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公開番号2024151422
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2023064706
出願日2023-04-12
発明の名称ガスタービン制御装置、ガスタービン制御方法、及び、ガスタービン制御プログラム
出願人三菱重工業株式会社
代理人SSIP弁理士法人
主分類F02C 9/40 20060101AFI20241018BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】燃焼器に供給される燃料の混焼率を適切に制御することにより、フラッシュバックや燃焼振動の発生を防止する。
【解決手段】本願は、第1燃料と、燃焼速度が高い第2燃料とを混焼可能な燃焼器を備えるガスタービンを制御するためのガスタービン制御装置に関する。本装置は、第2燃料の混焼率を、予め設定された目標混焼率になるように制御する。混焼率が目標混焼率より大きく設定された第1基準値より大きいと判定された場合、混焼率が目標混焼率より低く設定された第2基準値より小さくなるように、第2燃料の燃料流量を制御する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
第1燃料と、前記第1燃料よりも燃焼速度が高い第2燃料とを混焼可能な燃焼器を備えるガスタービンを制御するためのガスタービン制御装置であって、
前記第2燃料の混焼率を取得するための混焼率取得部と、
前記混焼率を予め設定された目標混焼率になるように制御するための混焼率制御部と、
前記混焼率が、前記目標混焼率より大きく設定された第1基準値より大きいか否かを判定するための混焼率判定部と、
前記第2燃料の燃料流量を制御するための第2燃料流量制御部と、
を備え、
前記第2燃料流量制御部は、前記混焼率が前記第1基準値より大きいと判定された場合に、前記混焼率が前記目標混焼率より低く設定された第2基準値より小さくなるように、前記第2燃料の燃料流量を制御する、ガスタービン制御装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記第2燃料は、前記第1燃料より単位体積当たりの熱量が小さく、
前記ガスタービン制御装置は、
前記混焼率の減少レートの大きさが第3基準値より大きいか否かを判定するための減少レート判定部を更に備え、
前記第2燃料流量制御部は、前記減少レートの大きさが前記第3基準値より大きいと判定された場合に、前記混焼率が前記第2基準値より小さくなるように、前記第2燃料の燃料流量を制御する、請求項1に記載のガスタービン制御装置。
【請求項3】
前記第2燃料流量制御部は、前記混焼率を前記第2基準値より小さくする場合に、前記第2燃料の減少レートの大きさが前記第3基準値未満となるように前記第2燃料の燃料流量を制御する、請求項2に記載のガスタービン制御装置。
【請求項4】
前記混焼率の増加レートの大きさが第4基準値より大きいか否かを判定するための増加レート判定部を更に備え、
前記第2燃料流量制御部は、前記増加レートの大きさが前記第4基準値より大きいと判定された場合に、前記混焼率が前記第2基準値より小さくなるように、前記第2燃料の燃料流量を制御する、請求項1又は2に記載のガスタービン制御装置。
【請求項5】
前記ガスタービンは、
前記第1燃料を供給するための第1燃料供給ラインと、
前記第2燃料を供給するための第2燃料供給ラインと、
前記第1燃料供給ライン及び前記第2燃料供給ラインの合流点を前記燃焼器に接続する混合ラインと、
を備え、
前記混焼率は、前記第1燃料供給ラインにおける前記第1燃料の流量、及び、前記第2燃料供給ラインにおける前記第2燃料の流量に基づいて算出される、請求項1又は2に記載のガスタービン制御装置。
【請求項6】
前記第1燃料は天然ガスであり、
前記第2燃料は水素ガスである、請求項1又は2に記載のガスタービン制御装置。
【請求項7】
第1燃料と、前記第1燃料よりも燃焼速度が高い第2燃料とを混焼可能な燃焼器を備えるガスタービンを制御するためのガスタービン制御方法であって、
前記第2燃料の混焼率を取得する工程と、
前記混焼率を予め設定された目標混焼率になるように制御する工程と、
前記混焼率が、前記目標混焼率より大きく設定された第1基準値より大きいか否かを判定する工程と、
前記混焼率が前記第1基準値より大きいと判定された場合に、前記混焼率が前記目標混焼率より低く設定された第2基準値より小さくなるように、前記第2燃料の燃料流量を制御する工程と、
を備える、ガスタービン制御方法。
【請求項8】
第1燃料と、前記第1燃料よりも燃焼速度が高い第2燃料とを混焼可能な燃焼器を備えるガスタービンを制御するためのガスタービン制御プログラムであって、
コンピュータ装置に、
前記第2燃料の混焼率を取得する工程と、
前記混焼率を予め設定された目標混焼率になるように制御する工程と、
前記混焼率が、前記目標混焼率より大きく設定された第1基準値より大きいか否かを判定する工程と、
前記混焼率が前記第1基準値より大きいと判定された場合に、前記混焼率が前記目標混焼率より低く設定された第2基準値より小さくなるように、前記第2燃料の燃料流量を制御する工程と、
を実行させる、ガスタービン制御プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ガスタービン制御装置、ガスタービン制御方法、及び、ガスタービン制御プログラムに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
