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公開番号
2024158387
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023073542
出願日
2023-04-27
発明の名称
正極活物質及びリチウムイオン二次電池
出願人
トヨタ自動車株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
H01M
4/505 20100101AFI20241031BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】O2型構造を有する正極活物質の重量エネルギー密度を向上させる。
【解決手段】本開示の正極活物質は、Li含有酸化物粒子を含み、前記Li含有酸化物粒子が、O2型構造を有し、前記Li含有酸化物粒子が、構成元素として、少なくとも、Mn、Ni及びCoのうちの少なくとも1つの元素と、Liと、Oとを含み、前記Li含有酸化物粒子が、2.0μm以上の平均粒子径を有し、前記Li含有酸化物粒子が、1.0以上3.0以下の平均アスペクト比を有することを特徴とする。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
正極活物質であって、Li含有酸化物粒子を含み、
前記Li含有酸化物粒子は、O2型構造を有し、
前記Li含有酸化物粒子は、構成元素として、少なくとも、Mn、Ni及びCoのうちの少なくとも1つの元素と、Liと、Oとを含み、
前記Li含有酸化物粒子は、2.0μm以上の平均粒子径を有し、
前記Li含有酸化物粒子は、1.0以上3.0以下の平均アスペクト比を有する、
正極活物質。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の正極活物質であって、
前記Li含有酸化物粒子は、構成元素として、1モルのOに対して、0.33モル以上のLiを含む、
正極活物質。
【請求項3】
請求項1に記載の正極活物質であって、
前記Li含有酸化物粒子は、Li
a
Na
b
Mn
x-p
Ni
y-q
Co
z-r
M
p+q+r
O
2
(ここで、0<a≦1.00、0≦b≦0.20、x+y+z=1、かつ、0≦p+q+r<0.17であり、元素Mは、B、Mg、Al、K、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Ga、Ge、Sr、Y、Zr、Nb、Mo及びWから選ばれる少なくとも1種である。)で示される化学組成を有する、
正極活物質。
【請求項4】
請求項1に記載の正極活物質であって、
前記Li含有酸化物粒子は、Li
a
Na
b
Mn
x-p
Ni
y-q
Co
z-r
M
p+q+r
O
2
(ここで、0<a≦1.00、0≦b≦0.20、0<x<1.00、0<y<0.50、0<z<1.00、x+y+z=1、かつ、0≦p+q+r<0.17であり、元素Mは、B、Mg、Al、K、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Ga、Ge、Sr、Y、Zr、Nb、Mo及びWから選ばれる少なくとも1種である。)で示される化学組成を有する、
正極活物質。
【請求項5】
請求項1に記載の正極活物質であって、
前記Li含有酸化物粒子は、Li
a
Na
b
Mn
x-p
Ni
y-q
Co
z-r
M
p+q+r
O
2
(ここで、0.66<a≦1.00、0≦b≦0.20、0.30<x<0.60、0.10<y<0.40、0.10<z<0.50、x+y+z=1、かつ、0≦p+q+r<0.17であり、元素Mは、B、Mg、Al、K、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Ga、Ge、Sr、Y、Zr、Nb、Mo及びWから選ばれる少なくとも1種である。)で示される化学組成を有する、
正極活物質。
【請求項6】
リチウムイオン二次電池であって、
正極活物質層、電解質層及び負極活物質層を有し、
前記正極活物質層が、請求項1~5のいずれか1項に記載の正極活物質を含む、
リチウムイオン二次電池。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本願は正極活物質及びリチウムイオン二次電池を開示する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
正極活物質としてO2型構造を有するものが知られている。特許文献1に開示されているように、O2型構造を有する正極活物質は、P2型構造を有するNa含有酸化物のNaの少なくとも一部をLiにイオン交換することにより得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011-170994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の正極活物質は、重量エネルギー密度に関して改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は上記課題を解決するための手段として、以下の複数の態様を開示する。
<態様1>
正極活物質であって、Li含有酸化物粒子を含み、
前記Li含有酸化物粒子は、O2型構造を有し、
前記Li含有酸化物粒子は、構成元素として、少なくとも、Mn、Ni及びCoのうちの少なくとも1つの元素と、Liと、Oとを含み、
前記Li含有酸化物粒子は、2.0μm以上の平均粒子径を有し、
前記Li含有酸化物粒子は、1.0以上3.0以下の平均アスペクト比を有する、
正極活物質。
<態様2>
態様1の正極活物質であって、
前記Li含有酸化物粒子は、構成元素として、1モルのOに対して、0.33モル以上のLiを含む、
正極活物質。
<態様3>
態様1又は2の正極活物質であって、
前記Li含有酸化物粒子は、Li
a
Na
b
Mn
x-p
Ni
y-q
Co
z-r
M
p+q+r
O
2
