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公開番号
2024146347
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-15
出願番号
2023059188
出願日
2023-03-31
発明の名称
光ファイバセンサ用ケーブル及びその製造方法
出願人
宇部エクシモ株式会社
,
国立大学法人 東京大学
代理人
弁理士法人シエル国際特許事務所
主分類
G02B
6/44 20060101AFI20241004BHJP(光学)
要約
【課題】ねじれの発生を抑制し、精度良く3次元計測を行うことができる光ファイバセンサ用ケーブル及びその製造方法を提供する。
【解決手段】光ファイバ素線11の周囲に、熱硬化性樹脂を含浸させた長繊維束からなる繊維強化樹脂層12が設けられ、該繊維強化樹脂層を熱可塑性樹脂層13で被覆して構成された複数の線状体1を相互に離間させて配置し、各線状体1を熱可塑性樹脂からなる被覆層2で覆い、この被覆層2上に合成繊維を編組してなる編組層3を形成して光ファイバセンサ用ケーブルとする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
光ファイバ素線の周囲に、熱硬化性樹脂を含浸させた長繊維束からなる繊維強化樹脂層が設けられ、該繊維強化樹脂層を熱可塑性樹脂層で被覆して構成され、相互に離間して配置された複数の線状体と、
熱可塑性樹脂からなり、前記複数の線状体を覆う被覆層と、
前記被覆層上に形成され、合成繊維を編組して構成された編組層と、
を有する光ファイバセンサ用ケーブル。
続きを表示(約 760 文字)
【請求項2】
前記複数の線状体のうち、一の線状体はケーブル中心に配置されている請求項1に記載の光ファイバセンサ用ケーブル。
【請求項3】
3以上の線状体を備え、前記一の線状体以外の線状体は、前記一の線状体からの距離が等しく、かつ、隣り合う線状体同士の距離も等しくなるよう配置されている請求項2に記載の光ファイバセンサ用ケーブル。
【請求項4】
前記編組層は筒状の編組スリーブで構成されている請求項1に記載の光ファイバセンサ用ケーブル。
【請求項5】
光ファイバ素線の周囲に繊維強化樹脂層を形成した後、該繊維強化樹脂層を第1の熱可塑性樹脂層で被覆して線状体を得る工程と、
複数の前記線状体を相互に離間させて配置し、各線状体の周囲を第2の熱可塑性樹脂で被覆する被覆層形成工程と、
前記被覆層上に合成繊維を編組してなる編組層を形成する工程と
を有する光ファイバセンサ用ケーブルの製造方法。
【請求項6】
前記線状体のうち、一の線状体をケーブル中心に配置する請求項5に記載の光ファイバセンサ用ケーブルの製造方法。
【請求項7】
3本以上の線状体を用い、前記一の線状体以外の線状体を、前記一の線状体からの距離が等しく、かつ、隣り合う線状体同士の距離も等しくなるよう配置する請求項6に記載の光ファイバセンサ用ケーブルの製造方法。
【請求項8】
筒状の編組スリーブを用いて前記編組層を形成する請求項5に記載の光ファイバセンサ用ケーブルの製造方法。
【請求項9】
前記被覆層形成工程は、複数の前記線状体を前記第2の熱可塑性樹脂と共に押出成形する請求項5に記載の光ファイバセンサ用ケーブルの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象物に設置されてその状態変化の検出に用いられる光ファイバセンサ用ケーブル及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
土木・建築分野において構造物や地盤などに生じる歪みを検出する方法の1つとして、測定対象物に光ファイバケーブルを設置し、光ファイバ内を伝搬する光の変調を確認する光ファイバセンシングシステムがある。一般に、この用途に用いられる光ファイバケーブルは、施工時の折れなどを防いで取り扱い性を確保するため、光ファイバ素線を繊維強化樹脂などで被覆することで強度向上が図られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、光ファイバセンサの適用範囲を広げるため、繊維強化樹脂層を構成する熱硬化性樹脂が未硬化又は半硬化の状態の光ファイバケーブル用線状体を、任意形状に変形して成形した後、加熱して熱硬化性樹脂を硬化させた繊維強化光ファイバケーブルも提案されている(特許文献2参照)。この繊維強化光ファイバケーブルは、光ファイバ素線に大きな負荷をかけることなく測定対象物や測定方法に合わせた形状にすることができるため、伝送損失の低下や光ファイバの破損を防止して高精度の測定が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平11-60286号公報
