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公開番号2024146316
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023059132
出願日2023-03-31
発明の名称偏光膜、偏光板、および、偏光膜の製造方法
出願人日東電工株式会社
代理人弁理士法人籾井特許事務所
主分類G02B 5/30 20060101AFI20241004BHJP(光学)
要約【課題】非偏光部の復色を抑制し得、非偏光部の優れた光透過性を維持し得る偏光膜、および、偏光膜の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態による偏光膜は、非偏光部を有する偏光膜である。該偏光膜は、二色性有機色素と、樹脂材料とを含んでいる。波長470nm、560nmおよび700nmのそれぞれの光に対する該非偏光部の吸光度は、0.001以上3.0以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
二色性有機色素を含む樹脂フィルムから構成され、
非偏光部を有し、波長470nm、560nmおよび700nmのそれぞれの光に対する前記非偏光部の吸光度が、0.001以上3.0以下である、偏光膜。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記樹脂フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂を含み、
前記二色性有機色素は、下記式(1)で示されるアゾ系染料、前記アゾ系染料の塩、前記アゾ系染料のキレート、または、それらの混合物から選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の偏光膜:
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26
127
(式(1)において、XおよびZのそれぞれは下記(2)~(13)に示す原子団を表し;Yは下記(14)~(29)に示す原子団を表し;mは0~6の整数を表す)
JPEG
2024146316000011.jpg
53
153
(式(2)~(13)において、Aは、H、OH、OR

、SO

H、NH

、NR

、NO

、COOH、COOR、NHCOR、または、直鎖構造、分岐構造、環状構造、2重結合、または、3重結合を含んでもよい炭素数1から12の炭化水素基を表し;Rは、直鎖構造、分岐構造、環状構造、2重結合、または、3重結合を含んでもよい炭素数1~12の炭化水素基を表し;nは0~5の整数を表し;oは0~4の整数を表し;pは0~3の整数を表し;qは0~2の整数を表し;rは0または1を表す)
JPEG
2024146316000012.jpg
108
153
(式(14)~(29)において、Aは、H、OH、OR

、SO

H、NH

、NR

、NO

、COOH、COOR、NHCOR、または、分岐構造、環状構造、2重結合、または、3重結合を含んでもよい炭素数1から12の炭化水素基を表し;R、n、o、p、qおよびrは、上記式(2)~(13)と同様である)。
【請求項3】
前記非偏光部における二色性有機色素の含有割合は、前記非偏光部を除く前記偏光膜における二色性有機色素の含有割合を100質量%としたときに、3.0質量%以下である、請求項1に記載の偏光膜。
【請求項4】
前記非偏光部におけるヘイズ値は5.0%以下である、請求項1に記載の偏光膜。
【請求項5】
前記偏光膜を85℃、85%RH(相対湿度)の環境下で8時間静置する湿熱試験の前後において、前記非偏光部におけるLab表色系の単相色相L値の変化量の絶対値が4.0以下であるか、または、前記非偏光部におけるLab表色系の単相色相a値の変化量の絶対値が2.0以下である、請求項1に記載の偏光膜。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の偏光膜と、
偏光膜の少なくとも一方の面に設けられている保護層と、備える、偏光板。
【請求項7】
樹脂フィルムを二色性有機色素によって染色する工程と;
前記二色性有機色素によって染色された樹脂フィルムを延伸する工程と;
延伸後の樹脂フィルムの一部に固体パルスレーザーによりレーザー光を照射して脱色して、非偏光部を形成する工程と;を含む、偏光膜の製造方法。
【請求項8】
前記レーザー光の波長が500nm~550nmであり、
前記固体パルスレーザーの出力が0.5W~100Wである、請求項7に記載の偏光膜の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光膜、偏光板、および、偏光膜の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置およびエレクトロルミネセンス(EL)表示装置(例えば、有機EL表示装置、無機EL表示装置)に代表される画像表示装置が急速に普及している。このような画像表示装置には、代表的には、ヨウ素を含む偏光膜が用いられている。また、画像表示装置の形状の多様化および高機能化に対応するために、部分的に偏光性能を有する偏光膜が求められている。そのような偏光膜の製造方法として、偏光膜の一部に少なくとも波長1500nm以下の波長の光を含むレーザー光を照射して脱色し、非偏光部を形成する技術が知られている(例えば、特許文献1)。しかし、このような方法より製造される偏光膜が備える非偏光部では、レーザー光の照射直後には脱色されるが、経時的に非偏光部が復色するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-81482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的とするところは、非偏光部の復色を抑制し得、非偏光部の優れた光透過性を維持し得る偏光膜、偏光板、および、偏光膜の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]本発明の実施形態による偏光膜は、二色性有機色素を含む樹脂フィルムから構成されている。該偏光膜は、非偏光部を有している。波長470nm、560nmおよび700nmのそれぞれの光に対する該非偏光部の吸光度は、0.001以上3.0以下である。
[2]上記[1]に記載の偏光膜において、上記樹脂フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂を含んでいてもよい。上記二色性有機色素は、下記式(1)で示されるアゾ系染料、該アゾ系染料の塩、該アゾ系染料のキレート、または、それらの混合物から選択される少なくとも1つを含んでいてもよい。
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(式(1)において、XおよびZのそれぞれは下記(2)~(13)に示す原子団を表し;Yは下記(14)~(29)に示す原子団を表し;mは0~6の整数を表す。)
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53
153
(式(2)~(13)において、Aは、H、OH、OR

