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公開番号
2024151464
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-25
出願番号
2023064810
出願日
2023-04-12
発明の名称
分離膜およびその製造方法
出願人
国立大学法人広島大学
,
信越化学工業株式会社
代理人
弁理士法人英明国際特許事務所
主分類
B01D
71/70 20060101AFI20241018BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】高い二酸化炭素透過性および気体選択性を実現できる分離膜を提供すること。
【解決手段】(A)イソシアヌル酸骨格およびシロキサン結合を有するポリマーと(B)金属イオンとを含み、アモルファス構造を有する分離層を備える分離膜である。前記(A)成分が、トリス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]イソシアヌレートを含む前駆体を重合させてなるポリマーであることが好ましく、前記(B)成分における金属が、ニッケル、銅、銀、コバルトおよび亜鉛から選択される1種以上であることが好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)イソシアヌル酸骨格およびシロキサン結合を有するポリマーと(B)金属イオンとを含み、アモルファス構造を有する分離層を備える分離膜。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記(A)成分が、下記一般式(1)で表される化合物を含む前駆体を重合させてなるポリマーである請求項1記載の分離膜。
TIFF
2024151464000008.tif
48
60
(式中、Xは、それぞれ独立に、下記式(2)で表される基または炭素数1~8の一価炭化水素基であり、Xのうち少なくとも1つは下記式(2)で表される基である。)
TIFF
2024151464000009.tif
21
59
(式中、R
1
は、炭素数1~8のアルキレン基であり、R
2
は、それぞれ独立に、炭素数1~8の一価炭化水素基であり、R
3
は、水素原子または炭素数1~4のアルキル基であり、nは、1~3の整数である。波線を付した線は、結合手を表す。)
【請求項3】
前記(A)成分が、トリス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]イソシアヌレートを含む前駆体を重合させてなるポリマーである請求項2記載の分離膜。
【請求項4】
前記(B)成分における金属が、ニッケル、銅、銀、コバルトおよび亜鉛から選択される1種以上である請求項1~3のいずれか1項記載の分離膜。
【請求項5】
(I)(A)イソシアヌル酸骨格およびシロキサン結合を有するポリマーと(B)金属イオンとを含む金属ドープポリマーゾルを調製する金属ドープポリマーゾル調製工程と、
(II)前記金属ドープポリマーゾルを多孔質支持体上に直接または中間層を介して塗布する塗布工程と、
(III)前記塗布工程で塗布された前記金属ドープポリマーゾルを焼成してアモルファス構造を有する分離層を形成する焼成工程と
を含む分離膜の製造方法。
【請求項6】
前記金属ドープポリマーゾル調製工程が、前記(A)ポリマーのゾルと、前記(B)金属イオンの供給源となる金属塩とを混合することにより行われる請求項5記載の分離膜の製造方法。
【請求項7】
前記(A)成分が、下記一般式(1)で表される化合物を含む前駆体を重合させてなるポリマーである請求項5記載の分離膜の製造方法。
TIFF
2024151464000010.tif
48
60
(式中、Xは、それぞれ独立に、下記式(2)で表される基または炭素数1~8の一価炭化水素基であり、Xのうち少なくとも1つは下記式(2)で表される基である。)
TIFF
2024151464000011.tif
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59
(式中、R
1
は、炭素数1~8のアルキレン基であり、R
2
は、それぞれ独立に炭素数1~8の一価炭化水素基であり、R
3
は、水素原子または炭素数1~4のアルキル基であり、nは、1~3の整数である。)
【請求項8】
前記(A)成分が、トリス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]イソシアヌレートを含む前駆体を重合させてなるポリマーである請求項7記載の分離膜の製造方法。
【請求項9】
前記(B)成分における金属が、ニッケル、銅、銀、コバルトおよび亜鉛から選択される1種以上である請求項5~8のいずれか1項記載の分離膜の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、分離膜およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
多孔質分離膜を用いた分離法は、濾過、蒸発、結晶化、溶媒抽出、蒸留等の分離法に比べ、安価で、高い分離能を有する。多孔質分離膜は、分子ふるいによって目的の物質を分離する。
【0003】
ケイ素系材料は、機械強度、耐熱性、化学的安定性に優れており、多孔質無機分離膜の材料として用いられる。しかし、ケイ素系材料を分離膜の材料として用いた場合、高温水蒸気下において細孔の緻密化が起こり、分離膜の透過性が低下する。この緻密化を低減させるため、ケイ素系材料に金属イオンをドープした分離層を備える分離膜が開発されている(特許文献1)。
【0004】
また、ケイ素系材料を用いた二酸化炭素(CO
2