特開2019-211642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、光ファイバセンサ用ケーブルは、ケーブル中心に光ファイバ素線が配置されているが、3次元計測に用いられる光ファイバセンサでは、曲率の小さな変形を感知するため、ケーブル中心だけでなく、その周囲にも複数の光ファイバ素線を配置する必要がある。しかしながら、複数の光ファイバ素線が相互に間隔を空けて配置された光ファイバセンサ用ケーブルは、製造時、巻取り時及び使用時などにねじれが生じ、3次元計測における精度が低下しやすいという課題がある。
【0006】
そこで、本発明は、ねじれの発生を抑制し、精度良く3次元計測を行うことができる光ファイバセンサ用ケーブル及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る光ファイバセンサ用ケーブルは、光ファイバ素線の周囲に、熱硬化性樹脂を含浸させた長繊維束からなる繊維強化樹脂層が設けられ、該繊維強化樹脂層を熱可塑性樹脂層で被覆して構成され、相互に離間して配置された複数の線状体と、熱可塑性樹脂からなり、前記複数の線状体を覆う被覆層と、前記被覆層上に形成され、合成繊維を編組して構成された編組層とを有する。
本発明の光ファイバセンサ用ケーブルは、前記複数の線状体のうち、一の線状体はケーブル中心に配置されていてもよい。
例えば、3以上の線状体を備える場合は、前記一の線状体以外の線状体を、前記一の線状体からの距離が等しく、かつ、隣り合う線状体同士の距離も等しくなるよう配置することもできる。
本発明の光ファイバセンサ用ケーブルは、前記編組層が筒状の編組スリーブで構成されていてもよい。
【0008】
本発明に係る光ファイバセンサ用ケーブルの製造方法は、光ファイバ素線の周囲に繊維強化樹脂層を形成した後、該繊維強化樹脂層を第1の熱可塑性樹脂層で被覆して線状体を得る工程と、複数の前記線状体を相互に離間させて配置し、各線状体の周囲を第2の熱可塑性樹脂で被覆する被覆層形成工程と、前記被覆層上に合成繊維を編組してなる編組層を形成する工程とを有する。
本発明の光ファイバセンサ用ケーブルの製造方法では、前記線状体のうち、一の線状体をケーブル中心に配置してもよい。
その場合、3本以上の線状体を用い、前記一の線状体以外の線状体を、前記一の線状体からの距離が等しく、かつ、隣り合う線状体同士の距離も等しくなるよう配置することもできる。
本発明の光ファイバセンサ用ケーブルの製造方法では、筒状の編組スリーブを用いて前記編組層を形成してもよい。
本発明の光ファイバセンサ用ケーブルの製造方法では、前記被覆層形成工程において、複数の前記線状体を前記第2の熱可塑性樹脂と共に押出成形してもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ねじれの発生が抑制され、精度良く3次元計測を行うことが可能な光ファイバセンサ用ケーブルを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態の光ファイバケーブルの構造例を示す横断面図である。
本発明の実施形態の光ファイバケーブルの他の構造例を示す横断面図である。
図1に示す線状体1の構造例を示す横断面図である。
本発明の実施形態の光ファイバケーブルの製造工程を示すフローチャートである。
比較例1の光ファイバケーブルの構造を示す横断面図である。
比較例2の光ファイバケーブルの構造を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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