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公開番号2024154253
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-30
出願番号2023067988
出願日2023-04-18
発明の名称液圧回転機械
出願人川崎重工業株式会社
代理人個人
主分類F03C 1/253 20060101AFI20241023BHJP(液体用機械または機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの)
要約【課題】シリンダブロックが弁板から乖離することを抑制することができる液圧回転機械を提供する。
【解決手段】液圧回転機械は、ケーシングと、軸部材と、軸部材が相対回転不能に挿通され、軸線方向一端側にあるボア形成面において複数のシリンダボアが開口するシリンダブロックと、弁板と、斜板と、摺動面上にシューを介して配置され且つシリンダブロックの各々に挿入され、摺動面上を回転軸線まわりに回転することによってシリンダボアを往復運動する複数のピストンと、シューを斜板に押え付ける押え板と、付勢部材の付勢力を受けて押え板を斜板に向かって押付けるブッシュと、シリンダブロックのボア形成面とブッシュとの間に介在し、シリンダブロックと連動して回転することによって受ける遠心力に応じた押付力でシリンダブロックを弁板に向かって押付ける押付け部材とを備える、液圧回転機械。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
作動液が導かれる流入路と、作動液が流出する流出路とが形成されているケーシングと、
所定の回転軸線まわりに回転可能に前記ケーシングに軸支されている軸部材と、
前記軸部材が相対回転不能に挿通され、軸線方向一端側にあるボア形成面において複数のシリンダボアが開口し、且つ軸線方向他端にシリンダポートが開口するシリンダブロックと、
前記シリンダブロックの軸線方向他端が摺動するように前記ケーシングに固定され、前記流入路に繋がる流入側ポートと前記流出路に繋がる流出側ポートとが形成されている弁板と、
ケーシング内に配置され、前記軸部材に対して傾斜し且つ前記シリンダブロックの一端面に対向する摺動面を有する斜板と、
前記摺動面上にシューを介して配置され且つ前記シリンダブロックの各々に挿入され、前記摺動面上を回転軸線まわりに回転することによって前記シリンダボアを往復運動する複数のピストンと、
前記シューを前記斜板に押え付ける押え板と、
前記シリンダブロックの軸線方向一方側に配置され、付勢部材の付勢力を受けて前記押え板を前記斜板に向かって押付けるブッシュと、
前記ボア形成面と前記ブッシュとの間に介在し、前記シリンダブロックと連動して回転することによって受ける遠心力に応じた押付力で前記シリンダブロックを前記弁板に向かって押付ける押付け部材とを備える、液圧回転機械。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記押付け部材は、前記ブッシュに形成される傾斜面に摺接する摺接面を有し、遠心力によって径方向外方に拡径するように変形し、
前記傾斜面及び前記摺接面の各々は、径方向外方に進むにつれて前記シリンダブロックに近づくように傾斜する、請求項1に記載の液圧回転機械。
【請求項3】
前記押付け部材は、前記ボア形成面に形成される傾斜面に摺接する摺接面を有し、遠心力によって径方向外方に拡径するように変形し、
前記傾斜面及び前記摺接面の各々は、径方向外方に進むにつれて前記ブッシュに近づくように傾斜する、請求項1に記載の液圧回転機械。
【請求項4】
前記押付け部材は、環状に形成され、且つ周方向に分割可能な複数の分割体によって構成されている、請求項2又は3に記載の液圧回転機械。
【請求項5】
前記押付け部材は、前記シリンダブロックの前記ボア形成面を覆うように形成されている、請求項4に記載の液圧回転機械。
【請求項6】
前記付勢部材は、コイルばねであって、
前記シリンダブロックには、前記ボア形成面において複数のばね収容孔が開口しており、
前記複数のばね収容孔には、前記コイルばねが夫々挿入され、
前記押付け部材には、前記ばね収容孔の各々に対応する位置にばね挿通孔が夫々形成され、
前記コイルばねの各々は、前記ばね挿通孔を夫々貫通して前記ブッシュに当接している、請求項5に記載の液圧回転機械。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ケーシングに軸支される軸部材にシリンダブロックが相対回転不能に結合される液圧回転機械に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