)の回収および貯留技術に関して、ウレア基およびアルコキシシリル基を有する化合物を含む前駆体を重合させたポリマーを用いた分離層を備える分離膜や、アミノ基およびアルコキシシリル基を有する化合物を含む前駆体を重合させたポリマーを用いた分離層を備える分離膜が知られている(特許文献2、3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-151708号公報
特開2021-186712号公報
特開2022-21175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、金属イオンをドープすることにより、分離層中に細孔が形成される。しかし、形成される細孔のサイズは小さく、比較的大きな分子である二酸化炭素の透過性は低い。さらに、分離層中に均一な細孔を形成し、気体選択性を向上させることは困難である。
また、特許文献2、3のように、従来のアミノ基やウレア基を有する有機ケイ素化合物を用いた分離膜では、十分な二酸化炭素透過性およびCO
2
/N
2
選択性を実現することは困難であった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、高い二酸化炭素透過性および気体選択性を実現できる分離膜を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、イソシアヌル酸骨格およびシロキサン結合を有するポリマーと金属イオンとを含む分離層を備える分離膜が、高い二酸化炭素透過性およびCO
2
/N
2
選択性を示すことを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は、
1. (A)イソシアヌル酸骨格およびシロキサン結合を有するポリマーと(B)金属イオンとを含み、アモルファス構造を有する分離層を備える分離膜、
2. 前記(A)成分が、下記一般式(1)で表される化合物を含む前駆体を重合させてなるポリマーである1記載の分離膜、
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2024151464000001.tif
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(式中、Xは、それぞれ独立に、下記式(2)で表される基または炭素数1~8の一価炭化水素基であり、Xのうち少なくとも1つは下記式(2)で表される基である。)
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2024151464000002.tif
21
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(式中、R
1
は、炭素数1~8のアルキレン基であり、R
2
は、それぞれ独立に、炭素数1~8の一価炭化水素基であり、R
3
は、水素原子または炭素数1~4のアルキル基であり、nは、1~3の整数である。波線を付した線は、結合手を表す。)
3. 前記(A)成分が、トリス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]イソシアヌレートを含む前駆体を重合させてなるポリマーである2記載の分離膜、
4. 前記(B)成分における金属が、ニッケル、銅、銀、コバルトおよび亜鉛から選択される1種以上である1~3のいずれかに記載の分離膜、
5. (I)(A)イソシアヌル酸骨格およびシロキサン結合を有するポリマーと(B)金属イオンとを含む金属ドープポリマーゾルを調製する金属ドープポリマーゾル調製工程と、
(II)前記金属ドープポリマーゾルを多孔質支持体上に直接または中間層を介して塗布する塗布工程と、
(III)前記塗布工程で塗布された前記金属ドープポリマーゾルを焼成してアモルファス構造を有する分離層を形成する焼成工程と
を含む分離膜の製造方法、
6. 前記金属ドープポリマーゾル調製工程が、前記(A)ポリマーのゾルと、前記(B)金属イオンの供給源となる金属塩とを混合することにより行われる5記載の分離膜の製造方法、
7. 前記(A)成分が、下記一般式(1)で表される化合物を含む前駆体を重合させてなるポリマーである5記載の分離膜の製造方法、
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2024151464000003.tif
48
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(式中、Xは、それぞれ独立に、下記式(2)で表される基または炭素数1~8の一価炭化水素基であり、Xのうち少なくとも1つは下記式(2)で表される基である。)
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2024151464000004.tif
21
59
(式中、R
1
は、炭素数1~8のアルキレン基であり、R
2
は、それぞれ独立に炭素数1~8の一価炭化水素基であり、R
3
は、水素原子または炭素数1~4のアルキル基であり、nは、1~3の整数である。)
8. 前記(A)成分が、トリス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]イソシアヌレートを含む前駆体を重合させてなるポリマーである7記載の分離膜の製造方法、
9. 前記(B)成分における金属が、ニッケル、銅、銀、コバルトおよび亜鉛から選択される1種以上である5~8のいずれかに記載の分離膜の製造方法
を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の分離膜は、二酸化炭素透過性および気体選択性に優れることから、混合気体および混合有機溶媒からの二酸化炭素の分離、回収および貯留プロセスにおいて有用である。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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