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公開番号
2024166079
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-28
出願番号
2024039135
出願日
2024-03-13
発明の名称
樹木健全度判定システム
出願人
いであ株式会社
代理人
個人
主分類
A01G
7/00 20060101AFI20241121BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約
【課題】樹木の健全度を簡便に判定可能な樹木健全度判定システムを提供する。
【解決手段】樹木健全度判定システム1は、樹木Tに近赤外線領域の波長を有する測定光を照射する照明部2と、測定光が樹木Tで反射した反射光を受光して近赤外線画像を撮像するカメラ3と、近赤外線画像に基づいて、樹木Tの水分に吸収される約1450nmの波長における反射光の反射強度を算出する算出部41と、予め記憶された反射強度と樹木Tの健全度との関係に基づいて、算出部41が算出した約1450nmの波長における反射強度から樹木Tの健全度を判定する判定部42と、を備えている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
樹木の健全度を判定する樹木健全度判定システムであって、
前記樹木に近赤外線領域の波長を有する測定光を照射する照明部と、
前記測定光が前記樹木で反射した反射光を受光して近赤外線画像を撮像するカメラと、
前記近赤外線画像に基づいて、前記樹木の水分に吸収される第1の波長における前記反射光の反射強度を算出する算出部と、
予め記憶された前記反射強度と前記樹木の健全度との関係に基づいて、前記算出部が算出した前記第1の波長における前記反射強度から前記樹木の健全度を判定する判定部と、
を備えている、ことを特徴とする樹木健全度判定システム。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記照明部は、前記樹木に可視光領域の波長を有する測定光を照射し、
前記カメラは、前記測定光が前記樹木で反射した反射光を受光して可視光画像を撮像し、
前記算出部は、前記可視光画像から前記樹木の樹皮表面に形成された凹部の位置座標を検出し、前記凹部の位置座標において前記第1の波長における前記反射強度を算出する、ことを特徴とする請求項1に記載の樹木健全度判定システム。
【請求項3】
前記算出部は、前記第1の波長と比べて前記樹木の水分に吸収されにくい第2、第3の波長における前記反射光の反射強度をそれぞれ算出し、前記近赤外線画像のうち前記第2、第3の波長における前記反射強度が略等しいエリアである測定エリアの位置座標を検出して、前記測定エリアにおいて前記第1の波長における前記反射強度を算出する、ことを特徴とする請求項1に記載の樹木健全度判定システム。
【請求項4】
前記判定部には、前記樹木の光合成が相対的に不活発な時期に取得された前記反射光の反射強度に基づき設定された第1の閾値が予め記憶され、
前記判定部は、前記樹木の光合成が相対的に活発な時期に取得された判定対象である前記樹木における前記反射光の反射強度が前記第1の閾値未満である場合に、前記樹木の健全度が高いと判定する、ことを特徴とする請求項1に記載の樹木健全度判定システム。
【請求項5】
前記判定部には、前記樹木の光合成が相対的に不活発な時期に取得された前記反射光の反射強度に基づき設定された第1の閾値が予め記憶され、
前記判定部は、前記樹木の光合成が相対的に活発な時期に取得された判定対象である前記樹木における前記反射光の反射強度が前記第1の閾値と略等しい場合に、前記樹木の健全度が低いと判定する、ことを特徴とする請求項1に記載の樹木健全度判定システム。
【請求項6】
前記判定部には、前記樹木の光合成が相対的に活発な時期に取得され、健全度が高い前記樹木の前記反射光の反射強度に基づき設定された第2の閾値が予め記憶され、
前記判定部は、判定対象である前記樹木における前記反射光の反射強度が前記第2の閾値と略等しい場合に、前記樹木の健全度が高いと判定する、ことを特徴とする請求項1に記載の樹木健全度判定システム。
【請求項7】
前記判定部には、前記樹木の光合成が相対的に不活発な時期に取得された前記反射光の反射強度に基づき設定された第1の閾値と、前記樹木の光合成が相対的に活発な時期に取得され、健全度が高い前記樹木の前記反射光の反射強度に基づき設定された第2の閾値と、が予め記憶され、
前記判定部は、判定対象である前記樹木における前記反射光の反射強度が、前記第1の閾値に近いほど健全度が低く、前記第2の閾値に近いほど健全度が高いと判定する、ことを特徴とする請求項1に記載の樹木健全度判定システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、街路樹等の樹木の健全度を判定する樹木健全度判定システムに関するものである。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
従来より、樹木医が樹木1本1本を定期的に植診する樹木診断が行われている。樹木診断には、樹木医が樹木毎に樹皮欠損、腐朽等の異常の有無を目視で調べる外観観察等が含まれる。
【0003】
しかしながら、このような樹木診断は、高い熟練度の診断医を必要とするため、将来的に人材不足や診断能力の低下が危ぶまれる。また、膨大な本数の樹木を定期的に診断するには、多大なコストを要する。さらに、樹木の健全性の低下は常に進行しているため、樹木診断を適時に実施する必要がある。
【0004】
このような樹木医による樹木診断に代えて、樹木の健全度を効率的に評価する方法として、特許文献1に示すように、樹種、土壌特性及び葉中養分毎に葉の分光特性を樹木の健全度と関連付けた健全度データベースを予め作成し、高解像度衛星画像を使用して樹木の葉の分光特性を読み取り、さらに、評価対象の樹木の土壌特性及び葉中養分データから健全度データベースを参照して、個々の樹木の健全度を評価するものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2007-166967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の評価方法では、樹木が生育している土壌や樹木の葉を採集した上で、土壌の特性及び土壌の成分と密接に関連する葉中養分を事前に計測する必要があり、樹木の健全度評価に膨大な時間とコストを要する虞があった。
【0007】
そこで、樹木の健全度を簡便に判定するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するために、本発明に係る樹木健全度判定システムは、樹木の健全度を判定する樹木健全度判定システムであって、前記樹木に近赤外線領域の波長を有する測定光を照射する照明部と、前記測定光が前記樹木で反射した反射光を受光して近赤外線画像を撮像するカメラと、前記近赤外線画像に基づいて、前記樹木の水分に吸収される第1の波長における前記反射光の反射強度を算出する算出部と、予め記憶された前記反射強度と前記樹木の健全度との関係に基づいて、前記算出部が算出した前記第1の波長における前記反射強度から前記樹木の健全度を判定する判定部と、を備えている。
【0009】
また、本発明に係る樹木健全度判定システムは、前記照明部が、前記樹木に可視光領域の波長を有する測定光を照射し、前記カメラが、前記測定光が前記樹木で反射した反射光を受光して可視光画像を撮像し、前記算出部が、前記可視光画像から前記樹木の樹皮表面に形成された凹部の位置座標を検出し、前記凹部の位置座標において前記第1の波長における前記反射強度を算出する、ことが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る樹木健全度判定システムは、前記算出部が、前記第1の波長と比べて前記樹木の水分に吸収されにくい第2、第3の波長における前記反射光の反射強度をそれぞれ算出し、前記近赤外線画像のうち前記第2、第3の波長における前記反射強度が略等しいエリアである測定エリアの位置座標を検出して、前記測定エリアにおいて前記第1の波長における前記反射強度を算出する、ことが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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