液圧回転機械の一例として、例えば特許文献1の液圧ポンプが知られている。液圧ポンプでは、ケーシングに軸支される軸部材がシリンダブロックに相対回転不能に結合されている。他方、軸部材は、シリンダブロックと一体的に回転することによって撓む。軸部材の撓みに対してシリンダブロックが追従しないようにするために、シリンダブロックは軸部材にスプライン結合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平3-85381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の液圧ポンプでは、ピストンに作用する圧力及び遠心力等によってシリンダブロックに転倒モーメントが作用することによって軸部材が撓む。そして、軸部材が撓んだ状態で回転することによってシリンダブロックが振れ回る。ピストンに作用する圧力及び遠心力が大きくなると、シリンダブロックの振れ回りが大きくなる。そうすると、シリンダブロックが弁板から乖離する。これにより、作動液の漏れが大きくなるので、吐出効率が低下する。
【0005】
そこで本開示は、シリンダブロックが弁板から乖離することを抑制することができる液圧回転機械を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の液圧回転機械は、作動液が導かれる流入路と、作動液が流出する流出路とが形成されているケーシングと、所定の回転軸線まわりに回転可能に前記ケーシングに軸支されている軸部材と、前記軸部材が相対回転不能に挿通され、軸線方向一端側にあるボア形成面において複数のシリンダボアが開口し、且つ軸線方向他端にシリンダポートが開口するシリンダブロックと、前記シリンダブロックの軸線方向他端が摺動するように前記ケーシングに固定され、前記流入路に繋がる流入側ポートと前記流出路に繋がる流出側ポートとが形成されている弁板と、ケーシング内に配置され、前記軸部材に対して傾斜し且つ前記シリンダブロックの一端面に対向する摺動面を有する斜板と、前記摺動面上にシューを介して配置され且つ前記シリンダブロックの各々に挿入され、前記摺動面上を回転軸線まわりに回転することによって前記シリンダボアを往復運動する複数のピストンと、前記シューを前記斜板に押え付ける押え板と、前記シリンダブロックの軸線方向一方側に配置され、付勢部材の付勢力を受けて前記押え板を前記斜板に向かって押付けるブッシュと、前記ボア形成面と前記ブッシュとの間に介在し、前記シリンダブロックと連動して回転することによって受ける遠心力に応じた押付力で前記シリンダブロックを前記弁板に向かって押付ける押付け部材とを備える。
【0007】
本開示の液圧回転機械に従えば、押付け部材は、シリンダブロックの一端面とブッシュとの間に介在する。そして、押付け部材は、シリンダブロックと連動して回転することによって受ける遠心力に応じた押付力でシリンダブロックを弁板に向かって押付ける。それ故、シリンダブロックの回転速度に応じた荷重でシリンダブロックを弁板に押付けることができる。これにより、シリンダブロックの回転速度が大きくなってもシリンダブロックが弁板から引き離されることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の液圧回転機械によれば、シリンダブロックが弁板から乖離することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の実施形態に係る液圧回転機械を示す断面図である。
図1の液圧回転機械の領域Xを拡大して示す拡大断面図である。
図1の液圧回転機械の遠心力板を示す左側面図である。
図3の遠心力板を切断線VI-VIで切断して示す断面図である。
図1の液圧回転機械の遠心力板の動きを示す拡大断面図である。
本開示の他の実施形態に係る液圧回転機械の遠心力板を示す左側面図である。
本開示の他の実施形態に係る液圧回転機械の遠心力板を示す左側面図である。
本開示の更に他の実施形態に係る液圧回転機械の領域Xに対応する部分を拡大して示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係る実施形態の液圧回転機械1について前述する図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、説明する上で便宜上使用するものであって、発明の構成の向き等をその方向に限定するものではない。また、以下に説明する液圧回転機械1は、本開示の一実施形態に過ぎない。従って、本開示は実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除、変更が可能である。
(【0011】以降は省略されています)

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