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公開番号
2024151588
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-25
出願番号
2023065050
出願日
2023-04-12
発明の名称
ヨウ素の製造方法
出願人
伊勢化学工業株式会社
,
国立大学法人千葉大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C25B
1/24 20210101AFI20241018BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】
電解中のヨウ素の析出による不具合を生じることなく、ヨウ素を製造することができる方法を提供すること。
【解決手段】
ヨウ素の製造方法であって、有機ヨウ素化合物を含む水溶液である被処理液が収容された還元槽において、前記有機ヨウ素化合物を還元することにより脱ヨウ素化する第一工程と、ハロゲン化物イオンを含む水溶液である回収液が収容された酸化槽において、酸化反応に伴って生じたヨウ素を含有するポリハロゲン化物イオンを含む水溶液を回収する第二工程と、を備える、製造方法。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
ヨウ素の製造方法であって、
有機ヨウ素化合物を含む水溶液である被処理液が収容された還元槽において、前記有機ヨウ素化合物を電解反応により還元することによって脱ヨウ素化する第一工程と、
ハロゲン化物イオンを含む水溶液である回収液が収容された酸化槽において、電解による酸化反応によってヨウ素を生じさせ、生じたヨウ素を当該ヨウ素と前記ハロゲン化物イオンとが結合したポリハロゲン化物イオンを含む水溶液として回収する第二工程と、を備える、製造方法。
続きを表示(約 970 文字)
【請求項2】
前記第二工程において回収された前記ポリハロゲン化物イオンを含む水溶液からヨウ素を生じさせる第三工程、を更に備える、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記第三工程が、ヨウ素気化吸収法、イオン交換樹脂吸着法、及び固液分離法から選択される少なくとも一つ以上により行われる、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記有機ヨウ素化合物が、芳香族ヨウ素化合物を含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項5】
前記芳香族ヨウ素化合物が、非イオン性トリヨウ素化モノマー化合物及び非イオン性トリヨウ素化ダイマー化合物から選択される、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記芳香族ヨウ素化合物が、互いにメタ位の位置関係に結合した2つ以上のヨウ素原子を有するベンゼン環1つ以上含む化合物である、請求項4に記載の製造方法。
【請求項7】
前記還元槽及び酸化槽にそれぞれ貯槽が接続されている、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項8】
前記ハロゲン化物イオンがヨウ化物イオンを含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項9】
前記第一工程及び前記第二工程において、前記被処理液に存在する有機物と共有結合したヨウ素原子の総モル量の50%よりも、前記還元槽内の前記被処理液、及び酸化槽内の回収液に含まれるハロゲン化物イオンの総モル量のほうが大きい、
ただし前記還元槽に貯槽が接続されている場合は前記貯槽内の水溶液に含まれるハロゲン化物イオンも前記総モル量に含め、前記酸化槽に貯槽が接続されている場合は前記貯槽内の前記水溶液に含まれるハロゲン化物イオンも前記総モル量に含める、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項10】
前記第二工程において、前記回収液における前記ハロゲン化物イオンの濃度を監視し、前記回収液における前記ハロゲン化物イオンの濃度が所定の下限値を下回った際に前記ハロゲン化物イオンを前記回収液に添加し、回収液における前記ハロゲン化物イオンの濃度が前記下限値を上回るよう調整し運転を行う、請求項1又は2に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヨウ素の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
ヨウ素は日本が世界二位の生産量を誇り、元素資源として世界中で利用されている(例えば、特許文献1~5、非特許文献1~3)。主な用途はX線造影剤、触媒、殺菌・防カビ剤、偏光フィルム等であり、今後も使用量が増加すると予想される。特に、X線造影剤、有機ヨウ素触媒、フッ素樹脂等の中間体に有機ヨウ素化合物が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平6-157006
