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公開番号2024151748
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2023065392
出願日2023-04-13
発明の名称電力変換器
出願人三菱電機株式会社
代理人弁理士法人ぱるも特許事務所
主分類H02M 3/28 20060101AFI20241018BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】追加部品によるコスト増加を抑制しつつ、基板上の主回路パターンを削減して、小型化及び低コスト化した電力変換器を得ること。
【解決手段】電源端子部を有した基板と、電源端子部に接続されたパワーモジュールと、パワーモジュールを制御する制御回路と、巻線を有し、パワーモジュールと並べて配置されたトランスとを備え、パワーモジュールは、電源端子部に接続された入力端子、巻線に接続された出力端子、及び制御回路に接続された制御端子を有し、電源端子部と入力端子とは基板を介して接続され、制御回路と制御端子とは基板を介して接続され、巻線と出力端子とは基板を介さずに接続され、巻線は、巻回部と、出力端子に接続された引き出し部と、を有し、引き出し部におけるトランスの巻回部を収めた本体部から出力端子と引き出し部との接続部までの長さは、出力端子におけるパワーモジュールの本体部から接続部までの長さよりも長い。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
外部電源と電気的に接続される電源端子部を有した基板と、
複数のスイッチング素子を有し、前記電源端子部に接続されたパワーモジュールと、
前記基板に設けられ、前記パワーモジュールを制御する制御回路と、
前記パワーモジュールに接続された巻線を有し、前記パワーモジュールと並べて配置されたトランスと、を備え、
前記パワーモジュールは、前記電源端子部と電気的に接続された入力端子、前記巻線と電気的に接続された出力端子、及び前記制御回路と電気的に接続された制御端子を有し、前記電源端子部と前記入力端子とは前記基板を介して接続され、前記制御回路と前記制御端子とは前記基板を介して接続され、前記巻線と前記出力端子とは前記基板を介さずに接続され、
前記巻線は、巻回部と、前記巻回部から前記出力端子の方向に延出し、前記出力端子に接続された引き出し部と、を有し、
前記引き出し部における前記トランスの前記巻回部を収めた本体部から前記出力端子と前記引き出し部との接続部までの長さは、前記出力端子における前記パワーモジュールの本体部から前記接続部までの長さよりも長い電力変換器。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記複数のスイッチング素子は、第1のスイッチング素子及び第2のスイッチング素子を有し、
前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とは直列に接続され、
前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とを接続した第1接続部は、前記出力端子である第1の出力端子と電気的に接続されている請求項1に記載の電力変換器。
【請求項3】
前記複数のスイッチング素子は、第3のスイッチング素子及び第4のスイッチング素子を有し、
前記第3のスイッチング素子と前記第4のスイッチング素子とは直列に接続され、
前記第3のスイッチング素子と前記第4のスイッチング素子とを接続した第2接続部は、前記出力端子である第2の出力端子と電気的に接続され、
前記第1の出力端子と前記第2の出力端子とは隣接して配置されている請求項2に記載の電力変換器。
【請求項4】
前記パワーモジュールは、前記基板の基板面とは隙間を空けて配置され、
前記基板面に垂直で前記パワーモジュールから前記基板に向かう方向をZ方向とし、
前記入力端子は、前記Z方向に延出して、前記基板に接続されている請求項1に記載の電力変換器。
【請求項5】
前記パワーモジュールは、前記基板の基板面とは隙間を空けて配置され、
前記基板面に垂直で前記パワーモジュールから前記基板に向かう方向をZ方向とし、
前記引き出し部は、前記Z方向に折り曲げられた部分である折り曲げ部を少なくとも1つ有している請求項1に記載の電力変換器。
【請求項6】
前記パワーモジュールは、前記基板の基板面とは隙間を空けて配置され、
前記基板面に垂直で前記パワーモジュールから前記基板に向かう方向をZ方向とし、
前記引き出し部は、前記出力端子の側に、前記Z方向に折り曲げられて前記Z方向に延出した部分である折り曲げ端部を有し、
前記出力端子は、前記引き出し部の側に、前記Z方向に折り曲げられて前記Z方向に延出した部分である出力折り曲げ端部を有し、
前記折り曲げ端部と前記出力折り曲げ端部とが電気的に接続され、前記接続部が形成されている請求項1に記載の電力変換器。
【請求項7】
前記引き出し部は、前記トランスの本体部から突出した後、前記Z方向又は前記Z方向とは反対方向に折り曲げられた前記折り曲げ部を有し、
前記引き出し部は、前記折り曲げ部から前記Z方向又は前記Z方向とは反対方向に延出した後、さらに折り曲げられて前記接続部の方向に延出している請求項5に記載の電力変換器。
【請求項8】
前記パワーモジュールは、第一面、前記第一面とは反対側の第二面、及び前記第一面と前記第二面とを取り囲む4つの面である、第三面、第四面、第五面、第六面を有する直方体状に形成され、
前記出力端子は、対向して配置された前記第三面及び前記第四面の一方に配置され、
前記引き出し部の少なくとも一部は、前記出力端子が配置された前記第三面又は前記第四面の方向に斜めに延出した部分を有している請求項1に記載の電力変換器。
【請求項9】
前記パワーモジュールは、第一面、前記第一面とは反対側の第二面、及び前記第一面と前記第二面とを取り囲む4つの面である、第三面、第四面、第五面、第六面を有する直方体状に形成され、
前記入力端子は、対向して配置された前記第三面及び前記第四面の一方に配置され、
前記出力端子は、対向して配置された前記第三面及び前記第四面の他方に配置され、
前記トランスは、前記出力端子が配置された面の側に配置されている請求項1に記載の電力変換器。