例えば火力発電プラントでは、発電機を駆動するためのタービンとして、燃料の燃焼によって生成された燃焼ガスで駆動されるガスタービンが用いられる。この種のガスタービンは、燃料を燃焼するための燃焼器を備えており、ガスタービンの運転状態に応じて、燃焼器に対する燃料の供給量が可変に制御される。例えば、特許文献1には、燃焼器に供給される燃料ガスの発熱量が急変したと判定された場合に、燃料ガスの流量を低減させることにより、タービンを非常停止することなく、運転を継続可能とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-240635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで近年の火力発電プラントでは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO

)の排出量を削減する手段として、発電効率の向上や化石燃料以外の水素などの燃料を積極的に利用することが検討されている。二酸化炭素の排出量を削減するためには、天然ガスのような第1燃料に対して、単位体積当たりの熱量が比較的低い第2燃料(水素)の混焼率を高めることが望ましい。しかし、水素は着火エネルギーが小さく、燃焼速度が速いため、水素の混焼率が過大になると、フラッシュバック(火炎の逆流)や高レベルの燃焼振動を生じる可能性が高まってしまう。一方、水素の混焼率が過小になった場合においても、燃焼器に供給される混合燃料の入熱量が過大となり、タービン入口温度がオーバーシュートすることにより、やはりフラッシュバックや高レベルの燃焼振動を生じる可能性が高まってしまう。
【0005】
本開示の少なくとも一実施形態は上述の事情に鑑みなされたものであり、燃焼器に供給される燃料の混焼率を適切に制御することにより、フラッシュバックや高レベルの燃焼振動の発生を好適に防止可能なガスタービン制御装置、ガスタービン制御方法、及び、ガスタービン改造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の少なくとも一実施形態に係るガスタービン制御装置は、上記課題を解決するために、
第1燃料と、前記第1燃料よりも燃焼速度が高い第2燃料とを混焼可能な燃焼器を備えるガスタービンを制御するためのガスタービン制御装置であって、
前記第2燃料の混焼率を取得するための混焼率取得部と、
前記混焼率を予め設定された目標混焼率になるように制御するための混焼率制御部と、
前記混焼率が、前記目標混焼率より大きく設定された第1基準値より大きいか否かを判定するための混焼率判定部と、
前記第2燃料の燃料流量を制御するための第2燃料流量制御部と、
を備え、
前記第2燃料流量制御部は、前記混焼率が前記第1基準値より大きいと判定された場合に、前記混焼率が前記目標混焼率より低く設定された第2基準値より小さくなるように、前記第2燃料の燃料流量を制御する。
【0007】
本開示の少なくとも一実施形態に係るガスタービン制御方法は、上記課題を解決するために、
第1燃料と、前記第1燃料よりも燃焼速度が高い第2燃料とを混焼可能な燃焼器を備えるガスタービンを制御するためのガスタービン制御方法であって、
前記第2燃料の混焼率を取得する工程と、
前記混焼率を予め設定された目標混焼率になるように制御する工程と、
前記混焼率が、前記目標混焼率より大きく設定された第1基準値より大きいか否かを判定する工程と、
前記混焼率が前記第1基準値より大きいと判定された場合に、前記混焼率が前記目標混焼率より低く設定された第2基準値より小さくなるように、前記第2燃料の燃料流量を制御する工程と、
を備える。
【0008】
本開示の少なくとも一実施形態に係るガスタービン制御プログラムは、上記課題を解決するために、
第1燃料と、前記第1燃料よりも燃焼速度が高い第2燃料とを混焼可能な燃焼器を備えるガスタービンを制御するためのガスタービン制御プログラムであって、
コンピュータ装置に、
前記第2燃料の混焼率を取得する工程と、
前記混焼率を予め設定された目標混焼率になるように制御する工程と、
前記混焼率が、前記目標混焼率より大きく設定された第1基準値より大きいか否かを判定する工程と、
前記混焼率が前記第1基準値より大きいと判定された場合に、前記混焼率が前記目標混焼率より低く設定された第2基準値より小さくなるように、前記第2燃料の燃料流量を制御する工程と、
を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、燃焼器に供給される燃料の混焼率を適切に制御することにより、フラッシュバックや高レベルの燃焼振動の発生を好適に防止可能なガスタービン制御装置、ガスタービン制御方法、及び、ガスタービン改造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
一実施形態に係るガスタービンの概略構成を示す図である。
一実施形態に係るガスタービン制御装置の機能的構成を示すブロック図である。
混焼率が第1基準値より大きくなった場合におけるガスタービンの負荷及び混焼率の時間的推移を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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