用のため、発明者らがバイオマス焼却灰をセメント硬化体の製造に利用したところ、得られたセメント硬化体の圧縮強度にばらつきが生じることがわかった。
【0007】
セメント硬化体の圧縮強度のばらつきは、バイオマス焼却灰の品質の変動が大きいことに起因すると考えられるが、バイオマス焼却灰をセメント硬化体に適用した事例がほとんどないこともあり、バイオマス焼却灰の何の品質がセメント硬化体の圧縮強度に影響するかは現在までに明らかになっていない。
【0008】
上記課題に鑑みてなされた本願発明の目的は、バイオマス焼却灰の品質からこのバイオマス焼却灰を含むセメント組成物の硬化体の圧縮強度を推定する方法、およびバイオマス焼却灰の品質に基づき、得られたセメント硬化体に要求される圧縮強度を満たすと推定されるバイオマス焼却灰の選定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的達成に向け鋭意検討を行った。その結果、バイオマス焼却灰のNBO/T比、すなわち、四面体形成イオン数あたりの非架橋酸素数の比率が、そのバイオマス焼却灰を含むセメント組成物の硬化体の圧縮強度と高い相関を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明の前記目的は、四面体形成イオン数あたりの非架橋酸素数の比率(NBO/T比)が未知のバイオマス焼却灰のNBO/T比を測定するNBO/T比測定工程と、予め求めた、バイオマス焼却灰のNBO/T比と該バイオマス焼却灰を含むセメント組成物の硬化体の圧縮強度との相関関係に基づき、前記NBO/T比が測定されたバイオマス焼却灰を含むセメント組成物の硬化体の圧縮強度を推定する推定工程と、を含むことを特徴とするセメント硬化体の圧縮強度の推定方法によって達成されることが見いだされた。
(【0011】以降は省略されています)
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