(ここで、0<a≦1.00、0≦b≦0.20、x+y+z=1、かつ、0≦p+q+r<0.17であり、元素Mは、B、Mg、Al、K、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Ga、Ge、Sr、Y、Zr、Nb、Mo及びWから選ばれる少なくとも1種である。)で示される化学組成を有する、
正極活物質。
<態様4>
態様1~3のいずれかの正極活物質であって、
前記Li含有酸化物粒子は、Li
a
Na
b
Mn
x-p
Ni
y-q
Co
z-r
M
p+q+r
O
2
(ここで、0<a≦1.00、0≦b≦0.20、0<x<1.00、0<y<0.50、0<z<1.00、x+y+z=1、かつ、0≦p+q+r<0.17であり、元素Mは、B、Mg、Al、K、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Ga、Ge、Sr、Y、Zr、Nb、Mo及びWから選ばれる少なくとも1種である。)で示される化学組成を有する、
正極活物質。
<態様5>
態様1~4のいずれかの正極活物質であって、
前記Li含有酸化物粒子は、Li
a
Na
b
Mn
x-p
Ni
y-q
Co
z-r
M
p+q+r
O
2
(ここで、0.66<a≦1.00、0≦b≦0.20、0.30<x<0.60、0.10<y<0.40、0.10<z<0.50、x+y+z=1、かつ、0≦p+q+r<0.17であり、元素Mは、B、Mg、Al、K、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Ga、Ge、Sr、Y、Zr、Nb、Mo及びWから選ばれる少なくとも1種である。)で示される化学組成を有する、
正極活物質。
<態様6>
リチウムイオン二次電池であって、
正極活物質層、電解質層及び負極活物質層を有し、
前記正極活物質層が、態様1~5のいずれかの正極活物質を含む、
リチウムイオン二次電池。
【発明の効果】
【0006】
本開示の正極活物質は、優れた重量エネルギー密度を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
O2型構造を有する正極活物質の製造方法の流れの一例を示している。
リチウムイオン二次電池の構成の一例を概略的に示している。
実施例1及び2に係る正極活物質のX線回折パターンを示している。
比較例1及び2に係る正極活物質のX線回折パターンを示している。
実施例1に係る正極活物質の断面SEM画像を示している。
比較例1に係る正極活物質の断面SEM画像を示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1.正極活物質
1.1 第1形態
第1形態に係る正極活物質は、Li含有酸化物粒子を含む。前記Li含有酸化物粒子は、O2型構造を有する。前記Li含有酸化物粒子は、構成元素として、少なくとも、Mn、Ni及びCoのうちの少なくとも1つの元素と、Liと、Oとを含む。前記Li含有酸化物粒子は、2.0μm以上の平均粒子径を有する。前記Li含有酸化物粒子は、1.0以上3.0以下の平均アスペクト比を有する。
【0009】
1.1.1 結晶構造
第1形態に係るLi含有酸化物粒子は、結晶構造として、少なくともO2型構造(空間群P63mcに属する)を有する。一実施形態に係るLi含有酸化物粒子は、O2型構造を有するとともに、O2型構造以外の結晶構造を有していてもよい。O2型構造以外の結晶構造としては、例えば、O2型構造からLiを脱挿入した際に形成されるT♯2型構造(空間群Cmcaに属する)やO6型構造(空間群R-3mに属し、c軸長が2.5nm以上3.5nm以下、典型的には2.9nm以上3.0nm以下であって、同じく空間群R-3mに属するO3型構造とは異なる)等が挙げられる。一実施形態に係るLi含有酸化物粒子は、主相としてO2型構造を有するものであってもよいし、主相としてO2型構造以外の結晶構造(O6構造又はT#2型構造)を有するものであってもよい。ただし、Li含有酸化物粒子は、その充放電状態によって、主相となる結晶構造が変化し得る。
【0010】
第1形態に係るLi含有酸化物粒子は、1つの結晶子からなる単結晶であってもよいし、複数の結晶子を有する多結晶であってもよい。Li含有酸化物粒子は、その結晶子の端面がインターカレーションの入口及び出口となるものと考えられる。すなわち、Li含有酸化物粒子の結晶子が小さい場合、インターカレーションの出入り口が多くなって反応抵抗が低下する効果、リチウムイオンの移動距離が短くなって拡散抵抗が減少する効果、充放電時の膨張収縮量の絶対量が少なくなり、割れが発生し難くなる効果、などが期待できる。例えば、Li含有酸化物粒子を構成する結晶子の直径は、0.1μm以上5.0μm以下、0.5μm以上4.0μm以下、又は、1.0μm以上3.0μm以下であってもよい。尚、「結晶子」や「結晶子の直径」は、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過電子顕微鏡(TEM)によってLi含有酸化物粒子を観察することにより求めることができる。すなわち、Li含有酸化物粒子を観察し、結晶粒界によって囲まれる1つの閉じられた領域が観察された場合、当該領域を「結晶子」とみなす。当該結晶子について最大のフェレ径を求め、これを「結晶子の直径」とみなす。尚、Li含有酸化物粒子が単結晶からなる場合、当該粒子そのものが一つの結晶子といえ、当該粒子の最大のフェレ径が「結晶子の直径」である。或いは、結晶子の直径は、EBSDやXRDによって求めることもできる。例えば、結晶子の直径は、XRDパターンの回折線の半値幅からシェラーの式に基づいて求めることができる。Li含有酸化物粒子は、いずれかの方法により特定された結晶子の直径が上記の範囲内であると、より高い性能が発揮され易い。Li含有酸化物粒子を構成する結晶子は、当該酸化物の表面に露出する第1面を有していてもよく、当該第1面は、平面状であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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