特開2020-522456
中国特許第103508421号明細書
特開平1-294503
特開2001-293472
【非特許文献】
【0004】
GEヘルスケアファーマ株式会社:オムニパーク(登録商標)180注10mL、オムニパーク(登録商標)240注10mL、オムニパーク(登録商標)300注10mL,インタビューフォム
G. D. Moro, et al., “Iodinated contrastmedia electro-degradation: Process performance and degradation pathways”, Science of The Total Environment, 2015, 506-507, pp.631-643. DOI[10.1016/j.scitotenv.2014.10.115]
C. Zwiener, et al., “Electrochemicalreduction of the iodinated contrast medium iomeprol: iodine mass balance andidentification of transformation products”, Analyticaland Bioanalytical Chemistry, 2009, 395(6), pp.1885-1892. DOI[10.1007/s00216-009-3098-9]
Christopher A. Paddon, et al., “Electrocatalytic reduction of alkyliodides in tetrahydrofuran at silver electrodes”, Journal of Physical OrganicChemistry, 2007, 20(2), pp.115-121. DOI[10.1002/poc.1133]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、有機ヨウ素化合物の中で代表的な化合物であるヨウ素系造影剤は、X線を吸収する特性から、放射線透過性の組織間の境界を描出するのに役立っている。有機ヨウ素化合物の用途の20%を超える造影剤に関して、資源枯渇抑制や経済的な理由から、効率よくヨウ素を分離製造するリサイクル技術の確立が急務とされている。
【0006】
ヨウ素系造影剤の化学構造は、ベンゼン環等の芳香族有機化合物に複数のヨウ素原子が共有結合した芳香族ヨウ素化合物を基本構造として持つ。芳香族ヨウ素化合物は造影剤のみでなく、医薬品、農薬、工業品の原料、中間体、製品等に至るまで様々な化合物がいたるところで用いられている。これらの芳香族ヨウ素化合物から結合した有機ヨウ素を回収するには、芳香環から適切に有機ヨウ素を脱ヨウ素化し、反応残渣である有機物や夾雑物と分離精製する必要がある。
【0007】
有機ヨウ素化合物において、炭素-炭素の結合エネルギーに対して、ヨウ素-炭素の結合エネルギーが低いため、優先的にヨウ素-炭素結合が切断されることが知られている。一方で、芳香族ヨウ素化合物は、脂肪族ヨウ素化合物と比較して、化学的に求核置換を受けにくい。そのため、芳香族ヨウ素化合物はS
N
反応によって脱ヨウ素反応が起こりにくく、脱ヨウ素反応において副反応が起こる等で反応効率が悪い。
【0008】
芳香族ヨウ素化合物からヨウ素を優先的に脱離する技術として、酸又はアルカリによる溶液反応の技術が知られている(特許文献1、2、3、及び非特許文献1)。しかしながら、これらの公知文献に記載の回収方法では、薬液、触媒、加温などの多くの準備や操作が必要であり、回収費用に見合うヨウ素の回収方法とはいえなかった。また、複数のヨウ素原子が結合した芳香族ヨウ素化合物において、一部のヨウ素原子が脱離せず、回収が出来ずにヨウ素原子が失われる。更に、設備運転中に蒸気圧の低いヨウ化水素酸の気化による作業環境上の危険が伴う。
【0009】
電解法は、穏和な環境下でも有機物からのハロゲン部位の選択還元性に優れ、有機物からの選択的な脱ヨウ素技術などの目的で一般的に知られている。ヨウ素系造影剤等に電解法を用いて還元することで、有機物の骨格に影響せず、ヨウ素原子を優先的かつ選択的に脱離できることが知られている(特許文献4、非特許文献2、3及び4)。
【0010】
しかし、これらの電解法を用いると還元槽で脱離したヨウ化物イオンがアノードに移動し、アノード酸化を起こすことで分子状のヨウ素が生じる。反応が進むことでヨウ素の溶解度を超えて固体状態のヨウ素結晶が析出してしまうという問題がある。ヨウ素の結晶は電極上に析出するため電気抵抗になる、電解装置の通液部分を閉塞する、処理液を排出する配管に目詰まりを起こす原因となるなど、多くの問題を誘発する。そのため、難溶解性であるヨウ素の溶解度を超えない濃度範囲での実施しかできず、実用に向いていなかった。
(【0011】以降は省略されています)
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