【請求項10】
前記パワーモジュールを冷却する冷却器を備え、
前記パワーモジュールは、前記冷却器が有した冷却面に熱的に接続され、
前記基板の基板面は、前記パワーモジュールの前記冷却器の側とは反対側に、前記パワーモジュールとは隙間を空けて配置され、
前記接続部は、前記基板と前記冷却器との間の領域に配置されている請求項1に記載の電力変換器。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願は、電力変換器に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
電気自動車又はハイブリッド自動車のように、駆動源にモータが用いられている電動化車両には、一般的に、複数の電力変換器が搭載されている。電力変換器としては、商用の交流電源から直流電源に変換して高圧バッテリに充電する車載充電器、高圧バッテリの直流電源を低圧の直流に変換して、車内の12V系の補機類に電力供給する降圧コンバータ、バッテリからの直流電力をモータへの交流電力に変換するインバータ等が挙げられる。近年、電動化車両の普及及び車室空間拡大のため、これらの電力変換器の小型化及び低コスト化が求められており、電力変換器に搭載されるスイッチング素子のパワーモジュール化が進められている。
【0003】
複数のスイッチング素子を1つのパワーモジュールにすることで、電力変換器の小型化及びスイッチング素子の冷却性能の向上を実現することができる。パワーモジュールは、スイッチング素子の駆動を制御するための制御信号が入力される制御端子、及び主回路電流が流れるパワー端子を有している。これらの端子は基板に接続され、基板に設けた配線パターンを介して他の電気部品に接続される。特に、車載充電器又は降圧コンバータの1次側の回路等に用いられる、主回路電流が十数A程度のパワーモジュールでは、端子は基板に接続され、基板上の配線パターンによって他の電気部品に接続されることが一般的である。
【0004】
ただし、パワー端子に流れる主回路電流は、制御回路を流れる電流に対して非常に大きいため、主回路電流が流れるパターンの損失及び温度上昇が問題となることがある。さらに、高周波で電位変動するパターン、例えば、トランスに接続されるようなパターンは、パターンのDC抵抗以外でも損失が発生するため、特にパターンにおける損失及び温度上昇が問題となる。具体的には、トランスに接続されるパターンを基板の層間に重ねて配置した場合、パターンの重なりによって生じる寄生容量の充放電による損失が発生する。また、トランスに接続されるパターンを平行に配置した場合、近接効果により高周波抵抗が増加するため、パターンの損失が増加してしまう。
【0005】
これらのパターンに起因した損失を抑制するためには、パターンのインピーダンスを低減する必要がある。その手段としては、パターン幅を大きくするか、パターンの厚みを厚くするかである。パターン幅を大きくする場合、基板の面積が拡大するので、基板のコストが増加することになる。パターンの厚みを厚くする場合、基板のパターンが厚銅化、又は基板の層数が増加するので、基板のコストが増加することになる。
【0006】
パワーモジュールのパワー端子と接続先の電気部品とを接続するために、配線部材を追加し、基板上の主回路パターンを削減した電力変換装置が開示されている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、パワーモジュールのパワー端子と電気部品であるトランスの端子との接続を、配線部材であるバスバーを追加して行っている。パワー端子とトランスの端子との接続は、元々基板上のパターンによってなされていたため、バスバーを追加することで、元々配置されていた基板上の接続パターンが削除可能になるので、基板の小型化を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第6373454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1においては、基板上の接続パターンが削除可能なので、基板を小型化することができる。しかしながら、上記の特許文献1の構成では、基板上のパターンを削除するために配線部材であるバスバーを追加しているため、コストが大きく増加するという課題があった。また、バスバーを設けたことで、接続の配線自体のパターンは基板上から取り除かれているものの、パワー端子及びトランスの端子は基板に接続されているため、パワー端子及びトランスの端子の周辺には絶縁距離が必要になるので、その他の主回路部品及び制御回路をパワー端子及びトランスの端子の周辺には配置することができない。そのため、絶縁距離を確保して主回路部品及び制御回路を配置するので、基板が大型化するという課題があった。
【0009】
そこで、本願は、追加部品によるコスト増加を抑制しつつ、基板上の主回路パターンを削減して、小型化及び低コスト化した電力変換器を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願に開示される電力変換器は、外部電源と電気的に接続される電源端子部を有した基板と、複数のスイッチング素子を有し、電源端子部に接続されたパワーモジュールと、基板に設けられ、パワーモジュールを制御する制御回路と、パワーモジュールに接続された巻線を有し、パワーモジュールと並べて配置されたトランスと、を備え、パワーモジュールは、電源端子部と電気的に接続された入力端子、巻線と電気的に接続された出力端子、及び制御回路と電気的に接続された制御端子を有し、電源端子部と入力端子とは基板を介して接続され、制御回路と制御端子とは基板を介して接続され、巻線と出力端子とは基板を介さずに接続され、巻線は、巻回部と、巻回部から出力端子の方向に延出し、出力端子に接続された引き出し部と、を有し、引き出し部におけるトランスの巻回部を収めた本体部から出力端子と引き出し部との接続部までの長さは、出力端子におけるパワーモジュールの本体部から接続部までの長さよりも長いものである。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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