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公開番号2024157621
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023072065
出願日2023-04-26
発明の名称除湿器及び除湿器用容器
出願人オカモト株式会社
代理人弁理士法人英知国際特許商標事務所
主分類B01D 53/26 20060101AFI20241031BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】
環境に配慮し、プラスチック等の使用量を大幅に削減し、輸送や保管コストを抑えることが可能な除湿器およびその容器を提供することを目的とするものである。
【解決手段】
錠剤と専用容器とを組み合わせて用いる除湿器であって、前記錠剤は、潮解性物質が加圧され圧縮された状態の潮解性吸湿剤であり、前記専用容器は、潮解液貯留容器と蓋と錠剤載置用棚とを備えるものであり、前記潮解液貯留容器は、内部底面から所定高さ位置に前記錠剤載置用棚を配設するための係合部を有し、かつ、前記錠剤の潮解液を貯留可能であり、前記蓋は、前記錠剤載置用棚を介在させた状態で前記潮解液貯留容器との堅牢な接続を確保するものであり、上面に開口部を有し、かつ、当該開口部は透湿フィルムで密封されており、前記錠剤載置用棚は、少なくとも下方に、前記錠剤の潮解液を前記潮解液貯留容器へ流下させるための孔を有していることを特徴とする除湿器により、課題を解決した。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
錠剤と専用容器とを組み合わせて用いる除湿器であって、
前記錠剤は、潮解性物質が加圧され圧縮された状態の潮解性吸湿剤であり、
前記専用容器は、潮解液貯留容器と蓋と錠剤載置用棚とを備えるものであり、
前記潮解液貯留容器は、内部底面から所定高さ位置に前記錠剤載置用棚を配設するための係合部を有し、かつ、前記錠剤の潮解液を貯留可能であり、
前記蓋は、前記錠剤載置用棚を介在させた状態で前記潮解液貯留容器との堅牢な接続を確保するものであり、上面に開口部を有し、かつ、当該開口部は透湿フィルムで密封されており、
前記錠剤載置用棚は、少なくとも下方に、前記錠剤の潮解液を前記潮解液貯留容器へ流下させるための孔を有している
ことを特徴とする除湿器。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記錠剤載置用棚は、全体の形状が凹状であり、前記錠剤を収納するに十分な深さを有しつつも、規定数個の前記錠剤を載置させた際に、前記透湿フィルムの下面と前記錠剤の上面とが近接された間隔となるように、底面の棚部が設定されている
ことを特徴とする請求項1に記載の除湿器。
【請求項3】
前記係合部は、前記潮解液貯留容器の上面の縁であり、前記錠剤載置用棚の被係合部は、前記錠剤載置用棚に設けられているフランジである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の除湿器。
【請求項4】
潮解性物質が加圧され圧縮された状態の潮解性吸湿剤としての錠剤を収納して除湿器として用いることが可能な除湿器用容器であって、
潮解液貯留容器と蓋と錠剤載置用棚とを備え、
前記潮解液貯留容器は、内部底面から所定高さ位置に前記錠剤載置用棚を配設するための係合部を有し、かつ、前記錠剤の潮解液を貯留可能であり、
前記蓋は、前記錠剤載置用棚を介在させた状態で前記潮解液貯留容器との堅牢な接続を確保するものであり、上面に開口部を有し、かつ、当該開口部は透湿フィルムで密封されており、
前記錠剤載置用棚は、少なくとも下方に、前記錠剤の潮解液を前記潮解液貯留容器へ流下させるための孔を有している
ことを特徴とする除湿器用容器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中の湿気を潮解性吸湿剤で吸湿して空間の湿度を下げ、湿度を低く保って、押入れ、タンス、下駄箱、その他の収納空間などにおいて使用される除湿器およびその容器に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、除湿器は、上面開口部を有する容器内の中高部位に受け皿を介在させて、上部空間と下部空間に区画し、上部空間に顆粒状の潮解性吸湿剤を収容し、下部空間に潮解性吸湿剤の潮解液が受け皿の滴下孔から滴下して貯溜されるように形成された所謂タンク式と呼ばれるものが主流となっている。タンク式除湿器は、誤って転倒させた際に、潮解液が零れ落ちることがないように、液体は通過しないが気体が通過する透湿フィルムを上面開口部に接着ないし溶着して開口を密封するように構成されている。また、除湿器の吸湿性能を高めるため、潮解性吸湿剤と空気との接触面積を大きく確保することが重要であるところ、受け皿を多段階の突起部が配設された形状とし、このように形成された上部空間に顆粒状の潮解性吸湿剤が収納されるという形態が一般的である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011-78865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のタンク式除湿器は、図9に示すように、上面開口部を有する容器本体4と、この容器本体4内の中高部位に内在されて容器本体4内を上部空間Nと下部空間Mに区画する簀の子状の受け皿5と、上面開口部を塞ぐ透湿性かつ非透水性の透湿フィルム6および密封シート7とを備えて構成されている。このタンク式除湿器は、透湿フィルム6および密封シート7を保護する蓋体8を容器本体4の上面開口部に着脱自在に備えている。このように構成されているタンク式除湿器は、容器本体4内の上部空間Nに顆粒状の潮解性吸湿剤Cが収容され、消費者(使用者)が使用するときに、密封シート7を透湿フィルム6の上から剥がすことで、空気中の湿気が透湿フィルム6を通過して容器本体4内に流入し、潮解性吸湿剤に吸湿されるようになっている。潮解性吸湿剤の潮解が進み、全て無くなった際には、上面開口部に接着された透湿フィルム6を剥がす等して溜まった潮解液を流して、容器は廃棄されることになる。
