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公開番号
2024157927
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023072604
出願日
2023-04-26
発明の名称
慣性センサ
出願人
株式会社デンソー
,
トヨタ自動車株式会社
,
株式会社ミライズテクノロジーズ
代理人
弁理士法人ゆうあい特許事務所
主分類
G01C
19/5691 20120101AFI20241031BHJP(測定;試験)
要約
【課題】微小振動体と実装基板との接合強度と、動作時の微小振動体の振動の対称性とが確保された慣性センサを提供する。
【解決手段】曲面部21と、曲面部21から延設された有底筒状の接続部22とを有する微小振動体2が、接合部材52により実装基板3に接合されてなる慣性センサ1は、微小振動体2に環状部材6が取り付けられている。実装基板3は、枠体形状の内枠部51を有し、接続部22と内枠部51とが接合部材52により接合されている。接続部22のうち実装基板3と向き合う実装面22bに隣接する面を側面22cとして、環状部材6は、枠体形状であり、側面22cに取り付けられる。環状部材6は、実装基板3のうち内枠部51と接続部22との間に位置する領域のすべてを覆っている。接合部材52は、内枠部51のうち内壁面51bの全域を覆うとともに、環状部材6に当接している。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
慣性センサであって、
半球形状の三次元曲面を有する曲面部(21)と、前記曲面部から前記半球形状の中心に向かって延設された有底筒状の接続部(22)とを有する微小振動体(2)と、
前記接続部の直下に位置する領域を接合領域として、前記接合領域を囲む枠体形状の内枠部(51)を有する実装基板(3)と、
前記接続部と前記内枠部とを接合する接合部材(52)と、
前記接続部のうち前記実装基板と向き合う面を実装面(22b)とし、前記実装面に隣接する面を側面(22c)として、前記側面に取り付けられる枠体形状の環状部材(6)と、を備え、
前記環状部材は、前記実装基板のうち前記内枠部と前記接続部との間に位置する領域のすべてを覆っており、
前記接合部材は、前記内枠部のうち内壁面(51b)の全域を覆うとともに、前記環状部材に当接している、慣性センサ。
続きを表示(約 340 文字)
【請求項2】
前記環状部材は、前記接合部材よりもヤング率が低い材料で構成されている、請求項1に記載の慣性センサ。
【請求項3】
前記環状部材は、熱により収縮する樹脂材料で構成されている、請求項2に記載の慣性センサ。
【請求項4】
前記環状部材は、前記接続部に取り付けられる前の内径が前記側面の外径よりも小さく、弾性変形する樹脂材料で構成されている、請求項2に記載の慣性センサ。
【請求項5】
前記樹脂材料は、250度以上の耐熱性を有する、請求項3または4に記載の慣性センサ。
【請求項6】
前記環状部材は、前記側面に密着すると共に、前記微小振動体とは化学結合していない、請求項1に記載の慣性センサ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元曲面を有する微小振動体を用いた慣性センサに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、車両の自動運転のシステム開発が進められており、この種のシステムでは、高精度の自己位置の推定技術が必要である。例えば、いわゆるレベル3の自動運転向けに、GNSSとIMUとを備える自己位置推定システムの開発が進められている。GNSSとは、Global Navigation Satellite Systemの略称である。IMUは、Inertial Measurement Unitの略称であり、例えば、3軸のジャイロセンサと3軸の加速度センサから構成される6軸の慣性力センサである。将来的に、いわゆるレベル4以上の自動運転を実現するためには、現状よりもさらに高感度のIMUが求められる。
【0003】
このような高感度のIMUを実現するためのジャイロセンサとしては、BRGが有力視されており、ワイングラスモードで振動する略半球形状の三次元曲面を有する微小振動体が実装基板に搭載されてなる。BRGとは、Bird-bath Resonator Gyroscopeの略称である。この微小振動体は、振動の状態を表すQ値が10
6
以上に達するため、従来よりも高感度が見込まれる。
【0004】
この種の微小振動体を用いた慣性センサは、例えば、特許文献1に記載のものが挙げられる。この慣性センサは、微小振動体のうち略半球形の三次元曲面の頂点付近からその半球の内側中心に向かって凹むように延設された有底筒状の接続部が、実装基板のうち略環状枠体に囲まれた接合領域に挿入されている。この慣性センサは、微小振動体の全面を覆う表面電極と実装基板の接合領域に形成された配線とが接合され、実装基板の当該配線を介して微小振動体の表面電極に所定の電圧を印加でき、微小振動体とこれを囲む複数の電極部との静電容量の変化を検出可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
米国特許出願公開第2009/0094024号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の慣性センサは、微小振動体の接続部の底面のみが実装基板の配線に接合されているため、接合強度が低く、外部から何らかの衝撃が加わった場合、微小振動体が実装基板から剥離するおそれがある。微小振動体と実装基板との剥離を抑制するため、焼結銀等の接合部材を用いて、微小振動体の接続部の底面に加えて、接続部の底面近傍の側面と実装基板の略環状枠体とを接合することが考えられる。
【0007】
しかしながら、微小振動体と実装基板との接合時に、接合部材が略環状枠体に沿って這い上がることになるが、この這い上がりに偏りが生じると、微小振動体の接続部の側面を固定する接合部材の高さにバラツキが生じる。このようなバラツキが生じると、微小振動体のうち接続部側面における接合部材の高さが高い部分と低い部分とで固定の度合いに差が生じ、微小振動体を振動させたときに振動が対称でなくなってしまい、慣性センサの感度が低下してしまう。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑み、微小振動体と実装基板とを接合部材で接合し、これらの接合強度を確保しつつも、動作時における微小振動体の振動の対称性が確保された慣性センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の慣性センサは、半球形状の三次元曲面を有する曲面部(21)と、曲面部から半球形状の中心に向かって延設された有底筒状の接続部(22)とを有する微小振動体(2)と、接続部の直下に位置する領域を接合領域として、接合領域を囲む枠体形状の内枠部(51)を有する実装基板(3)と、接続部と内枠部とを接合する接合部材(52)と、接続部のうち実装基板と向き合う面を実装面(22b)とし、実装面に隣接する面を側面(22c)として、側面に取り付けられる枠体形状の環状部材(6)と、を備え、環状部材は、実装基板のうち内枠部と接続部との間に位置する領域のすべてを覆っており、接合部材は、内枠部のうち内壁面(51b)の全域を覆うとともに、環状部材に当接している。
【0010】
これにより、微小振動体の接続部の側面に環状部材が取り付けられ、微小振動体と実装基板との接合時に接合部材が内枠部に沿って這い上がる際に、環状部材により接合部材の流れがせき止められる構造の慣性センサとなる。このため、この慣性センサは、微小振動体と実装基板との接合強度が確保されると共に、接続部側面における接合部材の高さが均一化され、動作時における微小振動体の振動の対称性が確保される構造となっている。
(【0011】以降は省略されています)
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