、SO

H、NH

、NR

、NO

、COOH、COOR、NHCOR、または、直鎖構造、分岐構造、環状構造、2重結合、3重結合を含んでもよい炭素数1から12の炭化水素基を表し;Rは、直鎖構造、分岐構造、環状構造、2重結合、3重結合を含んでもよい炭素数1~12の炭化水素基を表し;nは0~5の整数を表し;oは0~4の整数を表し;pは0~3の整数を表し;qは0~2の整数を表し;rは0または1を表す)
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153
(式(14)~(29)において、Aは、H、OH、OR

、SO

H、NH

、NR

、NO

、COOH、COOR、NHCOR、または、分岐構造、環状構造、2重結合、3重結合を含んでもよい炭素数1から12の炭化水素基を表し;R、n、o、p、qおよびrは、上記式(2)~(13)と同様である)。
[3]上記[1]または[2]に記載の偏光膜において、上記非偏光部における二色性有機色素の含有割合は、上記非偏光部を除く偏光膜における二色性有機色素の含有割合を100質量%としたときに、3.0質量%以下であってもよい。
[4]上記[1]から[3]のいずれかに記載の偏光膜において、上記非偏光部におけるヘイズ値は5.0%以下であってもよい。
[5]上記[1]から[4]のいずれかに記載の偏光膜を85℃、85%RH(相対湿度)の環境下で8時間静置する湿熱試験の前後で、上記非偏光部におけるLab表色系の単相色相L値の変化量の絶対値が4.0以下であってもよく、上記非偏光部におけるLab表色系の単相色相a値の変化量の絶対値が2.0以下であってもよい。
[6]本発明の別の局面による偏光板は、上記[1]から[5]のいずれかに記載の偏光膜と;該偏光膜の少なくとも一方の面に設けられている保護層と;備えている。
[7]本発明のさらに別の局面による偏光膜の製造方法は、樹脂フィルムを二色性有機色素によって染色する工程と;該二色性有機色素によって染色された樹脂フィルムを延伸する工程と;延伸後の樹脂フィルムの一部に固体パルスレーザーによりレーザー光を照射して脱色して、非偏光部を形成する工程と;を含んでいる。
[8]上記[7]に記載の偏光膜の製造方法において、上記レーザー光の波長は500nm~550nmであってもよい。上記固体パルスレーザーの出力は0.5W~100Wであってもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、非偏光部の復色を抑制でき、非偏光部の優れた光透過性を維持できる偏光膜および偏光板を実現し得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は、本発明の1つの実施形態による偏光膜を含む偏光板の概略断面図である。
図2は、図1の偏光板を含む光学積層体の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の代表的な実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。また、図面は説明をより明確にするため、実施の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0009】
(用語および記号の定義)
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した面内位相差である。例えば、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した面内位相差である。Re(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Re(λ)=(nx-ny)×dによって求められる。
(3)角度
本明細書において角度に言及するときは、当該角度は基準方向に対して時計回りおよび反時計回りの両方を包含する。したがって、例えば「45°」は±45°を意味する。
(4)実質的に平行または直交
「実質的に直交」および「略直交」という表現は、2つの方向のなす角度が90°±10°である場合を包含し、好ましくは90°±7°であり、さらに好ましくは90°±5°である。「実質的に平行」および「略平行」という表現は、2つの方向のなす角度が0°±10°である場合を包含し、好ましくは0°±7°であり、さらに好ましくは0°±5°である。さらに、本明細書において単に「直交」または「平行」というときは、実質的に直交または実質的に平行な状態を含み得るものとする。
【0010】
A.偏光膜の概要
図1は、本発明の1つの実施形態による偏光膜を含む偏光板の概略断面図である。
偏光膜11は、二色性有機色素を含む樹脂フィルムから構成されている。偏光膜11は、非偏光部15を有している。波長470nm、560nmおよび700nmのそれぞれの光に対する非偏光部15の吸光度は、3.0以下、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.2以下である。一方、上記した光に対する非偏光部15の吸光度は、例えば0.001以上、好ましくは0.01以上である。なお、非偏光部の吸光度は、例えば、JIS K 0115に準拠して測定される。
詳しくは後述するが、非偏光部は、固体パルスレーザーによるレーザー光の照射により脱色された脱色部である。そのため、偏光膜が備える非偏光部の吸光度を上記の範囲に調整し得、非偏光部に優れた光透過性を付与し得る。また、偏光膜は、二色性有機色素を含む樹脂フィルムから構成されている。つまり、偏光膜は、ヨウ素とは異なる二色性有機色素によって染色されている。そのため、非偏光部を除く偏光膜に優れた偏光特性(光学特性;単体透過率および/または偏光度)を付与し得、かつ、非偏光部の復色を安定して抑制し得る。また、偏光膜が湿熱環境下(代表的には80℃80RH%以上)に曝されても、色相の変化を十分に抑制し得、非偏光部の優れた光透過性を維持し得る。
(【0011】以降は省略されています)

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