このため、使用済みのタンク式除湿器は、容器ごと新たなものと交換する必要があるため、コスト高であり、資源の浪費にも繋がる。また、このことは、単に、コストや資源浪費の問題だけに止まるものではなく、消費者にとって、大きく嵩張る商品を購入し、運搬しなければならない労苦であるとか、ストック品の保管場所にスペースを必要とするという問題にも繋がる。先述したように、潮解性吸湿剤と空気との接触面積の確保という要求仕様から、容器は当然大きなものとなる。上部空間及び下部空間の容積に加え、多段階の突起部が配設された空間分の空気を搬送や保管するようなものである。さらに、このことは、消費者だけでなく、製造業者、卸売業者、小売業者にとっては、より深刻な問題となる。商品の運搬や倉庫等に、大きな輸送力やスペース確保を余儀なくさせ、大幅な輸送・保管コストを企業に強いることになるからである。
一方、企業によるサステナビリティへの取り組みという声が聴かれるようになって久しいところ、サステナブル素材の開発や、如何にして資源の無駄使いをさせない仕組みを構築するかという点に関して、企業は、その動向が常に注目されている。
【0005】
本発明は、このような問題に対処することを課題とするものであり、環境に配慮し、プラスチック等の使用量を大幅に削減し、輸送や保管コストを抑えることが可能な除湿器およびその容器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、錠剤と専用容器とを組み合わせて用いる除湿器であって、前記錠剤は、潮解性物質が加圧され圧縮された状態の潮解性吸湿剤であり、前記専用容器は、潮解液貯留容器と蓋と錠剤載置用棚とを備えるものであり、前記潮解液貯留容器は、内部底面から所定高さ位置に前記錠剤載置用棚を配設するための係合部を有し、かつ、前記錠剤の潮解液を貯留可能であり、前記蓋は、前記錠剤載置用棚を介在させた状態で前記潮解液貯留容器との堅牢な接続を確保するものであり、上面に開口部を有し、かつ、当該開口部は透湿フィルムで密封されており、前記錠剤載置用棚は、少なくとも下方に、前記錠剤の潮解液を前記潮解液貯留容器へ流下させるための孔を有していることを特徴とする除湿器により、前述の課題を解決した。
【発明の効果】
【0007】
前述した特徴を有する本発明によれば、容器を再利用することが可能であるため、プラスチック等の使用量を大幅に削減し、輸送や保管コストを抑えることが可能な除湿器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の第一実施形態に係る除湿器の全体構成を示す説明図であり、図1(a)が潮解液貯留容器に錠剤載置用棚を介在させて蓋を取り付けた状態での正面図、図1(b)が同状態での上面図、図1(c)が蓋のみを取り外した状態での上面図、図1(d)が気密性のある袋に収容された詰替え用錠剤の写真であり、図1(e)が蓋を取り外した容器に錠剤を載置させた状態の写真である。
本発明の第一実施形態に係る除湿器における潮解液貯留容器を示す説明図であり、図2(a)が上面図、図2(b)が正面図、図2(c)が図2(a)を45度回転させた状態で上から観た図、図2(d)が図2(c)を正面から観た図である。
本発明の第一実施形態に係る除湿器における蓋を示す説明図であり、図3(a)が上面図、図3(b)が図3(a)のAA線断面図である。
本発明の第一実施形態に係る除湿器における錠剤載置用棚を示す説明図であり、図4(a)が上面図、図4(b)が正面図である。
透湿フィルムで密封された容器内で使用する場合の第一実施形態と顆粒状タイプの吸湿剤の吸湿性能を比較するグラフである。
本発明の第二実施形態に係る除湿器における潮解液貯留容器を示す説明図であり、図6(a)が上面図、図6(b)が正面図、図6(c)が図6(a)を45度回転させた状態で上から観た図、図6(d)が図6(c)を正面から観た図である。
本発明の第二実施形態に係る除湿器における錠剤載置用棚を示す説明図であり、図7(a)が上面図、図7(b)が正面図である。
透湿フィルムで密封された容器内で使用する場合の第二実施形態と顆粒状タイプの吸湿剤の吸湿性能を比較するグラフである。
従来のタンク式除湿器を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明するが、以下の図面は説明を目的に作成されたもので、分かりやすくするため、説明に不要な部材を意図的に図示していない場合がある。また、説明のため部材を意図的に大きくまたは小さく図示している場合があり、正確な縮尺を示す図面ではない。
【0010】
<第一実施形態>
(除湿器の全体構成)
図1は、本発明の第一実施形態に係る除湿器の全体構成を示す説明図であり、図1(a)が潮解液貯留容器に錠剤載置用棚を介在させて蓋を取り付けた状態での正面図、図1(b)が同状態での上面図、図1(c)が蓋のみを取り外した状態での上面図、図1(d)が詰替え用錠剤の写真であり、図1(e)が蓋を取り外した容器に錠剤を載置させた状態の写真である。
(【0011】以降は省略されています)

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